堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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少し遅れてしまいました
最近メンタルに低下が…

それではどうぞ


自分の力を恥じるな

 新田先生に説教された3ーAはその後、結局新しい出し物を決めることが出来ずに1日が終了してしまった。

 翌日マギ達は朝食を食べないで早朝に寮を出てきた。

 

「ふぅ~この時間だったら、遅刻しないで済みそうね」

 

「と言っても走ってるんですけどね私達…」

 

 アスナが遅刻しないで済みそうと言いながらも走っている事に刹那がツッコむ。

 アスナ達は平常運転だが、ネギは元気が無かった。昨日の事でまだ気にしているようだ。

 

「ネギ…まだ気にしてるのか?あんまり気にしてるとかえってよくないぞ」

 

「ネギお兄ちゃん元気出してレス」

 

「お兄ちゃんプールス…ごめんなさい。昨日も色々と考えちゃって、もう大丈夫だから」

 

 マギとプールスに心配されてネギは大丈夫だとは答えたが、マギから見てみれば全然大丈夫ではなかったが、敢えて追及はしなかった。

 所でと話を変えてマギはアスナの方を見ながら

 

「こんな時間にでて何がしたいんだ?朝飯食ってないから腹減ったぞ俺は」

 

「おなかへったレス~」

 

 プールスのお腹からぐぐ~と盛大に腹の虫が鳴っているのを聞いてアスナは思わず吹き出してしまって

 

「フフッゴメンねプルちゃん。でももうすぐに美味しい御飯が食べられるから」

 

 と言って辿り着いたのが、超包子と言う名の路面電車を改造した飲食店であった。

 店自体が人気なのか先生や生徒で混んでおり、数十人若しくは百人はゆうに超えているだろう。

 よく見たら、古菲に茶々丸、ハカセに超と3-Aの生徒が料理を作ったり運んだりしていた。彼女たちが経営してるのだろう。店の名前に超が付いているから超が店長なのだろうか。

 と茶々丸がマギ達に気づいて会釈してきたので、マギも手を上げて挨拶を返した。空いている席を見つけ座るマギ達

 

「超さんのお店ですかぁ」

 

「結構繁盛してるんだな」

 

「美味しそうな匂いがあっちこっちからするレス~」

 

 プールスが匂いを嗅いで思わず口から涎を出してしまい、行儀が悪いぜ嬢ちゃんとカモに注意されてしまった。

 

「超たちが作る点心はすっごく美味しいのよ」

 

「ウチらもこの店のファンやから、学園祭の準備期間はこうやって朝早くに食べに来るんよ」

 

 アスナとこのかの説明を聞いて期待できると思ったマギとネギはメニュー表を開いて何を頼もうか決めようとしたら、ネギの目の前に美味しそうなスープが置かれた。

 

「あッあのすいません僕まだ何も頼んでいませんけど…」

 

 ネギは間違いではとそう言おうとしたが、スープを置いたのが3-Aの生徒である五月であった。

 

「あッ五月さんお早うございます」

 

「よう五月、お前もこの店で働いてるのか?」

 

 マギの問いに五月ははいと静かな声で肯定した。

 四葉五月彼女は3-Aの中ではぽっちゃりと言うかふっくらとした女の子でありながらも、しっかり者でどこか凄味のある。そんな感じだとマギは評価した。

 

「五月さん、このスープは?」

 

「私がサービスした特製のスープです。元気が出ますよ」

 

 どうやら五月のサービスだったようだ。プールスはいいなぁとネギのスープを見ていた。

 

「ありがとうございます。でもどうして僕だけ?」

 

 ネギが首を傾げいると五月はくーさんから聞きましたと言いながら話を続けた。

 

「修業頑張ってるって聞きました。でも、無理は駄目です。体を壊しますし…体が資本、健康第一です」

 

 そう言って五月はグッとガッツポーズをし、ネギにエールを送った。今まで余り話さなかった生徒に応援させられて嬉しく思ったネギ。

 

「最近元気が無さそうだったので、これを飲んで元気出してください。修業とお仕事頑張ってください」

 

 そう言い終えると会釈し、五月はコック帽をかぶって仕事に戻って行った。

 

