見なくても大丈夫です。
本編の執筆にちょっとまだ時間がかかるのでスナック菓子片方にポリポリ食べながら気楽に読んでください。
IF〜もし金次が猫探しではなく遺跡調査に行ったら〜①
光の奴はどこ行ったんだ?
昼休みに俺は昼休みに入ったと同時に消えた友人の事を考えながら専門科目を受講するために
今日は
アリア対策として校外に出る為に探偵科の
Eランクの俺でも受けられる楽な依頼ないかなー。
単位が貰えるならなんでもいい。
俺は来年からは一般高に通って『一般人』になる。
その目標の為にも、まずは平穏な日常を取り戻さないとな。
単位や報酬、仕事内容が書かれた依頼書を見ていくと俺にぴったりな依頼が二つあった。
一つは猫探し、もう一つは古代遺跡調査の手伝い。
猫探しは
どちらも報酬1万、0.1単位分の仕事だ。
どちらにしようか迷っていると俺の隣にいた少女に先を越された。
「あっ…」
「何です?」
その顔には見覚えがある。
確か同じ探偵科の2年
俺より1歳歳上なんだが…授業サボりまくって留年したとか。
実は帰国子女で異国の超能力者養成教育機関に留学していたとか。
そんな風に噂されてる奴だ。
「いや、それ。俺が受けようかなと思った依頼…「それは失礼。残念です。
久しぶりに非日常の世界に行けると思ったのですがここの東大の助教授がまた面白い人なのです。
はあー浦島先生の講義に参加したいです…」悪いがそれは俺に譲ってくれ。先に見てたのは俺の方だからな」
悪いと思いつつ綾瀬から依頼書を取りあげる。
「どうしても駄目です?」
「ああ。依頼が受けられるのなら内容はどれでもいい……けどなんかこれは気になるからな」
自分でもわからないがこの依頼はやりたいと思う。
「ふむ。それはとても残念です。
ならせめて写真だけでも撮ってきて下さい」
そう言って綾瀬は俺にカメラを渡してきた。
それは随分と古いカメラだった。
ライ……なんて書いてあるんだ?
「……わかった」
「お願いしますよ?」
そう言って
空いてるもう片方の手で制服のポケットから缶ジュースを取り出し飲み始めた。
ゴクゴクと美味そうに飲んでるよ。桃まんコーラと書かれている物を。
「ふう。やはり武偵高の飲み物もなかなかいけますね。
麻帆良やアリアドネーとはまた違った変わり種がありますしこれは趣味の飲み物探しが楽しみです」
ぜ、全部飲み干しやがった。
そんなに美味いのか?
桃まんコーラ……。
「では、私はそろそろ行くです。お名前は何でしたっけ?」
「同じ探偵科2年の遠山金次だ。
綾瀬は年上だし先輩呼びの方がいいか?」
「別に普通に綾瀬でいいです。
私は遠山さんと呼ぶです」
「じゃあ…綾瀬って呼ばせてもらうな」
「はいです。ではまた…」
綾瀬は依頼書を受け取ると依頼の詳細確認をしに
「変わった奴だな」
探偵科の綾瀬との出会い。
俺は思いもしなかった。
この時の出会いによって俺の人生が『普通』から離れた
探偵科で依頼を受けた俺は探偵科の専門棟を出ると…
「キーンジ」
探偵科の専門棟の前で待ち伏せしていた
ガーンだな……出鼻をくじかれた。
「なんで……お前がここにいるんだよ……!」
「あんたがここにいるからよ」
「答えになっていないだろ。強襲科の授業、サボってもいいのかよ」
「あたしはもう卒業できるだけの単位を揃えてるもんね」
アッカンベー。紅い瞳をむいてベロを出したアリアに、気が遠くなる。
美少女が校舎を出るのを待っていてくれていた。
全国の男子諸君の憧れだろう。
だけどな、その美少女が二丁拳銃や二刀の小太刀で襲いかかってくる凶暴娘でも嬉しいか?
俺は嫌だ!
「で、あんた普段どんな依頼を受けてるのよ」
「お前に関係ないだろ。Eランクにお似合いの、簡単な依頼だよ。帰れっ」
入試の際にSランクに認定されたがアレは白雪を助けた際にヒスったせいでなったんだ。
普段の俺にはEランクがお似合いだ。
「あんた、いまEランクなの?」
「そうだ。1年の3学期の期末試験を受けなかったからな。
ランクなんか俺にはもうどうでもいいんだよ」
「まあ、ランク付けなんか確かにどうでもいいけど。それより、今日受けた
「お前なんかに教える義務はない」
「風穴あけられたいの?」
イラッとした表情のアリアが銃に手をかける。
「今日は……遺跡調査だ」
「遺跡調査?」
「東大の研究室に行って詳しい内容を聞くんだよ。報酬は1万。0.1単位分の依頼だ。
本当なら光も誘おうと思ってたんだが…連絡がとれないから一人で行くんだ」
「光を誘おうとしてたの?」
「ああ。あいつはこういう調査系も得意だからな。
まるで最初から
「やっぱりあいつ
私も行くわ」
「ついてくんな」
「いいから、あんたの武偵活動を見せなさい」
「断る。ついてくんな」
「そんなにあたしがキライ?」
「大っキライだ。ついてくんな」
アリアは一瞬傷ついたような顔をし顔を伏せ、すぐに顔を上げ目を吊り上げた。
「もっぺん『ついてくんな』って言ったら風穴」
少し言い過ぎたかと思ったがアリアが普段通りに振舞っていたので俺は気にするのをやめた。
仕方なくアリアを引き連れたままモノレールで浜松町まで移動した。
東大の門の前に着くと______
「大きな門ね。ここが日本の最高学府『東京大学』なのね!
