闇の魔法を使える武偵っておかしいか?   作:トナカイさん

26 / 34
大変遅くなりました。
今話の執筆は予想以上に手こずりました。
本来なら一話で終わらせる予定でしたが、長めになるので前後篇という形にさせていただきます。



装填24 バスジャック①

「なんだってこんな目に……」

 

思わず頭を抱えそうになるくらい、今おかれている状況は切迫していた。

走行中のバスの車体。

その真下に固定されているのはカジンスキーβ型のプラスチック爆弾(Composition4)、世を騒がせている武偵殺しが使う爆弾と同じものだ。

そう、俺は今車外に出てバスの車体の下を覗き込んでいた。

宙に浮いて(・・・・・)な。

いや正確には抱き抱えられて、といった表現が正しいな。

 

「わあ、本当にあった……凄いね。どうしようか、パパ?」

 

なんせ、今俺は。

俺を抱えているヒカリによって空を飛んでいるのだから。

そう、地面スレスレを低空飛行しているわけだ。

背中から白い翼を広げて空を滑空しているヒカリによって。

 

俺達がこんな目に遭うことになった原因。

それを語るには時をほんの少しばかり遡る事になる。

 

 

 

 

 

 

ヒカリと共に学生寮前のバス停からバスに乗り込んだ俺は、混み合うバスの中で揺られながら会話をしていた。

内容はヒカリの学園生活についてと、今後についてだ。

 

「だから、パパの近くにいないと私は駄目なんだよ。

という訳でパパの側にいるね!」

 

「待て! 何がだから、だ! まだ何も話してないだろう?」

 

「様式美かなー、と思って」

 

「そんな様式美はいらねぇ」

 

「えー、いいじゃん」

 

何がいいんだよ⁉︎

 

「そんな様式美より、他に言う事あるだろ?

同盟の事とか、何でヤツら(伊・U)の下にいたのか、とか」

 

「んー、パパって結構細いねぇ」

 

いやいやいやいや。

大事な事だろ。

 

「それに人前でパパは辞めろ。

変な噂が経ったらどうしてくれるんだ」

 

ヒカリは気づいてないのか……俺達が乗った直後から周囲の人達の注目を集めている。

まあ、無理はないと思う。

ヒカリは美少女だからな。

黙っていれば世の男性の10人中7、8人は振り返るであろうほどの美少女だ。多分。

長い黒髪に、白い肌。大きな瞳。

大和撫子を体現したかのようなその容姿は注目を集めるのは仕方ないと思う。

ただ……問題なのが。

その連れが俺だという事実だ。

うぅ、聞こえるぞ。

同じ学年の女子______鷹根、早川、安根崎______俺やキンジの悪評を迅速かつ、広範囲に広める事に定評のある通信科(コネクト)トリオの声が……「聞いた⁉︎ パパだって……」「え、親娘? なわけないよね…… 」「まさか…… そういうプレイ⁉︎」「あの噂本当だったんだよ。キンジの『たらし』が移ったっていうの……」「じゃあ、ロリコンって事?」「えー、ミツル君は絶対年上キラーだと思ってたのに……。雪姫先生とか、三年の桜咲先輩とか、(クー)ちゃんとか……」などとヒソヒソ話してるのが。仲良いな、お前ら。

あと俺はロリコンじゃねえ!

 

「んー、じゃあ何て呼べばいい?」

 

「普通に八神君とか、八神さんとか君、さん付けで呼べばいいだろう?」

 

「えー、そんな他人行儀な呼び方は嫌っ!」

 

「じゃあ、ミツル君とかでいいだろう。

もしくはあだ名で呼び合うとか……」

 

「あだ名かぁ。んー、それはいいアイディアだよ」

 

にぱー! というような感じの笑顔を見せるヒカリ。

俺達の周囲にいた男子生徒はヒカリの笑顔を見ただけで打ちのめされていた。

 

「んー……じゃあ、みーくんっていうのはどう?」

 

「っ⁉︎」

 