「いい人ですね五月さんって」

 

「そうやねー五月さんはすっごくいい人なんよー」

 

「四葉さんは凄い人ですよ。料理の腕はクラス1と言っていいでしょうし、まさに達人と言った感じです」

 

「アタシはあんまり料理は得意じゃないから、五月ちゃんみたいに料理が得意な女の子って憧れるんだよねー」

 

「ああやって気配りが出来るって言うのは、将来立派な大人になりそうだな」

 

 ネギ達は五月の事をそう称賛した。とそんな事を話していると頼んだ料理がやってきて、マギやネギとプールスは超包子の料理は初めてでさっさく一口食べてみると

 

「美味すぎる…!」

 

「美味しいレス~!」

 

「すっごく美味しい!」

 

 一口食べて絶品だとそう思ったマギ達3人はゆっくりだがしっかり味わって食べ始める。

 次にネギは五月からのサービスのスープを飲んでみると、確かに元気が出る味だった。

 

(五月さんって本当に凄いな。こんなに美味しい料理を作れるなんて…五月さんや他の生徒の皆さんにも心配をかけないで僕がもっとしっかり頑張らなきゃ。こんな大きな学園祭なんだし、先生としてシャキッとしなきゃ)

 

「よーし!まだクラスの出し物が決まってないし、朝のHRから先生の仕事頑張らなきゃ!」

 

「ちょ!?ネギ如何したのよ!?」

 

「おお、ネギ君が燃えとるー!」

 

 ネギが行き成り大声を出して張り切りだしたのを見て、アスナとこのかはビックリしてしまった。

 はたしてネギはそのヤル気で今日中にクラスの出し物を決める事が出来るのであろうか…

 

「ネギが行き成り大声を出したからビックリしたけどどれどれ…?おぉ確かに元気が出そうなお味だな」

 

「ちょっとピリッとするけど美味しいレス!」

 

「あぁお兄ちゃんプールス!僕のスープ勝手に飲まないで~!」

 

 

 

 

 さてネギがヤル気と元気を取り戻して今日中に出し物を決め…られることも出来ずに放課後、ネギは何時ものベンチで泣いて項垂れていた。

 

「うぅ…僕ってやっぱりダメな先生なんだ…」

 

「そんな事無いぞネギ、お前は頑張ったさ。ただ…アイツら(3-A)がいつも以上に元気すぎただけだって」

 

「ネギお兄ちゃん、元気出してレス」

 

 落ち込んでいるネギをマギとプールスが励ましていた。落ち込んでいるネギをアスナとこのかに刹那は少し離れた茂みから見ていた。

 何故ネギが落ち込んでいるかと言うと、今日の朝のHRが原因である。

 ネギは朝のHRにてクラスの出し物を決めてしまおうとやる気に満ちていたが、裕奈や和美などのおふざけ担当が大袈裟に考える素振りを見せたので、マギは内心これはまたふざけるなとそう確信した。そこからは色々と酷かった。

 水着でのカフェやら泥んこレスリング喫茶やらネコミミラゾクバーやら…はてにはノーパン喫茶やらともうオヤジに大うけしそうな出店の提案ばっかであった。カモなどはどれも在りだと思っていたが…

 ネギは3-Aの元気さに飲み込まれかかっていたが、マギが全ての提案を却下した。学園祭は健全な行事であるからして、そんな不健全な出店は認めないとそう説教した。

 と言っても本音はプールスにそんなふしだらな事を覚えさせないと言うシスコン魂が混じっているのであったが…

 マギの説教に流石に3-Aも頭が冷えたなんて事は無く、学園祭へ向けての盛り上がりでいつも以上にはしゃいでいる3-Aから次の提案があった。それは女装カフェでマギとネギが女装するとのことだ。

 その提案を聞いたネギとマギは顔から血の気が引いて、それだけは止めろと言ったが、ストッパーであるあやかもネギの女装想像し、鼻血を出して使えなく。3-Aたちはさっそくネギに女装する事にし服を脱がせまくった。

