堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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はいお久しぶりです!
漸く最新話を投稿する事が出来ました!
待っていた人には遅くなってしまって申し訳ありません
如何して遅くなったのかはこの後活動報告に乗せておきますのでそれを見て下さい

それではどうぞ!!


いざ総本山へ! そして迫りくる魔の手

 修学旅行3日目朝の朝食終了後

 3-Aの生徒達は昨日のゲームの優勝者ののどかに群がっていた。のどかの手にはある物が握られていた。

 

「へ~それが豪華賞品か~」

 

「わ~見せて見せて~」

 

「カードに本屋の絵が描いてある~」

 

「こんな凄いカードだったらほしかったな~」

 

「ゲームの優勝者にはふさわしいね~」

 

 のどかの手にはのどかの絵が描かれているカード、パクティオーカードが握られていた。生徒達はもっとカードを見てみたかったが、しずな先生が今日は自由行動だからという事で各自準備するように呼びかけて解散させた。

 

「むぅ…」

 

「マスター」

 

 エヴァンジェリンはのどかの手にあるパクティオーカードを見て不機嫌そうな顔をしており、茶々丸は不機嫌そうな自分のマスターを見てオロオロしていた。そんなエヴァンジェリンなど露知らずのどかはカードを見てルンルンと鼻歌まで歌うほど上機嫌だった。

 

「フフフ♪私のカード大切にしなきゃ。マギさんとのファーストキスの証ですからフフフフ」

 

 のどかは上機嫌で歩いているとマギとネギにアスナと刹那に和美とカモを発見した。のどかはマギに話し掛けようとしたが、マギ達が少し揉めている様子だったので通路の壁に隠れていた。

 

「全くもう!こんなにカードを作っちゃって、一体どう責任取るのマギさんネギ!」

 

 アスナはスカカードと仮契約成立カードをネギとマギに見せながら如何するのかと尋ねた。

 

「ええ僕とお兄ちゃんの責任ですか!?」

 

「面目ねぇ…こうなったのはネギが和美に魔法をバレタのと身代わりの紙型で何回か間違えたのと、のどかに俺の気持ちをもっと早く言っとけばこうなんなかったはずだ」

 

 マギがかなり反省してる中、アスナはカモと和美をジト目で睨みつけた。睨まれた和美とカモは委縮しながら

 

「スイマセン反省してます」

 

「昨日は調子に乗ってました、許して下せえ兄貴たち」

 

 二人も反省してる様子だったので全くと言いながらアスナはふぅと息を吐くと

 

「本屋ちゃんにはなんて言って渡したのマギさん?」

 

 アスナに聞かれ、マギは昨日ののどかとのキスを思い出して顔を赤くしながら頭を掻き

 

「のどかにはカードの事はゲームのイベントの景品として渡した。カードもコピーの方だし、魔法の事も話してない。のどかは魔法を知らない一般人だ。厄介事には巻き込ませない絶対にな」

 

 マギの決意の表情を見てアスナと刹那はマギは大丈夫だと判断した。

 

「話を変えるが、今日は自由行動日だ。親書を渡すには御誂え向きってわけだ。しかし相手も恐らくだが今日の事を知ってるはずだ。という事で…アスナにはカードを自分でも使えるようにしておいた方が良い。という事でカモ、アスナにカードの使い方を教えてやれ」

 

「合点でさ大兄貴。という事で姐さん、姐さんもカードのコピーを受け取ってくれ」

 

「ああうん。で、如何やって使うのよカモ?」

 

 アスナはカモに自分の仮契約のカードのコピーを渡され、使い方を聞いた。

 

「使い方は簡単だぜ。手に持ってアデアット!って叫べばこの前使ったハリセンが出てくるんでさ」

 

「ふ~~ん…それじゃアデアット!」

 

 アスナはカモの言われた通りにやってみると、ホントにハリセンが出て来たのだ。

 

「凄い!手品みたいじゃない!!」

 

「しまう時はアベアットって言えば元のカードに戻るってわけでさ」

 