ヒカリが何気無く発したその呼び名に俺は動揺してしまう。

みーくん。

それは前世で彼女が呼んでいた俺の呼び名で。

もう呼ばれる事はない名。

誰にも……呼ばれたくない名。

それは世界でただ1人だけが呼んでいい……特別な呼び名だから。

 

「……駄目だ。その呼び名を呼んでいい人は……もういないから」

 

いくら、ヒカリが前世での俺の娘でも。

彼女の娘でも、その呼び名では呼ばれたくない。

 

「……っ、わ、わかった。わかったよ。だから、そんな顔しないで!」

 

何故かヒカリは俺の顔を見て怯えていた。

怖いものを見たような顔をしていた。

俺は今、そんなに酷い顔してるだろうか。

 

「……悪い。怖がらせる気はない」

 

「あ、うん。こっちこそ、ごめんなさい」

 

お互いに頭を下げて謝る俺達。

二人の間を気まずい空気が流れる。

 

「みーくんはダメだがそれ以外なら好きに呼んでいい。

ただし、常識のある呼び名だぞ?」

 

「解った。じゃあ、ん〜……決めた!

みっくんって呼ぶね?」

 

「一文字違うだけじゃねえかー⁉︎」

 

と、その時だった。

 

 

どん! っと俺の背に誰かがぶつかった。

混雑した狭い車内だ。

ぶつかられても仕方ない。

そう思いながらも俺はぶつかってきた相手を見る。

俺にぶつかってきたのは……。

 

 

女の子だった。

髪は金髪で三つ編みに束ねていて、身長はかなり低い。

ぱっと見。小学生くらいだろうか。

本来ならいるはずがない年の女の子だ。

だが、ここは武偵高。

飛び級、留学(インターン)制度がある一般的な学校とは掛け離れた場所だからな。

小学生がいても不思議ではない。

いや、もしかしたらアリアみたいに実年齢と身体の成長があっていないだけなのかもしれないけどな。

そんな事を思いながら相手の顔をよく見た。

見てしまった。

そして、気づいた。気づいてしまった。

俺はこの子のことをよく知っている。

目の前にいるこの子の名前は。

 

桜雨(さくらめ)キリナ。

 

俺の一つ年下の従姉妹だ。

俺がその子に気づいたのとほとんど同じタイミングで相手も俺に気づいた。

 

「げっ? なんで朝っぱらからアンタの顔を見なくちゃいけないのよ。

この、むのー」

 

「朝っぱらから、いきなりそれかー⁉︎」

 

おとなしそうな外形に騙されてはいけない。

コイツは、その小学生みたいな見かけと違ってかなりの毒舌を吐く厄介なヤツなのだから。

ちなみにむのーというのは俺を指すコイツの呼び名だ。

昔はミツル兄とか、ミツルお兄ちゃんとか呼んでくれていたが年をとるごとにだんだん言い方がキツくなっていき、今やこの呼び名が定着してしまった。

 

「煩いわね、このむのーは!

喚くなら鳴きなさい。

ほら、ワンと鳴きなさいよ」

 

「は?」

 

コイツ今、なんて言った?

 

「「は?」じゃないわよ。このむのー。

ワンよ」

 

「わ、ワン?」

 

「オッケー。

じゃあ、その頭踏ませなさい」

 

「へ?」

 

「踏・ま・せ・な・さ・い・よ〜……このむのぉぉぉ‼︎」

 

「おい、ちょっと待て!

バカ、止めろ!」

 

「え、きゃあー⁉︎」

 

スカートをたくし上げて足を高く上げるキリナ。俺はキリナのその足を咄嗟に右手で掴む。

そして高く足を上げたキリナ自身の力を逆に利用して、全身を回転扉のように使いキリナを床に転ばせた。これは合気術の応用技で、昔雪姫が見せてくれた技の一つだ。

相手の力を利用する為、柔術を納めている人なら力が弱い女子供でも使える技だ。

まあ、これを使えるようになるには何年もかかるけどな。

ドシーン、と尻餅をつくキリナ。

倒された痛みからか、涙目になってるがそれは自業自得だな。

 

「人の話を聞けよ!