 余りの五月蝿さに新田先生が現れたのだが、タイミングが悪くネギの服を脱がしている最中を目撃してしまった。

 その光景を見た新田先生は少しの間固まってしまったが、次の瞬間には大激怒3-Aとネギとマギを説教し、放課後ネギとマギをもう一度しっかり3-Aを纏めてほしいと言う説教を貰ったのだった。

 そして今に至るのである。

 

「どうしよう、声をかけた方が良いかもしれないけど、アタシも少し騒いじゃったからなぁ…」

 

「やはり学園祭の時の3-Aを纏め上げると言うのは、至難の業ですからね。また色々と考え込まなければいいのですが…」

 

 アスナ達は心配そうにネギを見ていた。

 

「やっぱりアタシ行ってくる」

 

 アスナはネギの所に行こうとしたが、まってーなとこのかが呼び止め

 

「アスナ、あれ」

 

 とこのかが指を差した方向から、五月が落ち込んでいるネギ達の所へ歩いて行くのを見た。

 

「あ…五月さん…」

 

 ネギが五月の存在に気づくと、五月はニコリと笑いながら

 

「夕御飯、食べていきませんか?」

 

 ネギとマギとプールスを夕御飯に誘ったのであった。

 

 

 

 

 夜の超包子も朝と変わらずに賑わっていた。マギ達3兄弟はその超包子のカウンター席に座っていた。

 

「どうぞ召し上がってください」

 

 五月はシュウマイ餃子点心にスープに酢豚や炒飯にゴマ団子などの様々な中華料理を出してくれた。

 

「わー!」

 

「凄い美味しそうレス!!」

 

「流石にこれは見事としか言えないな…」

 

 マギはこれらの御馳走を1人で作ってしまった五月に舌を巻くばかりだ。沢山あるので一杯食べて下さいねと五月が言うので早速食べてみるマギ達。

 ネギが点心、マギが餃子プールスは酢豚を一口を口にした瞬間

 

「美味しい!」

 

「美味しいレス!」

 

「美味いな!」

 

 3人の口から出た感想はやはり美味いの一言であった。五月はマギ達の美味いと言う感想に笑みを浮かべていた。

 

「朝も食べましたけど、やっぱり美味しいですね。五月さんが作るお料理は」

 

「俺も料理を作るが、見習いたいレベルだぜ」

 

「美味しいレス~いっぱい食べれるレス~」

 

 そう言いながらプールスは次々と料理をぺろりと平らげた。スライムであるプールスは人間態を留めておくのにかなりのエネルギーを消費する。なので大量のカロリーを摂取しなければならないので、いっぱい食べなければならないのだ。五月は本当に美味しそうに食べているプールスを見て笑顔を浮かべていた。

 

「こらこら、あんまり急いで食べるなよプールス。食事は逃げたりしないからな」

 

 マギはプールスにそう注意するが、プールスが直ぐに平らげてしまうのは頷ける。これほど美味い料理は今迄食べて事は無かった。本当に五月は料理の才能があるのだろう。

 

「でも本当に美味しいです。五月さんは料理の天才ですね」

 

 ネギも五月の料理の腕を賞賛していると。

 

「こんばんわさっちゃん。いつものお願いします」

 

 新田先生が、数名の先生を連れてやって来た。ネギは新田先生の顔を見ると新田先生から見られない様に顔を逸らした。その他にも高校生や大学生などもさっちゃんさっちゃんと五月の事をそう呼んでいた。皆から慕われている人気者の様だ。

 

「ネギ先生、少しは元気が出ましたか?」

 

「え?あ…あぁハイ。少しは元気になりました」

 

 ネギが元気になったと言うと五月もよかったとそう言った。マギは尋ねてみた。何故ここまで料理をおいしく作ろうと思ったのか。

 

「私は将来自分のお店を持つのが夢なんです。そうやって私が作った料理で皆が元気になってくれたらなって…」

 

 五月らしい素晴らしい夢だと思ったマギとネギ。なれるさ…と呟いてマギはご飯を食べ終えて一息ついたプールスの頭に手を置いて

 

「五月の料理を食べて、プールスがこんなに幸せそうな表情をしたんだ。五月の夢は絶対叶うと俺はそう思うぜ」

 

「僕もそう思います!五月さんの料理はおいしいですから絶対皆を笑顔にできます!」

 

