武道大会の予選も終わり、改めてトーナメント表を見てみると3-Aが半分を占めている。
「はぁまさか最初にタカミチとなんて」
「ははは。お手柔らかに頼むよ」
「もぉ僕まだタカミチの相手なんか出来ないよ」
ネギとタカミチが本選での話をしていると、夕映がこの後3-Aが今日の成功を祝って打ち上げをすると言う事で、タカミチも誘っていた。
予選に出ていたマギネギ、アスナに刹那、エヴァンジェリンに古菲と楓それて小太郎(真名は急用があるとのこと)は打ち上げが行われている場所へと移動した。
『ネギ先生マギさん!1日お疲れ様でーす!』
打ち上げ場所に到着すると、3-Aの生徒達が出迎えてくれた。
生徒達はマギにネギが出し物であるお化け屋敷の手伝いをしてくれたことに感謝したのと、ネギやマギが仮装した姿が客にウケたこと。あやかがネギの手を取り最高の時間をありがとうと感謝感激している。
他にもネギとマギは生徒達が部活などで行われていた出し物に参加していたらしい
「あっあのマギさん。今日は色々とありがとう。でっでもあんな事は当分こりごりだからな!」
「おっおう千雨。あぁ分かっ……た?」
千雨が言った事にも心当たりがなかった。
マギはネギと小太郎を連れて、打ち上げ会場から離れた。
「これってやっぱり俺達が過去に飛んで色々とやったみたいだな」
「そうですね。兄貴と大兄貴に身に覚えのない事なら、恐らくこの後にまたタイムトラベルを」
「僕お化け屋敷で女装したみたい。ほんとにやったのかな……」
確かめるためともう一度、学園祭1日へと飛ぶことにする。小太郎も学園祭をゆっくり回りたいと言う事で、便乗する事にした。
「それじゃあ行くよ。時間跳躍」
「おぉ!ホンマにいきなり昼や!」
小太郎はタイムトラベル出来た事に驚いている様子。
「さて、パトロールも大会予選も無いからな。ゆっくりできそうだ」
「うんそうだね。よーし!それじゃ張り切って学園祭を回るよー!」
「よっしゃ!」
男3人と妹一人オコジョ一匹による学園祭周りが始まる。
最初に3-Aのお化け屋敷の客寄せの宣伝をすることにした。
「わぁ!ネギ君とマギさん手伝ってくれるの?」
「今何人か部活の出店の手伝いとかしてるから少し人手が欲しかったんだぁ!」
「はい。僕とお兄ちゃんは担任ですから、コレぐらいは当然ですよ」
「客寄せとか初めてだから、上手く出来るか心配だけど、やってみるさ」
まき絵と桜子がマギ達が手伝ってくれることに大助かり。さっそく衣装に着替える事になる。
ネギはドラキュラの恰好で小太郎は狼男。フランケンシュタインのマギに座敷童のプールスだ。
さっそく客寄せの宣伝を開始するネギ達。宣伝のおかげか、どんどんと客が集まってくる。同じく宣伝をやっていた裕奈は子供のネギが可愛いからと睨み、ネギに新しい衣装を着せた。
「きゃああ!やっぱりこうなったー!」
新しい衣装は狐耳に巫女服姿の女装だった。
「ぶはははは!きっ気色悪!!」
「ネギ、兄の俺から言わせてもらうが、それはないわ」
小太郎は爆笑し、マギはドン引きする。これは逆に客層を阻めているのではないのか……
「何をやってるんですか!ネギ先生やマギ先生が手伝ってくださっているのに、さわいでは意味がないでしょう!」
お化け屋敷の中で客の案内をしていたあやかが、注意しにきたのだが
「あっいいんちょさん!」
ネギの女装姿を見て、鼻血を噴水のように噴射。ここは天国?と呟きながら失神するのであった。
あやかの鼻血も止まったので、何人かが部活の出し物に出ているので、宣伝をしながら見て回る事にする。
ネギはあやかに麻帆良祭を楽しんでいるかと聞いてみると、委員長としての責務が色々とあるので気の休まる事がないらしい。打ち上げの時には最高の時間と言っていたのにこの後に何があったのだろうか
この後も古菲が行っている子供達に、中国拳法を教えるスクールの見本となるようにネギが演武を見せる。そのさいあやかがネギの演武を褒めるが、小太郎がいちゃもんをつけて軽く揉める。
あやかが所属している馬術部にて、ネギやマギは初めての乗馬体験をする。美術部のアスナはタカミチの自画像を描いた様なので、見に行ってみるが、好きな男と言う事もあって、とてもよく描けている。
