堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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何とか年内に投稿する事が出来ました
今回で今年の投稿はお終いになると思います
今年もありがとうございました。


暴く千雨

「マギ先生、アンタは魔法使いだな?」

 

 

 突然千雨に問われ、マギはどう答えたらいいか迷った。

 千雨に何故このように問われたか、それは2時間ほどに遡る。

 大会の表彰の後に数々の取材から逃れるマギとネギ。

 その後に以前に茶々丸に野点を誘われ、会場に居た千雨をマギは誘う。

 いつもだった少々渋る千雨が少々間を開けてから行きましょうとマギに言った。

 何時もと様子の違う千雨に少々首を傾げながらもネギと一緒に野点会場へと向かった。

 野点会場には着物を着た千雨と、観戦に来ていた3-Aの生徒達が先回りしていた。

 なんでも決勝で頑張ったマギとネギを労いたいからだと。

 生徒達の好意に甘える事にしたマギとネギは控室で着物(プールスは茶々丸が着替えさせた)へ茶々丸の指導で着替えた。

 マギとネギが着替えている間にも生徒達も着物に着替えていた。

 労うと言っても一緒にお茶を飲んで話をするだけであるが。お茶を飲むときの礼儀作法を事前に勉強していたマギとネギ。生徒達も2人の作法に感嘆な声を上げる。

 とここで終わらないのが3-A、柿崎が今の内に得点を取っておけばネギかマギをゲットできるのではと考え、マギとネギに一斉にアピールをし始めた。

 と流石に度が過ぎたためにあやかに止められ、今度はあやかのミスからお色気のアピールへと繋がった。

 ネギは色々と焦り、マギはやれやれだぜとお決まりの台詞を呟いた。

 話は進み、マギが準決勝で戦ったナギの話になった。

 あやかはナギの行方が分からないのであれば、自分の家の力を使って、ナギを探すのをサポートするとネギに言った。

 他の生徒達も半ばノリではあるが、ナギを探すのを手伝うと言ってくれた。

 ノリではあるが、言ってくれたことに関して、礼を言うマギと泣きながら礼を言うネギ。

 なんて楽しくやっていたのだが、またもや取材陣が現れた。

 生徒達が取材陣を食い止めている間に、マギとネギは茶々丸と千雨に連れられ野点会場を後にした。

 一つに纏まっているとまた取材陣が一斉に向かってきそうだと言う事で、ネギは一旦マギと離れる事を提案。

 一旦小太郎の元へ向かい、時間が経ったら合流するとのことでマギ達から去っていくネギ。

 少し休もうと、近場にカフェテリアにて一段落落ち着いて、プールスとマギがトイレに行き、戻っている間に若干顔を赤くした千雨に問われ、現在に至る。

 

 

「あぁ~……一応聞くが、なんで俺が魔法使いだと思ったんだ?」

 

 

 恐らく誤魔化そうとしても、千雨の事だから騙される事は無いと判断したマギは、一応何故自分が魔法使いなのかを聞き返す。

 

 

「さっきまで行っていた武道大会、色々と可笑しな現象が起こっていたが、CGとかそう言う演出ですなんて誤魔化すのは無理がある。今の時代、あんな光線ぽいのや、巨大な人形擬きを急に出現させるなんて無理だ。それにマギ先生が急に変に変身ぽい事をしたのも普通じゃありえない。それと今聞いたが茶々丸さんも人間じゃなくてガイノイドときたもんだ。最後に決定づけるのは、今ネットの掲示板にて騒がれている魔法。超能力とかそう言う類ではなく魔法。もし魔法が実在するのなら、さっきまでの現象は魔法と言う事になる。そしてマギ先生もその現象を起こした1人。マギ先生=魔法使い……この説は間違っていますか?」

「あぁ……もう正解でいいか。そうだ、俺やネギは魔法使いだ。まぁその何だ……俺が魔法使いって事は秘密にしてくれねぇか?バレると色々と面倒なんだよこれが」

「大丈夫です。こんな事話しても頭の可笑しい奴としか思われませんから」

 

 

 溜めた溜息を吐くマギを見ている千雨。まさか本当に魔法と言った非日常の物が存在するとは……千雨は正直これ以上関わりたくなかった。

 謎が分かったところで、自分は退散しようとした千雨。だが

 

 

「いたぞマギ選手だ!」

 

 

 マギを探していた取材陣に見つかってしまった。

 

 

「んげ!」

「もう見つかっちまったか」

「逃げましょうマギ先生」

 

 

 逃げる事にしたマギ達。千雨を連れて。

 

 

「ちょ!マギ先生!何でアタシまで!?」

「俺といたお前だけ残っちまったら、俺の関係者と見られて質問攻めにあうだろ絶対。千雨だって質問攻めは嫌だろ?」

「それもそうだけど!てかこの抱え方やめろぉ!」

 

 

