堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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今回は完全にオリジナルの話ですが最初にはっきり言っておきます
ご都合主義ですああご都合展開です!
そしてこんなのエヴァじゃないこんなのエヴァじゃない!!

申し訳ありませんがオリジナルの話はこれが限界です
それではどうぞ


自由になった吸血鬼①

 突然だが皆さんは吸血鬼という者を御存知だろうか?

 別名ヴァンパイアと呼ばれ、夜に人を襲い生き血を啜りそして殺してしまう。また血を吸われた人間は吸血鬼になるか、成りそこないの死鬼(グール)になってしまうか

 魔力を持っており空を飛び、他の生き物に化ける事が出来、使い魔を使役する。又破壊された体を再生する事が出来ると言うまさに化け物。不死身のフリークスと言えるだろう。

 だが不死身とも言える吸血鬼にも弱点は存在する。

 まず日光が嫌いである。直に日光を浴びてしまうと体が焼けてしまい徐々に灰になってしまうのだ。なので吸血鬼は日の出ている間は自分の住処にひっそりとしているのだ。

 そしてニンニクと十字架も苦手である。十字架のご加護やニンニクの匂いに力を奪われ、聖水を浴びてしまうと体が痺れてしまうのだ。

 そして吸血鬼最大の弱点は心臓に杭を打たれる事である。心臓に杭を打たれると不死身の吸血鬼でもたちまち絶命してしまうのである。

 

 

 そんな有名な化け物である吸血鬼が此処麻帆良学園に存在しているのである。

 

 

「フェックションッ!!」

 

 学校の屋上に居たエヴァンジェリンは盛大なクシャミをした。彼女こそ先程説明した吸血鬼なのである。少女の姿をしているが実際、もう600年程も生きており不老でもあり、真祖とも呼ばれている。

 また『不死の魔法使い』『闇の福音』『人形使い』という呼び名も持っており、賞金首は600万ドルまで登った事のある、悪の魔法使いとして魔法界でも有名な人物だった。

 余談であるが彼女の事を『エターナル・ロリータ』と呼んでいる人物が居るとか居ないとか…

 

「…何故だろうな。今私の事を馬鹿にしたような気がするのだが」

 

 とエヴァンジェリンは辺りを見渡しながらそう言った。

 

「気のせいでしょう。それよりもマスター早く鼻をかんでください」

 

 とエヴァンジェリンの従者である茶々丸はエヴァンジェリンにちり紙を渡したのである。茶々丸は此処麻帆良で造られたガイノイドと呼ばれるロボットで今はエヴァンジェリンの従者として仕えている。

 主な仕事はエヴァンジェリンのサポートであるが、他にも町の人達に親切にしてあげたり、野良猫たちにエサをあげたりなど町の住民や動物たちの人気者なのである。

 それにしても…とエヴァンジェリンは大きく伸びをしながら疲れた様な溜息を吐いた。

 

「じじいの奴。罰だからといって色々と雑務を押し付けてくるとこっちも疲れるのだぞ」

 

 エヴァンジェリンが言っている罰と言うのは、学園が停電になった時に大暴れしたのが学園長にはバレテおり、後日学園長に説教をさせられ罰として1週間日曜日まで雑務をさせられていたのだ。

 大暴れし、魔法に関係のない生徒を巻き込んだのは自分でも反省していたのだが、さすがに体に来るものがある。と言っても今日が日曜日で雑務はこれで終わりである。やっと荷が下りたのだった。

 

「しかしもう一週間たったのか…」

 

 エヴァンジェリンが言った通り停電の戦いからもう1週間が経っているのだ。つい最近の事だったのに昔の事に感じられた。最後になってドジを踏んで危うく溺れかけたが…マギが助けてくれた。

 

 

 ――――――――――命に代えても守ってやる

 

 

 

 マギが自分を助けてくれた時に言ったセリフを思い出して顔を赤く染める。あの台詞が頭から離れないでいた。

 