そもそもお前は昔から……」

 

久しぶりに会った従姉妹相手に俺はお説教を始めてしまう。

人の話を聞かないというのもあるが、何よりむのー呼ばわりされてイラついていたからな。

お説教をしていたその時だった。

それまでおとなしく俺の背後で様子を見ていたヒカリが口を開いた。

 

「おい、お前。私のパパをむのーとか言ったな……」

 

気づいた時には遅かった。

 

「死刑……」

 

そのヒカリの言葉と共に、キリナの全身が石化していったからだ。

 

無詠唱呪文による高難易度の石化呪文の発動。

ヒカリが右手の掌をキリナに翳したその瞬間。

たったそれだけの行為でキリナの全身は石化した。

 

「なっ、ちょっ⁉︎」

 

止める間などなかった。

たった数十秒で愉快なオブジェと化したキリナ。

術を発動させたヒカリは俺の顔を見るとニコニコとしている。

まるで「邪魔者は消したよ! 褒めて、褒めてー」というような視線を向けて。

 

「バカ! 何やってんだ!

早く解け! 死んでない……よな?」

 

「死なないよ。石化させただけだもん。

もっとも、石にヒビや傷がつけばただでは済まないけど。ふふっ」

 

お前、一体どこの魔王だよ⁉︎

そう思った俺は悪くない。

 

「死ななくても早く戻せ!

周りに何て言ったら……あれ?」

 

そう言えば、周りがやけに静かだ。

いや、それなりに騒がしくはある。

だが、それはいつも通りの騒がしさだ。

俺達の事に誰も気づいていない。

まるで俺達の存在が目に入っていないかのような、認識されていないかのような。

そんな反応だ。

 

「大丈夫だよ。ちゃんと認識阻害の呪文は掛けといたから」

 

「いつの間に……」

 

ヒカリを敵に回すのは辞めよう。

何をしでかすかわからんからな。

知らない間に妙な術とか使われるかもしれんし。

……ないよね?

 

「ふふっ」

 

……心配だ。

 

「戻してほしい?」

 

「……戻せ」

 

「いいよ。その代わり約束して」

 

「約束?」

 

「私以外の女子のことは、触ったり抱き締めたりしないって約束して」

 

「なっ⁉︎ そんな約束出来るかぁ!」

 

そんな約束したら何時もヤってる事が出来なくなるだろう。

修業とか、訓練とか、稽古とか……。

我ながら色気が一つもないのがアレだけどな。

ともかく、そんな約束したら雪姫との魔法を使った修業も、先輩達との特訓も何も出来なくなる。

どっちも身体に接触してしまうからな。

約束したら1人で修業するハメになる。

それは嫌だ。

 

「そう、ならいいよ。じゃあ、この人の石化は解いてあげないから」

 

プイッと逸らしてしまうヒカリ。

頬を膨らませて不貞腐れるその姿も可愛い。

美少女が自分の為に妬いてくれる。

それは男なら嬉しいシチュエーションだ。

 

「はぁー、その約束は出来ないけどその代わりに今度何処かに遊びに行こう」

 

「デートね! それなら……まあ、いいかな」

 

俺の提案を受け入れたヒカリはキリナの前に移動すると、片膝をついた状態でバスの床に座った。

そして。

 

「あー、ごほん。ごほん……」

 

咳払いを2、3度した後に『歌』を歌い始めた。

 

 

「天使の歌声(サンクチュアリ)‼︎」

 

それは美しい歌声だった。

透き通るような声。

心に響く歌詞。

 

「わぁ、綺麗な歌声……」「本物の……天使みたい」「心が浄化されそう」「天使タンだおー、本物の天使タンが爆誕だぉー」

 

気づけば認識阻害の魔法を使われているはずの周りの学生達も聞き入っていた。

不思議な事に、ヒカリの歌声は聞こえても。

石化したキリナの姿には誰一人気づいた様子はない。

それだけヒカリの魔法が強力だという事だろうか?

