闇の魔法を使える武偵っておかしいか?   作:トナカイさん

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装填6 前門の虎、後門の狼⁉︎

アリアが金次相手にイチャついてる(バリツをかけてる)間、俺は夕飯の支度を始めることにした。

料理はそこそこできる。

同じ寮の同居人や雪姫先生が家事を全くしないせいで、家事スキルは転生前と比べてメチャクチャ上がった。最初こそ、ハンバーグ焼こうとして家を焼きそうになるくらい酷かったが今ではハンバーグ、餃子、焼き魚、煮物、カレー、シチュー、串焼き、パスタ、ロールキャベツ、桃まんはレシピ本なしでも作れるくらい上達した。

作れる料理に桃まんが入ってるのは雪姫が最近になってハマり、模擬戦と腕相撲で負けた罰ゲームで作り始めたのが原因だ。

作れるようになる為にわざわざ松本屋で桃まん製造のバイトまでした。苦労の末桃まん製造課程修了証(桃まん検定1級)なる物を松本屋の社長さんから貰い、いつ雪姫が来てもいいように雪姫用に冷蔵庫に大量の桃まんを作っておいたが桃まん中毒患者(アリア)の来襲により備蓄は無くなってしまった。

 

「はぁ〜…また桃まん作らないとなー」

溜息を吐きながら今日の夕飯の献立を考える。

冷蔵庫を覗くと、人参、ジャガイモ、タマネギ、豚肉が入っている。

今日はカレーに決まりだ!

「アリアと金次。お前ら夕飯は?」

念のために確認をすると…

「お腹空いた〜。

なんかないの?」

金次とじゃれあっていたアリアが金次から離れて、ソファーの手すりに身体をしなだれかけながら聞いてきた。

その女っぽい仕草に、ドキドキしてしまった俺は顔を逸らしてアリアに答えた。

「今作るよ!

カレーならできるけど食ってくか?」

そう言うとアリアは、ちょと驚いた顔をしながら話かけてきた。

「アンタ、料理できんの?」

『コイツ、料理できんのか?』みたいな失礼極まりない顔で俺を見るアリア。

「その言い方は失礼だぞ。簡単な料理なら作れる!

さすがに凝った料理はできないけどな…」

「凄いじゃない!うん。うん。さすがあたしのど…じゃなくてパートナーね!

アンタやればできるじゃない!それに比べてこっちの奴隷は…」

俺を奴隷と言いかけて慌てて訂正したアリアは俺を褒めた(?)後、俺と同じパートナーのはずの金次に視線を向けるや否ややる気のない金次に対して怒りはじめた。

「キンジアンタ、少しはミツルを見習いなさい!

料理が無理ならせめて言われる前に桃まん買いに行くくらいしなさい!」

「誰が行くか‼︎」

金次がアリアに突っ込んだ。

さすがツッコミスター金ちゃん(笑)

いいコンビだな。この2人。

 

などとアリア&金次が夫婦漫才をしている間に、料理(カレー)ができあがった。

皿に盛り付け、冷蔵庫に入ってたレタスとトマトとツナ缶で簡単なサラダも作りテーブルに並べた。

「わぁ〜。いい匂い。美味しそうなカレーじゃない」

「へぇ〜意外に家庭的なんだなー」

「カレーだしな。このくらい誰でもできるだろ?」

たかがカレー。だけど褒められれば悪い気はしない。

「じゃあ食うか!」

 

「「「いただきます‼︎」」」

 

 

食事を始めると皆無言で料理(カレー)を食べる。

アリアには辛かったみたいで金次に水を要求している。

中辛にしたがアリアは甘口派だったみたいだ。

見た目と同じで味覚も子供っぽいようだ。

食事を終え時計を見るともう8時半をまわっている。

そろそろ同居人も帰ってくる時刻なのでアリアにいつ頃帰るのか聞いてみた。

「なあ、アリア。外暗くなってるけどいつ頃帰るんだ⁉︎」

原作を知っている俺は自身にあのイベント(・・・・・)が降りかからないようにアリアが帰ることを期待して聞いてみた。

「言ってなかった?今日泊まるから」

_____は⁉︎

俺の頬が痙攣でも起こしたかのように引きつる。

「ちょ……ちょと待て!何言ってんだ!絶対ダメだ!帰れうぇっ」

驚きのあまりちょとリバースしてきたカレーが喉からでかかった。

「うるさい!泊まってくたら泊まってくから!」

おいおい……どうなってんだ女神様よ?

