堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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一か月位開けてしまった……


世界樹の秘密と超天才②

 魔法先生や魔法生徒の集りから解散したマギ達。

 今は人混みで溢れかえっている大通りを歩いていた。

 学園長が話していた世界樹の伝説、気を付けなければならない。

 

「それにしても、あんなに魔法先生が居たなんてなぁ……」

 

 ネギはタカミチや学園長の他に多くの魔法先生や魔法生徒が居る事に驚いていた。

 ネギが驚いている間、小太郎は挑発的な笑みを浮かべながら

 

「けどほとんどの奴等、魔力は高そうやけど肉体的には全然やな。やっぱ西洋魔術師は大したことないで」

 

 少々見下したような態度を取る。

 小太郎の態度にネギと刹那が苦笑いを浮かべていると

 

「ふ~ん……だったら今度、俺と一緒に組手でもやるか小太郎?」

 

 マギが小太郎に組手を誘ってみると

 

「いやそれは勘弁や。マギ兄ちゃんは西洋魔術師以前の問題や」

 

 あっさり手の平を返したような態度にマギも若干呆れ顔

 

「おいおいさっきまで西洋魔術は大したことないって言ってたのはその口だぜ?」

 

「いやマギ兄ちゃんはあのエヴァンジェリンの弟子なんやろ?あの姉ちゃんネギからも聞いたんやけど、色々な格闘技が出来るって聞いたし、それにマギ兄ちゃんあの悪魔が襲撃した時も変身したって聞いたし、軽くスーパーサ〇ヤ人やないか」

 

「だからそのスーパーなんちゃらって何だよ……それに麻帆良に居る魔法使いだって皆弱いわけじゃないんだぜ?あんまり慢心とかしてると、足元掬われるぞ」

 

 マギは若干慢心気味な小太郎の考えに喝を入れた。

 それにしても……とマギは頬を掻きながら

 

「なぁネギ、魔法先生の仕事も入ったら俺らのスケジュール色々と狂うんじゃねぇか?」

 

「あ……そういえば……」

 

 マギの言った事にネギもサァッと顔を青ざめてしまう。

 ただでさせキツキツなスケジュールなのだ。それで魔法先生としての仕事が入ってしまえば、学園祭を回るのも難しくなってしまうかもしれない。

 

「マジで生徒の何人かの出し物を見れなくなっちまうかもな……」

 

「あわわ、どッどうしよう」

 

 マギとネギが如何しようかと慌てているのを見て、小太郎は2人の予定表を見てみる。

 予定表には教え子たちの出し物を見るためにスケジュールがビッシリとなっていた。

 

「何やネギにマギ兄ちゃん、女との約束ばっかやないか。見損なうでホンマ」

 

「ちッ違うよ小太郎君、僕やお兄ちゃんは先生として……」

 

 ネギは小太郎にスケジュールの事について話そうとしたその時

 ドカッ!と誰かがマギ達の元へ転がり落ちてきた。

 

「ちょ!大丈夫ですか!?」

 

 ネギは自分達に転がり込んできたフードの者に大丈夫かと手を差し伸べた。

 イタタとフードの者は頭を打ったのか、頭を押さえながら起き上がった。起き上がった拍子にフードから素顔が見えた。

 

「ネギ坊主にマギさんカ。丁度良かったヨ……助けてくれないカ?」

 

 フードの正体は超であった。

 

「超さん?如何したんですか?」

 

 ネギは超に何があったのか尋ねると

 

「私今怪しい奴らに追われてるヨ。助けてくれないカ?」

 

 怪しい奴等とやらに追われているようだ。

 マギは何か魔力の反応がするモノが此方に近づいて来るを感じた。数は7~8ぐらいだ。

 マギ達が居る場所はかなり人が多い。こんな所で迎え撃つのは危険だ。

 

「お前らとりあえずここを離れよう。こんな所で戦うのはリスクが大きすぎる」

 

 マギの提案に反対する者はおらず、マギ達は人に気づかれない様な高速移動でこの場を離れるのであった。

 

 

 

 マギ達から少し離れた場所で、亜子に裕奈とアキラが歩いていた。

 周りでは前夜祭のムードであるが、3人はそこまで乗り気ではなかった。

 

「はぁ前夜祭行きたいけど、疲労がたまってるからなぁ」

 