 アスナはまるで手品のようなハリセンが出て来たことに興奮している様子で和美と刹那は便利なカードだと思った。

 そのマギ達の様子を見ていたのどか気づかれない様に静かに立ち去った。

 

「マギさん達何の話をしてたんだろう?このカードを持ってアデアットってアスナさんが言ってたけど…よッよ~し、コホン!あッアデアット」

 

 のどかはアスナが言ったように唱えてみるとカードが光り、カードが本へとなった。

 

「わぁ…カードが本になった。ふしぎ~それに本が光って綺麗だな~」

 

 のどかは興味津々で本のページを捲ってみたが、何処も白紙だった。

 

「中は真っ白で何も書いてないなぁ…あれ?」

 

 のどかがそう言っていると本のページにうっすらと文字と絵が浮かび上がった?

 

「行き成り文字と絵が浮かび上がってきた…4月24日の木曜日絵日記かな?なんだろう?」

 

 のどかは文字と絵が浮かび上がって思わず固まってしまった。何故なら浮かび上がって来た絵がマギとキスをしている場面の絵だったからである。のどかはキスの絵を見て思わず固まっていると

 

「如何したんですかのどか?」

 

「あッ夕映!」

 

 夕映が現れ、のどかは夕映に見えない様に本のページを隠した。夕映はのどかの行動に首を傾げているが

 

「ボサッとしてると、ハルナが暴れだすですよ」

 

「うッうん…あれ?」

 

 夕映に言われ自分も部屋に戻ろうとすると、又本が光始めた。何だろうと思い、のどかは本を見ると又絵と文字が浮かび上がり、夕映がマギに押し倒されている絵が現れた。のどかは思わず本を閉じてしまった。夕映ものどかが持っている本の存在に気づく。

 

「のどか何の本ですかそれは?ラテン語とは珍しいです」

 

「あ、ううんこれはその…」

 

「あッ何故隠すのですか?本の事で隠し事は水くさいですよ」

 

 のどかは夕映に本の中身を見せない様に必死な中で思った。この本はとってもマズイ本なのではないかと。とのどかと夕映がそんな遣り取りをしていると

 

「コラーッ!二人とも何ボサッとしてるのよー!!」

 

 私服に着替えたハルナがのどかと夕映を掴んで部屋へと引きずった。

 

「今日はマギさんとネギ先生についていくんでしょ!?ほら!早く私服に着替えた着替えた!!」

 

「ハルナテンション高いよ~~」

 

「ハルナと違って私達は寝不足なんです」

 

 のどかと夕映の言っている事は無視してハルナはのどかと夕映を部屋へ連れってったのであった。

 

 

 

 

 

 学園長に渡された親書をネギは大事にしまい、ネギとマギは生徒達に姿を見られない様に裏口から外へと出た。

 

「脱出成功!早いとこ関西呪術協会の本山に向かわないとね」

 

「このかは刹那に任せてあるし、何も問題は無いだろうよ」

 

 ネギとマギはそう言いながらアスナと待ち合わせの場所へと向かった。ネギは本山の場所を探すために京都の地図を開いた。

 

「兄貴、本山って何処にあるんですかね?」

 

「えーとうん、ここからそんなに遠くないと思うよ」

 

 そう言いながらネギは本山が恐らくある場所を指差した。まッ何にしてもだと言いながらマギはネギの頭に手を置いて優しく撫でまわした。

 

「親書を渡せば東西が仲良くなるんだ。頑張ろうや」

 

「うん!頑張ろうねお兄ちゃん!!」

 

 ネギとマギは早く親書を渡すためにアスナとの待ち合わせに急いで向かった。そう言えば気になったんだけど…とネギはマギの恰好を見た。

 

「お兄ちゃんが持っているギターケースって何が入ってるの?お兄ちゃんがギターを演奏してる所なんて見た事無いけど…」

 

 マギは修学旅行初日に持ってきたギターケースを担いでいた。あぁこれか?とマギはギターケースを指差して

 

「この中にはギターは入ってないぜ。こんなかには俺のとっておきの秘密兵器が入ってる」

 

