デート・ア・ライブ 千璃ホロコースト   作:泰邦

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第四話:困惑

 鳶一折紙は困惑していた。

 なぜならば、彼女が所属する組織──陸上自衛隊対精霊部隊(通称AST)において物品の盗難事件が発生したからだ。

 盗まれたのは寄りにもよって秘匿すべき技術の塊であるCR-ユニット。

 戦術顕現装置搭載(コンバット・リアライザ)ユニット。通称をCR-ユニットと呼ぶそれは、ASTが精霊と戦うための武器だった。

 三十年前のユーラシア大空災の折、人類が手にした奇跡の技術である顕現装置(リアライザ)を戦術的に使用するためのものである。

 コンピュータ上の演算結果を現実世界に適応させる、いわば現代の魔法とでもいうべきシステム。精霊に唯一対抗できる兵器でありながらも、使い手が人であるためにあまり成果は得られていない。

 とはいえ、だ。

 たった一つでも軍用として用意されたものである。CR-ユニットを作っているのは民間企業であるものの、だからと言って粗末に扱っていいものではない。

 加えて精霊のことも秘匿されている以上、盗まれるなど言語道断なのだ。

 

「……それで、監視カメラの映像と盗まれたCR-ユニットの製造番号(シリアルナンバー)は?」

「……ないわ」

「ない? ……一体どういうこと?」

 

 折紙の質問に対し、上司である日下部という女性は苦々しい顔で答えた。

 曰く、「カメラの映像もデータベースの情報も書き換えられている」と。

 仮にも陸自の一部隊であるASTのデータベースにハッキングを仕掛けるという事実。それだけでも十分テロ行為に値するが、最も大切に扱うべきCR-ユニットを盗み出すという行為。

 舐められているとしか思えない。

 だがしかし、犯人を捕らえようにも姿はおろか盗まれた形跡さえ残っていない。現場にいる整備班から報告を受けてようやく気付いたのだ、犯人はとうの昔に逃げだしている。

 前回精霊が現れた時──<サイレント>と名称がつけられた精霊が現界したときはまだあった。つまり、ここ数日の間に盗まれたのだ。

 

「見つける手段は?」

「残念ながら無いわね……そもそも、データに残っていない以上は備品の数さえそのままになる可能性だってあるわ。最低限全員分のCR-ユニットは残っているけれど、少なくとも一人分一式が盗まれている。放ってはおけないけど、どうにもできないのが現状よ」

 

 犯人を追おうにも足取りが掴めない。一体誰がこんなことをしたのか、折紙の頭の中では疑問符が渦巻いている。

 そもそもの話、CR-ユニットとは最低限の素質が無ければ使用することすらままならないものである。それを盗んだとして、果たして犯人はそれを扱えるのか?

 さらに言えば──精霊のことが公にされていないのだ。CR-ユニットは元が民間企業の物であるとはいえ、軍事転換されたものである以上は軍事機密になっている。つまり、そこらの一般人が知っているはずがない。

 であれば自ずと犯人は絞られてくる。

 

「……AST内部に裏切り者がいる?」

「ま、無いとは言えないのが悲しいわね」

 

 内部犯の実行であった場合、データベースの改ざんも監視カメラの映像編集も可能だろう。それが卓越したハッカーなどであるならなおさらだ。

 日下部はそれを懸念して折紙に話したようだし、内部にいる裏切り者をあぶりだそうとしているのかもしれない。何が目的かはわからないが、普通の思想では出来ないことだ。

 顕現装置を作る会社であるDEM社の者であればわざわざ陸自の備品を盗む必要もないはずだし、それ以外でこれほどのことが出来るのならばやはり内部犯を疑うしかない。

 そんな状態で今、折紙が思うことといえば。

 

「……せめて、CR-ユニットが精霊を殺すために使われることを願う」

 

 己の復讐のためにも、そう願った。

 

 

        ●

 

 