それにしても賞賛の声が凄いな。

1人、正気を疑いたくなるような奴がいるが。

 

序曲(プレリュード)()終止線(フィーネ)

始まりの終わりの歌‼︎」

 

ヒカリがその言葉を発した瞬間。

ピキピキといった音が鳴り響き。

シュー、と音が聞こえて。

石化したキリナの身体が元の状態へと『戻って』いった。

 

「はっ、え? い、生きてるの……私⁉︎」

 

キョロキョロ辺りを見回すキリナ。

 

「元の時間枠……巻き戻しじゃ……ない?

え? でも私は死んだはずで……?」

 

何かよく解らないが、無事のようで安心したよ。うん。

 

「ふぅー、私は約束守ったよ?

だからパパ……みっくんも約束守ってね?」

 

「あ、ああ。解った」

 

約束は守るさ。

今度何処かに連れて行けばいいんだろ?

買い物とか、ファミレスとかに連れて行ってやるよ。

雪姫や明日菜、理子とかと一緒に、な。

男と二人で行くより、女の子がいた方が喜ぶだろうし。

 

「はっ⁉︎ って、そうだ!

大変なのよ! 大変!」

 

そんな事を考えていると。

突然、大変を連呼しだしたキリナ。

どうしたんだ、と声をかけると俺が恐れていたその言葉を言い放った。

 

「バスジャックされたのよ! 武偵殺しに」

 

「何! 本当か?」

 

キリナの肩を掴んで問いただすと、キリナは武偵殺しと繋がった状態の携帯を取り出してみせた。

通話はそのままで、未だにその端末からは無機質な機械音が聞こえている。

 

『バスの速度を落とそうとしたり、携帯の電源を切ろうとしたら爆発しやがります』

 

マジかよ。

悪い夢なら速攻覚めてくれ。

そう思ったその時だった。

俺の携帯が鳴り出した。

画面を見ると、表示には______

 

アリアの名前が出ている。

 

ああ、ちきしょう!

逃れられないのかよー、俺は。

 

「______もしもし」

 

仕方なく、諦めの心境で電話に出ると______

 

『ミツル。今どこ?』

 

今の時刻は8時25分。

とっくに授業は始まっている。

 

「はぁ〜……何処だと思う?」

 

『まだ寮にいるとかだったら風穴よ』

 

「それならアリアに撃たれる方がまだマシだったかもな。

残念ながらハズレだ。バスジャックに遭ってる」

 

『え、アンタそこにいるの? ならちょうどいいわ。直ぐに行くから私達が着くまで何とかしときなさい』

 

「いや、何とかって……切りやがった⁉︎ どうすりゃいいんだよぉ⁉︎」

 

アリアは変わらずだな。

武偵殺しの事になると周りが見えなくなる。

まあ、母親の件があるから仕方ないっていうのは解るが……。

 

「む、女の声が聞こえた。むのー、誰からの電話よ」

 

「みっくん? 浮気はダメだよ」

 

「だー、お前らは少し黙ってろぉぉぉ‼︎」

 

絶叫しながらふと疑問に思う。

アリアは何でバスジャックの事を知っているんだ?

まだ誰にも伝えていないはずなのに。

そう思った俺だが、その疑問はすぐに解決した。

バスの後方。

そこから女子生徒の悲鳴に似た叫び声と、パニックになった学生達の声が聞こえてきたからだ。

 

電話を受けていたのはキリナだけじゃない⁉︎

 

複数人に同じ内容の音声を送っていたのか。

武偵殺し。

あの子はやはり狡猾だ。

 

「爆弾⁉︎」「爆発するの⁉︎ イヤー!」「死にたくないよー」「け、警察⁉︎ 誰か通報しろ!」「武偵だろ⁉︎ お前ら何とかしろよ⁉︎」「お前も武偵だろうが!」

 

