堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

84 / 179
更新遅れてしまい申し訳ありません
なんか気分が乗らなくて……
それではどうぞ


マギvs楓 影分身の脅威

 いよいよマギと楓の試合が始まる。万全に動けるようにとマギは選手控室で準備体操をする。

 

 

「しかし改めて思うとこの大会って、一般人の出場者が殆どいないな。魔法使いに獣人に吸血にロボットとか」

「そうでござるなぁ」

「忍者のお前が他人ごとみたいに言うんじゃあねぇよ」

 

 

 呑気そうに答える楓にマギはツッコミを入れる。

 

 

「そういえば、マギさんとはこうして2人きりでこうして話すのは初めてでござるな」

「ん?あぁそう言えばそうだな。会う時には俺にはネギ、楓の方では風香と史伽がいたからな」

 

 

 滅多にない2人きりの状況を珍しがるマギと楓は笑みを浮かべる。

 と楓は糸目を開いて

 

 

「今回初めてマギさん……否マギ殿と戦う事になるでござるが、拙者本気で行かせてもらうでござる。御覚悟を」

「あぁ。今日は先生と生徒と言う間柄じゃなくて、互いに高みを目指す戦士として、正々堂々とな」

 

 

 握手をして、準備が完了した2人はリングへと向かう。2人がリングに入った瞬間から大歓声が響き渡る。

 

 

『興奮が冷めぬまま、第6試合が始まります!高畑選手との激戦を繰り広げたネギ選手のお兄さんであるマギ・スプリングフィールド選手!彼もかなりの実力があると伺っております!対する長瀬楓選手、予選では分身の術を私達に見せてくれました!噂では休日では山で修業をしているとの噂が!修業の成果がこの試合で活かされるのでしょうか!?』

「和美の実況も熱が入ってるな」

「忍びは忍ぶものでござるが、今回は修行の成果の大盤振る舞いでござるよ」

 

 

 マギと楓が構えた次の瞬間にゴングが鳴り、試合が開始される。

 先ずは様子見とマギは楓との距離を保っていると

 

 

「まずはマギ殿にこれを見せるでござるよ」

 

 

 楓の人数が1人2人と増えて行って遂には本人を混ぜて5人へとなる。これにはマギも驚きを隠せない。

 

 

「改めてみるけど、これが影分身ってやつか?流石忍者ってことか」

「マギ殿が驚いた顔を見るのも面白いでござるな」

「攻撃の重みが本体と同じなのが4体までが限界でござるからな」

「つまり、拙者が5人いると考えた方がいいでござるよ」

「それではマギ殿」

「ご覚悟を」

 

 

 楓5人が一斉にマギに向かって来る。

 

 

「……やれやれだぜ。一対多なんて状況になるとはな。でも、燃えてる俺もいるんだよね」

 

 

 楓2人がボディーブローを食らわしてきた。マギが両腕をクロスさせてガードしていると背後から拳に気を纏った楓の姿が

 マギは拳を流す様に受け流し、カウンター技で楓を沈める。沈められた楓は分身だったみたいでドロンと煙と一緒に消えてしまった。

 本体を倒せば分身が消えるわけだが、その本体がどれなのか分からない。マギは今迄戦った事のない忍者に対して、厄介な相手にカテゴリを入れる。

 マギが怯んでいる隙に余人の楓が一斉に攻撃を繰り出した。マギは魔法の障壁で楓の攻撃を防ぐ。が……

 

 

「忍!」

 

 

 楓が印を結んで、殴り掛かるとマギの障壁が破壊されてしまった。初めての事でマギは驚く。さっきから驚きの連続である。

 

 

『楓忍法!四つ身分身朧十字!!』

 

 

 楓4人がマギに攻撃し、それが十字の文字になった。これは手ごたえがあったようで、マギは片膝をついてしまう。

 

 

『あぁっと!マギ選手、忍者である楓選手に手も足も出ない!やはり戦った事もない忍者に対して攻め込むことが出来ないのかぁ!?』

「たく和美の奴大げさすぎるだろ。でも分身の術って言うのが厄介なのはよく分かった」

 

 

 直ぐに立ちあがるマギは片膝に付いた土ぼこりを掃う。手ごたえがあるとは言ったが、マギにとっては大したダメージではない

 いつの間にか一人に戻った楓が苦笑いを浮かべながら

 

 

「結構自信があったのでござるが、余り効いている素振りを見せられると、拙者も驚きでござる」

「エヴァとの修業で鍛えられたからな。それにしても楓は強いな。魔法使いとかに関わったのが最近だっていうのに前からこんなに強かったのか?」

「拙者小さいころから修業に修業を重ねたでござるからな。更なる高みへと目指すためでござるよ」

「そうか、だったらとことん付き合ってやるよ。俺もこんな所で止まってられる暇はないんでな」

 

 

 そう言いながら、マギは魔力と気を集中させる。そして合成、咸卦法を発動する。

 

 

