堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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お久しぶりです。やく2か月以来の投稿となります。
連載当初と違って、文字数が飛躍的に少ないです。
申し訳ありませんが、今後は文字数少な目で、尚且つ上手く纏められるように頑張るので真で勝手な事ですが、応援よろしくお願いします

それではどうぞ


キス騒動終幕  暗躍する者達

「すまなかった」

 

 

 あれから正気に戻ったマギは、今回の騒動に迷惑をかけてしまった皆に対して深々と頭を下げた。

 

 

「予想外の条件がいくつも重なって起こった不幸な事件という側面はあります。ですが貴方がもう少し危機感を持っていれば、これほどの被害が及ぶことはありませんでした。ましてや教え子の唇を強引に奪おうとするなんて、先生としても失格ではありませんか!?」

 

 

 マギに制服を消し飛ばされて、体操服に着替え直した高音にマギは説教をされていた。マギは黙って頭を下げたまま、高音の説教を聞いていた。

 暫く高音の説教は続いていたが

 

 

「……マギ先生も反省しているのはよく分かりましたから、今日は此れにて失礼します。ですが次は無いと思ってください」

 

 

 それではと言いながら愛衣を連れて去っていった高音。

 残されたマギと不機嫌なエヴァンジェリン。そしてのどかやネギ達。

 

 

「あっえっエヴァ……」

「ふん!」

 

 

 マギはエヴァにも謝ろうとしたが、取りつく島もなくそっぽを向いたエヴァンジェリンはそのまま飛び去ってしまった。

 

 

「マギ先生、マスターはいきなりの事でビックリしたのと恥ずかしかったようです。しばらくすればまた何時ものマスターに戻ります」

 

 

 それだけ言うと茶々丸もジェット噴射でエヴァンジェリンの後を追った。

 ポツンと残されたマギは深い溜息を吐いた。

 

 

「マギさん……」

 

 

 のどかはマギを可愛そうな目で見つめていた。

 

 

「のどかさん、お兄ちゃんをお願いできますか?今は僕よりものどかさんがお兄ちゃんには必要です」

「ネギ先生……分かりました」

 

 

 マギの事はのどかに任せて、ネギ達はこの場を後にした。

 

 

「マギさん」

「のどか……」

 

 

 落ち込んでいるマギにスッと手を差し伸べて

 

 

「学園祭回るの、再開しませんか?」

 

 

 にっこりと笑いながら、マギを再度誘った。

 

 

 

 

 

 

 マギとのどかは麻帆良にある大きな湖にやってきた。この湖にてショーがこれから行われるのだ。

 

 

「のどか本当にすまない。折角学祭を回ってたのに」

「いえ気にしないでください。それにマギさんが無理矢理エヴァさんにキスをしないで良かったです」

 

 

 のどかは気にしていない様子だったが、マギはお詫びとして何かしようとしたが、丁度ショーのアナウンスによってショーが始まった。

 

 

「マギさん!見てください。すごく綺麗ですよ」

「あぁそうだな。綺麗だ」

 

 

 光と炎の光が夜の湖を幻想的に照らし出していた。

 確かに綺麗だとそう思っていたマギに、ふとのどかが

 

 

「マギさん、マギさんは今……好きな人はいらっしゃいますか?」

「え?」

 

 

 のどかに好きな人はいるかと尋ねられ、固まるマギ。固まっているマギを見て、のどかは頬杖をつきながら再度聞いて来る。

 

 

「その、誰かと一緒にいると胸がドキドキする。そんな事はありますか?」

 

 

 不覚にものどかの仕草が何時もと違って可愛らしいと思ったマギは顔を逸らしながら

 

 

「強いて言ったら、今のどかといるとドキドキとする……かな」

 

 

 自分と一緒にいるとドキドキすると言われ、嬉しさ半分恥ずかしさ半分で顔を赤くするのどか。

 ありがとうございます。マギにお礼を言ったのどかは

 

 

「私ホントとろくて、ドジで引っ込み思案でした。けどマギさんと出会ってからは色々な事を頑張る事が出来ました。これも全部マギさんのおかげです」

 

 

 自分の想いをマギに話し始めるのどか

 

 