「秘密兵器!?どんななの!?」

 

 ネギはマギの秘密兵器に興味をそそられたが、マギはネギの額をつつきながら

 

「あのな秘密だから秘密兵器なんだろうが。例えネギでも教える事は出来ないね」

 

「そんな~」

 

 ネギは教えてくれなくて残念そうだった。とそんな話をしている間にもアスナとの待ち合わせ場所に到着した。が、約束の集合時間になってもアスナがやってくる気配が無かった。何か問題があったのかとマギが連絡しようとしたら

 

「マギさんネギ先生お待たせ~」

 

 後ろの方から声が聞こえ、後ろを振り返ってみると、其処には私服姿のアスナの他にハルナやのどかに夕映にこのかの他にエヴァンジェリンと茶々丸と刹那が其処には居た。

 

「わぁ~皆さん私服が似合ってますね…って!なんでアスナさん以外の人が来てるんですか!?」「ごめん!出ようとした所でハルナに見つかっちゃって」

 

 ネギは皆の私服姿を褒めた後に、なぜのどか達が此処に居るのかをアスナに尋ね、アスナもハルナ達に聞こえない様に小声でネギに答えた。

 

「ネギ先生とマギさんその地図もってどっかに行くんでしょ?だったら私達も連れてってよ!」

 

「連れてってお前ら5班は自由行動の予定はないのかよ?」

 

「はい、その場で決めて行動するのが私達のやり方なのです」

 

 マギがハルナにそう訪ね、夕映が答えた。マギは5班もといハルナ達の考えに呆れてやれやれだぜ…と呟いた。

 

「というより、んでエヴァと茶々丸が此処に居るんだ?てかザジは如何したんだよ?」

 

 刹那が居るのはまぁ納得できる。しかし何故エヴァンジェリンと茶々丸が此処に居て、同じ班であるザジの姿が無いのだろうか?マギがそう疑問に思っていると、ハイマギ先生と茶々丸がお辞儀をしながら

 

「マスターが此処に居るのはマギ先生と一緒に居られなくてさび「うぉい!このボケロボこれ以上言ったら頭のネジを強引に撒くぞ!!」…ザジさんはいつの間にか何処かに行ってしまいました」

 

「全く!私の許可なく何処かに居なくなるなんて非常識も程があるぞ!!」

 

 まったく!エヴァンジェリンはフン!鼻を不機嫌にならす。マギはえ~とと頬を掻きながら

 

「エヴァは俺と一緒に居れなくて寂しかった…って事なのか?」

 

 マギの発言にエヴァンジェリンはカァと顔を赤くしながら

 

「なッ何を言っているんだお前は!いつだれがお前と居れなくて寂しいと言ったか!?」

 

 もう自分でほとんど言ってるじゃんとマギは心の中でツッコミを入れた。だけどよとマギはエヴァンジェリンにしか聞こえない程の声で

 

「俺やネギと一緒に行動するという事は危険な目にあうって事なんだぞ?それに俺は何か分からんけど命狙われているし」

 

「構わん。それに楽しみにしていた修学旅行がそいつらのせいで中止になったらたまらんからな。この私自らの手でそいつらを葬ってやろうとな。それにマギを殺そうとした奴の顔を一度拝んでおこうと思ってな」

 

 クックックとエヴァンジェリンが笑いながら葬ると言っているのを聞いてマギは軽く引いていた。まぁエヴァンジェリンは自分よりも実力があるだろうし大丈夫だろうとマギは判断した。

 

「んじゃまあ6班基エヴァと茶々丸と刹那が一緒に回る事になったが構わねえか?」

 

 マギが5班に同意を求めるとこのかがパァ!と顔を輝かせながら

 

「うん!せっちゃんと一緒に回れるのは嬉しいえー!」

 

 と反対する者はいないようだ。こうして5班と6班が一緒になって回る事になったのだ。

 

 

 

