闇の魔法を使える武偵っておかしいか?   作:トナカイさん

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かなり遅くなりました。
本当ならもう少し早く、文量ももっと多くする予定でしたが最近リア忙な為、執筆時間がとれませんので中途半端ですが投稿できるうちにしておきます。


装填16異変⁉︎

遺跡の中で魔法(武偵)少女が逃げまわっている頃_________________俺はひなた荘の食堂で酔っ払いの介助をして酔いつぶれた奴らを布団に寝かせてから朝食の手伝いを申し出た。

 

 

 

 

 

 

懲りずに酒を飲み続ける一部の酔っ払いを放置して朝食の準備を始める管理人代行。

女子寮入居者のしのぶさんはもちろん客であるアスナや俺も手伝い朝食を作り始めた。

アスナやしのぶさんも昨夜はかなりの量のお酒を飲んだ筈なのに酔いが覚めたのかもう動きまくってる。

アスナには魔法無力化(マジックキャンセル)の能力があるけど酒もキャンセルできんのかな?

しのぶさんは長いことこの寮にいるから慣れてんだろうけど……。

 

「それじゃあしのぶちゃんはいつも通り味噌汁をお願いね。

アスナちゃんは卵焼きを作るからボールに卵を割ってね。

光君はスゥちゃんの密林部屋からバナナ取ってくれば?」

 

「「は〜い!」」

 

管理人である浦島なるから出された指示に返事するしのぶさんとアスナ。

即座にツッコミを入れたのは俺だけだった……。

 

 

「ちょっと待てーぇぇぇ!

何で俺だけバナナ担当⁉︎」

 

2人に比べあきらかに担当の配置がおかしい。

投げやりぽっかたし……。扱いが雑すぎる。

女子寮なのに密林があるとか部屋の中にバナナの樹が植えられているとか『普通』じゃない。

確かスゥの部屋ってター○ンが住んでそうな魔境になってたよな?

一般人が入っても大丈夫なのか?

 

「スゥちゃんに気に入られてるようだし、光君なら大丈夫でしょう……多分」

 

「そうね。普段からエヴァちゃんの虐めに慣れてるミツルなら大丈夫よ……多分」

 

「え?え?大丈夫……なのかな?」

 

なるとアスナに発言に戸惑いながらも結局肯定の返答をするしのぶさん。

 

「イヤイヤイヤ……全然大丈夫じゃないだろ!

語尾に多分とか不安になるような言い方すんなー。

後しのぶさんもこの2人の言う事を間に受けなくていいですからねっ!」

 

「にゃはは……ミツル〜バナナほしいか?」

 

寝ていた筈のスゥが起き出し俺に抱きついてきた。

首と腰に手を回されて抱きつかれる形になり女性の柔らかい部分が密着しているので物凄いドキドキしている。

 

「ちょっとミツル。何ニヤニヤしてんのよ!

エヴァちゃんに言いつけるわよ!」

 

何故か怒るアスナ。

何故アスナが怒る?それと雪姫は関係ないだろ?

そう思いながら魔法障壁を咄嗟に展開したがそれを突き抜ける(キック)をアスナは放ってきた。

 

「理不尽だ……」

 

アスナの魔法障壁を無効化する脚は俺の股間に命中し俺は悶絶したが痛みを堪え、抱きついているスウを引き離し、彼女の部屋に向かって駆け出した。

 

スゥの部屋301号室に着き彼女に断りを入れてから部屋の戸を開けると中には_______

熱帯植物が生え、日本には生息しないはずはの野生動物達、カメレオンやら蝙蝠やらトカゲやら猿の仲間やら蛇(模様からして猛毒)やら巨大なゴキ……やら虎やらカメやらが生息していた。

昨夜他の人の部屋を見せてもらったが普通の部屋(6畳半)ほどの広さの筈だったが、スゥの部屋はその30倍の部屋の広さになっていた。

 

「ここ……本当に女性が住む部屋なのか?」

 

部屋の中を見た感想はその一言だった。

 

「にゃはは〜。こういう部屋の方が故郷にいるみたいで落ち着くんや〜」

 

「スゥの故郷って何処だっけ?」

 

「モルモル王国や〜。トーダイ市とトーダイ遺跡が有名でカップルの聖地になってるんやで〜」

 

にゃははと笑いながら答えるカオラ・スゥ。

そういや忘れてたがこう見えて彼女はモルモル王国の王女様でいらっしゃた。

人は見かけによらないものなんだよなー。

などと失礼な事を考えていたらスゥに『見せたい物がある』と言われ部屋の中に連れられ、奥にある押し入れを改造した製作所の中に入った。

 

「見て見て〜これを見せたかったんや〜。

武偵高の装備科(アムド)で名高いチャオとハカセと共に制作中の新しい発明品ができたんや〜」

 

そこにあったのはSFなんかに出てくるパワードスーツのような物で乗るというより着るといった某○Sのような宇宙空間を移動することを想定したロボットスーツが置かれていた。

形は服や人型ロボットというよりカメの着ぐるみに近い形をしているが……。

 

「どうや凄いやろー?