 裕奈は大欠伸をしながら愚痴をこぼしていた。

 

「うちら徹夜で作業してたしな~」

 

「どこかで休まないと倒れちゃうよ」

 

 亜子とアキラが仕方ないと裕奈にそう言う。前夜祭と睡眠、どちらを取るか裕奈が迷っているとガコン!と裕奈達の近くにあったフェンスが曲がっていた。

 他にも電柱や店の看板などが行き成り曲がったり、割れたりした。

 行き成り物が壊れるのを見て戸惑っている人々、今人知れず戦いが繰り広げられていた。

 

 

 

 麻帆良の町の屋上では、逃走劇が繰り広げられていた。

 怪しい奴等なる者から超を護りながら逃げているマギ達。

 その後ろを黒いマントで、仮面をつけた集団が追いかけてきていた。

 

「おいおいなんやあれ!?倒してもええんか!?」

 

 小太郎は苦無を指に挟みながらいつでも投げれる準備をしていた。

 

「超さん!これはいったいどういう事なんですか!?」

 

 ネギは刹那に横抱きにされている超にどういう事か訳を聞こうとすると

 

「実は私、悪い魔法使いに狙われているネ。ネギ先生に助けてほしいヨ」

 

「わッ悪い魔法使い!?」

 

 超の言った事に驚きを隠せないネギ。こんな賑やかな場所で悪い魔法使いに追われるなんて。だがマギは超が言っていることに違和感を感じていた。

 超は何かを隠しているのでは?そう考えがよぎった。そんな事を考えている間に黒マントの集団は距離を詰めてくる。

 

「仕方ねぇ……おいネギ!俺がこいつ等を食い止めるから、お前らは超を連れてさっさと先に行け!」

 

「でも……お兄ちゃん」

 

「心配すんな、あんな雑魚共に後れを取るようなマギさんじゃねえよ」

 

 マギはサムズアップをしながらそう言った。

 

「ネギ先生、ここはマギ先生に任せて先に行きましょう!」刹那はマギの提案を呑んで、先に行くことを勧めた。

 ネギも了解したようで、マギの方を見て

 

「お兄ちゃん、気を付けてね」

 

 ネギの言った事に、マギは無言のサムズアップで答えた。

 ネギ達が先に行ったのを見ると、マギは軽く指の関節を鳴らしながら

 

「んじゃま、イッチョやりますか。プールス落ちんなよ」

 

「ハイレス!」

 

 マギは自分の頭に乗っているプールスに落ちないように言った。

 そして一気に加速すると、身近にいた黒マントの一体を上空へ蹴り飛ばした。

 蹴り飛ばされた黒マントは煙のように消えてしまった。

 

「やっぱりな、蹴った瞬間に分かったがこいつ等魔力の反応はするが、生命エネルギーの気を全く感じない。つまり分身体の様なもんだな……だったら遠慮なく行かせてもらうぜ」

 

 マギは一気に決めるために、咸卦法を発動する。このような雑魚に闇の魔法を使う必要はないと判断した。

 黒マントの集団は一斉にマギに攻め込んだ。常人では捉えきる事が出来そうにないほどの、高速のラッシュがマギに迫る。

 だがマギにとってはこの程度のラッシュは遅く感じており、黒マントが攻撃をした瞬間にエヴァンジェリンに習ったカウンター技で返り討ちにした。

 とマギの背後に鳥の顔をした仮面の黒マントが手刀で突き攻撃をしようとしたが

 

「危ないレス!」

 

 プールスが人型から液体型のスライムに戻ると、今度は自身を硬質化させて鉄の楯となりマギを護った。

 

「やぁッ!!」

 

 そして人型に戻ると、両腕を鎌へと変化してマギを背後から攻撃しようとした黒マントを切り刻んだ。

 

「ナイスだプールス!」

 

 マギはプールスのサポートを褒めると、プールスは嬉しそうに笑った。

 マギはプールスのサポートもあって、次々と黒マントの集団を蹴散らしていった。

 戦っている最中に、建物の影から黒マントの集団が新たに現れたりしたが、別段問題は無かった。

 戦う事数十分、倒した黒マントの集団は全部で17体ほどだった。多少魔力と気を消失したが苦戦はしなかった。

 マギはスーツに着いた土ぼこりを掃うと、ネギ達の魔力の反応を探してみる。

 ネギを探す事数分、ネギ達の魔力反応は少し遠くの方から感じ取った。

 