『おおっと!マギ選手、高畑選手と同じ凄い状態になったぁ!パワーアップしたマギ選手に対して楓選手はどう対処するのか!?』

「いくぜ楓。遅れるんじゃあないぜ」

「それはこっちの台詞でござるよ」

 

 

 マギと楓が一瞬で姿を消したかと思いきや、ぶつかり合いで、衝撃波がの様な物が何度も何度もリングで響く。

 マギと楓は消えたのではなく、互いに瞬動術を駆使して高速で動きながら戦っている。余り早さに目で追いつくとこも出来ずに呆然としている観客たち。

 

 

『こっこれはぁ!某バトル漫画である高速で動くキャラ達がぶつかり合って起こる衝撃波だぁ!余りの衝撃波に会場が響く!水が轟くぅ!というかお二人さぁん!姿が見えなきゃ実況出来ないんだけど!』

 

 

 観客全員思った事を代弁して、和美が2人に見えるように戦えと素でそう言う。

 和美の実況に応じたのか、マギと楓が急停止する。見ればマギは軽傷で、楓はマギよりも怪我が目立っている。

 

 

「やはり男と女の差でござるかな?マギ殿は拙者よりも力も早さも上でござるな」

「何言ってるんだよ。気の使い方はお前の方が上じゃあないか。ご丁寧に体の内側を攻撃して、おかげで体中ジンジンするぜ」

 

 

 外傷がないマギだが、実際の所ダメージは入っている。と言うのも楓が気を纏った拳で攻撃しそれを防ぐことにマギは体の内側からダメージを喰らっていることになる。

 さらに楓の気がマギの気の流れを乱してしまうために、思った動きが出来なくなってしまう。

 

 

「たく味な攻撃をするよなぁ。おかげで体がバキバキだぜ」

 

 

 ゴキパキと首の関節から音が鳴り、首を鳴らしているマギに楓は苦笑いを浮かべ頬を掻きながら

 

 

「いやいや本来だったらもう立っている事も出来ないはずでござるが、どういう体のつくりをしてるでござるかマギ殿」

 

 

 ツッコミを入れる。

 

 

「んまぁそんな事どうでもいいじゃねぇか。話すよりも試合を再開しようぜ」

「そうでござるな。では拙者も本気を出させてもらうでござるよ……忍!」

 

 

 楓が印を結ぶと一気に楓が15人へと増え、合計16人へとなる。楓が増えた事に観客は更に興奮の歓声を上げる。

 

 

『でたぁ!16分身だぁ!4人でも驚きなのに16人となると逆に驚きを忘れてしまいそうになります!この戦力差にマギ選手はどう対処するのか!?』

 

 

 楓達が一斉にマギに攻め込んできた。マギも二度目の咸卦法を使い、真正面から受けて立った。

 16人もいるとなると、パワーがそこまで無い。が無いと言っても攻撃の一発一発が魔法の矢一発の威力だ。決して油断は出来ない。

 マギもそれを理解している。何も考えずに攻め込んだら返り討ちにあう。だからこそ決して隙を見せず、慌てず落ち着いて活路を見出せばいい。

 

 

(それにしてもこの数はやっぱ多すぎだな。前々から思ってたが楓は3-Aの実力者の中でも高い。もしかしたら刹那やエヴァンジェリンに真名を省いたら一番強いかもしれない。どうするか……仕方ない。二番煎じって言うのは面白くないけど、まぁやるしかないか)

「はぁっ!!」

 

 

 魔力と気を一瞬だけ爆発させて、強力な衝撃波を生み出し楓達を怯ませるそしてマギは上空へと飛び、浮遊術で浮かぶ。分身ではなく、今度は空を飛んでいるマギを見て観客たちはざわつく。

 

 

『とっ飛んだぁ!?種も仕掛けも無いのにどうやって飛んでいるのでしょうかマギ選手は!?」

「いや可笑しいだろ!人間が簡単に飛ぶなんてありえねぇ。絶対仕掛けがあるはずだ……!」

 

 

 千雨は目の前で飛んでいるマギを見て、必死で種を暴こうとするが種も仕掛けも元からないのである。

 そしてフワフワと浮いている。マギは構える事も無く、手をポケットに突っ込んだ(・・・・・・・・・・・・)

 

 

(あの構えは……どうやら一気に勝負に出る方がいいでござるな)

 

 

 楓16人は跳び上がり、マギを仕留めようとするが、連続する破裂音が鳴り響き楓16人は見えない攻撃によって、そのまま楓はリングに叩きつけられた。

 ネギやアスナに刹那は驚き、エヴァンジェリンはフッと小さく笑った。

 

 

「悪いな楓。俺タカミチに咸卦法教えてもらった他に、ちょいと居合拳も教えてもらったのよ」

 

 

 そう言いながらマギは情け容赦なく連続の居合拳を乱れ撃つ。居合拳を喰らった楓の分身は一人また一人と消えて行く。

 観客から見れば一方的な光景に見えるが、実際は違う。多く分身をすればするほど気などの力は薄くなる。楓本人の気が目立つ。だからこそマギは本人を狙わずに分身だけを倒す事が出来る。といっても……女の子である楓に対して一方的な事をすれば傍から見れば結構な痛々しい光景ではあるが。

