ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜   作:ガスキン

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第五十四話 人の夢を馬鹿にするなぁ!

スタッフさんの後ろをホイホイついて行ったら、さっきの待合室よりもさらに広い場所へ辿り着いた。

 

俺達がいる所からかなり高い所に席があり、そこに見るからに権力持ってそうなみなさんがふんぞり返って座っていた。彼らの後ろにも同じような感じで何人か座っていて、さらにその後ろにはサーゼクスさんとセラフォルーさんが座っていた。パッと見、大学なんかで見られる階段教室って感じだった。

 

懐かしいなぁ。一番後ろだとほとんど死角だから、何やってもバレなかったんだよな。ゲームしたり、マンガ読んだり、色々やってたヤツ等がいたっけ。

 

っと、今はそんな事はどうでもいいか。にしても、何だか嫌な雰囲気だ。お偉いさん方から向けられる視線は、明らかにこちらを見下している。これはいよいよ俺の予想通り、圧迫面接が始まるのだろうか。

 

俺も前世の就職活動中に一社だけやられたけど、あれはキツかった。「キレない。泣かない。口答えしない」が鉄則だったっけ。

 

今の所、リアス達は特に緊張している様子は見られない。あの年で大したもんだよなぁ。逆に、兵藤君なんかは落ちつかないのか、視線をうろうろさせている

 

・・・と思ったら、他の眷属の女性達に目を向けて鼻の下を伸ばしていた。あれが兵藤君なりの緊張の解し方なのだろうか。

 

俺も少しだけ目線を上にあげると、セラフォルーさんと目が合った。はにかみながら小さく手を振ってくれた彼女にちょっとだけ癒された。

 

そうしている間に、リアス達若手悪魔六人が一歩前に出た。・・・六人? あ、強姦魔もいるじゃないか。あの野郎、いつの間に復活しやがったんだ。顔がめっちゃ腫れてる。ザマァ。

 

「・・・まずはこうして集まってくれた事に感謝を。この会合は、次世代を担う若き悪魔である貴殿達を見定める為のものである」

 

真ん中に座っていた初老の男性が威厳に満ちた声でそう切り出した。なるほどね。そういう目的の為にここに連れて来られたってわけか。

 

「だがその前に・・・過去より蘇りし英雄殿に一言言わせて頂こうか」

 

ご立派なヒゲを生やした男性がそう言った途端、サーゼクスさん達を含めた全員の視線が一斉に俺に注がれた。そのプレッシャーたるや尋常ではない。前世の俺なら卒倒してただろう。

 

しかし! 今の俺はアル=ヴァン先生! これくらいでへこたれていては騎士(笑)の名折れというもの! 耐えろ! 耐えてみせろ俺!

 

「かつて貴殿は三陣営を救った。その事は我らも感謝している。だが、本来貴殿はこの場に存在する事は許されない事は理解して頂こうか」

 

「さよう。人間ごときがこの会合に立ち合うなど本来あってはならない事である」

 

「魔王様きっての願いにより、貴殿は同席を事を許されている。それを忘れぬ事だ」

 

おおう、いきなりかまして来たぞ。つまり、「魔王様が言うからいていいけど、余計な事すんなよ」って事ですかね? だけど、そんな事言われなくてもわかってますって。今回の主役はリアス達であって、俺はあくまでオマケなんだから。

 

「まあ、お三方。そこまで言わなくともよろしいではないか。フューリー殿。私の孫があなたのファンでな。後でサインの一枚でも頂けるとありがたいのだが」

 

隅っこの方に座っていたお爺さんが優しい声で宥める。圧迫面接なのにそんな優しい事言っていいんですか?

 

「さて、キミ達六人は家柄や実力を合わせて申し分無い次世代の悪魔だ。だからこそ、デビュー前に互いに競い合い、その力をより高め合っていって欲しい」

 

サーゼクスさんが六人にそれぞれ視線を向けながらそう口を開く。若者が互いに切磋琢磨するのはいい事だと思うけど、具体的に何するんだろう。

 

「我々もいずれは『禍の団』との戦に投入されるのですね?」

 

え、マジで? サイラオーグさん達もペロリストと戦うの? 止めた方がいいよ。特に女性陣とアスタロトさんは連中からしたら格好の得物になるだろうし。強姦魔は・・・むしろヤラれてしまえ。

 

「それはまだ何も言えない。だが、私としては、出来るだけ若い悪魔達は戦いに投入したくないと思っている」

 

だよな。流石サーゼクスさん。俺と同じ懸念を抱いているんだろう。妹まで変態の毒牙にかけられる恐れがあるんだから当然か。

 

「お言葉ですが、若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担っています。この年になるまで先人の方々から多くのご厚意を受けている身でありながら、何も出来ないとなれば・・・」