「ちっと遠いな、行くぞプールス」

 

「ハイレス」

 

 マギはプールスを背中におんぶさせると、浮遊術でネギの元へ向かった。

 マギは飛んでいる間、超の事を考えていた。超は魔法について何も驚いた様子は無かった。という事は超は魔法に関わっているという事だ。

 だが何故だろうか……超は自分達と何か違うと一瞬だけそう思ってしまった。超は自分達に何かを隠してるのではないかと……

 

「まぁネギ達と合流すれば、何かが分かるだろ。急ぐか」

 

 マギはさらに加速し、ネギ達の元へ急いだ。

 

 

 

 

 マギはネギ達のいる場所へ到着すると、其処にはネギ達の他にガンドルフィーニや高音に愛理が一緒にいた。

 

「何でガングロ先生や高音に愛理が居るんだ?」

 

「!マギ先生」

 

「マギ先生……」

 

 ガンドルフィーニがマギの登場に驚きを隠さないで、高音はマギの登場に頬を赤らめていた。

 マギは数秒考えていると、成程なと溜息を吐きながら

 

「超を追いかけていた悪い魔法使いってアンタらか。まぁ頭が固い頑固な奴等だが悪い奴ではないか」

 

「マギ先生、貴方と言う人は……」

 

 ガンドルフィーニがマギに反論しようとしたが、マギは無視をして高音の方を向いて

 

「んで高音、超の奴はこれからどうするんだ?」

 

「……彼女は再三の警告を無視して私達に近づきました。警告を無視した事により記憶を消去します」

 

 高音の事務的な回答に成程なと頷きながら

 

「と言うか超は魔法に何ならかの関わりがあるみたいだな。茶々丸を造ったのもハカセや超だと聞いた事あったし」

 

 マギは茶々丸の生みの親がハカセや超だという事を聞いた。

 

「彼女は事情により多少のリークを許されています。ですが全てを教えていいと言う訳ではありません。しかし彼女は今回を入れて3度警告を無視しています。彼女にはそれ相応の罰が必要です」

 

「だからってなぁ流石に記憶を消すのはやり過ぎじゃねぇか?」

 

「君は甘いぞマギ先生、彼女は危険人物だ。今回だって侵入不可能の会合の場を科学技術を使って覗き見ていた。しかもあの凶悪犯であるエヴァンジェリンに力を貸している。油断は出来ない」

 

「……おいガングロ先生、アンタまだエヴァの事をそう言ってんのか?本気でぶちのめされたいようだな」

 

 マギは手に魔力を集めながら、ギロリとガンドルフィーニを睨みつけた。

 このままでは一触即発になってしまうのではと誰もがそう思っていたが

 

「止めて下さい!」

 

 ネギが大声を出して、この場を制した。

 

「僕やお兄ちゃんの生徒を勝手に凶悪犯とか危険人物とか決めつけないでください!超さんは僕達の生徒です。だから僕達に任せてください」

 

 ネギの任せてと言った事に、マギは手に集中させていた魔力を消すと。

 

「やれやれ、熱くなっちまったぜ……そういう事だガングロ先生それに高音、超は俺やネギに任せて貰えないか?」

 

「……ふむ分かったよ。今日の所は君を信頼しようネギ君」

 

 ガンドルフィーニも今回は折れてくれるようだ。

 ネギやマギに超を任せるという事で、ガンドルフィーニ達は去って行く。

 高音が愛理を連れてマギに近づいた。

 

「今回はネギ先生やマギ先生に任せます。ですが気を付けてくださいね?次に何かあったらオコジョにされてしまうのは貴方方かもしれませんから……私はマギ先生がオコジョになってしまうのは嫌ですから」

 

「大丈夫だって高音、俺はそんなヘマはしないさ。でも俺の事を心配してくれるなんてありがとな」

 

 マギは高音に笑顔を向けながらそう言った。マギの笑顔を見て顔を赤らめる高音は顔が赤いのを見られない様にと駆け足で去って行った。

 一応いざこざは終わったようで超も一安心の様だ。

 

「いや~助かったネ。ネギ先生は命の恩人ヨ」

 

「いやそんな大げさですよ」

 

