堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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お久しぶりです!!漸く投稿出来ました!!
いままで大学のレポートやらこれから人生を見直したりでかなり投稿が遅れてしまいました。
話を作成している間にもUAが10万を超してお気に入りも800人まで行きました!
ありがとうございます!!これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
今回の話は原作のキスゲームですが、原作では居なかったエヴァンジェリンなどが居るように原作と違う所があります

それではどうぞ!!


Q初キッスはどんな味?A知るか

 ゲームが開始されたのをマギとネギは知らずに、外に出て見回りをし始めた。そして刹那に渡された身代わりの紙型の分身たちはと言うと…

 

「こんばんはヌギです」

 

「ホギでーす」

 

「メギだぜ」

 

「モギだ」

 

「ムギダゼ」

 

 マギとネギの失敗した身代わりの紙型も実体化して、分身の数は合わせて7人までに増えてしまった。同じ人間がいっぱいと言うのはなんとも不気味でシュールな光景である。

 

「今晩はネギです。なんだかいっぱい出てきてしましましたね~」

 

「そうですねー」

 

「ういむしゅー」

 

「おういえー」

 

「そうだな」

 

「だなー」

 

 1人の分身が喋り他の分身がコクコクと頷く。先程も言ったがシュールである。

 

「俺とこいつは此処で寝てるように命令された」

 

 命令されたマギの分身の1人は同じく命令されたネギの分身を指差しながら言った。

 

「僕は命令されてないよ」

 

「僕もー」

 

「俺もだぜ」

 

「俺もだ」

 

「俺もー」

 

 命令されてない分身たちは如何するか考えて考えた結果

 

「ではテレビでも見ていて待ってましょうかね」

 

「そうですね」

 

「賛成ー」

 

 分身たちはテレビを見ていることにした。そして命令された分身たちは一応布団に入り、寝る事にした。そのころ監視室では

 

「よし姉さんキュー!!」

 

「さて教員部屋にいるネギ先生&マギ先生に最初にアタックできるのは誰か!?ゲームが遂にスタート!実況は報道部朝倉がお送りいたします!!」

 

 ゲームの実況をカモと和美が行っていた。

 

「現在2班3班4班が急速に接近中!早くも大乱戦が起こる予感!一方1班5班6班はまだ動きを見せていない!この班たちは確実に接近する事を選んでいるようだ!!」

 

 和美の実況を聞きながら、ゲームに参加していない生徒達はテレビでゲームの様子を眺めているのだった

 

 

 

 

 

「それにしても意外ですわね」

 

「あ?何がだよいいんちょ?」

 

 3班のあやかと千雨がホテルの廊下を歩きながら話していた。

 

「千雨さんはどちらかというとこう言った生徒同士で騒ぐのは苦手だったはずですけど」

 

「あぁ、あたしはこう言ったバカ騒ぎはどちらかというと嫌いさ。だけどなこう言った時だったら、マギ先生にお礼が言えると思うんだよ」

 

 お礼?あやかは首を傾げた。千雨の言っているお礼と言うのはマギとネギが麻帆良に来たばかりの時、その時の千雨は自分に自信が無く、人目を避けていた。そして自分のホームページで自分のコスプレ写真を偽り、人気を取っていた。

 しかしマギが自分に自信を持てと言ってくれて、ためしに何も手を加えずありのままの自分の写真を上げてみると、偽っていた時よりも人気となった。

 其れからは千雨は少しづつ3-Aの生徒達とも話すようになった。と言っても千雨は皮肉を言ったりしているのだが、基本お人好しな3-Aの生徒達は千雨の皮肉に笑っていたりしていた。

 それもあって千雨は少しだけだが、学校生活が楽しくなったのである。

 

「まッまぁマギ先生にはお世話になったし、お礼を言わないって言うのはあたしの流儀に反するからな」

 

「そうですか、でも千雨さんが少しづつですが他の生徒の皆さんと話すようになってくれて委員長として嬉しいですわ」

 

 あやかが笑いながらそう言い、千雨は顔を赤らめてそっぽを向いていた。とその時

 

「「あ」」

 

 曲がり角で4班の裕奈とまき絵に遭遇してしまった。

 

「うわ!いいんちょだ!!」

 

「まき絵さん勝負ですわ!!」

 