原作ブレーカーしすぎだろ⁉︎

どうしてこうなった?

 

「_____出てけ!」

これは俺のセリフではない。

無論金次のセリフでもない。

俺が言うべきセリフを、アリアが先に叫んだんだ。

「な、なんで俺達が出てかなきゃいけないんだよ!ここはお前の部屋か!」

金次がアリアに不満を言うがアリアは…

「分からず屋にはお仕置きよ!外で頭冷やしてきなさい!しばらく戻ってくるな!」

ぎぃー!と両拳を振り上げて、アリアは俺達に猫っぽい犬歯をむいた。

 

 

 

寮の部屋を追い出された俺達は近くのコンビニへ向かうことにした。

「なあ、光。なんで俺達が追い出されてんだ?」

コンビニまでの道を歩いていると隣を歩く金次がそんなことを聞いてきた。それは俺が聞きたい謎の一つだ。

「知らん。俺に聞くなよ…」

朝からアリアにまとわりつかれて俺の心労は溜まる一方だ。

「っていうか、あそこ俺の部屋じゃないんだし帰って…あだだだ、腕が…腕があり得ない方向に曲がってる⁉︎」

帰る?帰るの?還りたいんですか?の三段活用?

「一人だけ逃げたら…殺す!」

「悪かった。悪かったから腕放せ_____‼︎」

「敵前逃亡には死を。

武偵ならよくわかるよな?金次くーん」

「顔が怖ぇーよ⁉︎」

金次の腕に腕捻りをかけて、金次が一人逃亡しないように教育(調教)した。

 

 

俺達は夜のコンビニでトイレを借りたり、漫画を立ち読みしたり、ハーゲン○ッツを(金次の分も俺の奢りで)買って店外で食べるなどして時間を潰してから俺の自室に2人で戻った。

泥棒のような手つきで、扉をソー……ッと開けて部屋の中に入ったが静かだ。静かすぎる。

直感的にヤバイと思った。

もし、原作が金次の寮の部屋ではなくここで(・・・)起きてるのなら、俺が避けなければいけない地雷が二つある。

金次の奴がバスルームに行くのを横目で見ながら原作のあのイベント(地雷)を回避する為の計画(プラン)を考えていく。

原作の地雷。

一つ目は…。

 

 

 

……ピン、ポーン……

 

「来た!来てしまった…」

慎ましい、ドアチャイムの音。

この特徴的な鳴らし方は。

 

 

「「し、白雪⁉︎」」

声を揃えて固まる俺と金次。

来てほしくなかった突然の来訪者に。

「う、うおっ⁉︎」

ドンっ!

焦ってテンバッタ金次が壁ドンをしやがった。

「き……キンちゃんどうしたの?大丈夫?」

ドアの外から白雪(・・)の声がした。

金次の馬鹿のせいで中に金次がいる事を白雪に知られた。

これじゃあ、もう居留守は使えない。

仕方なく玄関のドアを開けると白雪が立っていた。

俺の後をついてきた金次が白雪に声をかけた。

「あ、ああ。大丈夫」

そう言ってるが金次の顔色は悪い。

いかにも疚しいことをしてます的な顔色だ。

「な、なんでこの部屋に(・・・・・)来たんだ?白雪?」

金次はそう言ってから白雪の恰好に気づいたようで新たな疑問を口にした。

「な、なんだよお前。そんなカッコで」

金次の視線はバスルームを警戒していたがその視線を白雪に向けた。

白雪は何故か巫女装束の袴姿でやってきた。

「あっ……これ、あのね。私、授業で遅くなっちゃて……キンちゃんにお夕食をすぐ作って届けたかったから、着替えないで来ちゃったんだけど……キンちゃんどうして光君の部屋にいるの?」

「そ、それは……」

「俺が誘ったんだ!たまには夕飯一緒に食おうって…な!