で、遺跡調査っていうけど、あんたどういう推理で探すのよ」
アリアが聞いてきた。
「別に。研究者や教授の指示に従うだけだ。まずは研究室に向かう。光なら現場に着いたらありそうな場所にすぐに向かうけどな。ていうか……お前こそ何か案でも出せ。俺に聞くぐらいなら、何かあるんだろ」
そうアリアに聞き返すとアリアは首を横に降った。
「ないわ。推理はニガテよ。一番の特徴が、
つまらなそうに言うアリアは、形のいいおでこの下から俺を上目遣いに見た。
「ていうか、おなかすいた」
「さっき昼休みだったろ。メシは食わなかったのかよ」
「(桃まん)食べたけどへったのっ」
燃費の悪い奴だな。というかこいつが食ってるのもしかして全食桃まんじゃねえか?
そんな疑問を持った俺はアリアに聞いてみた。
「お前、普段何を食べてんだよ?」
「もちろん桃まんよ!」
だ、駄目だコイツ。早くなんとかしないと。
桃まん中毒者の行く末は
ヤバイ、ヤバイぞ。桃まん。
桃まんに秘められた恐ろしき
アリアが突然唐突に言ってきた。
「なんかおごって」
「いきなり足を引っ張るのかよ」
研究室にもついていないにもかかわらずもうアリア様は動けないようだ。
でも、まあ。今日は依頼を選ぶのに時間がかかったせいで俺も昼飯は抜いたしな。
しょうがねぇ…おごってやるか。
「学食でいいか?」
アリアにそう言っていた。
東大にはロブスターミソ煮定食とか東大饅頭とかがあるって本当だろうか?
……後で確認しよう。
学食に着き、アリアの分まで注文してアリアの元に向かうと。
何をしてんだ?
よく見るとアリアは近くの席に座る女子大生と自分の身体を交互に見ている。
近くの席に座る女子大生さんはかなり美人だ。
眼鏡をかけていて真面目そうな感じだ。
どことなく雰囲気的にカナに似ている。
……ぷっ。
アリアの奴、女子大生にあってアリアにない部分を凝視していやがる。
何度確認してもアリア、お前はひんにゅーだ。
ああいう体型に憧れてるんだな。
寄りも上がりもしない小学生体型のくせに。
「おい」
「___あ」
振り返ったアリアは俺が含み笑いをしていたのに気付いたらしい。
ぶわあああと真っ赤に顔を染めると両手をブンブン降った。
「___ち、ちがうの!あ、あたしはスレンダーなの!これはスレンダーっていうの!」
どっからどう見ても小学生だろ。
と言いかけたが言ったら風穴なのでやめた。
「あっちの席にしようぜ」
女子大生が座る席から離れた席を指していった。
アリアは後ろについてきた。なんだか怒ってるような、何かを言いたいようなそんな顔をしている。
空いてた席に座るとアリアの奴も隣に座った。
注文のハンバーグ定食&ドリンクにコーラ(アリアは桃まん丼&コーラ)を食べながらアリアに言っておいた。
「
「
「辺りを見りゃわかるだろ」
俺は飲みさしのコーラを置いて、視線で周囲を指す。
この学食は学生が多いだけあって平日の午後なのに周りはカップルばかりだ。
ちゃんと勉強してるのか東大生さんよ。
「あ……」
向かいに座っているカップルがくっついたのを見て、アリアはももまんをくわえたまま一瞬硬直した。
俺とカップルを何度も見て真っ赤になった。
コイツ、赤面癖があるみたいだな。
「……う。う!」
ウブなんだな。
「ほらな。もう帰った方がいいぞアリア。
「す、好きな男なんて!」
アニメ声を裏返した。
「い、い、いないっ!あたしは、れ、恋愛なんて___そんな時間のムダ、どうでもいい!ホンっトに、どうでもいい!」
過剰反応し過ぎだ。
アリアの弱点発見だな。
「でも、友達とかにへんな誤解されたくないだろ」
「友達なんて……いないし、いらない。言いたい奴には言わせればいいのよ。他人の言うことなんてどうでもいい」
じゅるるるる。
そう言ってコーラを飲みだした。
「他人なんてどうでもいい、ってのにはまあ賛成だがな。一言、言いたいことがある」
「なによ。けぷ」
「それは俺のコーラだ」
アリアはコーラを吹き出した。
「このヘンタイ!」
いきなりなぐって椅子から吹っ飛ばしやがった。
痛えな。この馬鹿力やろう。
「理不尽だろ⁉︎」
「うっさい。コーラあたしの分まで零しちゃたじゃない!
買ってきなさい!今すぐ」
理不尽すぎだろ。
「そういや売店で桃まんコーラとかも売ってたな……」
そう言うとアリアは……。
「桃まん⁉︎」
桃まんという文字に目を輝かしていた。
桃まん…マジ恐ろしい奴……。
その後。
学生や職員に聞いて校内をさ迷いながら歩き周った。
なんとか研究室を見つけ出し中に入ると白衣を着た青年が俺達の姿に気づいて声をかけてきた。
研究室の中には大量の埴輪や土器、土偶などが乱雑に置かれていた。
中には割れたり欠けたりした物もあり、足を踏み入れるのにはかなり注意が必要だった。
「やあ。よく来たね!
僕はここで助教授をしている浦島景太郎と言います。
よろしく!」
ロブスターミソ煮定食は……実在しません。
東大饅頭はあるみたいです。
活動報告でストーリーに関するアンケート取ってます。