 とまき絵とあやかの勝負が始まった。互いの枕がぶつかり合う。さらに裕奈がまき絵を援護し始めた。

 

「くッ2対1はこちらが不利ですわ!千雨さん援護を…ってあれ!?」

 

 あやかは千雨に援護を頼もうとしたのだが、千雨はあやかの数m先の通路まで離れていた。

 

「悪いないいんちょ、あたしみたいなもやし娘が体育バカのその二人にの相手は無理だから1人で頑張ってくれ」

 

 そう言い残し、千雨は何処かへ行ってしまった。あやかは千雨に薄情者~~!と叫んだと更に

 

「おお!獲物がいっぱいアルね!!」

 

 古菲と楓の2班が参戦し、三つ巴の戦いとなった。

 

「おおっと!早くも三つ巴の戦いの大乱闘だー!武闘派の古菲が優勢か!?というより枕を使わない打撃は反則だよ!!」

 

 実況の和美も実況に熱が入る。このまま大乱闘が続くと思った矢先に

 

「コラァ!騒いでいる生徒は誰だ!?」

 

 新田先生の声が聞こえ、戦いを止めてあやか達は逃げようとしていると、古菲が楓と頷きあうと

 

「お先アルよ~!!」

 

 とまき絵と裕奈を馬跳びする形で古菲と楓は逃げ去って行った。まき絵と裕奈はバランスを崩して頭をぶつけ合って目を回しながら倒れた。

 

「やっぱり3-Aの生徒達か!佐々木明石!お前らはロビーで正座だ!!」

 

 と気絶したまき絵と裕奈が新田先生に引きずられる形でロビーへと連れてかれた。こうして4班が早くも脱落する形となった。

 

「おおーっと!ここで鬼の新田に4班の裕奈とまき絵が捕まってしまった!ライバルが減って他の班はどう動くのか!?」

 

 

 

 

 

「ゆッゆえ~」

 

「何ですかのどか?」

 

 のどかと夕映が匍匐前進をしていた。何故匍匐前進しているのかというと

 

「なんでこんな所を通ってるの?マギさんの所行くだけなのに、まるで忍者みたい」

 

 ホテルの外のわずかな足場を渡っているのだ。のどかの言う通りまるで忍者のようだ。夕映に訳を聞いてみると夕映は一枚の地図を広げた。それはホテルの見取り図だった。

 

「私の見立ててではこのルートが最も安全かつ速いのです。マギ先生たちの部屋は端っこなのでどうやっても必ず敵や新田先生に当たってしまいます」

 

「そっか、だから裏手の非常階段からすぐ中に入れば」

 

 のどかは夕映の先を見た行動に感心した。

 

「でも非常階段のドアに鍵がかかってるかも…」

 

「ご心配なく。こんな事もあろうかと非常階段の鍵は先程私が開けておいたです」

 

 そう言って非常階段に向かった。非常階段に到着し、ドアノブを捻るとドアが開いた。夕映の言う通りだったようだ。のどかは夕映にお礼を言おうとしたが、夕映はお礼を言うなら目的を達成した後ですよと先を急ぐように言った。

 まだ誰も教員部屋にはまだ誰も来ていないようだ。これはチャンスだと夕映は部屋番号304を指差した。

 

「そこがマギさんとネギ先生の部屋です。さぁのどか今のうちに」

 

「う…うんありがとう。まッマギさんとき…キス…」

 

 のどかがマギとのキスを妄想したのか顔を赤くしていたとそんなのどかの頭上の屋根の板がずれてとれ、縄梯子が降りてきた。のどかは行き成り縄梯子が降りてきて吃驚していると

 

「あッ5班!」

 

「しまったヤるよ史伽!!」

 

 縄梯子から1班の風香と史伽が降りてきた。屋根裏を通って来るとは、小柄な2人だから出来る事である。

 

「「鳴滝忍法分身の術!!」」

 

 と風香と史伽が2人がかりでのどかに襲い掛かる。別に分身してないじゃんと言ってはいけない。

 

「くらえ甲賀手裏剣!」

 

 風香がのどかに枕を手裏剣代わりに投げようとしたが、夕映が史伽に枕を当て、妨害した。

 

「風花さん史伽さん!私が相手です!」

 

「おッおのれゆえ吉ちょこざいな!我ら甲賀忍群に敵うと思うてかでござる!」

 