 

「サイラオーグ。その気持ちは嬉しい。勇気も認めよう。だが、ハッキリ言わせてもらえれば、それは無謀というものだ。万が一にも、キミ達を失うわけにはいかないのだ。次世代を担うキミ達は、キミ達自身が思っている以上に、私達にとってはかけがえのない宝なのだから。焦らず、ゆっくり、確実に成長していって欲しいのだよ」

 

厳しくも優しいサーゼクスさんの言葉に、サイラオーグさんも納得したのか、それ以上言う事は無かった。

 

にしても、今のサーゼクスさんの言葉には“重み”があったな。グレイフィアさんに殴られたりリアスをからかったりどこかひょうきんな部分があるけれど、やっぱり魔王様なんだなぁ。

 

それから、お偉いさん方の何人かが、冥界の歴史やら自分達の事やらを語り、サーゼクスさんがレーティングゲームについて色々説明をしたりして時間が過ぎて行った。

 

それらを後ろから眺めながら、俺は思った。マジで俺必要無くない? 冥界の事やらレーティングゲームの事やら、聞けば聞くほど自分が場違いな気がしてならない。サーゼクスさん、何の目的があって俺をここに連れて来たんだろう。

 

いっその事、オルゴン・クラウドで抜けだそうかな・・・。とか考えていたら、ようやくこの長かった会合が終わりに差しかかろうとしていた。

 

「さて、長い話に付き合わせてしまって申し訳無かった。これで最後だ。冥界の宝であるキミ達に、それぞれの夢や目標を語ってもらおう」

 

「俺の夢は魔王になる事・・・それだけです」

 

最初にそれに答えたのはサイラオーグさんだった。迷い無く、サーゼクスさんを正面から見据えながら堂々と言い切った彼の背中は滅茶苦茶カッコよく見えた。

 

「ほお、大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

 

って事は、もしその夢を実現したら、掛け値無しの偉業という事になるな。夢はでっかくか。・・・正に漢だな。

 

「私はグレモリーの次期当主として、これから先どんな困難が立ち塞がろうと、“誇り”だけは決して失わない様に生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝する事が近い将来の目標です」

 

二番手はリアス。家と誇りを大事にする彼女らしい目標だった。後ろに控えていた兵藤君の目が燃えている。きっと彼も今のリアスの言葉に触発されたのだろう。

 

それから、アガレスさん、アスタロトさん、強姦魔の順でそれぞれの夢や目標をサーゼクスさんに伝える。以外にも、強姦魔の夢がまともだった。最も、それでヤツを許すつもりはないが。

 

そうして、いよいよ最後の一人である支取さんが自分の想いを語り始めた。

 

「私の夢は・・・冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

 

学校? レーティングゲームの?

 

「レーティングゲームを学ぶ場所ならばすでにあるはずだが?」

 

さっきのヒゲ男爵が指摘するが、支取さんは淡々と続ける。

 

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行く事が許されない学校の事です。私が建てたいのは、下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔ての無い学び舎です」

 

差別の無い万人に開かれた学校か。・・・もの凄く立派な夢じゃないか。まだ若いのにもう次代の教育の為に尽力しようとするなんて、支取さんらしいな。

 

きっと支取さんはいい先生になるんだろうな。教え方も上手いし、それこそ、さっきサーゼクスさんの言った“宝”である子ども達の実力が増せば、冥界の為になるんだろうし。

 

頑張れ、支取さん。俺はキミの夢を応援・・・。

 

「「「はははははははは!!!」」」

 

感動していた俺を現実に戻したのは、けたたましい笑い声だった。声の正体は、嘲笑を顔に張り付けているお偉い方。

 

「それは無理だ!」

 

「これは傑作だ!」

 

「なるほど! 正に夢見る乙女というわけですな!」

 

「若いというのはいい! しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がそのような夢を語るとは! ここがデビュー前の顔合わせの場でよかったというものだ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ?

 

「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。その様な養成施設を作っては伝統や誇りを重んじる旧家の顔を潰す事となりますぞ?」

 

「さよう。悪魔の世界が変革の時期に入っているのは我々も認めている。だが、変えていいものと悪いものの区別くらいはつけてもらいたい」

 

「たかが下級悪魔に教育など、悪い冗談としか思えんな」

 

んー? 俺の耳がおかしくなってなかったら、コイツ等、今、支取さんの夢を馬鹿にしやがったのか? あんなすばらしい夢を? そっちから夢を聞かせろとか言いやがったくせに?

 

・・・ザケンナ。

 

圧迫面接である以上、キツイ事を言うのはわかる。だけど、その人の持つ大切な夢を侮辱するなど、面接以前に人として絶対にやったら駄目だろうが・・・!