そうだろ金次⁉︎」

「あ、ああ。そうだ。そうだった…」

白雪から包みを受け取ると言いよどむ金次のフォローにまわった。

これで前門の虎は帰ると思ったがそんなに甘くなかった。

何故なら。

 

 

___ちゃぱあ。

バスルームから水の音が聞こえてきたからだ。

バスルームに視線がいく金次の不自然さに疑問を持ったのか白雪が眉を細めて聞いてきた。

「ねぇ……キンちゃん。バスルームに誰かいるの?」

「中に誰もいませんよ!」

金次の馬鹿は敬語で返したが突然そんな話かたをすれば不自然すぎると感づかれるのが普通だ。

白雪も人様にお見せできない顔で金次に問いかけた。

「……キンちゃん。私に何か隠してることない?」

目から光を失わせた黒雪(ヤンデレ)モードになった白雪がそう言った。

「ない!ないないない!隠し事なんてありあ、じゃない、ありえねーから」

「そうそうそう。そんなことありあ、じゃくて、ありえるわけないから‼︎」

仕方なく、金次のフォローにまわろうとしたが動揺してしまってあやうくアリアと言いそうになった。

「……そう。よかった」

え?今ので納得したの?

白雪はニコっと春風みたいに爽やかな笑顔を作ると、ようやくこちらに背を向けてくれた。

 

よ……よかった。

前門の虎は片付いた。

残るは…。

 

 

二つ目の…。

後門の狼だ。

 

 

 

 

金次を見ると原作通りアリアが風呂に入っている隙を狙い、脱衣所(・・・)にあるアリアの武器を無力化する為に一人で脱衣所に入っていく所だった。

巻き添えを喰らいたくなかった俺は部屋の外。ベランダにある物置(防弾シェルター)の中に緊急避難をした。

耳を澄ませばわずかに部屋の中から少女の叫び声が聞こえてきた。

「〜〜〜〜〜〜〜死ね‼︎」

と言う声が聞こえ、何か壁に物体が当たるような衝突音が鳴り、しばらくすると部屋の中は静まり帰った。

 

 

 

ソーっとベランダからリビングに戻ると金次やアリアの姿はなく、寝室を覗くと余っているベッドからそれぞれの寝息が聞こえてきた。

どうやら2人ともマジでここに泊まるらしい。

床にはアリアが仕掛けた(トラップ)があちらこちらに仕掛けられている。

原作の金次除けなんだろう。

 

……ガチャガチャ。

玄関のドアが解錠される音が聞こえてきた。

同居人(ルームメイト)が帰ってきたようだ。

 

 

廊下に出ると玄関のドアが開かれ、黒髪の高身長なイケメンが入ってきた。

服装は黒っぽい服を着ていて首や腕にはシルバーアクセサリーをジャラジャラ付けている。

その少年の特徴は一言で言うと『異形』だ。

何故なら『普通』の人間にはない獣耳(・・)尻尾(・・)があるからだ。

 

「お帰り。小太郎!」

 

「おう!ただいま帰ったでぇ〜ミツル!」

 

獣人、狗族の少年犬上小太郎は元気よく帰宅の挨拶を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____ピピピ、ピピピ、ピピピ。

 

 

 

「ん?朝か…」

目覚ましを停めて、時刻を見るともう5時半だった。

いつもの『日課』の時間だ。

 

素早く着替えて寮を出ると寮の前で準備運動をしてから『日課』の運動を始める。

「さて、日課の瞬動マラソン20km始めるか!」

 

 




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