「おッ思うてか!」

 

 と風香と史伽が夕映に反撃しようとしたが、すかさず夕映が攻撃する。

 

「やったねってゆえ吉それって!?」

 

「何か凶器を出したです!」

 

 二人が驚き後ずさる。夕映が手に持っていたの2冊の分厚い辞書。何処から出したのかというツッコミは無しという事で。夕映は2冊の辞書で2人に殴りかかる。

 

「ちょゆえ吉本で殴るのは反則だよ!!」

 

「枕の上からなら無問題です!!」

 

「そう言う問題じゃないですー!きゃああ!?」

 

 夕映と風香と史伽の激しい攻防をのどかはオロオロとしか見てられなかった。

 

「此処は私が食い止めるです!のどかは早くマギさんの所へ!」

 

「でッでもゆえ!」

 

 夕映が『此処は食い止めるから早く行け!!』みたいな事を言っているが別に死ぬわけではないのに、のどかは大袈裟に如何しようか迷っていた。

 

「およ!見つけたアルよ!」

 

 更に古菲と楓が乱入してきた。武闘派の2人が加わってはのどかをマギの所に行かせるのが難しくなってしまう。夕映は強行策へ向かった。

 のどかを強引にマギ達の部屋と押し込んだ。そして夕映は部屋のドアを閉めた。マギの部屋に入る事が出来たのどかはゆっくりとした歩調でマギの元へと向かった。

 

「マギさん…」

 

 のどかが見る先にはネギと一緒に静かに寝ているマギの姿があった。のどかは静かに座ると顔をマギに近づけた。

 

「マギさんすみません、こんな形で。でも…でも私嬉しいです。マギさんキスさせてください」

 

 のどかは少しづつマギの唇に自分の唇を近づけた。マギの唇まであど数㎝という所でのどかは人の気配を感じて顔を上げてみると

 

「キスですか」

 

「チュー」

 

「ユーやっちゃいなヨー」

 

「ラジャー」

 

「チュッチュ」

 

 数人のマギとネギが自分の周りを囲んでいたのだ。のどかはさっきまで顔を赤らめていたのがサァと血の気が引いて顔面蒼白になっていた。

 

「キャアアアアアアアア!!」

 

 のどかは思わず悲鳴を上げてしまい、そまま気絶してしまった。

 

「のどか如何したんですか!?」

 

 さっきまで戦っていた夕映達は戦闘を止め、部屋に入ってみると、部屋の中には気絶したのどか以外誰も居なかった。

 

「のどか如何したんですか!?」

 

 夕映は気絶したのどかを抱き起す

 

「窓が開いてるアル!外に逃げたアルね!!」

 

「史伽追うよ!!」

 

「あッお姉ちゃん!」

 

 ネギとマギの姿が無いのは窓から逃げたのだと考えた風香は窓から飛び降りてマギの後を追った。その後ろを史伽が追う。

 

「のどかいったい如何したんですか!?」

 

 夕映はのどかから何があったのか聞こうとすると、のどかがう~んと唸ってから

 

「マギさんとネギ先生がいっぱいです~」

 

「何おかしなこと言っているんですか!?」

 

 夕映はのどかがかなり混乱していると判断し、先程までマギが寝ていた布団へのどかを寝かせることにした。

 

「えーただいまの状況ですが、5班ののどかがマギ先生にキスをしようとしましたが失敗した模様!マギ先生とネギ先生は逃走した模様!さて誰がどの班が2人を見つける事が出来るのでしょうか!?」

 

「朝倉の姉さん」

 

 和美が実況に熱中しているが、カモが和美を呼んだ。和美は何と聞くと

 

「いや俺っちの目の錯覚かなぁ…ネギの兄貴とマギの大兄貴が沢山いるように見えるようなんだけど」

 

 とカモが言ったように別々の隠しカメラにネギとマギの姿が写っていたのだった。

 

 

 

 

 

「ふぅ~」

 

 マギがホテルの外でタバコを吸っており、吐いた煙が夜空に漂っていた。マギは形だけの見回りをてきとうにやり終えた後はずっとのどかの事を考えていた。

 

「のどかの事でこれ以上先延ばしにするのは不味いよな…よし!」

 

 マギは何処か決意した顔でホテルに向かった。

 

 

 

