ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜 作:ガスキン
それと、やっぱりグレイフィアは難しいです、その代わり、別の年上女性を落としますのでご勘弁を・・・。って、あれ? D×Dの登場人物ってほとんど年上じゃね? 見た目じゃなくて年齢的に・・・。
「うわぁ、素敵な所ですね~!」
「ふふ、ありがとう、アーシア」
木造建設された別荘の外観を見上げ感想をもらすアーシアに、グレモリーさんが柔らかな笑みで礼を口にする。いやね、確かにいい所だと思うよ。けど、今はどうして俺達がこんな所にいるのかが重要だよね? よろしい、では回想だ。
Q:あなた達がここに連れて来られた理由を四行以内に纏めなさい。
A:グレモリーさんには婚約者がいた。
けれど、グレモリーさんが大学を卒業するまでは彼女の好きなように過ごさせてあげるという話になっていた。
そのはずだったのに、その婚約者が突然やって来て強引に話を進めようとした。
話が違うと激おこグレモリーさん。ならば、ゲームで勝負して自分が勝ったら婚約自体を無かった事にしてもらうと啖呵をきる。
相手がOKしてくれたので、これからそのゲームに勝つ為に合宿をとり行います! なのでお前らも来い!
…四行は無理でした。けどまあ、そんな事は些細な事さ。それよりも、婚約者か。グレモリーさん、お嬢様っぽいなーとは思っていたが、そんなのまでいたのか。
だけど、将来の相手を決めるのにゲームで勝負って。しかもわざわざ合宿まで。悪魔って色々凄いんだな。
『グレモリーさんドッキリ勘違い事件』から二日後、彼女は改めて俺の家にやって来た。その時はちゃんと玄関から入って来たけどな。そこで開口一番、先程の回答の内容を語り、あれよあれよと準備をさせられたのだ。
ゲーム自体は彼女の眷属…オカルト部のメンバーしか参加出来ないらしい。なら俺達いらなくね? と言いたくなったが、グレモリーさん曰く、手伝って欲しい事があるとの事だった。
俺としては、協力出来る事があるのなら参加してもよかった。アーシアも同じ意見だったが、そうなると一つだけ問題があった。それは我が家の癒し担当こと黒歌の事だ。合宿で家を空けている間家に一匹だけとなる黒歌が心配だった。
けれど、それも近所の知り合いに世話を任せるという事で解決した。知り合いって誰かって? 何を隠そう、山田先生その人である。
いやあ、数か月前に偶然知ってからちょくちょく近所付き合いさせてもらっているけど、こういう時ありがたいよな。事情を説明すると、「はい、任せてください! 私も猫ちゃん好きですから!」とその豊満な二つの果実を揺らしながら引き受けてくれた。
別れ際、しばらく会えなくなるからと、念入りに撫でまくってあげた。なんか、最後の方でトローンとした目でひくひくしてたけど…やり過ぎたか?
そんなこんなで、俺とアーシアはオカルト部の合宿の拠点であるこの別荘へとやって来たのだ。今の説明でわからなかった者は後で別荘の裏に来なさい。
「はひ…はひ…」
隣で兵藤君が、背中に冗談と思えるような量の荷物を背負いながら苦しそうに喘いでいた。ふもとまではあの時、グレモリーさんが俺の部屋に現れた光…転移魔法であっという間に移動出来たが、そこからは山道を歩いて登る事となった。魔法かぁ…。いいな、俺も使えたり…しないですよね。
途中、疲れた様子のアーシアを背負ってあげたり、それに便乗した姫島さんをお姫様抱っこで運んだり(からかうつもりが本気にされて恥ずかしかったのか顔が赤かった)しながら、結構な時間が経った頃、俺達はようやく目的地へと辿り着いたのだった。
「それじゃ、私達は着替えてくるわね」
リビングに荷物を置き、女性陣が着替えの為に二階へと上がって行く。それに続いて木場君もジャージを持って奥の方へ歩いて行く。
「先輩。イッセー君。僕も着替えて来るから」
「わかった」
「あ、ああ。俺はもうちょっとここで休んでる」
「覗かないでね」
「そのイケメンフェイスふっ飛ばしてやろうか!?」
おおう、兵藤君がマジギレしてる。そりゃあ、男にまで手を出すと誤解されたらキレたくもなるわな。しょうがない、俺だけでも彼を労わってあげよう。
「兵藤君。気の済むまで扇いであげようか?」
確か、荷物の中に扇ぐのに使えそうな物があったはずだ。
「…俺の味方は先輩だけです」
時間にして十分くらいだろうか。俺は兵藤君の汗が完全に引くまで全力で扇いであげた。おかげで腕がパンパンだぜ。あ、このネタ二回目か。
それから、着替えの為にその場を離れ、再び戻った時には既に全員が集まっていた。メンバーの顔を見渡し、グレモリーさんが手を叩きながら口を開いた。
「それじゃ、早速修業を始めましょうか」