 気が付けば分身は全て消え、楓一人が残されていただけだ。

 

 

「これで五分と五分って所か?まぁ俺もあと少しでガス欠になりそうだけどな」

「拙者も分身をつくる事は難しいでござるな。後一発強力な一撃を叩き込むだけでござるよ」

「そうだな。ここいらでケリをつけるっていうのも悪くない」

 

 

 マギは最後の咸卦法を使い、楓も大きな気を拳に纏わせた。次で決まる。観客の誰もが理解し固唾を飲み込む。

 楓が飛び込み、マギの懐に入ろうとする。

 

 

「豪殺居合拳」

 

 

 轟音の後に、楓がリングに沈んだ。

 流石にこれはもう駄目だと思った観客だが、楓はムクリと立ちあがった。どうやら音のわりには威力が弱かったようだ。が楓はフウと息を吐くと

 

 

「降参でござる」

 

 

 ギブアップを宣言した。

 

 

『おおっと!ここで長瀬自らギブアップ宣言!流石にこれ以上戦うのは無理だとはんだんしたかぁ!?長瀬選手のギブアップにより勝者!マギ・スプリングフィールド選手だぁ!』

 

 

 観客は、勝者のマギと最後まで戦った楓に拍手を送る。拍手が送られる中、マギはゆっくりと降りてきて楓と握手をした。

 

 

「ありがとうでござる。拙者まだまだ精進が必要だと改めて実感したでござるよ」

「こっちもだ。世界は広い。こんなにも強い奴が他にも居ると思うと、もっともっと修業をつけないとな」

 

 

 拍手の中、マギと楓はリングを後にした。

 

 

 

「お兄ちゃん!」

「楓姉!」

「マギお兄ちゃん!」

 

 

 選手控室にて、すり傷を治したり休息を取っているとネギが風香と史伽を連れてやってきた。

 

 

「おう風香に史伽。さっきの試合見てたのか」

「うん!楓姉がイッパイに増えたり、マギ兄ちゃんが空飛んでたりしててボクと史伽ビックリしたんだよ」

「ハラハラしたけど、面白かったです!」

「ははそれはそれは、頑張ったかいがあったでござるな」

「まぁ張り切り過ぎてちょっと疲れたけどな」

 

 

 マギと楓が笑みを浮かべていると風香と史伽は

 

 

「楓姉頑張ってたけどザンネンだったね。でもすごかったよ!やっぱりボクと史伽の楓姉だ!」

「ありがとうでござるよ風香」

「マギお兄ちゃんおめでとう。カッコよかったです!」

「ありがとうな」

 

 

 それでねと風香と史伽が互いに顔を見合わせ、ニッコリ笑ったと思いきや……マギの両頬にキスをした。

 マギは固まり、ネギは驚き、カモはムホッとオヤジぽく鼻息を荒くしプールスはひゃぁと黄色い声を上げた。

 

 

(これはこれは、いいものが見れたでござるなぁ)

 

 

 楓は内心そう思いながら目の間の光景をニヤリと笑っていた。

 

 

「勝利のご褒美のキスです」

「こんな美少女にキスされるなんて、マギ兄ちゃんも幸せものだね!」

 

 

 風香と史伽がニシシと笑うのを、マギはフッと笑い

 

 

「まったく、随分と可愛いご褒美だな。やれやれだぜ」

 

 

 なんてキザっぽくカッコつけてみたが、急に背筋が冷えてくるのを感じた。

 

 

「マァァギィィィ……お前何をやってるんだ?」

「えっエヴァ!・いやこれはだなその」

 

 

 咸卦法を連続で使ったマギを少し心配になったエヴァンジェリンは、マギが戻った控室に様子を見に行った。そしてマギが風香と史伽にキスされている光景を目撃する。

 エヴァンジェリンの目には、マギがキスをされて鼻の下を伸ばしていると見えたため、殺気を混ぜてマギに詰め寄った。

 

 

「よりによって私より子供っぽい双子にデレデレしおって!なんだ双子がいいのか!?3人でヤリタイのかこの変態!」

「ちょっとまてエヴァ!お前自分の事子供っぽいって言われるの嫌がってたのに自分で言うのはいいのか!?てか最後のは卑猥だぞ!」

「ちょっとエヴァちゃん!ボクたちの方が大人っぽいよ!ムキになってそっちの方が子供っぽいよ!」

「おっお姉ちゃん!喧嘩はまずいです!」

 

 

 エヴァンジェリンの一方的な取っ組み合いにマギはたじたじになり、風香も取っ組み合いに参加して、史伽はどうすればいいのかとオロオロしてるだけであった。

 取っ組み合いの光景に、ネギや楓達は苦笑いを浮かべるだけしか出来なかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




糸目の女の子キャラって可愛い子いますよね。
自分は楓は結構お気に入りキャラです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。