七月末までなのでまだの方はお早めに!
武偵高の校門に着いた。
遅刻を覚悟していたが時計を見ると時刻は8時10分だった。
アリアと金次はまだ着いていない。
小太郎は多分もう着いてると思う。
アリア達と一緒じゃないのは理由がある。
金次の馬鹿がアリアの車に一人だけ乗りやがったせいで俺と小太郎は走って武偵高まで行くことになったからだ。アリアの車は2人乗りだからな。
おかげで俺と小太郎は瞬動術で公道を爆走してきた。
小太郎は「これも修業の一つや〜!」とか言って一人俺を置いて爆走して行ったけどな。
小太郎ほど
結論から言うと大成功だった。
武偵高まで行く道を自転車で行くより早くつけるショートカットをついに見つけた。
この道の情報を
今度情報科の
そんなことを思っていると制服の胸ポケットに入れている俺の携帯がなった。
発信者は
電話に出ると。
「もしもし?」
「おはようございます八神さん」
「おはよう!茶々丸さん」
「朝からお元気そうで何よりです。マスターから伝言を預かってます」
「ゆ、雪姫から…⁉︎」
俺に緊張が走る。
雪姫、この名前は武偵高生で知らない奴はいない。
三大危険教師の一人だからな。
「はい。一般科目が終わったらすぐにSSRのマスターの部屋に来るように、と。
遅れたり、
では八神さん…お気をつけて!」
「ちょっ、
茶々丸さんからの電話は切れてしまった。
血を吸うとか雪姫相当ヤバイじゃん。
うわ〜。ろくな目にあわない予感が半端ねぇ。
昨日から俺、ろくな目にあってないじゃん。
アリアと雪姫のWパンチとか無理ゲーすぎる。
「不幸だ________‼︎」
俺の叫び声は武偵高の校舎の中まで響いたらしい。
結局遅刻してきた金次とアリア、それに小太郎は校門の前で待ち構えていた蘭豹に見つかったらしく、3人共蘭豹の
金次やアリアはともかく小太郎が何故遅れたのか気になって理由を尋ねると小太郎は俺の先に行った後、白いスーツを着た紳士に声をかけられ勧誘されていたらしい。
その紳士は右手にステッキを持っていて、黒髪で自らを
小太郎は着いてくればさらに『強くなれる』と言われ迷ったみたいだがその誘いを断ったらしい。
なんで断ったのか理由を尋ねると。
「いや、断らなかったら『夏美先輩』が怒るやん」と言った。
「ああ…夏美先輩怒らしたら怖いからな」
小太郎の
彼女はこの世界だと俺の一つ上の学年で
ある
彼女は
彼女の他にも
俺の部屋の
差出人は
文面は一言だけ。
『屋上に来い!』とだけある。
どこの屋上とか書いてないが雪姫が示す屋上なんてあそこしかない。
俺は昼食を誘ってきた金次や不知火、武藤らに断りを入れて
SSR棟に着き、何故かトーテムポールが柱になっている階段を上り、何故か魔法陣が描かれた屋上のドアを開けると屋上には
慣れた手つきでログハウスのドアをノックすると中から小さな女の子が出てきた。
「ケケケ。ヒサシブリダナー。クルノガオソイカラコチラカラコロシニイクトコロダッタンゼー!」
女の子と思った物はよく見ると人形で手には出刃包丁を握っている。
「よお、元気そうだなー。
「ケケケ…オレハゲンキダゼ!
ゲンキスギテイマスグオマエヲキリキザンデヤリタイクライダ」
「おー。怖い、怖い」
相変わらずの
製作者に似て口調と性格が悪いんだよな。
「誰の性格が悪いんだ?」
俺の思考を読んだのか部屋の奥にいるこの家の主がそう尋ねてきた。
「ケケケ。ババアガオイカリダゼ!