 五河士道は困惑していた。

 先日現れた一人の少女。十香、千璃に続いて三人目の精霊であろう彼女もまた士道が攻略しなければならない相手だろうと思っていた矢先のこと。

 琴里は静粛現界について調べるといい、十香は疲れたのか先に風呂に入って部屋で休んでいる。

 そして士道が部屋に戻った時、まるで見計らったかのように青いスマートフォンが着信音のメロディを鳴らす。

 

「……千璃さん、ですか?」

『おー、こんばんは、士道君』

 

 初めて使う士道としては本当に相手が千璃かどうかわからない。若干ドキドキしながら電話に出ると、千璃の声が驚くほどクリアに聞こえてきた。

 相変わらず、というほど長い付き合いではないが、千璃が驚くほど「軽い」性格をしているのはわかっている。掴みどころがないと言い換えてもいいが、ともかく性格のつかめない相手であることは確かだ。

 一体何の用だろうかと思いつつ、士道は返答する。

 

「どうしたんですか? 昨日の今日でかけてくるなんて、何かあったんですか?」

『そういうわけじゃないけどね。ただ、君がどれくらい精霊について知ってるのか確かめておこうと思って』

 

 はぁ、と気のない返事を返す士道。

 実際のところ、千璃をどこまで信用すべきか迷っている部分はある。如何に『精霊は庇護対象』といったところで、彼女たち自身が敵対するならばどうしようもない。

 望んで敵対しているわけではないと思っているし、そうあってほしいと願ってはいるものの、絶対とは言い切れないのだ。

 そんな相手の情報を鵜呑みにするわけにもいかないのだが、正否はともかく情報として知っておくのは悪くないだろうと判断し、士道は千璃の提示した話題に乗ることにした。

 

「ていうか、千璃さんはどこまで知ってるんですか? 俺は精霊については基本的なことしか知りませんけど……」

『基本的、っていうのがどこまで適応されるかによるね。精霊一人一人の性格を詳しく知っているかって言われたらノーだし、精霊の使う『天使』を知っているかと言われるとイエスと答えられる。大雑把なもんだよ。実際に会ったことあるわけじゃないし』

「精霊にあったことがあるわけじゃないんですか?」

『多分ね。昔の記憶はほとんど無いし、隣界にいるときは周りのことを知覚できなかったから自信はないかな』

「……どういうことですか?」

『フフーフ。興味が湧いてきた? 隣界にいるときってね、精霊は基本的に眠っているの。だから私も向こうにいるときは彼女たちとは一切接触していない』

 

 そういえば十香も似たようなことは言っていた。「あちらに移った瞬間、自然と休眠状態に入ってしまう」と。

 隣界とはいったい何なのか。若干の興味が湧いてきた士道だが、頭を振って話を戻す。

 今聞くべきはそこではない。次から次へと爆弾発言が飛び出てくるが、それは心の中に忘れないようメモしておくことにする。

 彼女に質問できるこのチャンスで、この流れのまま質問すべきことは。

 

「じゃあ、千璃さんはどこでそんな情報を手に入れたんですか?」

『それを聞いちゃうか。……ホントのこと言うとさ、私の「天使」が情報を集めてるんだよね』

「『天使』が情報を……?」

『そそ。精霊じゃない君には理解出来ないだろうけど、「天使」っていうのは基本的にはその精霊の「核」にも近い。精霊を精霊足らしめているのが「天使」なの。私の場合、その核である「天使」が意思を持つ(・・・・・)特殊なものなの』

 

 人間でいうなら心臓。精霊を精霊足らしめている異能の塊。それが意思を持っているということが、どれだけ異常なことかは士道にもわかる。

 例えるならば、心臓が意思をもって勝手に動いているようなものだ。心筋は疲れることもなければ意思にも関係なく必要なだけ動くが、意思を持っているなら自由にその肉体を死なせることが出来るということ。

 もちろんこの例えでは心臓も死に至ることになるが、精霊にとってそれほど重要な存在である『天使』が意思を持つというのは士道には考えられないことだった。

 唖然としてると、こちら側の雰囲気を読み取ったのであろう千璃が苦笑しつつ語りかけた。

 