「マギ…はぁ…」

 

 エヴァンジェリンはマギの名を呟いた後に深い溜息を吐いた。そんなエヴァンジェリンを見て茶々丸が

 

「マスター。又マギ先生の名を呟いて溜息を吐いていますよ」

 

 と茶々丸の言った事にエヴァンジェリンは顔を真っ赤にしながら茶々丸に

 

「わッ私はそんなにマギの名を呟いていたのか!?」

 

 と問い詰めると茶々丸はハイと肯定しながら

 

「この1週間マスターがマギ先生の名を呟いた後に溜息を吐いたのは今のを入れますと通算1821回となります」

 

「いッ一々そんな細かく数えなくてもいいんだよ!このボケロボ!!」

 

 茶々丸にそこまで細かく数えられたエヴァンジェリンは恥ずかしさのあまり、茶々丸の頭のネジを強引に回した。

 

「だッだいたい私は『闇の福音』とも恐れられていた悪の魔法使いだぞ!そんな私がたかが一人の男で呆けるなどあるわけないだろう!!」

 

 とエヴァンジェリンは顔をトマトの様に真っ赤にして言い訳を叫んでいた。そんなエヴァンジェリンを可愛いと思った茶々丸はこっそりと録画モードにしてエヴァンジェリンの行動を録画していた。

 その後もエヴァンジェリンは顔が赤くなりながら興奮して喚き散らしていると、誰かが屋上に近づいて来る音が聞こえ(エヴァンジェリンは興奮して聞こえていないが)思い切り屋上のドアが開けられた。

 

「ああぁぁぁぁッ!やっと終わったぞコンちくしょう!!」

 

 ドアを開けたのはマギで大声で叫びながらドアを開けたのだ。急に本人が現れてエヴァンジェリンは硬直してしまった。

 

「ん?おおエヴァンジェリンじゃねえか。ジーさんに言われた罰の雑務はもう終わったのか?」

 

 とマギはつい最近に戦いあったエヴァンジェリンに普通に話し掛けていた。対するエヴァンジェリンはというと

 

「ままままマギ!?お前どどどど如何してこんな所に居るんだ!?」

 

 呂律が回らない様子だった。マギはそんなエヴァンジェリンを別段と気にせず如何して自分が此処に居るのかを話した。

 

「実はな、金曜日に資料を作って提出したんだがよ、なんか抜けてる所があってよ。今日は日曜日だって言うのにわざわざ学校に来て作り直す事になってめんどかったぜ」

 

 まあちゃんと作らなかった俺が悪いんだけどな。と苦笑いを浮かべていた。

 

「そッそうか!私と茶々丸はもうやる事が無いからきょッ今日はこれでな!」

 

 とエヴァンジェリンはこの場を立ち去ろうとしたが

 

「ちょっと待ってくれ」

 

 とマギが行き成り立ち去ろうとしたエヴァンジェリンの手を掴んだ。手を掴まれたエヴァンジェリンは又顔を真っ赤にする。

 

「いッ行き成りなんだお前は!?」

 

 エヴァンジェリンはマギの手をはらおうとするとマギが

 

「お前もう今日は何もやる事が無いんだよな?」

 

「あッああ何もないがそれが如何した!?」

 

 とエヴァンジェリンは高鳴る心臓の鼓動を必死に抑えながらも、若干上ずった声で尋ねた。しかし次のマギの言った事にエヴァンジェリンは思考を停止してしまった。

 

「今からお前の家に行っていいか?大事な話があるから」

 

「…え?」

 

 エヴァンジェリンは数十秒ほど固まった後に再度マギの顔を見た。今マギは何と言った?