 ホテルの周りも観光場所になる場所は多かった。マギとネギにアスナは、このか達が居るせいで抜け出せない状態だった。

 とハルナがゲーセンがあるという事で、京都の記念のプリクラを撮ろうと提案してきた。

 という事でマギ達はゲーセンに入り、プリクラを撮る事にした。ネギはアスナやこのかやハルナ。マギはのどかやエヴァンジェリンと別々にツーショットを、他にエヴァンジェリンと茶々丸に挟まられるマギ、のどかや夕映に挟まれたマギなど複数のプリクラを撮った。マギとプリクラを撮ったのどかとエヴァンジェリンは嬉しそうに顔を綻ばせていた。このかはネギ達にこっちだと手招きしていた。

 

「まったく、何で京都まで来てゲーセンに来てるんだか」

 

「しかし姐さん兄貴に大兄貴、これはチャンスですぜ。とりあえず何かゲームでもやらせて隙を見て抜け出しましょうぜ」

 

 アスナは呆れていたがカモの言う通り、喧騒なゲーセンだったらばれずに抜け出す事は他愛もないだろう。とマギ達はこのか達についていった。するとハルナ達は大きなゲームの台に座っていた。

 

「何やってんだお前ら?」

 

「あぁマギさんゴメンね!上手くいくと関西限定のレアカードがゲットできるかもしれないんだよ!!」

 

 レアカード?マギは首を傾げていると

 

「魔法使いのゲームですよ。私達が新幹線でやっていたカードゲームのゲーセン版です」

 

 と夕映の説明を聞いていたが、マギは新幹線のカエル事件を思い出して思わず身震いしてしまったが、直ぐに忘れてゲームの画面を見てみた。マギは日本のゲームに興味を持っており、面白そうと思った。

 

「面白そうじゃねえか。ネギお前も息抜きにやってみるか?」

 

「え?僕も?う…うんじゃあやってみようかな…」

 

 マギに誘われ、ネギも乗り気ではなく(この意味は直ぐに解る)試しにゲームをやってみる事にした。夕映やハルナの説明を受けゲームを持っていたカードを借りてやってみることになった。いざやってみると2人は楽々とステージをクリアしていった。ゲーセンとはうまいプレーをやっていると自然と人が集まっていくもので、マギとネギの周りにギャラリーが集まってきた。とすると

 

「となりええか?」

 

 と方言からして関西弁の帽子をかぶっている少年がネギの隣に座ってきて、ネギとマギに勝負を挑んできた。

 

「おお!ネギ先生とマギさんが勝負を申し込まれた!!」

 

「マギさんとネギ君頑張ってーなー」

 

 とマギとネギは関西弁の少年と対戦する事にした。

 

 

 

 数分後

 

『youwin!perfect!!』

 

「「「「「…」」」」

 

 ネギや関西弁の少年、夕映やハルナにアスナが唖然とポカーンとしていた。何故なら

 

「まッこんなもんかな?」

 

 マギがネギと少年の2人に対して、ノーダメージで勝ってしまいオーバーキルのおまけつきで

 

「ちょ!マギさん子供相手に容赦なさすぎない!?」

 

 ハルナがマギにツッコミを入れるが、対するマギは

 

「は?容赦?如何いう意味だ?」

 

 とハルナの言っている意味が分かっていない様子だった。そうマギはゲームで無自覚で相手がたとえ子供でも容赦なく叩き潰してしまうのである。ネギが若干乗り気ではなかったのは、マギはネギに何回かチェスやトランプなどのゲームに誘い、その度無自覚にネギ相手に容赦ない手で勝ち続けていたのだ。そのネギはというと

 

「アハハやっぱりお兄ちゃんには勝てないなぁ…」

 

 と軽く涙目であった。ネギはプルプルと震えている関西弁の少年の姿を見てしまった。子供相手に容赦ない攻撃は流石に悔しかったとネギはそうとらえていた。

 

「ごッゴメンね!お兄ちゃんゲームで容赦なくて!!」

 

 おいどういう意味だそりゃ?マギは不服だったのかネギにツッコむ。しかしその関西弁の少年はと言うと

 

「くくく…アハハハハ!!」

 

 大笑いしていた。

 