「その前にいいか? 具体的に、俺達は何をすればいいんだ?」
雑用とか任せてもらってもいいけど、それだけだとどうしても時間が余ってしまう。俺達だけ何もしないっていうのも気が引けるというか…。
「そうね…。神崎君、あなたには祐斗と小猫の修行の相手をしてもらいたいの」
はい? 俺が二人の修行の相手? この騎士(笑)がですか? へへへ、冗談きついぜ。
「一人で大勢のエクソシスト達を圧倒するあなたなら、きっと二人のいい刺激になると思ったの。何か気付いた事があったら遠慮無く言ってあげてちょうだい」
「よろしくお願いします、先輩」
「…お願いします」
あ、マジなんですね。殺る気…じゃなくて、やる気満々な二人の顔を見て逃げ道が無い事を悟る俺。
「あの、私は…」
「アーシア。神器を持つあなたも修業してみなさい。お節介かと思ったけど、あなた一人だけ不参加っていうのも寂しいと思ってこの場に呼んだのだから」
「あ、そういう事だったんですね。ありがとうございます、部長さん!」
「…それに、こっちの都合で神崎君と離れ離れにしちゃ悪いもの」
「はわっ!?」
何言ったんだ、グレモリーさん。アーシアの顔がトマトになってるぞ。けど、修行かぁ。俺じゃどうしようもないし。ここはアル=ヴァン先生の出番だな。
「わかった。ならば、まずは木場君。キミから始めようか」
アル=ヴァン先生は教えるのも上手。だって先生だもの。…いや、俺が勝手に呼んでるだけですけどね。
各々修業を開始する中で、俺と木場君は木剣を手に広場で向かい合っていた。
「ようやく先輩の実力をこの目で見れるんですね。ちょっとワクワクしてます」
止めて! そんな期待されても困るだけだから! 仕方無い。予定通り、ここはアル=ヴァンモードを発動するしかない!
「それじゃ…行きます!」
感触を確かめるように軽く剣を振るった次の瞬間、木場君が突っ込んで来る。速い! あのクレイジー神父と同じ…いや、それ以上だ!
正面からの鋭い突きを、剣を下から打ち上げるようにして逸らす。カツン! と木剣同士がぶつかる音が辺りに響き渡る。それでも木場君は止まらない。反動を利用して振り下ろし、バックステップして避けた俺に再び突き。さっきと同じ対処をしようとした俺の動きを読んだのか、一瞬動きを止める。タイミングを誤った俺の腹に、一閃が叩きこまれるかと思ったその瞬間、俺は足で木場君の剣を受け止めた。
「なっ!?」
大きく目を見開く木場君。きっと、純粋な剣の勝負が出来ると思ったんだろうな。でもゴメンね。アル=ヴァン先生の戦い方は、剣だけじゃなく、体術も組み合わせたものだから、それをトレースする俺もバンバン足技とか使うんでそこんところよろしく。
心の中で謝る俺の前で、一度距離をとる木場君。どうにも申し訳なかったので現実でも謝る事にした。
「すまない。あまり修行にならないかもしれないな」
「いえ、むしろそんな変則的な動きを相手にした方が色々身に付けられそうです。…それにしても、小手調べの域に過ぎませんでしたが、僕の動きに完全について来られるなんて…。ふふ、やはり先輩は面白いですね」
熱っぽい視線を向けて来る木場君。それってただ感心してるだけですよね? それ以外に何も無いですよね? BでL的な感情じゃないよね? キミの様子見てると、割とシャレにならないと感じる時があるんだけど。
「さあ、先輩! これからもっと激しく僕と突き合いましょう! 大丈夫、痛いのも、怖いのも最初だけですから!」
もうキミ絶対狙って言ってるよね!? 咄嗟に尻を押さえた俺を誰が責められようか! いや、攻め(誤字にあらず)られる筈が無い!
「では先輩! 次はあなたから攻めて来てください! どれほどのものであろうと絶対に受け止めてみせますから!」
ひいぃ!? だ、駄目だ! ビビるな俺! 呑まれるな! 気合いを入れろ! 気分はそう…どこぞのエリート兵の如く! やってやる! やってやるぞぉ!
一時間後、その場にはやり遂げた顔で剣を天高く掲げる俺と、その近くで地に伏せる木場君の姿があったとさ。めでたしめでたし。…じゃねえよ!
俺…この合宿の間、変な階段上ったりしないよね? 初日からこれじゃ先が思いやられ過ぎて俺の胃がストレスでマッハなんですけど。
とりあえず…木場君連れて帰ろう。後の事は後で考えればいいのだから・・・。
この私が書いてる時点で、まともな修業をするわけがないんですよ。何故それがわからないんですか。
戦闘描写だって書けやしない。やっぱり私はライフルぶっ放してる方が似合ってるって事ですね。
体術云々は私の捏造です。ソードもクローも使えるならきっとそれを組み合わせて戦えると思ったので。・・・って事は、その二つのファイナルモードも同時発動可能? いや、それはいろいろヤバいな。主に食らった相手の命が。