 マギとネギは五月の夢を応援した。マギ達が楽しい時間を過ごしていたが、水を差すような事が起こった。

 

「あぁなんだとコラァ!!」

 

「上等だ!今すぐここで蹴りつけてやるぞオラァ!!」

 

 2つに分かれた集団が喧嘩をしそうな勢いであった。周りの者達の話を聞くと工科大の格闘家サークルと麻帆良大学の格闘団体らしく、昔から仲が悪いようだ。こんな所で暴れられたら迷惑どころではない。

 

「ったくマナーが悪い客っているもんだな。少し落ち着かせてくるか」

 

 マギが今にも騒ぎそうな集団の所へ向かおうとするが、マギより先に五月が集団の元へ向かって行ってしまった。

 流石に五月が危ないと判断し止めようとしたその時、ズシン!と言う音が響いて荒くれ者の集団がシンと静まり返った。

 見れば古菲が棍を地面につけ立てて地面を砕いてしまっていた。その古菲の隣に五月が立った。

 集団は古菲や五月の姿を見て慌てだす。五月から覇気が伝わってくるように感じたマギ。

 

「…アンタ達、此処での喧嘩は御法度だよ」

 

 そう言った五月からコアラのビジョンが浮かんできた。注意をされた集団はと言うと

 

『さっちゃん…』

 

 さっきまで睨み合っていたのが嘘のように腑抜けていた。五月の鶴の一声で戦意を失くしてしまうのは天晴である。

 

「なんていうか…凄いな五月は」

 

 マギが五月が色々と凄いとそんな感想を述べていると当然だと言う声が背後から聞こえ、マギとネギが後ろを振り向くとエヴァンジェリンの姿があった。

 

「マスター」

 

「おうエヴァ、さっきの当然だって言うのは如何いう意味だ?」

 

 マギがエヴァンジェリンに如何いう意味なのか再度尋ねるとエヴァンジェリンは

 

「五月はガキだらけの中で唯一私が認める生徒だからな」

 

「そうなんですか?」

 

 エヴァンジェリンの言った事がマギには少し分かる気がする。3-Aの殆どの生徒は今の生活を楽しく過ごしてるだけだが、五月は楽しんでいながらもしっかりと前を見ているとそう思った。

 

「奴だけはしっかりと現実に根を張り前を見ている…奴はホンモノだよ」

 

 それだけ言うと、エヴァンジェリンは飲みに行ってしまった。今日は修業は無しという事なのだろう。ネギとマギがエヴァンジェリンを見送っていると

 

「いやはや今日もさっちゃんの勇姿を見る事が出来ましたなぁ!おおネギ先生とマギ先生じゃありませんか!こりゃ珍しい」

 

 新田先生が顔を赤くしながらネギとマギに絡んできた。どうやら酔っているようだ。

 

「先程は私も言い過ぎました!3-Aの相手は酷ですからなぁ。ままどうです一杯」

 

「新田先生、ネギ先生とマギ先生はまだ未成年ですから、ネギ君にはこっちの甘いのを!」

 

 聊か上機嫌になっている新田先生が飲もうと誘い、一緒に居た瀬流彦先生が止めて他の甘い飲み物を渡した。こう言った付き合いは大事なのでネギとマギは誘いに乗って一緒に飲みはじめたのだが…

 

「ひっく…ぐす…ひっく…」

 

 ネギが甘いジュースを何杯か飲んで暫く経つと急に泣き出してしまった。

 

「瀬流彦先生、ネギに一体何を飲ませたんですか?」

 

「えぇ?普通のジュースだと思うけど」

 

「そうですか?何かネギの飲んでいたコップから少し酒の匂いがするんですけど…」

 

 マギが言った事に、新田先生がどれどれとネギが飲んでいたコップの残りの飲み物を少し飲んで

 

「瀬流彦君、こりゃあ甘酒だよ」

 

「ええ!?本当ですか!?」

 

 如何やらジュースだと思っていたら甘酒で、ネギは結構な量を飲んでしまったために酔っぱらってしまった様だ。泣き続けているネギは

 

「新田先生…お兄ちゃん…僕は、僕は駄目な先生ですぅ」

 