「いや~こんなに完膚なきまで負けるなんて久しぶりや!それに全然気にしてないで、男は何時でも真剣勝負や!ゲームでも喧嘩でもな、逆に手を抜かれたら俺は許さんからな!!」

 

 そして少年はマギの方を見ながら

 

「にいちゃん強いな~今度また再戦したいで!」

 

「残念だが俺達は修学旅行でな、ずっとは京都にはいれないんだよ」

 

 マギがそう言うと少年はそっか残念やな~と軽くショックだった様子だ。でも…とネギの方を向くと

 

「そっちの俺と同じ位の方は魔法使いとして(・・・・・・・)まだまだやな、ほならネギ・スプリングフィールド君」

 

「え?如何して僕の名前を!?」

 

 ネギは少年が自分の名前を知っていて驚くが、マギが呆れながら

 

「お前な、ゲームに自分の名前を堂々と載せてるんじゃねえか」

 

 マギがゲーム画面を指差すと、ゲーム画面にネギの名前がデカデカと載っていた。少年が名前知っているわけである。

 

「そんじゃさよならさん、けっこう楽しめたで!!」

 

 そう言って少年は走り去ろうとしたが、のどかとぶつかってしまった。互いに尻餅をついてしまうのどかと少年、それと尻餅をついた瞬間少年の帽子が落ちてしまった。

 

「いたた…」

 

「いてて~すまんなぁ姉ちゃん、ちゃんと前を見てなかったさかいに…怪我無いか?」

 

 のどかは少年に大丈夫だと言おうとしたが、少年の頭に一瞬あるはずのない物を見てしまった。少年は落ちてしまった帽子を直ぐに拾い上げると直ぐにかぶり直す。

 

「すまんな~姉ちゃん、でも姉ちゃんもあんまりボーッとしない方がええで、じゃないとパンツ見えてしまうからな~!」

 

 少年に言われ、のどかは慌ててスカートを抑える。少年は今度こそゲーセンから立ち去ろうとしたが、

 

「おい待てよ」

 

 とマギに呼び止められた。少年はなんやとマギの方を見たら、マギの手にはカードが握られていた。そのカードは先程少年が使っていたカードである。

 

「さっきのどかにぶつかった時ポケットから落ちたぞ」

 

「あぁすまんな兄ちゃんおおきに!」

 

 少年はマギからカードを受け取る。

 

「気を付けろよオオカミ君(・・・・・)

 

「!おッおお気を付けるわ!ホンマに兄ちゃんおおきに」

 

 ネギは少年がマギからカードを渡されたのを見たが、少年が先程とは違うぎこちない笑みを浮かべながらカードを受け取った。そして今度こそゲーセンを後にした。

 マギはネギとアスナに刹那を呼んだ。幸いハルナ達はゲームに熱中しており気づいていない。そしてネギとアスナに刹那が来てことでマギを口を開いたしかし、マギの言った事は余りに信じられないものだった。

 

「さっきの関西弁の坊主、恐らくだが過激派の一派だ」

 

「ええッ!?さっきのガキンチョが!?」

 

「本当なのお兄ちゃん!?」

 

 アスナとネギは信じられない様子だ。確かに見た感じ普通の少年が過激派の一人など信じられないだろう。

 

「あぁゲームをやってる時も若干だが闘気が満ちていた。まだガキって所だったな。それと今さっきのどかとぶつかった時に帽子が落ちただろ?その時に頭に犬耳みたいなのがあった。普通の人間にそんなのがあるはずもないし……刹那、犬耳がある人間って知らないか?」

 

 マギは刹那に尋ねると刹那は少し考えるかのように目を瞑り、何かを思い出したのかそう言えばと言いながら

 

「恐らくですが、その少年は狗族の一人でしょう」

 

「狗族?狗族って何よ桜咲さん」

 

 アスナは狗族と言うのは如何いう者か尋ねる。

 

「狗族と言うのは日本に代々いる妖怪の一種で西洋で言う人狼(ウェアウルフ)の様な種族です。格闘術をメインにして戦いますが、犬の式神を使用して戦う事もあるそうです」

 