 また場面をホテルに戻す。今まで何も行動しなかったエヴァンジェリンと茶々丸、エヴァンジェリンは魔法を使って気配を消しており、茶々丸もロボットなので気配を消せることが出来る。

 

「ククク、そろそろ小娘どもがヘマを起す所だろうから、私がゆっくりとマギの相手をしてやろう」

 

「しかしマスター、マギ先生とキスをした事が無いのに本当に出来るのですか?」

 

 茶々丸にそう訪ねられたエヴァンジェリンはあッ当たり前だろう!と顔を赤らめて声を荒げた。実際エヴァンジェリンは異性とそう言った関係になった事が無いのだ。初恋のナギともキスをせずに終わってしまったのである。つまりエヴァンジェリンはキスのやり方など知らないのだ。

 

「いッいいか茶々丸!私が本気を出せばな小娘どもが顔を真っ赤にするような大人なキスをやってやれるんだぞ本当だぞ!!」

 

「そうですか…(赤面しているマスター可愛いです)」

 

 茶々丸が喚いているエヴァンジェリンを黙って録画しておくことにした。すると

 

「おいエヴァ」

 

 エヴァンジェリンの後ろから声が聞こえ、後ろを振り返ってみるとマギが此方に向かって歩いていた。

 

「まッマギ!いや違うんだぞ!私は別にお前に何かをしようとしたわけじゃなくてな!」

 

 とエヴァンジェリンは自分でも何を言っているのか分からない状態だったが、マギは笑みを浮かべながらエヴァンジェリンに近づいてきた

 

 

 

「はぁ何処にもいねえなあマギさん」

 

 千雨はとりあえずは新田先生にばれない様にマギを探していたが、マギの姿を見つける事は出来なかった。

 

「というかあたしは何でこんな事をしてるんだろうな…べッ別にマギさんにお礼を言うだけでマギさんが他の女とキスされるのが嫌なだけだからな!…ってあたしは誰に言ってるんだか…」

 

 千雨はハハと乾いたと千雨が居る前の方向から足音が聞こえ、千雨は一瞬新田先生かと思っていたら

 

「千雨…」

 

 マギが怪しい笑みを浮かべて千雨に近づいてきた。千雨は怪しい笑みを浮かべているマギを見て思わず後ずさりをしてしまう。

 

「まッマギ先生どうしたんだよ…」

 

 

 

「う~んマギ兄ちゃん何処行ったんだろう」

 

「マギお兄ちゃん何処にもいないです~」

 

 ホテルの外でマギが何処に居るか探している風香と史伽。諦めてホテルに戻ろうとすると

 

「史伽」

 

 史伽の名を呼んだマギがこちら向かってきた。風香と史伽はお目当てのマギが見つかってマギにキスしようとしたが、マギの様子がおかしいのに気付いて首を傾げていた。

 

 

 

 

 

「マギさんは私がきっと連れてきますから、のどかはここんで休んでいるです」

 

 夕映は布団に寝かせたのどかにそう言った。そしてヨシッ!と決起し立ち上がった。とその前に

 

「その前におトイレに」

 

 夕映がトイレに向かうためにヘアのドアを開けようとすると

 

「マギさん!?」

 

「あぁ夕映か」

 

 ドアの前に連れて来ようとしたマギが立っていたので夕映は少し驚いてしまった。

 

「丁度良かったですマギさん。実はあの…」

 

 夕映は事情を説明しようとするが、マギは部屋を覗き込んで頷いた。

 

「のどかの奴は寝てるようだな。それじゃ俺も丁度いいな」

 

 マギが丁度いいと言っている意味が夕映には理解できなかった。

 

「実は俺、夕映に話があるんだよ」

 

「え…な何ですか?」

 

 マギが顔を赤くして夕映に詰め寄り、夕映は少しづつ後ずさる。

 

「俺、色々と考えたんだけどよ…こんな事言えば夕映も混乱すると思うんだけどよ、俺夕映の事が…」

 

 夕映はマギが言いたい事が理解できたが、信じたくなかった…

 

 他にもあやかの所と古菲の所にネギが現れそして…

 

「キス…してもいいか夕映?」

 

「キスしても良いでしょうか?いいんちょさん」

 

「やっぱり千雨は綺麗だな。キスしてもいいか?」

 