「マギさんが昔に辛い事があったなんて私は知りませんでした。でもマギさんはネギ先生と一緒にお父さんを見つけようと、今も頑張っている姿を見て私も勇気をもらっています。だから……」

 

 

 のどかはマギを見つめながら

 

 

「私は……そんなマギさんが大好きです」

 

 

 2回目の告白をした。

 

 

「……」

 

 

 まさかのどかにもう一度告白されるなんて思ってもいなかったから、固まってしまったマギ

 

 

「すっすみません。いきなりこんな事言うなんて」

「いや別に謝る事なんてないさ」

 

 

 思わず謝ってしまったのどかをマギは優しく頭を撫でた。

 

 

「お父さん無事に見つかると良いですね」

「……そうだな」

「私に出来る事なら、何でもしますから」

「ありがとうのどか」

 

 

 するとのどかは少し辺りを見渡した。どうしたのかとマギが尋ねると

 

 

「いえ……ここって危険な場所じゃないですよね?」

「あぁ多分な」

「そのっマギさん軽く屈んでもらってもいいですか?」

「?あぁ」

 

 

 マギは言われたように軽く屈んだ。

 何なのかと思いきや、のどかが少し背伸びをして、屈んでいるマギの唇に自分の唇を当てた。

 

 

「ッ!?」

 

 

 のどかにキスされて、数秒固まったマギを置いてのどかは唇を離した。

 

 

「……マギさん今日はとても楽しかったです。今のはそのっお詫びのしるしです……」

 

 

 のどかはそのまま走り去ってしまった。

 

 

(今のはちょっと大胆すぎたかな?キャア~恥ずかしい!)

 

 

 のどかが走り去っていくのを、呆然と眺めていたマギ。

 

 

「……やれやれだぜ」

 

 

 お決まりの台詞を溜息と一緒に呟き、頭を掻いた。

 暫く掻いていると、ネギとカモ。寝ているプールスを抱いているアスナ、このかと刹那が見計らって来た。

 

 

「マギさん?どうしたの顔が赤いわよ」

「お兄ちゃん?」

 

 

 アスナが尋ねると、いや……と呟いた後に

 

 

「女の子っていうのは、急に大人っぽくなるんだな……ってそう思っただけさ」

 

 

 フッと笑いながらそう言うマギ。ネギは首を傾げていたが、アスナ達女子はマギの言った事が分かりあぁと呟いた。

 こうしてキス騒動からの、のどかとのキスによって最初の学園祭の見回りは終了した。

 しかしまだ学園祭は始まったばかり、まだまだ気を抜く事が出来ない。そう思ったマギであった。

 

 

 

 

 時は少し遡り、暗い路地裏の近くを和美が歩いており、和美の背後をさよがフワフワと浮いていた。幽霊騒動以来、席も隣と言う事でさよは和美と友人となり彼女についていや憑いていると言った方がいいだろう。

 

 

「朝倉さん止めた方が、私あの人はあまり信用できないと言うか……」

「でも世界樹の秘密は知りたいからね。大丈夫、利用されるだけの私じゃないさね」

 

 

 そうこう言っている内に、路地裏へと到着した。路地裏らしく暗く、先の道は見えない。それだけでさよはビクビクしている。

 

 

「来てやったよ。約束通り姿を現しな」

 

 

 和美はそう言うと、路地裏の奥から黒いローブを着た超が現れた。

 

 

「ふふ、来てくれたカ朝倉さん。私の側につく決意、固めたと言う事でよろしいカ?」

「勘違いしないでほしいね。私はジャーナリストになる女、真実を求めている者さね。今回はそっち側の方が真実を知る事が出来るとそう思ったからね」

「まぁそう言う形でも構わないヨ。朝倉さん程の腕を持つ人が協力するだけでもこっちとしてはありがたい。と言う事で、これを渡しておくカ」

 

 

 超は和美に台本の様な物を渡した。

 

 

「それには朝倉さんにやってもらいたい事が、大まかに書いてあるヨ。後はアドリブでも大丈夫ダ」

「了解。それじゃ私らはこれにて失礼するよ」

 

 