「けど超、危険人物ってガングロ先生に言われていたが、一体今迄何をしたんだ?」

 

「フフフ、それは秘密ネ」

 

 マギが聞いても超ははぐらかした。

 其れよりもネギ坊主と超は話を変えた。

 

「今何か困っていないカ?」

 

「え?はい……今スケジュールが忙しくて、色々と困っています」

 

 苦笑いを浮かべながらネギは困っていると答えた。

 未だに学園祭の問題は残っているのだ

 

「困っているなら恩に報いるために、ネギ坊主の悩みを1つ解決してあげるヨ。この超鈴音の科学の力でネ」

 

 と言って、超はネギに懐中時計を渡した。

 

「あのコレは?」

 

 ネギは懐中時計を渡されて、首を傾げていると

 

「それを持って居れば安心だヨ。安心して学園祭を楽しむと良いヨ」

 

 それじゃ再见と言って超は立ち去ろうとしてマギと目があった。

 

「マギさん、私が記憶を消されそうになって庇ってくれてありがとネ」

 

「気にするな。生徒を護るのが先生の務めだ」

 

 優しいネと超は微笑みながら言った。

 

「けど……いつか私の記憶を消した方が良かったと後悔する時が来るかもヨ?」

 

 ニッコリと笑ってそれだけを言うと超は今度こそ超は立ち去って行った。

 

「……超、アイツは何者なんだ」

 

 マギは先程の後悔という言葉が冗談でもなんでもないように聞こえた。

 

「マギお兄ちゃん、ネギお兄ちゃん行っちゃうレスよ?」

 

「あぁ悪い、直ぐ行くよ」

 

 プールスに髪を引っ張られてハッとするマギはネギの元へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 そして夜、ネギはアスナに今日の出来事や超に渡された懐中時計の事を話した。

 

「ふ~んこれが渡された時計ねぇ。で、これは何の役に立つの?超さんの発明は怪しいものばっかだからなぁ」

 

「さぁ後で説明してくれると言っていたので」

 

「科学と言うより、マジックアイテムみたいですぜ」

 

 アスナやネギにカモが懐中時計をまじまじと観察をしている。

 マギはマギで超が言っていた事を考えていた。

 

「ネギく~ん!」

 

 まき絵の声が聞こえると、3-Aの生徒達がぞろぞろとやって来た。

 

「そろそろ前夜祭が始まるよ!」

 

「ネギ先生ご一緒に」

 

 まき絵とあやかがネギと一緒に前夜祭をと誘った。

 

「マギお兄ちゃんも一緒に前夜祭いくです~」

 

「そんな難しい顔してたら、前夜祭も楽しくないよ~!」

 

 史伽と風香がマギの両肩に飛び乗ってそう言った。

 頭にプールス、両肩に史伽と風香とちょっとしたお父さんだ。

 

「だなせっかくの学園祭だ。難しい事は後々、今は祭りを楽しむか」

 

 マギが言ったのと同時に、世界樹が輝きだした。

 生徒達が綺麗と言っていると、遠くの方で打ち上げ花火が夜空に打ち上げられた。

 いよいよ麻帆良祭の始まりだ……

 

 

 

 

「ネギ先生たちはいかがでしたか?」

 

「うむ、ハカセの話や茶々丸のデータで知ってはいたが、思ったよりも良い奴だヨ。気にいたネ」

 

 麻帆良の上空に飛んでいる飛行船、その飛行船の屋根に超にハカセに茶々丸が立っており麻帆良の街を見下ろしていた。

 

「ネギ坊主を上手く仲間に引き込めればかなり使えるかも知れぬヨ」

 

 超はネギは利用して何かを企んでいるようだ。

 だが超はネギしか利用しようとしていない。マギの名を一言も言っていない。

 

「超さん……」

 

 茶々丸は悲しい顔をしながら超を見る。

 すまない……と超は茶々丸に謝り

 

「マギさんは優しい人だヨ。私の事を庇ってくれた……けどマギさんは私の計画を邪魔するはずヨ。あの人は優しいから……けど私はマギさんが私の邪魔をするなら……私はマギさんを容赦なく消す。これは覚悟の上ダ」

 

 マギとネギが知らない間に超が暗躍しているのであった。

 




次回から原作10巻へと入ります

それと申し訳ありませんが、次回から話の文字数が少なくなると思います
ご了承ください

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