車内はかなりのパニックになっていた。

 

「くそ、人が多い。これじゃ、車内に仕掛けられていても見つけることなんて出来ない」

 

どうしたもんか、と頭を悩ませていた時だった______

 

「ミツル!」

 

聞きなれた声に振り向くと、そこにはさっきキンジを見捨てていた武藤がいた。

 

「よお、武藤! キンジを見捨てた罰が当たったな」

 

「あ、ああ。ちくしょう……! なんでオレはこんなバスに乗っちまったんだ?」

 

「さあ、な。そんなの俺が聞きてえよ」

 

「無事に生きて帰れたらキンジに謝ってから……轢いてやる!」

 

「ただの逆恨みじゃねえか⁉︎」

 

「______あれだミツル。あの子」

 

武藤の視線の先。そこにはメガネを掛けた女の子が立っていた。

 

「や、ややや八神先輩! 助けてっ」

 

涙ぐんでいる。この子は見た目からして、中等部の後輩だ。

 

「どうした、何があった」

 

理由はわかりきっているが、念の為に聞いておく。

ハズレてくれていると嬉しかったのだが。

 

「い、いい、いつの間にか私の携帯がすり替わっていたんですっ。そ、それが喋り出して」

 

彼女が手にしている携帯電話。

そこから聞こえてくるのは……。

 

『速度を落とすと 爆発しやがります』

 

やっぱりか。

コイツは武偵殺しの仕業だな。

おそらくあらかじめ、複数人の携帯をすり替えていたのだろう。

そして、偶然居合わせた俺やキリナが対策を話しあおうとしたのを知って、複数人の携帯を操作した。

そういう事だろう。きっと。

 

「誰かに知らせたか?」

 

「あ、はい。教務課にメールを……怖くて。ごめんなさい」

 

「あ、いや。責めてるわけじゃない」

 

「減速をしたらダメって言われたのですけど……連絡については何も言われなかったので」

 

責めるわけないだろう。

むしろ、よくやってくれた。

キリナの音声には連絡をしたら爆発するとあったが、彼女にはそれはなかったようだからな。

 

「そうか。頑張ったな、後は任せろ」

 

そう言って俺は彼女の頭を軽く撫でてやった。

「あっ……」と言って頬を染めたが別に嫌がってはいなかったしな。

 

「むー、私と態度が違い過ぎる。この、むのーが」

 

「あははは……死刑だね」

 

何だか周りが騒がしいが……うん。

シリアスな空気が和らいだから結果オーライだな。

うん。

 

そして俺は直ぐにバスの中に不審物がないか、くまなく探した。

まあ、原作通りなら設置されてるのは車外。それも車体の真下だから意味はないんだけどな。

しばらく探し回ったがやはり車内には何処にもなかった。

 

「残すは車外か……さて、どうするか」

 

空を飛んだり浮かんだり出来る魔法を俺は知らない。

雪姫やネギ、フェイトは普通に使っているが、俺はまだ使えない。

瞬動術の一種に、『虚空瞬動』と呼ばれるものがあるがあれは空中ジャンプの一種で空を飛ぶ技ではないからな。

俺が地系の魔法を使えれば蔦とかを操って爆弾だけをはずす。

そんな事も出来たかもしれないが……そんな便利な魔法は使えない。

ワイヤーとか、ロープがあれば車外の真下に潜り込めるのだが。

そんな便利な装備や道具はないからな。

無い物ねだりは出来ない。

さて、どうするか。

 

「どうしたの?」

 

「実はな……」

 

ヒカリが声をかけてきたから、どうやって走行中のバスの車体の真下を覗いたらいいかを相談してみた。

すると意外なほど、あっさりと彼女はその問題を解消してしまう。

 

「それなら私に抱きつけばいいんだよ!」

 

 

で、冒頭に至る。

 

うん、どうしてこうなった?




今話から出る新キャラを主人公にした外伝も連載していますので、よろしければそちらもご覧ください。
では、また。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。