『私と君だけの秘密よ? 「天使」の中でも唯一私の「天使」だけがこうなってるの。理由は……まぁいくつか思い当たる節があるにはあるけど、君には関係ないからカット』

「カットて……でも、そんな重要なことを俺に話していいんですか?」

『いいのよ、士道君のことは結構信頼してるから』

 

 しかし、何故ここまでの情報を明かされるほど信頼されているのだろうか。嬉しくはあるが、不可解でもある。

 会ったのは一度きりで会話もそれきり。ある程度気軽に話せる仲とはいえ、重要な情報を教えてもらえるほど仲良くなれたとは思っていなかったのだが。

 カラカラと笑う千璃は下心などなさそうで、士道としては気恥ずかしくもある。

 

『そしてそんな信頼してる士道君に一つお願いがあります──お金、貸してくれない?』

「予想はできてました」

 

 やっぱりそんなことだろうと思ってた士道であった。

 

 

        ●

 

 

 翌日。

 十香と一緒に住んでいるとはいえ、一緒に登校されると色々邪推されるということで登校時間をずらしている士道は、若干急ぎ足で呼び出された場所に赴き千璃と合流した。

 昨日は拾った五百円とギャンブルでどうにかしたのだが、やはり一日二日程度が限界ということで士道を頼ったらしい。というか五百円をギャンブルの元金にして二日凌ぐというのも相当だと士道は思った。

 二日前と変わらぬライダースーツの千璃。一応霊装ではなくそれっぽいだけの別物らしいが、傍目には同じにしか見えない。

 ひらひらと手を振っている千璃はどことなく疲れた表情をしている。

 

「なんか久しぶりって感じするね」

「まだ二日くらいしか経ってませんけどね」

 

 ははははは、と笑いあう二人。

 では早速、と拝みながらお金を受け取る千璃はなんだか年下のようにも思えて、思わずくすっと笑ってしまう。

 状況的には士道がカツアゲにあっているとみられてもおかしくはなさそうだが、千璃の平身低頭な態度を見るとそれも薄れてしまいそうだ。

 先日のゲームセンターでのあまり、諭吉さん一人分を手渡すと千璃はほっとしたような顔をした。相当切羽詰っていたのだろうか。

 

「いやー、助かったよ士道君。昨日はご飯食べるのも困っちゃってね。そこらのマンションで空き部屋を拝借して夜は凌いだんだけど、ギャンブルで生活するのも大変だね」

「いやそりゃそうでしょう」

「ロイヤルストレートフラッシュが五連続で来なかったら負けてたね」

「どう考えてもイカサマやってるようにしか聞こえないんですが……」

 

 しかも非合法の賭博場だというから恐れ入る。というか、割と長く住んでいる士道でさえ知らないことを千璃は良く突き止めたものだと士道は思う。

 陸自の駐屯地があったりする土地柄、そういった犯罪は起こりにくいと思っていたが案外そうではないのだろうか。

 まぁ、今そんなことを気にしても仕方がない。これから学校である以上、それほど時間があるわけでもないのだし。

 時間的にはまだ余裕があるが、あまり他人に見られても問題ないとは言えない現場である。先に行った十香も待っているだろうと考え、士道は学校に向かうことにした。

 

「頑張れ少年。私はこのお金で稼いでくる」

 

 いやあんたまたギャンブルやるのかよ、とつい叫んでしまった自分は悪くない。士道はそんなことを思いながら学校へと足早に歩いていく。

 

 

        ●

 

 

 それほど時間もかからず通っている学校──来禅高校に到着する。

 朝から疲れた士道であるが、今から夕方まで授業を受けなくてはならない。なんとなく面倒くさい気持ちが芽生えてくるが、だからと言って授業をサボるわけにもいかないので我慢する。

 教室に入った途端、友人である殿町が親しげに声をかけてきた。

 

「おーう五河。どうした朝から不景気そうな顔して」

「まぁ……いろいろあってな」

 