 刹那の情報に成程と頷くマギ。これで相手の一応の戦力は、リーダーの千草、刹那と同じ神鳴流の月詠。先程の狗族の少年それとマギしか狙わなかった助っ人の狙撃手。他にもまだ敵がいるかもしれないが、今の状況は敵の戦力の方が多く不利な形だろう。

 マギは少しの間唸って、一つの作戦を思い付いた。

 

「…今作戦を思い付いたんだが、親書を届けるのはネギとアスナだけで行ってくれ」

 

「「ええッ!?」」

 

 ネギとアスナは、マギが言っていることが信じられなく詰め寄ったが、まだ話はあるとマギが2人を強引に押した。

 

「今さっき又敵の存在を確認できたが、まだ敵がどれ位居るのかも分からねえんだ。もし親書を届けている間にこのかが襲撃されたらもともこもない。だから俺もこのかの護衛に付こうと思う」

 

「でもこの前マギさん変な敵に狙われてたじゃない!そんなマギさんがこのかと一緒にいたら、余計このかが危険になるんじゃないの?」

 

 アスナの言う通り、マギは助っ人なる者にマギだけが狙われていたのだ。あぁその辺は大丈夫だとマギは刹那の方を向いて

 

「刹那、昨日の身代わりの紙型を持ってるか?有るなら1枚貸してくれないか?」

 

「え?えぇ持っていますが、何に使うんでしょうか?」

 

 いきなり身代わりの紙型を貸してくれと言われながらも、刹那はマギに身代わりの紙型を1枚渡した。

 マギはサンキューと言いながら、昨日と同じように自分の名前を書いた。此処までは昨日と同じである。

 

「後はこの紙に俺の魔力と気を流し込むっと…」

 

 そう言いながらマギは紙に自らの魔力と気を流し込む、魔力と気を流し込まれた紙は光り始め、流し終えるとボンッ!という音を出しながら、マギの分身が現れた。

 

「へぇ~こうやって分身が出来るのね~」

 

 アスナは分身が出来るところを見た事が無かったので興味津々でマギの分身を頭からつま先まで見る。するとマギの分身が目を開けて

 

「おいアスナ、何人の顔をジロジロ見てんだよ」

 

 と、マギ本人と同じような呆れた顔でアスナの事を見ていた。ネギは驚きを隠せなかった。昨日の分身は命令された事しか出来なかったし、何処か抜けている感じがしたが、今目の前に居るマギは本人そのものだった。

 

「若しかしたら魔力と気を流し込んだらこうなるんじゃないかと思ってな。いざやってみたらこんな感じだ。今この分身は自分で考え行動できる自立型の分身ってわけだ」

 

 そう言いながらマギは分身の肩を軽く叩く。分身のマギは鬱陶しそうに叩いている手を払いのけた。

 

(しかし自立型の分身を作り出すのに最低でも数ヶ月は掛かると言うのにマギ先生はたった一瞬で…忘れてはいたが、この人はネギ先生のお兄さんなんだから)

 

 刹那はマギの能力を改めて実感し脱帽した。

 

「俺の分身をネギ達と同行させる。助っ人の狙撃手は俺しか狙っていないからな。俺の分身を囮に使って少しでも戦力の分担をしたい…って事で分身、俺の囮になってくれ」

 

「ったく面倒な話だぜ、分身の使い方が荒いな俺は」

 

 と、呆れ半分で了承したマギの分身。面倒だぜ、と呟きながらネギの服のフードを引っ張るマギの分身。

 

「さっさと終わらせるぞ。こんな面倒な仕事さっさと終わらせて俺は消える」

 

「おッお兄ちゃん自分で歩けるよ!!」

 

「ちょ!マギさん待ってよ!!」

 

 マギの分身に引きずられる形でネギとアスナはゲームセンターを後にした。

 

「そんじゃ俺はちょっとの間隠れてるから、このかへの誤魔化しを頼むわ」

 

「了解しました」

 

 刹那に頼みマギは少しの間隠れていることにした。これで問題なく終わった…かに思えたが

 