まだ試作段階やけど東大と京菱グループの援助で開発した超科学兵器や〜。

通称PAD。名前はメカタマゴ110号や!」

 

それが本当なら確かに凄い。

最先端技術の結晶であるPADをすでに開発してるとかスゥの開発能力半端ねぇー。

聞けばスゥは現在東大の大学院に通っているらしい。

将来は工学系の大学博士かマッドサイエンティストになってそうだな……などと考えていたらスゥは俺がよく知っている人の名前を出している事に気づいた。

 

 

「超先輩や葉加瀬先輩とも知り合いなのか……」

 

世の中は広いようで狭いもんだなー。

と雪姫に師事する事になってから知り合った装備科の超天才(天災)コンビの顔を思い浮かべているとスゥはPADを指差して俺に乗るように言ってきた。

 

「この試作機は設計中の量産機と違って魔力で動かすんや……それも膨大な魔力がいるんや〜。だから相手を選ぶからデータも気楽にとれないんや〜。

お願いミツル。協力してな〜」

 

スゥがそう言って抱きついてきた。

スゥが抱きついてきたのと同時にジャングル部屋の動物達が示し合わせたかのように出入り口を塞ぎやがった。

コイツらスゥに完全に飼い慣らされてんな……。

俺は溜息を尽きながらもスゥのお願いを聞いてやることにした。

 

何故かって?

決まってんだろ!

男なら美少女(?)に頼まれたら断れない……よな?

 

試作機の起動を朝食後に行う約束をし、俺はスゥの部屋に自生していたバナナ(スゥによって品種改良済み)を収穫し、バナナを奪おうとする猿や猿や俺を狙う虎を魔法で返り討ちにしたりしてから食堂に向かうと、途中、地面が床下から大きな地鳴りが聞こえひなた荘の建物自体が大きく揺らいだ。

地震か?と思ったが地震というより何かが爆発したような音が下から聞こえた。

ガス管に亀裂でも入ったか?

不安になった俺は外に出て周りを警戒してみることにした。

外に出ると中庭に大穴が空いてるのが見えた。その穴の中から誰かの叫び声が聞こえた。

叫び声の原因を探ろうと穴に近づこうとしたが足を一歩踏み出した途端、何故か周りの音が聞こえなくなり脚が震えその場から動けなくなった。

まるで異空間に取り込まれたかのように……世界から断裂させられたかのような感覚になった。

すぐ目の前にある穴からはこれまで感じたことがない圧迫感を感じた。

ヤバイ。あの穴の中に近づいたら死ぬ。

なんとなくだが直感的にそう思った。

 

俺の時間的感覚では数分間の出来事だったが、実際には二時間半以上も俺はその場を動けずにいた。途中で心配したのかアスナやネギをはじめとした『白き翼』の面々やなるをはじめとした『ひなた荘の住人』も俺の側に集まってきたが俺に、穴に近づいた瞬間、その場から動ける人はいなかった。

唯一の例外は「闇の魔法(マギア・エレベア)」を発動したネギと俺。『魔法無効化能力』を持つアスナは咸卦法を発動させて踏み入れてから二時間半が過ぎた頃には臨戦態勢に臨めるくらいには自由に動けるようになっていた。俺達は不測の事態に備え臨戦態勢で構えることにした。

咸卦法とは「気と魔力の合一(シュンタクシス・アンティケイメノイン)」を行う技法だ。

左手に「魔力」、右手に「気」を溜めて融合し、体の内外に纏って強大な力を得る高難度の究極技法(アルティメットアート)と呼ばれる「闇の魔法(マギア・エレベア)」に並ぶ超高等魔法技術だ。

発動すると、肉体強化・加速・物理防御・魔法防御・鼓舞・耐熱・耐寒・耐毒等の作用を有するチート性能を発揮できるようになる。

 

地面に空いた大穴から出てきた『何か』が周りに被害をもたらす前に俺は先手必勝の心構えで先制攻撃を加えていた。

 

魔法の射手(サギタマギカ)……雷の101矢」

 

「やっと出られたです_______‼︎

外は最こ……あぶしっ……」

 