「今からエヴァの唇を奪うぜ」

 

「その、お願いがあってくーふぇいさんキスを…」

 

「今から史伽の唇をいただく」

 

 と複数のマギとネギが一斉に女の子たちにキスを迫ってきたのであった。

 

「!!?うお!何だ!?急に寒気が…」

 

 ホテルの中に入ったマギが変な寒気に襲われたのだった。

 

 

 

 

 

「キスしてもいいか夕映」

 

 顔を真っ赤にしたマギが少しづつ夕映に迫っていた。夕映の他にも千雨とエヴァンジェリンに史伽とあやかと古菲に複数のマギとネギがキスを迫っていた。それをテレビで見ていた生徒達は行き成りの展開に言葉が出ない様だった。

 

「おッおおーッと!これは如何いう事だ!?複数のネギ先生とマギ先生が一斉に告白タイム!!行き成りの展開に私自身驚きを隠せません!!」

 

 和美もどう実況すればいいか分からない状況だった。テレビで見ていた生徒達はこれも和美のゲームのイベントだと思い込み、どれが本物のネギとマギかはしゃいでいたが、実際の和美はと言うと

 

「如何するのカモっち!アンタ妖精なんでしょう!?この状況何とかしなさいよ!!」

 

「おッ俺っちに言われてもこんなのどうしようも無いっすよ!!」

 

 と2人であたふたしている様子だった。その間にも夕映にマギが迫る。

 

「いいか?夕映…」

 

「いえ、あの…マギさん」

 

 夕映は後ずさりしすぎて、遂にはのどかが寝ている布団に躓いて転んでしまった。夕映は寝ているののどかを見て

 

「見損なったですマギさん!のどかに告白されたのにすぐに私に迫るなんて最低です!!」

 

 夕映の訴えを聞いてもマギには変わらず夕映に迫り、夕映の手を掴みながらキリットした表情で

 

「それでも、俺は夕映とキスがしたい」

 

 何の迷いも無く夕映にそう言い切るマギ。マギの顔を見て夕映は更に顔を赤らめて呼吸を荒げる。夕映が呼吸を整えようとしているが、その間にもマギがどんどん近づいて来る。

 和美もキスの瞬間を撮ろうとしたが、いかんせんカメラの角度では見えない状況になってしまった。

 

「しまった!カメラの角度が足りないせいで状況が良く見えない!だけど今の状況は夕映がかなりのリードだー!!さて!他にキスを迫られた人はと言うと…」

 

 

 

「ちょ何馬鹿な事言ってるんだよ!?マギ先生!」

 

 行き成りキスを迫られ夕映と同じく困惑している千雨に

 

「おッおいマギ何を言ってるんだ!?…こういうのはもっとこう雰囲気をだな!」

 

「(マスターの可愛さ録画しておきます)」

 

 まんざらではないエヴァンジェリンとそのエヴァンジェリンを録画している茶々丸。

 

「なんでボクじゃなくて史伽なんだよー!!」

 

「お姉ちゃんが何時もマギお兄ちゃんにイタズラするからだよー!!」

 

 史伽だけというのに納得できずに取っ組み合いの喧嘩になる風香と史伽、などなどこうなっている様子である。あやかと古菲は特に他のと余り変わらないので省きます。話を夕映に戻そう。

 

「あ…だめ…です…マギさ…ん」

 

 夕映とマギの距離が少しづつ近づいていき遂に数㎝まで近づいてきた。夕映は未だ気を失っているのどかに顔を向けた。

 

(のどか…ごめんです…)

 

 夕映は心の中でのどかに謝り、ふとテレビを見て信じられない物を見た。千雨、エヴァンジェリンに史伽にキスを迫ろうとするマギの姿を目撃したのだ。

 

「なッマギさんが3人!?だッ誰なのですか貴方は!?」

 

 夕映は今迄キスを迫ろうとしていたマギを思い切り突き飛ばし、指を差しながら怒鳴った。だが夕映は指を差しながら固まってしまった。何故なら

 

「どーもマギだぜ」

 

 腕が有りえない程伸びきったマギの姿が其処には居た。さらに

 

 

 ギギギギギギ

 

 

 夕映の目の前で首が一回転し始めたのである。普通だったら有りえない事があり過ぎて、夕映は言葉を失ってしまった。

 

