今回はかなり短いです。
1日目の打ち上げが午前4時まで続くという、中学生の底なしの体力に戦慄を覚えたマギやネギ。
2日目の朝6時半に武道大会の本選に出る選手は集合とらしい。
そこでマギやネギ。小太郎にアスナに刹那つきそいでこのかは、エヴァンジェリンに頼み別荘を貸してもらった。
1時間(別荘の中では1日)英気を養うのと、修業のおさらいをする。さらにエヴァンジェリンはネギに杖を使わなくても魔法を使える指輪を譲る。
準備もすべて終了し、いざ龍宮神社へ……
早朝6時半、参加選手の他に数多くの観客が集まっている。
ネギはナギに似せようと、大きめのローブを着こみ、背中には何時もの杖を背負う。小太郎は学ラン姿。マギはラフな格好で出場する。
「ほんとはネギとは決勝で戦いたかったんやけどな。しゃあない、絶対勝てよ。俺は先に待ってるで」
「うん、できるだけ頑張るよ」
「いやネギ、そこは後から追いつく位……いや相手がタカミチだし仕方ないか」
ネギと小太郎がスポーツドリンクを買いに行ってると、千雨がポツンと立っているのが見える。
「千雨、どうしてこんな朝早く」
「どうしてって、マギさんがあたしを誘ったんだろうが」
そう言って、千雨は1枚のチケットをマギに見せる。チケットは武道大会のかなりいい場所のチケット。マギが千雨を無理矢理な形でコンテストに出場したお詫びとして誘ったのだ。
「どうせ暇だったからな。でもこんな朝早く起きるんじゃなかったよ」
「悪いな千雨、わざわざこんな早くに来てくれるなんて」
「まっマギさんが出るって言うから態々来たんだぞ!それよりも、この大会ネットの噂じゃかなり高レベルなんだろ?ネギ先生も出てるらしいけどほんとなのか?」
「確かに高レベルだな。下手したら……病院送りの奴が出るかも」
本当に大丈夫なんだろうな……遠い目をするマギを見て、千雨はこの大会が常識の範囲なのかが気になってしょうがない。もっともその心配も数時間後にはその通りになるのだが
「とりあえず、怪我だけはしないでくれよマギさん」
「あぁ。んじゃ行ってくる」
千雨に見送られ、選手控室に向かうマギである。
選手控室にはマギを除いて、全員(エヴァは眠そう)集まっている。ネギとタカミチが何か話しているのが見える。
「ネギとタカミチは勝負前の掛合いか?まぁネギもタカミチもほどほどにしとけよ。魔法がばれるって事はないと思うけど」
「はは善処はするさ」
「僕は大怪我しないか心配……」
と談笑をしていると、超を連れた和美が現れた。簡単なルール説明が始まる。要約すると
・15分1本勝負
・ダウン10
・リングアウト10秒
・気絶ギブアップは負けとみなす
・時間内に決着がつかなかった場合は観客のメール投票にて判断する
「へへ!色々と本格的やないか。おもろくなってきたで」
「久しぶりに燃えてくるな」
「偶には童心に帰ってみるのも悪くはないかもね」
「僕はあんまり戦うのが得意じゃないから、お兄ちゃん達が羨ましいよ」
そして30分後に本選が開始されるのである。
龍宮神社にはこの大会を見ようと、観客で溢れかえっている。
その観客たちは、口々にこの大会では気を使う達人が居るとかそう言う話でもちきりだ。どうやら予選を見た人たちが目撃談をしてその話でもちきりの様だ。
(くっだらねぇ。気を使うとか、少年漫画の読みすぎだろ。でも……マギさんなら使いこなせそうだな)
自前のパソコンで情報を集めている千雨は、マギが腕から気の波動を出しているイメージを浮かべてる。まぁマギは気の波動は出せないが、その代わり色々な物を出す事が出来るのだが……
色々な議論が飛び交う中、最初の試合が始まる。最初の試合、小太郎対愛衣である。観客たちは初戦が子供同士と言う事で、やらせなのか野次が飛び、女性は小太郎が可愛いと騒ぎ出す。
が傍から見たら、小太郎は子供だが、そん所そこらの大人より実力は上なのはマギ達しかしらない事だ。
そしてマギと高音が、試合を観戦している。
「それで俺を正すって、俺悪い事でもしたのか高音?」
「何を言ってるんですか!確かに昨日はマギさんは私と学園をパトロールをしていた時はしっかりとしていました。ですが夜では危うく魔法がばれそうになって反省したと思いきや、こんな怪しい大会に平気に出るなんて……そんな貴方を正すために私はこの大会に出たのです!」
(昨日はタイムマシンを使って時間を行ったり来たりしてたって言っても信じないだろうから、ここは黙っておくか)
「ですから私がこんな大会さっさと優勝して、賞金は寄付させていただきます!」
高音は愛衣はアメリカの魔法学校に留学して、オールAを取った秀才で無詠唱も出来るとマギに説明しているが
「やれやれだぜ高音。愛衣が秀才かもしれないが、愛衣が小太郎に勝つと言う訳じゃないだろ?」
「むっどういう事ですか?愛衣があの子に負けるとでも?」
「さぁな。でも小太郎もあの歳でかなりの実力者だ。あまりこの大会を甘く見てると怪我するぜ」
バトルフィールドでは、愛衣がパクティオカードからアーティファクトである箒を出して様子見をしている。が小太郎は一瞬で愛衣との間合いを詰めて、愛衣が防御の構えを取る前に、掌底の風圧で愛衣を吹き飛ばしてしまった。10m位は吹き飛んだ愛衣をあんぐりとして見る高音と、口笛を吹くマギ。
愛衣はそのままフィールドアウトして、大きな水しぶきを上げた。
「わりぃな、先に待っとるってネギに言ったからな」
小太郎がキメる中、和美がカウントを取るが愛衣が泳げない事が分かり、カッコつけた小太郎が愛衣を助ける。第1試合は小太郎の勝利だ。
「こういう事だ。この大会が一味違うって事が分かったんじゃないか?」
「そのようですね。ですが私はこの大会で必ず優勝します。私が試合で勝てば次戦うのはマギ先生、貴方です。覚悟していてください」
言いたい事を終えると、高音は愛衣の元へ去っていった。
真面目だなとマギはそう思いながら、小太郎の元へ向かう。
「少ししか試合をやってないが、お疲れさん。余裕そうだな」
「おぉマギ兄ちゃん。当たり前や、俺は女に遅れを取るつもりもないし、ましてや女を傷つけるつもりなんてないわ」
サムズアップしながら、堂々と答える小太郎。女性を傷つけないと言っているのだから、案外夕映が言った事も何時かは気づくかもしれない。
「ネギ次はお前の番や。絶対勝てよ」
「うん、僕頑張るよ!」
漸く覚悟が決まったネギ。そして穏やかな表情で、ネギを見ているタカミチにゆっくりと近づく。
「タカミチ。成長した僕の本気を見せてあげる」
「あぁ僕も楽しみだよネギ君。君の成長した姿を見る事が出きる」
第2試合。ネギは超える壁の一つに挑むのである。