 

叶うなら今すぐ叫びたい。謝れと。支取さんの夢を馬鹿にするなと。だが、悲しいかな。俺は部外者。それに、ここに来る前にリアスから平常心でいろと言われている。

 

なので、せめてもの抵抗とばかりに、さっき笑いやがった連中に向かってメンチビーム(妄想)を放ってやった。するとどうだろう、見る見る内に連中の顔が青ざめ始めたでは無いか。

 

それどころか、他の皆さん、さらにはリアス達までもが同じように顔を青くしている。どうしたんだろう。誰かエアコンの温度でも下げたのかな?

 

SIDE OUT

 

 

サーゼクスSIDE

 

ソーナ君の夢。中々に興味深い物だった。もしも本当に彼女が言う学校を建てられたら、今よりももっと悪魔の可能性は広がっていくだろう。

 

しかし、彼らには困ったものだ。この会合の目的を忘れてしまったのだろうか。若手の夢を笑うなど許されない事だ。これで彼女が折れてしまったらどう責任を取るつもりなのだろう。最も、ソーナ君に限ってそれは無いだろうが。

 

隣に座るセラフォルーなんか今にも彼らに噛みつきそうだ。割とシャレにならないので、そろそろ終わりに・・・。

 

―――その瞬間、ソーナ君の夢を笑った者達の首に剣が突き付けられた。

 

「「「ッ!?」」」

 

誰もが目の前の光景に目を見開く。もちろん、剣は本物では無い。“彼”の放った強烈な殺気が、幻影となって現れたのだ。

 

所詮は幻・・・とはとても言えない。濃厚な殺気は、下手をすればそれだけで対象の命を奪い取ってしまう。光を反射して輝く刀身は、触れる物全てを一切の容赦無く斬り裂いてしまいそうだ。

 

リーア達が皆例外無く震えている。離れている僕ですらこれだ。傍にいるあの子達がああなるのも無理は無い。むしろ、よく気絶しないものだ。

 

殺気の正体である“彼”・・・神崎君は、かつて無い程の鋭い視線を彼らに向けていた。彼は怒っているのだ。先程、自分に対して色々言われた時には全く動じていなかった彼が、友の夢を侮辱された事に対し、その感情を静かに爆発させていた。

 

彼らは神崎君を・・・フューリーを侮り過ぎたのだ。所詮は人間? 過去の人物? それはとんでもない思い違いだ。彼がその気になれば、ここにいる者達など、数秒も経たずに殺されるだろう。

 

闘争の世界で戦い続けた騎士。彼の世界では理不尽に夢を奪われるなど日常茶飯事だったのかもしれない。だからこそ、夢を持つ者を想い、それを侮辱する者は許せないのだろう。

 

それに、以前リーアも言っていた。

 

『夢に大きいも小さいも無い。どんな夢だって、その人にとってはかけがえの無い物だ』

 

神崎君から言われたというその言葉が、彼が夢というものをどれだけ大切にしているのかを証明している。

 

「フュ、フューリー・・・殿。何か言いたい事でも?」

 

先程までの高圧的な態度を一変させ、一人が尋ねる。だが、神崎君は答えない。その代わり、僕の方へ視線を向けて来ていた。それが発言の許可を求めているのだとすぐにわかった。

 

頷く僕に、神崎君も頷きながらついに口を開いた。

 

「別に何も。ただ、今の支取さんの素晴らしい夢のどこに笑う要素があったのか気になっただけです」

 

落ちついた口調は、逆に恐怖を増幅させる。現に、目を合わせられた一人が大量の冷や汗を流している。

 

「若手は“宝”・・・。そう言ったのはそちら側ですよね? その“宝”の夢を笑うとはどういうつもりですか? それに、支取さんの夢は彼女だけでなく、悪魔全体の為になるものじゃないんですか?」

 

「そ、それは・・・」

 

「もちろん、伝統も誇りも大事なものだと承知しています。長い時の中で築かれていったであろうそれらを捨てる事が難しい事もわかっています。だからと言って、新しい可能性を潰す権利は誰であろうと無いんじゃないですか?」

 

そこで一度言葉を切り、神崎君は無表情だった顔に怒りを込めて再度口を開いた。

 

「色々言わせてもらいましたが、俺が真に言いたいのはこれだけです」

 

―――俺の大切な友人の夢を侮辱した貴様等を、俺は絶対に許さない。

 

そう締めくくった神崎君が下がる。

 

誰も言葉を発せない。殺気の剣は未だ消えていない。もし、これからの対応を間違えれば、彼らは間違い無くその命を散らされるだろう。

 

「フューリーさん・・・。ありがとう」

 