「う~ん何~?…ってきゃぁ!マギさん!?」

 

 気絶していたのどかが起き上がり、未だに首を回しているマギを見て吃驚仰天してしまった。首を回していたマギは回していた首を止めて

 

「のどか…チュ~~」

 

 のどかにキスを迫ってきた。のどかは悲鳴を上げるが

 

「のどかに手を出すなです!マギさんの偽物!!」

 

 マギの頭に分厚い辞書を容赦なく振り落した。ゴスッ!と鈍い音を出しながらマギは床に倒れた。

 

「ゆゆ夕映!マギさんをぼッ撲殺しちゃったの!?」

 

「落ち着くですのどか、このマギさんは偽物です」

 

 すると床に倒れていたマギがボォン!と大きな音を出しながら爆発した。のどかと夕映が爆発で咳き込んでいると爆発が晴れて、ヒラヒラとマギの名が書かれている身代わりの紙型がのどかの手の平に収まった。

 

「な…なんだろうこれ?」

 

「やはり偽物でしたか、でもどういった仕組みで…?見た感じオカルトの類に見えるです」

 

 今は考える事よりも此処にマギが居ないと分かると、のどかと夕映は部屋を出たのであった。

 

 

 

 

 

「さて…ホテルに入ったものの変な気がホテルの中で渦巻いている感じだな…」

 

 本物のマギがホテルに入り、最初に感じたのはそれだった。何が原因なのか調べることにしたが、調べる事数分後

 

「いや…やめ…て」

 

「!この声は千雨か!?」

 

 マギは千雨の声が聞こえた場所に向かう。声が聞こえたという事はすぐ近くだ。マギは声が聞こえた方向に向かい、ホテルの曲がり角を曲がると

 

「やッやめてくれよマギさん!」

 

「チューチュー」

 

 千雨に執拗にキスを迫っている自分の姿を目撃しマギはズッコケそうになった。

 

「あの俺ってもしかして刹那に借りた身代わりの紙型…だよな?なんで千雨にキスしようとしてるんだよ…」

 

 取りあえず今は千雨を助ける事にしよう。マギはキスを迫ろうとしている自分の肩を掴み

 

「仮にも俺が何自分の生徒にアホな事をしてるんだよ」

 

 顔面に容赦のない一撃をお見舞いした。殴られた分身は吹っ飛んだあと爆発して元の紙型に戻った。マギは元に戻った紙型を見てみると間違えて捨てた失敗の紙型であった。

 

「(若しかしなくてもこれと同じように失敗した紙型がホテルの中を徘徊してんのかよ。面倒だな)っと今は千雨だ」

 

 マギは千雨に近づいて千雨に手を伸ばした。今まで目を瞑って抵抗していたようで、本物のマギが分身を殴り飛ばした所は目撃してい無いようだ。千雨はマギにお礼を言って手を伸ばそうとしたが、さっきまでの出来事を思い出し顔をトマトのように赤くしながら

 

「うわぁぁぁぁぁッ!!」

 

 避けてくれと言わんばかりのパンチをマギにやろうとしたが、マギは簡単に避けた。千雨はハァーッ!ハァーッ!と呼吸を荒げながら

 

「まッマギさんの変態!へんたいぃぃッ!」

 

 そう叫びながら走り去り、自分の部屋に戻って行った。マギは走り去る千雨を呆然と見ていたが、傍から見れば教え子にキスを迫っている変態教師と言う感じにとらえられるだろう。

 

「…やれやれだぜ」

 

 マギはおなじみのセリフを溜息交じりで言いながら他の分身が何処に居るのか探す事にしたのだが、案外次の分身を見つける事が出来た。

 

「生体スキャンをした結果マギ先生から生体反応が見られず代わりに魔力反応を捕らえました。つまりこのマギ先生は分身体ではないかと考えられます」

 

「そそそそそうか!このマギは分身なのか!だっだだだっだだったらわわ私が何やっても許されるわけだよな!!」

 

 エヴァンジェリンが分身と分かりながらも分身のマギにキスをしようとしていた。

 

「…なに、やってんだエヴァ?」

 

 マギの声が聞こえ、キスをしようとしていたエヴァンジェリンの動きが止まる。そしてギギギとゆっくりな動きでマギを見た。其処にはエヴァンジェリンの行動に引いていたマギの姿が、エヴァンジェリンの取った行動、それは