「マギさんとネギ先生にアスナさん…何処に行くんだろう?」

 

 偶然マギたちがゲームセンターを出ていく所を見てしまい、興味半分でついていったのどか。これがのどかの人生を大きく変えてしまう事になるのだが、のどかは知るよしもなかったのであった……

 

 

 

 

 

 ゲームセンターの路地裏、人気が無い場所に先程の少年が居た。

 

「やっぱさっきのちび助とその兄ちゃんの名字はスプリングフィールドみたいやで」

 

 路地裏の奥に誰か居るのかそう報告した。すると

 

「ふん、あのガキとガキの兄が、あのサウザントマスターの息子やったか。それなら相手にとって不足はないなぁ。坊やたち一昨日の借りはキッチリと返してもらうえ」

 

 艶めかしい巫女服の千草とその後ろに月詠がおり、その後ろに顔にお札が貼られている翼の生えた鬼のような魔物に、無表情の銀髪の少年が居た。

 あぁそれとと千草は何かを思い出したのか路地裏の後ろの方を向いてキッと睨めつけるような目つきになり

 

「一昨日の事まだ聞いてないえ!傭兵、何であの時私の邪魔をしたんや!?」

 

 と怒鳴ると路地裏の奥にまだ誰か居るのかふぅと溜息を吐いて

 

「まだ言っているのか千草嬢、あれは私のミスで誤って君の札を射抜いたとそう答えたじゃないか」

 

 その声は一昨日マギをビルの屋上から狙っていた男の声と同じだった。如何やら助っ人は傭兵でもあるようだ。

 

「ウソを付け!アンタの力量は理解してるつもりや!そんなアンタが誤射をするなんてありえないえ!!」

 

 千草はまだ何かを言おうとしたが、男が静かにと言った。丁度静かにしたのと同時にマギとネギにアスナが走りながら通り過ぎるのを見た。本山やら親書やらそう言った単語が聞こえてきた。千草は今の言葉でネギ達が何をしようとするのかが瞬時に理解した。

 

「まさかあの餓鬼共本山に行って関東の親書を渡して仲直りとかそんな話かえ!?冗談やない!!そんな事やられたら私のお嬢様誘拐の計画がおじゃんになってまう!傭兵、今すぐあの餓鬼とマギ・スプリングフィールドを潰してこい!」

 

「いや止めておこう」

 

「なッどうしてや!?」

 

 傭兵が止めておこうと言った事に千草は納得できなかった。しかし次に傭兵が言った事は

 

「あのマギ・スプリングフィールドは分身だ。恐らく本体の方はまだゲームセンターに居るのだろう。分身を囮にし、その間に木乃香嬢の護衛に付くと言うのがあの男の考えだろう。あの男らしい浅はかな考えだ」

 

 なら…と、其処で千草は姿の見えない傭兵の殺気を感じ取り、思わず後ずさる。

 

「あの男に死よりも残酷な光景を見せてやろう」

 

 それを聞いた千草はまさか…!とギョッとした目で傭兵が居る方を見て

 

「まさか傭兵、魔法に関係ない人間にまで手をかけるつもりかえ!?それは流石にマズイやろ!?」

 

「そのつもりだ。私はマギ・スプリングフィールドに関わりのある人間をあの男の前で殺し、絶望を与え、そして始末する……。そうしないと私の復讐は終わらない。君もだ千草嬢。君のやろうとしている復讐は、君にとっては正義の鉄槌かもしれない。しかし復讐と言うのは悪だ。なら復讐者は心を捨て鬼になれ。そうじゃなければ君は復讐など出来もしないで終わる事になる」

 

 言いたい事を終えたのか、傭兵の気配が路地裏の奥から消えた。そこで千草は戦慄を覚えた。自分が雇った傭兵は、自分が思っている以上に厄介で危ない人間ではないのかと……

それに気付いたのはある意味もう遅いのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の話では雑魚敵ですが、ネタの敵にしようと思います

ヒントは ヴィータ 狩ゲー 鬼 です

次回は早く投稿出来るように頑張ります

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