 酔ったネギは泣き上戸らしく、酔いながらネカティブな事を言いだした。

 

「何を言ってるんだネギ君、君はよく頑張っているよ」

 

 新田先生は泣いているネギを必死に励ましていた。

 

「何か酔い覚ましの物を作りましょうか?」

 

「あぁお願いするよ五月」

 

 五月が何か作ると言ったのでお願いするマギ。ネギは酔うと泣き上戸になるのか。やれやれだぜ…とマギが内心そう思っていると

 

「こんばんわ新田先生。やぁさっちゃん、僕もおじゃましていいかな?」

 

 タカミチがやってきて、マギが席を変えてくれたのでタカミチがネギの右隣に座った。

 

「やぁネギ君、久しぶり」

 

 タカミチが声をかけてくれたので、ネギは顔を上げた。新田先生はタカミチとネギが顔馴染と言うのを知っているので、タカミチの登場にホッとした。

 

「タカミチ…」

 

「いろいろ大変だったみたいだね。助けに行けなくてすまなかったね」

 

 タカミチはこれまでネギ達が遭遇した出来事に対して、色々とタカミチの方でも重要な仕事が重なってしまい、ネギ達を助けに行けなくてすまないと謝った。

 それはそうと…とタカミチが微笑みを浮かべながら

 

「ネギ君、エヴァから話は聞いたけど随分強くなったらしいじゃないか。どうだい、子供のころに約束した僕との腕試しとして一勝負は?」

 

 タカミチは昔の事を話していたが、ネギの反応は泣き続けており

 

「違うんですぅ!僕は全然強くなっていないんですぅ!!」

 

「っておいおい、如何したんだいネギ君は?」

 

「あぁタカミチ、ネギは甘酒を酒と知らずに結構飲んじまってな。悪酔いしてるんだよ」

 

 マギがネギの状態をタカミチに教えている間ネギはずっと泣き続けていたが

 

「僕は強くなってない…結局はただ逃げたかっただけなんです!」

 

 ネギのその言葉を聞いてマギは少し表情を固めたが、今度は駄目先生やら駄目魔法使いなど流石に言うと不味い事を泣きわめきながら言っていた。酒に酔って泣きつかれたネギは小さい寝息を立てながら寝てしまった。

 

「すー…すー…僕って駄目先生…」

 

 寝言でも自分の事を駄目先生だと言っていた。今のネギを起して帰るのはあれなので、ネギは超包子に置いていくことになった。

 

「じゃあ五月、身勝手で悪いがネギの事を頼むな」

 

「はい分かりました。マギ先生とプールスちゃんもおやすみなさい」

 

 マギは五月におやすみなと返して、うたた寝をしているプールスをおぶって寮に帰る事にした。

 超包子から離れて数分後

 

「あッマギさん」

 

「おうアスナか」

 

 このかと刹那を連れたアスナと出会った。アスナ達もネギの事が心配になってばれない様に超包子までついてきたようだ。何も話さないで歩いていたマギ達であったがねえマギさんとアスナが口を開いた。

 

「アタシ、この前ネギが戦っているのを見てネギはもうアタシの助け何か要らないって思ってた。けどやっぱりネギはまだまだ子供なんだなって」

 

「俺もアイツはもう成長したと思ったが、無理をしてたんだなネギは」

 

 2人はネギの上辺だけを見ていてネギの本心をちゃんと見ていないとそう実感した。それなのに自分達を頼れと言った自分達がネギの事を分かっていなかった。

 もう少しネギの事を見てみよう…マギとアスナは互いにそう思ったのであった…

 

 

 翌朝、朝早くに鳴く雀の鳴き声を聞いてネギは目を覚ます。

 辺りを見渡し、自分が居る場所が寮ではなく超包子の中であることに気づき、自分が昨日何をしたのか思い出した。

 ネギはマギ達に迷惑をかけてしまったとしずんでいると、五月が店の前を箒で掃いて開店の準備をしていた。

 五月はネギが起きていることに気づくとニコリとほほ笑みながら

 

「おはようございます。よく眠れましたか?」

 

 と尋ねてきた。ネギはあッはいとそう答えると、五月はよかったとそう言いながらまた箒で掃いた。

 