 台本を貰った和美は路地裏を(さよは見えてないと思いながら、超に会釈する)後にした。

 朝倉が去ってから……

 

 

「……超鈴音」

 

 

 黒いフード付きローブを纏った2人が音もなく現れた。

 

 

「遅かったナ。やはり敵陣の中では上手く動けなかたカ?」

「フっそうでもなかったさ。君のくれた魔力を遮断する装置のおかげで私も彼女も楽に入る事が出来た。もっともこんな恰好をしていても、今は学祭だ。仮装と言えば別段可笑しい事はないさ」

 

 

 そして2人はフードを上げた。フードの中の素顔は修学旅行でマギと戦った傭兵、アーチャー。関西呪術協会の千草であった。

 

 

「関西と関東の者から逃走している最中、君にこれを渡された時は何なのかと思ったよ」

 

 

 アーチャーは懐から、バッジの形をした装置を取り出した。これはアーチャーと千草が追手から逃げている最中に、超がどこからともなく現れてアーチャーと千草の分を渡したのだ。

 

 

『これを来る日までに身に着けておくとイイ。これを付けていれば、魔力を頼りに探す下っ端連中は簡単にだます事が出来るヨ』

 

 

 最初は千草はもといアーチャーも超の言う事を信じてはいなかったが、装置を付けて暫くしていると、追手がぱったりといなくなったのだった。

 

 

「この装置には感謝をしたが、何故君が私達の居場所を知っていたんだ?」

「フフ天才に不可能はないヨ。まぁどうして知っていたのかは、教えるつもりはないのだがナ」

 

 

 超の回答にそうかと不敵な笑みを浮かべるアーチャー。修学旅行と同じバイザーを付けているために、表情が分からない。そんなアーチャーと超のやりとりを黙ったまま見ている千草。

 

 

「さて……私は君達と世間話をしたいわけじゃなイ。傭兵である君依頼をしたい……ある男を1人消して欲しイ」

「ある男、そんなまどろっこしい言い方はしないで、マギ・スプリングフィールドを殺せと依頼したらどうだ?もっとも……いいのかな?君のクラスの皆はマギ・スプリングフィールドを慕っていた。この依頼を知ったら皆が君に牙を向くと思うが?」

「構わないヨ。マギさんがこの世から消えたら、後の世の平穏へと繋がる。そのためなら私は友を裏切り、悪魔にも魂を売り渡すヨ」

「悪魔など人聞きの悪い言い方をしないで欲しい。私は後の世のためにあの男を討つ、正義の味方や救世主とでも言ってもらいたい」

 

 

 マギを消すと言っている超の表情は、いつもの掴み所のない笑顔ではなかった。無表情で淡々とアーチャーに依頼をしていた。

 

 

「依頼は受けよう。だが真祖の吸血鬼まで相手にするのは難しい。あの男に人一倍好意を寄せているからな。目の前であの男が死んだのを見た瞬間に何をしでかすか分からない。アフターサービスは期待しないでもらおう」

「私的にはエヴァンジェリンさんも足止めしてもらいたいのダガ。まぁいい契約は成立した。計画は学園祭最終日に行う。私が学園中をパニック状態にするから、その間にたのむヨ」

「了解した。吉報を待っていて欲しい。では行こうか千草嬢」

「あぁ……なぁ傭兵、本当に大丈夫なんかえ?」

「千草嬢は何も心配はいらないさ。君は私の後ろで私の手助けをしてもらいたい」

 

 

 アーチャーは千草を連れて、闇の中へと消えて行った。

 2人を見送った超は、疲れた溜息を吐きながら

 

 

「これでイイ。これでいいんダ。エヴァンジェリンさんや、茶々丸。そしてクラスの皆には悪いガ、私の世界私の時代のためにはマギさんにはこの時代で消えてもらわないと。もう時間は無い。この学園祭が最後のチャンスダ」

 

 

 ……だが超は大きな計算違いをしていた。傭兵であるアーチャーにマギの抹殺依頼した事。

 この依頼が後に大きな事になる事を、超は知る由も無かったのだ……

 

 

 

 

 




今回最後に出てきた弓兵
このオリキャラが原作の超の計画を大きく狂わせます。
どうなるかはまだまだ先のお話です

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