キョウハドンナイジメヲスルノカタノシミダ」
チャチャゼロがそう言うが俺は全然楽しくない。
「ふん。タカミチのぼーやから聞いたぞ。
お前を奴隷にしたがっている身のほど知らずの女がいるみたいだな」
椅子に胡座をかいて座るその
名をエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルという。
金髪ロリ
「今日はその姿のままなんだな……
この世界の吸血鬼、ブラドやヒルダ達とは種がまた違うようだ。
詳しくはわからないが彼女は10歳の誕生日に何者かに吸血鬼にされ、現代まで裏の世界で生きてきたらしい。
「貴様はどうやら
この姿の方が嬉しいんだろう?」
「人をロリコン扱いするな!」
誰だそんなことを雪姫に言った奴は。
「おやおや、おかしいな〜。タカミチのぼーやから聞いた話や茶々丸が録ったデータでは幼児体型の神崎・H・アリアの服を脱がせたとあったが…」
「あれは誤解だ!」
くっ、よりによって雪姫に知られるなんて…。
元はといえば金次のせいだ。金次の馬鹿は後で殺す。
「で、使ったのか?」
雪姫が椅子から立ち上がり俺の目の前にくると俺のワイシャツのボタンを外しはじめた。
「ちょっ…何を⁉︎」
「黙っとれ!」
雪姫は俺の身体に触れると何かを確認するかのような動作で俺の身体中を触りはじめた。
「なっ⁉︎」
「腕に力を魔力を集めろ!」
言われた通りに魔力を集中させると…。
「ふん。ずいぶんと
俺の腕や背中に現れている
「やはり、貴様は…」
雪姫は何やら呟いたが声が小さくて最後まで聞こえなかった。
「何か言ったか?」
「何でもないわ!」
そう言った雪姫に押し倒された。
雪姫のその綺麗な顔が近づく。
……ッ⁉︎
な、何赤くなってんだ俺の顔。
ゆ、雪姫だぞ⁉︎幼女に見えて中身600歳の婆さんだぞ⁉︎
落ち着け、落ちつけ、俺。
「光。実はな…お前にずっと…ずっと伝えたい事があったんだ」
雪姫がその綺麗な顔を俺の口先数cmまで近づけてきた。
な、なんだよ?なんで雪姫あんたまで顔を赤く染めているんだよ?
「ずっと言おうかどうか迷っていたが……もう我慢できん」
え?え?なんなの。
入っちゃた?雪姫ルート入った?
雪姫の顔が俺の唇に近づき俺は全ての行為を彼女に任せる為に瞳を閉じた。
まだか、まだか?さぁ、雪姫かも〜ん。
峰不二子に対するリュパン3世の心境で雪姫がするのを待った。
「うむ。では……
「…ッ⁉︎」
雪姫の唇が俺の
「あぎゃあああああ」
チュ〜〜〜〜とされ続け、俺の意識は暗闇の中に沈んでいった。
「はっ⁉︎」
目を覚ますと俺は雪姫の家のベッドで寝かされていた。
首筋に手を当てると傷跡はなかった。
どうやら夢をみてたらしい。
「起きたか」
部屋に入ってきた雪姫は変化していた。
背は高く、胸もいつものちっぱいではなく巨乳になっていて顔つきも大人になっている。
年齢詐称薬を使ったようだ。
「やはりお前の血は美味かったぞ!
傷跡なら心配するな。
そういう問題じゃねぇだろ!とツッコミたかったがなんか突っ込んだら負ける気がした。
「もうロリは飽きたのか?」
そう聞くと雪姫は。
「お〜や〜。ロリコン好きの光君はあっちの私の方がいいのかな〜」
意地の悪い笑顔を浮かべてそんなことを言ってきやがった。
「違げぇよ⁉︎」
俺はロリコンじゃない。じゃないよな?
なんだか不安になってきた。
「不治の病
自信がないのは最近、アリアや雪姫みたいなひんにゅー幼女に絡まれてるからだ。
「ははは……まぁそういうことにしといてやろう。
ところでもう『アレ』は使えるようになったのか?」
雪姫が言うアレとは『千の雷』のことだろう。
「なわけないだろ!無理難題すぎる!
もっと取得難易度が低い誰でも使える強力な魔法を教えろよ!」
「は?取得難易度が低い誰でも使える強力な魔法?
そんな魔法はない!
「いや、あんたそれテキトーに言ってるだろ⁉︎」
なんだよ、わずかな勇気って。
「勇気より力だ!」
「馬鹿か貴様は。
本当の魔法を理解できないとは情けない。
私はそんな風に貴様を育てた覚えはないぞ?」
「俺もあんたに育てられた覚えはねぇよ!」
虐められたことしかねぇ!
「いいだろう。
私直々に教えてやろう。
この最低、最悪で最強の『不死の魔法使い』!
『