セラフォルー。嬉しいのはわかるが、今は彼らの心配をしてあげなさい。

 

僕達が固唾を飲んでも守る中、動いたのは彼らだった。

 

「・・・ソーナ・シトリー殿」

 

「はい」

 

名前を呼ばれ、一歩前に出たソーナ君に対し、彼らは迷い無く頭を下げた。

 

「無礼を詫びよう。フューリー殿の言う通り、どんな夢であろうとそれを否定するなどあってはならなかった。応援する事は出来ないが、金輪際、貴殿の夢を笑う事はしないと誓う」

 

まさか謝られるとは思わなかったのか、ソーナ君の表情が驚きに染まる。そしてその直後、幻影の剣が静かにその姿を消していった。どうやら、今の対応が“正解”だったようだ。

 

ひとまず・・・一件落着だろうか。では、落ちついた所で、一つ提案をしてみようかな。

 

サーゼクスSIDE OUT

 

 

IN SIDE

 

・・・なんか、気付いたらお偉方が支取さんに謝ってた。その過程の記憶が無いって事は、もしかしなくてもまたプッツンしてしまったのかもしれない。俺ってこんなに怒りっぽかったっけ?

 

謝罪タイム終了後、サーゼクスさんから提案により、リアスと支取さんでレーティングゲームをする事になった。予定は人間界の時間で八月二十日。

 

リアスも支取さんもやる気満々だった。二人にはぜひとも頑張って欲しい。可能なら俺も当日に応援に行きたいけど・・・。

 

その他細々とした説明が済んだ所で、会合は終了した。なんか、数人のお偉方が気分が悪いと言って早々と退散していった。その中には、支取さんを笑った連中も入っていた。

 

アスタロトさんや強姦魔が会場を後にする中、リアス、支取さん、サイラオーグさん、そしてアガレスさんが輪になってそれぞれ会話していた。

 

「リョーマ・・・。あれだけ念押ししたのに、やってくれたわね」

 

リアスが呆れたように溜息を吐く。心外だ。メンチビームを放った以外、俺は特に何もやってないよ。・・・プッツンした後は知らんが。

 

「サーゼクス様のおっしゃった通りだ。俺も井の中の蛙だったという事か」

 

サイラオーグさんが含みのある笑みを向けて来た。うん、さっぱりわからん。

 

「で、でも、俺、嬉しかったッス。先輩が会長の夢を守ってくれて」

 

匙君が涙目で俺を見つめて来る。彼は支取さんの事を凄く尊敬してるから、悔しかったんだろう。

 

「そうですね。神崎君、先程はありがとうございました」

 

微笑む支取さん。そんな彼女に、俺はかつての恩師の言葉を伝える事にした。いつも熱くて、生徒の事を第一に考えていたあの人の、”若手”に相応しいあの言葉を。

 

「・・・夢にときめけ。明日にきらめけ」

 

「え?」

 

「俺の恩師の言葉だ。支取さん。誰がなんと言おうと、キミの夢は素晴らしいものだ。キミならいつかきっと立派な学校を建てられると信じている。微力かもしれないが、俺に役に立てる事があるならばいつでも声をかけてくれ。何でも協力するから」

 

心からの応援を込めた笑顔で支取さんにそう告げる。

 

「ふふ、その時はぜひお願いしますね。それと今の言葉、学校を建てた暁には、標語に使わせてもらって構いませんか?」

 

「それはいい。あの人も喜ぶよ」

 

「それじゃ、私達もそろそろ帰りましょうか。ソーナ、次はゲームの会場で会いましょう」

 

「ええ。その時を楽しみにしています」

 

最後に握手を交わすリアスと支取さん。そうして、会場を出ようとした俺達・・・正確には俺をアガレスさんが引き止めた。

 

「あの、神崎様。冥界ではどちらにお住まいに?」

 

「リアスの実家にお世話になっていますけど」

 

「で、では、いずれグレモリー家に使いを出しますので、その時はぜひとも我が家にお越し頂けないでしょうか。その・・・私の作品を見て頂きたいのですが」

 

お、それってさっき言ってたプラモの事か? それは是非とも見たいな。

 

「わかりました。楽しみにしていますね、アガレスさん」

 

「は、はい!」

 

そんなに嬉しそうにされるとこっちも嬉しい。ひょっとして、誰かに作品を見せるのが初めてとか?

 

「行くわよ、リョーマ!」

 

リアスに強引に腕を組まれ、俺はアガレスさんをその場に残し、会場を後にした。

 

「もう、あなたのそうやって呼吸するように口説く癖、治して欲しいわ」

 

リアスの小さな呟きは俺の耳に届く事は無かった。




オリ主の人外化が加速する一方だ。

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