 

「うううううわぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 マギの分身をマギに向かって思い切り投げ飛ばしたのだ。

 

「ちょ!あぶね!!」

 

 マギは飛んできた分身の腰を掴んでジャーマンスープレックスを決めた。ジャーマンスープレックスを決められた分身はさっきと同じように爆発して元の紙に戻った。

 

「行き成り何すんだエヴァ!?」

 

 行き成りすぎて戸惑ったが、危ない事には変わりない。エヴァンジェリンに文句を言おうとしたが、エヴァンジェリン自身顔を真っ赤にしており

 

「いいいい今見たのは忘れろぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

 それだけ叫んでエヴァンジェリンも走り去ってしまった。茶々丸もマギにお辞儀をするとそのままエヴァンジェリンの後を追ったのだった。

 

「ったく何だったんだろうな…」

 

 エヴァンジェリンの行動が今一掴めなかったマギはそのまま他の分身体が何処に居るのか探すのを再開した。

 しかしエヴァンジェリンの後は分身体を探す事が出来ずネギの分身を1人発見したので憂さ晴らしに沈めたのである。他は目を回しているあやかに古菲と楓に風香と史伽を発見し、彼女らの周りには分身が元の紙に戻っていた。

 なんかもうあーだこーだ考えるのも面倒になったマギは順に彼女達を部屋へと放り込んだ。が、5班の部屋を覗き込んでみるとハルナとこのかしかおらず。アスナと刹那が居ないのは分かるが、何処に行ったのかもう一度探してみる事にした。

 ホテルのロビーに戻ってみると

 

「お、のどかに夕映」

 

 二人の姿を発見し、のどかと夕映もマギの姿を発見したようだ。マギが2人に近づこうとすると、夕映が待って下さいですとマギに言った。マギは夕映が止まってほしいと言った事に首を傾げると夕映が

 

「貴方は本物のマギさんですか?それとも偽物のマギさんですか?」

 

 と聞いてきた。偽物という事はこの二人はマギの分身を見たという事だろう。変に言い訳すると、後々面倒なので

 

「俺は本物もマギさんだぜ。お前らも大丈夫か?変な事とかされてないか?」

 

 二人こそ大丈夫かと尋ねてみる。夕映はマギが纏っている雰囲気が本物だと分かるとふぅーと息を吐き、肩の力を抜くと

 

「如何やら本物のようです。さ、のどか」

 

「う…うん…ゆえありがとう」

 

 夕映がのどかの背中を優しく押して、のどかは夕映にありがとうとお礼を言う。そしてのどかとマギが昼以降の対峙となる。

 

「ま…マギさん」

 

「よッよう…のどか」

 

 やはり今日の昼の事もあり、どこかドギマギしているマギとのどか

 

「あーあのよ、今日の昼の事なんだけどよ」

 

 マギが最初に昼の事を話し始めた。のどかは自分の告白を思い出したのか恥ずかしくなり

 

「いッいえ!あのことはいいんです!聞いてもらえただけで!!」

 

 それでいいので!とのどかが言い終えようとしたのだが、のどか聞いてくれ!とマギが遮った。

 

「告白してきたのは嬉しかった。俺、告白されたことが無かったしよ」

 

 それを聞いてのどかは驚いた。マギの事だから女性たちに告白など何時もされていたのだと思っていたからだ。

 

「俺、今の今迄女子と付き合った事が無くてな。よく親戚の姉に早くいい人を見つけなさいってよく言われてさ、だけど俺今の今迄女子を話したことがあんまりなくてそれなのに初めて女子と話すのがお前達で、初めて告白されて嬉しかった…って何を言えばいいんだ俺は…」

 

 マギ自身何を言えばいいのか若干混乱していて、頭を思い切り掻きまくった。そして、ふぅと息を吐くとのどかの顔を見ながら

 

「ヘタレな俺で済まねえけど…友達から始めるって形でもいいか?」

 

 マギの返事にのどかは

 

「…ハイ!」

 

 満面の笑みで頷いた。のどかの後ろに居た夕映はマギの返答に呆れたような溜息を吐いた。

 

「んじゃお前らも早く自分の部屋に戻れ。というか何でお前らがこんな時間に居るんだよ?新田先生にばれたら大目玉だぞ」

 

