Bio Hazard Side <b>    作:白風 海斗

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「クリス、こっちだ。」

 

バリーの案内に従い、廊下の曲がり角を曲がり、扉の前に立つ。

「この部屋だ。」

 

不意にバリーこちらに向き直ると、手に持っていたコルトパイソンをレベッカに向けて発砲した!!

 

「バリー!?」

 

「よくやった。バリー」

 

そう言いながらウェスカーも後ろから銃を突きつけてくる。

 

「ウェスカー!? それにバリーどういう事だ!!」

 

 

「まあ バリーを責めるな、私の命令を実行しないと可愛い娘と妻の命が危うくなるそうだ。」

 

「よくも人ごとのように人質を取って置いて!!」

 

「気にすることはない、時期にみんなこの世からいなくなる。」

 

「何故こんな真似をした!?」

 

「此処では少々厄介な実験をしていてね、実際に事故を起こしたとなると世間の評価はがた落ちだ。

そしてその機密を嗅ぎ回るS.T.A.R.S.が厄介だった、アンブレラの意向さ」

 

「まるで虫けらだな、ウェスカー。

女王(アンブレラ)に従うだけしか頭脳を持たない、ここいらをうろつく化け物とおんなじた。」

 

「クリス……!!」

ウェスカーが激昂し、頭に銃をポイントする。

 

ドォン……

乾いた、低く響く銃に思わず目を閉じたクリスだったが、何時までも死は訪れない、肉を打つ音が聞こえ目を開くと、昏倒したウェスカーと、彼を殴り倒したらしきバリーが見えた。

 

「イェイ!!」

 

声が聞こえる方を見れば通路突き当たり、エレベーター前で大きく寝そべり、伏射姿勢でライフルを構えたブラッドが見えた。

どうやら彼がウェスカーの銃を撃ち抜き、その瞬間をバリーがウェスカーに殴りかかったらしい。

 

「無事か!? クリス!!」

ブラッドがこちらの安否を確認するが、それより今は……!!

 

「それよりもレベッカだ!! レベッカ、死ぬな!!」

 

倒れたレベッカを抱きかかえると撃たれた辺りを看ようとして……

 

「落ち着け、クリス、大丈夫だ。

俺が撃ったのは模擬弾だ、気絶しただけで問題は無い」

 

レベッカの無事を確認すると、タイミングを見計らい、再びバリーが口を開いた。

 

「いいか? クリス」「あっ、あぁ。 何だバリー」

 

「この部屋の中に奴曰わく究極の生物兵器があるらしい。

 そいつを確かめてやろうぜ!!」

 

「危険だ!! それよりも早くここから脱出するべきだ。」

ブラッドが反対意見を述べるが……

 

「おいおい、俺達は何だ……?

スクール チャイルド(小学生)の引率か?

そんな奴を生かして置くのがS.T.A.R.S.か?」

 

「あぁ…そうだろ!!」

 

クリスも乗り気だ………

 

「バリー、家族の事だけど…良いのか?」その心配はもっともだろう、しかし……

ふと、不安になったのか、クリスか心配そうに声をバリーにかける。

 

「大丈夫だ家族の旅行先、カマかけてみたんだが、な。」

髭面をなでながら、ニヤリと笑う

「何だよ、それ」

クリスは思わず苦笑した。

ブラッドはレベッカにジャケットを毛布のようにかけると、クリスやバリーに促されて“究極の生物兵器”のある部屋へと入って行った。

 

 

((やっぱりかーーーーーーーー!!))

俺は心の中で大絶叫していた。

 

せめてウェスカーに手錠か、無理なら止めを刺して置きたかったのだが、それをする間も無く、クリスに猫の子もかくやと首根っこ掴まれて実験室? に引っ張られて行った。

 

そしてやはり、バリーがコンピュータを弄り、タイラントを目覚めさせてしまうと、一撃で気絶させられてしまった。

 

最悪だ、最悪のジョウキョウダ。

 

ライフルを片手に距離を開けると、右胸から露出した心臓めがけてライフルの引き金を引き絞った。

 

スコープを使うまでもない、的は十分でかい。

 

クリスもマグナムを撃ち込むとものの数分でタイラントが沈黙した。

 

バリーを起こすと部屋からでる。

 

エレベーターを目指して角を曲がろうとした所、銃声一発、先頭にいたブラッドの胸に弾丸が直撃した!!

 

戦いの間に目を覚ましたらしいデコがレベッカの拳銃でこちらを撃ったのだ。

 

こちらもクリスやバリーが銃を向けるが一瞬早くエレベーターに飛び乗ったウェスカーに逃げられてしまった。

 

「ブラッド!! そんな……」

クリスの表情に落胆の色が浮かぶ…

 

「おいおい、人を簡単に殺し過ぎだ」

 

「ブラッド!? 大丈夫なのか!?」

 

「こんな事で死んじゃあミスターラッキーの名折れだ。」

 

そう、言いながら胸ポケットから取り出すはブローニングの壊れたスライド。

 

あの時に俺の命を救ったブローニングのスライドは再び俺の命を救ったのだ。

 

「お前………どんな運してるんだ?」

バリーは呆れて物も言えないようだ。

「知るかっ!!」

 

くだらない漫談をすると警報が鳴り響き、自爆装置が作動した事を告げる。

 

「ウェスカーか!?」

 

「クリス、ウェスカーの方を頼む!!

バリー、手を貸せ、レベッカを!!」

 

クリスはウェスカーの確保に動力室に

バリーと俺はヘリポートのヘリへ、レベッカを運ぶために揃って動き出した。


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