 取材陣から逃げるために千雨を横抱きしたマギに対して、千雨は叫んだ。

 取材陣から逃げるほかにも、武道大会を見ていた者、ネギを探していた取材陣、サインをねだる女子達、マギに弟子入りを願い出るマッチョ達。そしてまた取材陣。

 正直精神の方が疲れる逃走劇だった。

 

 

 

 

 

「まぁここまで逃げれば何とかなるだろ」

 

 

 マギ達が逃げてきたのは観覧車。ゆっくり動いているため、休めるのと時間が経てば取材陣も諦めるだろうと判断したからだ。

 

 

「これで少しは休めるかな。たくこっちは病み上がりで体が限界だっての」

「あのっでは、マギ先生っ宜しければ私の膝へ。膝を熱で温めるので少しでも横になってください」

「いや、流石に生徒の膝を使うのはモラル的に不味いだろ」

「マギ先生は今日は色々と大変だったのでっ少しでも休めればと思ったのですが……それにマギ先生はこの後も予定があると聞きました。ですので少しでも休んでください」

「……そう言う事なら甘えさせてもらうかな。というか……やべ、もう限界だ」

 

 

 瞬間、糸が切れたようにマギは茶々丸の膝に頭を乗せた。静かな寝息を立てるマギ。プールスも茶々丸の膝に横になった。

 マギとプールスの頭を優しく撫でながら茶々丸は微笑んだ。

 

 

「な~んか嬉しそうだな茶々丸さんよ。そんなにマギさんに膝枕をしたのが嬉しかった?」

「えっわっ私はそんなつもりでやったわけでは……」

「誤魔化さなくていいよ。好きなんだろマギさんの事が。羨ましいよ、好きな人のためにそうやって献身的になれるのが、アタシは無理だよ。こういう性格だから、そう言う事は出来そうにない」

 

 

 遠くを見つめながら千雨はそう言った。

 

 

「あの千雨さん、前から聞こうと思ったのですが、マギ先生の事」

「ん?あぁもうはぐらかすのは止めるよ。好きだよマギさんの事。たぶんもう無いだろうな。誰かに恋とかするのは……んでマギさんに膝枕するって事はアンタもマギさんの事が好きなのか茶々丸さんよ」

「……正直まだ分かりません。けど、マギ先生と話したり一緒に居たりしているだけで、体の奥が温かいんです。これが恋なのでしょうか……」

「いやそれ普通に恋してるじゃねぇか。なんだよ普通に恋する乙女じゃねえか」

 

 

 茶々丸に乾いた笑みを浮かべる千雨。

 

 

「ですが、若しかしたらもうすぐマギ先生とは会えなくなるかもしれません」

「あ?如何いう事だよ?」

「私を造ったあの方達は、この麻帆良祭にて、大きな計画を実行しようとしています。それが成功したら世界は大きく変わります。若しかしたら、もうマギ先生やネギ先生とは会えなくなるかもしれません」

「まるでマギさんとはもう会えないみたいな言い方じゃねぇか」

「私はあの方たちに造られた。なら、あの方たちの計画に賛同するのは当然の事……ですが、私はマギ先生の助けになりたい。そう思っています。これはいけない事なのでしょうか……」

「いいんじゃない?好きな人を助けたいと思うのはごく普通の事だとアタシは思ってる。それにこの時期反抗期な子供なんてごまんといる。偶には反抗するのもいいかもしれないし、若しかしたら子供が自立し始めていると見て、アンタを造った親も喜ぶかもよ?偶には自分の心に素直になってみるのもいいかもしれないぜ?」

 

 

 笑顔で言い切る千雨を数秒ほど見つめる茶々丸。そして観覧車の外の景色を眺める事数秒後

 

 

「……私も自分の気持ちに素直になろうと思います。私はマギ先生の手助けをしたいです」

「ん、いいんじゃないか」

 

 

 笑いあう、千雨と茶々丸。と此処で茶々丸がポツリと

 

 

「千雨さんも宜しかったらマギ先生の手助けをしていただけないでしょうか」

「アタシが?いやアタシはいいよ。正直言うと非日常とかそう言った類は苦手だしさ。アタシは日常の世界でマギさんと色々な事が出来ればそれで……」

「魔法の世界に入れば、ライバルが多いですが、マギ先生と一緒にいる時間が増えますが……」

 

 

 

 茶々丸がまたもポツリと呟いた瞬間、千雨は固まる。

 固まった後

 

 

「ふっふーん……魔法を知ればネットアイドルのネタになるかもしれないかもしれないからなぁ。どっどうしても、どうしてもって言うなら協力してやってもいいかもなぁ~しょうがないなぁ~」

 

 

 

 所々土盛りながら茶々丸にそう言う千雨。茶々丸に素直になればいいと言っている千雨が、素直ではないと言ったこの状況。

 そんな千雨を可愛いと思った茶々丸であった。

 マギが休んでいる間に科学に強い茶々丸と、ネットに強い千雨が、来る大きな計画を阻止するための強力な味方となるのであった。

 

 

 

 

 




2018年も
宜しくお願いします!

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