 千璃のことを話すわけにもいかないので、士道は殿町が机に広げて見ていた雑誌のほうへと目を向ける。何やら漫画雑誌巻末のグラビアページを真剣な様子で見ていたからだ。

 殿町は士道の視線に気づいたのか、雑誌を見せてくる。

 

「気になるか? 実はこれ、読者投票で次号のグラビアのコスチュームが決まるんだが……お前はナースと巫女とメイド、どれが良い?」

 

 にやりと笑う殿町。何故ドヤ顔なのか問い詰めたいが時間の無駄なので放っておく。

 それほど真剣に考える様子もなく、士道は「適当でいいや」と思って答えた。

 

「……メイド」

「メイド……まさかお前がメイド好きだったとはな! 俺たちの友情はここまでだ!」

 

 えらく気迫のある表情でいう殿町だが、内容が内容なので士道としてもどう反応すべきか悩む。

 結果、とりあえず時間を置けば頭を冷やすだろうと思い自分の席へと歩き始める。その直後に殿町が士道の肩を掴んできた。

 

「おい、どこ行くんだよ五河」

「……友情はここまでなんだろ?」

「なんだよお前、ノリ悪すぎだろ。メイド好きとナース好きが手を取り合う。そんな世界があってもいいと思いませんかー」

「お前勢いで喋ってるだけだろ」

「正直そうだけど。でもいいだろナース。合コンとかあったら是非ともナースの人とお知り合いになりたいぜ! 我、ナースの園に向けて進軍セリ! ってな」

「なんだそりゃ」

 

 苦笑しつつ、士道は自分の席に座る。殿町も言いたいこと言ったようで、自分の席でまた雑誌に目を通し始めた。

 その隣に座る少女、鳶一折紙は呼んでいた分厚い技術書からちらりと視線を向けてくる。

 

「…………」

「お、おう、鳶一……おはよう」

「おはよう」

 

 相変わらず抑揚のない声で返答する折紙。一度視線は士道から殿町へといき、もう一度士道に戻ってくる。そのまま小さく首を傾げ、質問した。

 

「メイド?」

 

 どうやら先ほどの会話を聞かれていたらしく、士道は慌てて手を振って鳶一の言葉を否定する。

 

「い、いや……あれは違うから。気にしないでくれ」

「そう」

 

 それだけ言うと、折紙は視線を技術書に戻す。もう一切の興味というものを感じられなかった。それはそれでいいのだが、ちゃんと誤解は解けたのか疑問に思う士道。

 とはいえ人の頭の中などわかるわけもない。折紙のことを信用するとして、士道は席について始業時間を待つ。

 そういえば十香は先に行ったはずなのだが、どこに行ったのだろうかと教室を見まわすと、ちょうど教室に十香が入ってきたところだった。鞄は教室の中においてあるので、おそらくはトイレにでも行っていたのだろう。

 十香は士道が来たことに気付いて笑顔を浮かべ、急いで向かってくる。

 

「シドー、今日は遅かったのだな。いつもはもっと早いのに」

「まぁ、ちょっといろいろあってな。心配するようなことじゃないよ」

「そうか。それならばいいのだ」

 

 心配する十香にちょっと罪悪感が湧きそうになるが、何も悪いことはしていないので無理やりその罪悪感をねじ伏せる。

 ちょっと前まであっていたエロハプニングも、<ラタトスク>の面々が忙しいためにあまり行われていない。今は平和で何事もないが、またあるんだろうなぁと思うと士道の心が陰鬱になってくる。

 正直、あれは勘弁してほしかった。訓練になっているような気がしない。

 ついでに隣から向けられるツンドラのような視線も勘弁してほしいところだった。十香攻略の際、折紙とは交際関係にある……ことになっていたため、折紙の嫉妬なのだろう。

 士道としては本気で言ったわけでもなかったので、どうしてこうなったと言わんばかりの現状に頭を抱えたくなる。

 すぐに予鈴がなり、十香も席に着く。

 できれば平和になんとかしたいと思いつつ、先生が来るのを待っていた。

 