「あの…昨日はご迷惑をおかけしました」

 

「いいえ。お酒にお強いんですね」

 

 五月の言った事にネギは顔を赤くしながらも五月を見た。五月はしっかりと前を見ながら進んでいる…それがネギは羨ましく思い

 

「五月さんは凄いですね…将来の夢を持って居て毎日お料理を頑張って…」

 

 と思わず口に出してしまった。五月はきょとんとしながら首を傾げながらも

 

「ネギ先生も、先生の仕事や修業を頑張っているじゃないですか」

 

 と励ますが、駄目なんですと首を横に振りながら

 

「ある人に言われました。その人が言った事は当たっていたんです。お兄ちゃんやアスナさん達と一緒に頑張った勉強や修業も…結局は僕の昔の嫌な思い出や怒りや憎しみから逃げるための嘘の頑張りだったんです。そんな気持ちで先生をやっていたなんて、僕皆に恥ずかしくって…」

 

 ネギは又泣き出しそうになったが、五月がネギの肩に手を置いて、そんな事無いですと首を横に振った。

 

「嘘なんかじゃないですよ…誰かと一緒に頑張ったり、誰かを恨んだり嫌な事から逃げたりして手に入れた力でも、それは立派な貴方の力ですネギ先生。だから恥ずかしいなんて思わないで」

 

 ネギは五月の言った事に思わずポカンとしてると五月が元気を出してとネギの背中をドンと強めに叩いた。ネギは戸惑っていると五月は何時ものように優しい笑みを浮かべていた。

 

「は…はい五月さん!」

 

 五月のおかげで立ち直ったネギは、さっきまでの暗い顔が何処かへ行ってしまった。とネギと五月が微笑みあっていると

 

「なんだ何か俺の出番は無かったようだな…」

 

 少しうとうとしてるプールスを抱っこしてマギがやって来た。

 

「お兄ちゃん…」

 

「迎えに来たぜ。と言ってもさっきの話を聞いていたんだけどな…」

 

 マギは本当はネギが起きた直ぐにもう超包子には到着していたが、ネギの話を聞いていたのだ。

 マギはネギの話を聞いて、ネギに頭を下げた。行き成り頭を下げられ戸惑うネギ

 

「すまなかったネギ。俺はお前はもう俺の力なんか必要無いと勝手に思っている所があった。けどお前は本当は色々と溜めこんでいたんだよな。それを分かってやれなくてゴメン」

 

「そんな謝らないでよお兄ちゃん。僕も逃げたりしないで今迄の事を力にして頑張っていくから」

 

 ネギはマギに笑みを浮かべた。マギはそうか…と呟くと

 

「此れからは何か悩んだり辛いと思ったら俺やアスナ達に遠慮なく話せよ。俺はお前の兄貴でアスナもお前の大切なパートナーなんだからな」

 

 うんとマギの言った事にネギは頷き、マギとネギは笑いあった。そんな2人を五月は笑って見ていた。

 

 

 

 

 朝のHRでは元気を取り戻したネギはてきぱきとしたやり方で3-Aの出し物はお化け屋敷に決まり、マギもやれやれだぜと漸く決まったかこ思っているとマギは和美の隣の席で何かボウっと何か光るものが見えた。

 

「ん?」

 

 マギは見間違いかと思いながら、目を擦ったが光るものが段々と人の形へと…女の子へと変わって行った。女の子は一昔の制服を着ており顔には生気を感じられなかった。

 体も半透明でマギがあんぐりとしてしまったのは、その女の子に足が無かったのだ。そう幽霊(ゴースト)であったのだ。

 マギは他の生徒に気づかれない様に生徒名簿を見て発見した。出席番号1番相坂さよ、幽霊の生徒という事だ。普通は驚くところだが

 

「吸血鬼ロボットときてお次は幽霊とはな…」

 

 色々と見て来たマギにとっては別段驚きはしなかったし、怖いとも思わなかった。それよりも

 

「何であの子は寂しそうなんだ?」

 

マギはさよが寂しそうな表情をしていることの方が気になってしまった。

 

 




次回はさよとプールスが活躍する予定です

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