「そ…それは」

 

 とのどかが今迄ことは和美が発案したゲームだそうだ。ゲームの内容も聞いてマギは顳顬を強く抑えた。

 

(和美の奴なんて事してくれたんだよ…だからさっきエヴァの奴俺の分身にキスしようとしてたのか)

 

 マギは和美だけがこのゲームを考えたわけではないと瞬時に理解した。恐らくカモもこのゲームで何かしようとしてたのだろう。

 

「ったく和美の奴には俺が強く言っておくからのどかと夕映は早く部屋に戻れよ」

 

「はッはい!」

 

 マギに言われ、のどかは慌てて部屋に戻ろうとしたが

 

 

 ズリッ!

 

 

 のどかは浴衣を踏んでしまい、バランスを崩してしまった。

 

「のどか危ねえ!」

 

 床に倒れたら怪我してしまう。マギはのどかを助けようとしたのだがそのマギも

 

 

 

 ズリッ!

 

 

 

 履いていたスリッパが脱げてしまい、マギもバランスを崩してしまった。そしてバランスを崩したマギとのどかはそのまま近づいていきそして…

 マギとのどかの唇が合わさった。キスをしてのである。一応はのどかがキスをしたからゲームはのどかの勝ちでのどかにかけていた者は大儲けなのだ。なのだが…

 

「はわわわわごめんなさいマギさん!」

 

「あ…あぁ」

 

 当の本人たちはそれどころではなかった。そしてキスをしたのどかの頭上にポワ~と光った物が浮かんだのだった。

 

 

 

 

「いよっしゃ!宮崎のどかのパクティオーカードゲットだぜー!!」

 

 カモの手にはアスナと同じであるが、のどかが描かれたカードを持っていた。和美の方では分身によってのスカカードが3枚ほど持っていた。

 

「偽物の先生達でもカードが出るから今までのを合わせると計6枚じゃん」

 

 とかなりのカードを手に入れる事が出来たようだ。

 

「今回でかなりのカードを手に入れる事ができたでさー」

 

「よっしゃ!目的は果たしたし、ずらかるよカモっち!」

 

 と和美とカモが部屋の外に出てずらかろうとした。

 しかしそうは問屋が卸さないのである。

 

 

 

 

 

「よぉ…和美、カモ」

 

 和美の前に笑顔だが、目が笑っていないマギが居た。手にはハリセンを持って。

 

「まッマギの大兄貴!如何して此処に!?」

 

 カモは如何してマギが此処に居るのか分からなかった。

 

「和美は報道部だからな、此処に居ると思ったんだよ」

 

 とマギは監視カメラの監視室を指差した。

 

「きッ聞いてくれよ大兄貴!俺は大兄貴の事を思って!!」

 

「私はカモっちの家族の事を聞いて何とか助けたいと思って!!」

 

 カモと和美はマギに必死に訴えていたが、マギはあぁそう言うの良いからと更に怖い笑みを浮かべながら

 

「そう言う言い訳はいいから、ただ…ちょっと頭冷やそうか」

 

 マギは魔力を練ったハリセンを振り下ろした。魔力を練ったハリセンは岩をも砕く

 

「「ぎ…ギャアアアアアアああああああ!!!」」

 

 カモと和美の悲鳴が響き渡ったのであった。

 

 

 

 

 

 見回りを終えてホテルに帰ってきたネギと今迄温泉に入っていたアスナと刹那は奇妙なものを見たそれは…

 

「うぇ~ん!皆だけ戻ってずるいよ~~!」

 

「さ…流石に足が痺れてきたにゃ~~」

 

「こら!佐々木明石!まだ説教は終わってないぞ!!まったくガミガミガミ…」

 

 ゲームの最初にある意味踏み台となり新田先生に連行されたまき絵と裕奈が貧乏くじを引いて新田先生に説教をされており、もう一方は

 

「「…」」

 

 真っ白に燃え尽きた和美とカモ(カモはさらに白くなった)が正座をしながら

 

「…」

 

 マギの無言の圧力にて睨まれていたのであった。その後流石に朝まで正座はきついという事で、1時間の説教の後まき絵に裕奈と和美は解放されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 




はい、次回は親書を届ける話ですが、これも少しだけ原作と違う所があります
楽しみに待ってて下さい

感想などお待ちしております!!

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