 

        ●

 

 

 四限目の授業終了のチャイムが鳴ると同時に、昼休みということで教室の空気が一気に弛緩する。

 その中で、士道は左右からがっしゃーん! という音を立てて机を並べられていた。

 右に十香、左に折紙である。

 士道を挟んで見えない火花を散らす二人。ため息をつきながら諌め、弁当を開けた瞬間に折紙の目つきが変わった。

 それを見て油断した、と自分を呪う士道。

 

「これはどういうこと?」

 

 十香と士道の弁当を見比べて問いかける。

 五河家では両親がいない今、弁当を作るのは士道の役目である。そして十香は五河家に住んでいるので、十香の分の弁当を士道が作るのもまた自然な流れである。

 そしてここで問題が起こった。

 ──士道と十香の弁当の中身が全く一緒なのだ。

 当然と言えば当然なのだが、折紙にとって自分の恋人と恋敵が同じ弁当をもってきている(しかも手作り)という事実を見過ごすわけにはいかない。

 どういうことなのか問い詰めようと迫る折紙。たじたじになる士道。訳がわからずクエスチョンマークを浮かべている十香。

 どうすれば……と士道が考えていた瞬間。

 

 ウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ────

 

 ざわついていた教室が一瞬で静まり返る。町に響くそれは誰もが聞き逃してはならないもので、聞いた瞬間に行動を始める。

 ──空間震警報である。

 折紙は一瞬の躊躇を見せるも、ASTという仕事があるためすぐに出ていかなければならない。

 不謹慎ではあるが、助かったという気持ちが非常に大きかった。あのまま問い詰められていたらどうなったことやら、と息を吐く。

 

「……みんな、空間震警報だ。すぐに地下シェルターへ避難するしてくれ」

 

 教室のドアを開けて令音がやってきた。<ラタトスク>の研究員という肩書を持つ彼女は、十香の経過観察や予期せぬ事態のために学校に派遣されている。

 令音はぼうっとした声で皆に呼びかけ、生徒たちはすぐに地下シェルターへと避難を始める。

 

「シン、君はこっちだ」

「……わかってます」

 

 一度は自分の身の危険を感じてやりたくないと思ったこともある士道だが、今はそうではない。

 精霊がどのような存在であれ、空間震を起こすからとその命を理不尽に奪っていい理由にはならないと思っているからだ。ましてやそれが自分自身にしか出来ないのであれば、思い上がりだろうと自分が救ってみせる。

 避難を始めているクラスメイト達とは違う方向、昇降口へと向かう令音。それについていこうとする士道だが、その前に十香に向き直って語りかけた。

 <ラタトスク>としては、十香を連れていきたくないのだ。自分がASTに襲われていた時のことを思い出してしまうかもしれないし、それで精神が不安定になって精霊の力が逆流するかもしれない。

 なるべくストレスを与えたくない以上、見せないに越したことはないと判断した。

 

「十香、お前は皆と一緒に避難するんだ」

「わかっている。だが、シドーはどこに行くんだ? シドーも避難するのではないのか?」

「俺はちょっと行ってこなくちゃいけない。大事な用事だ」

「空間震が起こると危ないのだろう? 怪我をしてしまうんじゃないのか? 私は、シドーがけがをするのは見たくないぞ……」

「……大丈夫だよ。怪我しないで、ちゃんと戻ってくるから」

「ッ……絶対だぞ」

「ああ、絶対だ」

 

 それだけ言って、心配そうな顔をする十香を尻目に士道は駆け出した。

 




なお、十香と四糸乃の間に千璃が挟まったことで士道のやる気スイッチはオンになっています(なに
……いえ、そういえばこの時まだ精霊の力を封印するのに乗り気じゃなかったと今になって気づいたので。書き直すのもめんど……あれだったので。

あと、メインヒロインは十香です。誰が何と言おうと十香です。千璃はヒロインと呼べるヒロインじゃありません。

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