相手を麻痺させて動きを鈍らせる効力を持つ電撃系の初歩魔法を放った。

魔法はちょうど穴から出てきた『何か』に当たり、その何かは呻き声をあげた。

攻撃が当たったので確認をしようと近づくと『それ』は俺達武偵高生が着ている防弾制服を着た女生徒だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、痛いです。

いきなり攻撃するとか貴方はドSです?」

 

 

木乃香先輩の魔法具(アーティファクト)により怪我の治療を終えた女生徒、綾瀬夕映は膨れっ面で俺をドS呼ばわりしてきた。

失礼な。俺にはどこぞの女神様やロリ吸血鬼のように虐める事で快楽を得るような趣味嗜好はない。ないったらない……本当だよ?

 

なんて事を思いながら綾瀬に地下で何をしていたのか聞いてみた。

 

「あーところであんな穴の中で何をしていたんだ?」

 

「はっ⁉︎そ、そうでしたっ……今あれから何十分たったですか?」

 

「30分くらいかな?」

 

腕時計を見てそう答えると綾瀬が顔を青くして叫び出した。

 

「ま、マズイです。早く逃げるです!」

 

「逃げる?何で……「来たです!」⁉︎」

 

地面の下から何かが爆発したような音が聞こえ、地震がきたかのような激しい震度が襲った。庭の地面にはあちらこちらに亀裂が入り、ありえないことにその亀裂から炎が噴き出した。

 

なんだ……何が起きているんだ?

穴から噴き出した炎は一つに集まり、その炎の中からは1人の少年が出てきた。

 

「ハハハハハ……教授に飛ばされてみれば目の前に俺が探していた獲物がいるなんてな。

ずっと探していたぞ……ネギ・スプリングフィールド‼︎」

 

白髪の少年は自身の周りに大量の蜂を飛ばしながらもその視線の先にいるネギを睨みつけた。

 

「貴方は⁉︎」

 

「『あの時』貴様に殺られたカリは今日返す!

九つの鍵を開きて レーギャルンの筺より出て

来れ‼︎

  燃え(グラディウス・)盛る(ディウィヌス・)炎の(フランマエ・)神剣(アルデンティス)

 

手に巨大な炎剣を出現させ、ネギに向かってそれを放り投げてきた。

 

「させないわよ!

来たれ!(アデアット)ハマノツルギ」

 

アスナが胸元からカードを出すと呪文を唱えた。

カードが大剣になり相手の大剣の攻撃を、炎を無効化した。

 

「貴様……擬似人格の分際で邪魔をするな!」

 

「アスナさんは擬似人格じゃありません。

アスナさんはアスナさんです!」

 

ネギは魔法の詠唱を始め、ネギを護るようにアスナが前に出た。

 

「ネギには指一本触れさせないわよ!」

 

魔法界に古くから伝えられる言い伝えの如く、火力重視の魔法使いを護る『騎士』のように……。(本来ならアスナ自身が魔法の国のお姫様だが……)

 

左腕 (シニストラー)解放固定・(エーミッサ・スタグネット)

「千の雷」!! (キーリプル・アストラペー)

右腕(デクストラー)解放固定・(エーミッサ・スタグネット)

「千の雷」!! (キーリプル・アストラペー)

双腕掌握!!! (ドゥプレクス・コンプレクシオー)

  術式兵装(プロ・アルマティオーネ)

(ヘー)(・アストラペー・)(ヒューペル・ウーラヌー・)壮2(メガ・デュナメネー)

(タストラパー・)(ヒューペル・ウーラヌー・)(メガ・)(デュナメネー)

 

ネギは電撃系最高規模の広範囲殲滅呪文である『千の雷』を術式兵装して体内に取り込んだ。

今の、この状態になったネギは常時雷化して秒速150kmで攻撃できる。

さらに雷化中は思考加速・身体機動加速ができるオマケ付きだ。

副作用である『魔素』も理由はよくわからないが人間を辞めたことにより人外化し、不死者となった為に克服したようだ。

雪姫曰く『人外の化け物』『灰色の存在』。

ザジ・レイニーデイ曰く『灰色の結末』、『少年冒険譚の失敗例』。

取得困難な大呪文を二重に装填できる辺り、天才としかいいようがない。

 

「行きますよ!

雷速瞬動‼︎」

 

秒速150kmの雷と同じ速度の攻撃が相手に襲いかかった。

 

 




2次小説サイト『暁』様でマルチ投稿はじめました。
あちらはアンケート次第で暁オリジナルストーリーを書くかもしれませんのであちらをご覧の方はあちらのつぶやきにて投票をお願いします。

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