夕映に誘われた哲学研究会は、難しい哲学を色々と話している。この時のアスナや夕映はタイムマシンの事は知らないので、不思議な感じがするネギとマギである。
そのあと、クラスメイト各々の出し物をある程度見て回る事が出来た。
「たくさん回りました!みんながんばってるなー僕も頑張らなくちゃ」
「はい!私も気持ちを切り替えてがんばりますわ!」
ネギと一緒に学園祭を回っているのがよほど嬉しいようで、あやかも元気を取り戻したようだ。
次の場所に向かおうとしたら、ネギがふらっとしてあやかにのたれかかった。
「ネギのやつ張り切り過ぎて全然休んでなかったからな。疲れが一気に来たんだろう」
ネギが倒れ込んできて慌てているあやかに対して、マギがそう説明する。
思えば、最初のタイムトラベルするときに保健室で仮眠を取った以外に余り休んでいない。疲れが溜まるのはしょうがないだろう。
小太郎もカモもプールスも大欠伸をしてる。近くに長ベンチが見えるので、そこで休むことにした。
「ごめんなさいいいんちょさん。いいんちょさんが色々と大変だと聞いたから、僕少しでもいいんちょさんに楽しんでもらおうと」
「いいからお前は少し寝ろ。あんまり無理すると、後々毒だぞ」
「そうですわ。私ネギ先生のそのお心遣いだけでも嬉しいのですわ」
ありがとうございます。それだけ言うと、ネギはあやかの膝に横になってしまう。
最初はひざまくらする事になり、驚くあやかであるが数十秒後には感激の涙を流す。ネギにひざまくらをしてよほどうれしいのだろう。
同じくプールスにひざまくらをしているマギが、あやかにこう尋ねる。
「あやか、お前はネギの事どう思ってるんだ?」
「まっマギ先生!?あの行き成り何を言ってるんですか?」
「いやお前がネギの事を、弟みたいに見ているのか、それともネギを異性として見てるのか……」
マギはネギからあやかには弟が出来るはずだったが、直ぐに亡くなった事を聞いた。生きていたのなら、ネギと同い年くらいにはなっていたのだろう。
マギはあやかが先程尋ねたように、ネギを弟のように見てるか、異性として見てるのかはっきりしたいのだ。
「……確かに私はネギ先生の事を、どこか亡くなった弟のように見ていましたわ。ですが最近のネギ先生は年相応の可愛らしい姿を見せる反面、どこか凛々しいお姿見続けていて……私は雪広あやかはそんなネギ先生に恋してしまったのです」
「そっか。それを聞いて安心した。正直言うと俺は、偉そうな事を聞いておきながらも、恋とか好きな人と一緒に居たいと言う気持ちが今一つ分からない。けどお前がネギの事を本気で想っているて言う事は分かった。こんな事を言うのもあれだが、これからネギの事を想って、ネギに何かあった時は支えてやってくれないか?」
「そっそれはもしネギ先生が私と付き合う事になっても、かっ構わないと言う事ですか?」
「まぁそう言う事になるな。お前が嫌じゃないのなら、俺はお前とネギの仲を大切にしたいと思っている。ネギの事をこれからもよろしく頼む」
あやかは体をプルプルと震わせている。
(やっやりましたわ!お兄様であるマギ先生にお許しを頂きましたわ!このあやか、今幸せの絶頂ですわぁぁぁぁぁぁ)
数時間寝て、パッチリと目を覚ましたネギ。
「っは。僕何時の間に寝ちゃったんだろう」
「おうネギ、少し寝てスッキリしたか?」
「ネギ先生、よく眠れましたか?」
顔色が良くなりつやつやとしたあやかが良く休めたかと聞いてきた。ネギと触れ合った事でかなり元気をもらったのだろ。
「さぁさぁネギ先生、次はどこに向かいましょうか?あやかは何処へでもついて行きますわ!」
「えっ?あっありがとうございますいいんちょさん」
あやかは小太郎を強引に起して、学園祭周りを再開する。
「女と言うのは、恋をしたらどこまでも強くなろうとするのかね……」
(ネギ先生、このあやかは、ネギ先生のためならたとえ日の中水の中、一生ネギ先生について行きますわ!この恋は本気の本気ですわ!!)
…………だがあやかがネギについて行くと決めた事でこの2か月後、とんでもない事に巻き込まれることに、あやかは知る事も無かったのである。
今回あやかの気持ちが弟とかぶせて見てるのか、それともネギを異性と見ているのかをなるべく分かりやすく伝えようと思い、こういう回になりました。