 

「今なんて言ったんだ?」

 

 エヴァンジェリンは再度確認すると

 

「いやだから今からお前の家に行っていいかって聞いたんだよ。大事な話があるからよ」

 

 と聞き間違いでは無かったようで、マギが家に来ると聞いて、エヴァンジェリンは顔をカァァァと赤くする

 

(マギが私の家に来る…大事な話ってもッもしかして…)

 

 

 

 

 

『エヴァンジェリン…俺はもう我慢できないぜ…』

 

『まッ待てマギ!私とお前はどちらかというと敵同士だったじゃないか!』

 

『敵とそう言う関係になるのは物語でもよくあるパターンじゃねえか。というより最後まで言わせようとすんなよ。恥ずかしいしメンドイしよ』

 

『まッ待ってくれ!私はこういうのは初めてなんだ!だから…!!』

 

『俺だって初めてだよ。だけど俺に任せてくれ』

 

『ま…マギ』

 

『エヴァンジェリン…』

 

 

 

「…ってなんだこんなアホらしい妄想は!こッこんなの私じゃないぃぃぃッ!!」

 

「…でエヴァンジェリンはなんであんなになっているんだ?」

 

「気にしないでください。初めての事で激しく動揺しているだけですので」

 

 エヴァンジェリンが悶えながら地面をゴロゴロと転がっているのを見てマギは少し不思議そうに見ていたが、茶々丸は気にしないでくださいの一言だった。

 

「それでエヴァンジェリンの家に行っていいのか駄目なのかどっちなんだ?」

 

 とエヴァンジェリンが駄目そうなため、代わりに茶々丸に尋ねてみると

 

「はい大丈夫です。ですが私は帰りに猫達にエサをやらなければいけないので、マギ先生がマスターと一緒に帰ってはいただけませんか?」

 

「分かった。エヴァンジェリンの事は任せてくれ」

 

 と本人が知らないうちにマギがエヴァンジェリンの自宅に向かう事になったのだった。

 

 

 

 

 

 エヴァンジェリンの自宅

 気が付いたら自分の家に戻ってきており如何したらいいのか分からないエヴァンジェリン。しかも目の前には最近気になっているマギ。

 更に最悪?な事に頼みの従者の茶々丸が猫の餌やりに行っており今は不在である。マスターがピンチなのにお前は猫の餌の方が大切なのか!?と内心叫んでいるエヴァンジェリン。

 しかし何もせずにただ無言でいるのは気まずいのでとりあえずお茶を淹れる事にした。席を立つエヴァンジェリンを見てマギが

 

「なんだお茶でも淹れるのか?よければ手伝うが」

 

「ふん、この程度マギの力を借りずとも容易いわ。伊達に長生きしていないことを見せつけてやる」

 

 とエヴァンジェリンは胸を張ってそう言った。しかし…

 

「おいエヴァンジェリン。茶葉はそれじゃ入れ過ぎだぞもうちょっと少なめに」

 

「そッそうか?」

 

「何やってるんだよ水は汲みたての空気をたっぷりと含んだ水を沸かさねえと」

 

「ちッ違うのか!?」

 

「バカお前ティーカップとティーポットはあらかじめ熱湯で温めてないと」

 

「ううッ!!」

 

「蒸らす時間も正確に計ないとただお湯を入れて茶を淹れるだけじゃいけねえんだよ」

 

「うぐッ!!」

 

 とエヴァンジェリンが間違ったやり方をして、マギに指摘されるという何とも奇妙な絵図が出来上がり、結局マギが茶を淹れる事になったのだった。

 

「お前…伊達に長く生きているのか無駄に長く生きているのか分からない所があるよな」

 

「うッウルサイ!大きなお世話だ!これ以上馬鹿にすると血を全部吸うぞ!!」

 

 マギが淹れたお茶を飲んでいると、マギにそう言われエヴァンジェリンはムキなって怒鳴り散らした。マギとエヴァンジェリンがお茶を飲んでいると、猫達にエサをやっていた茶々丸が戻ってきた。

 

 

 

 

 

「…で、今日は何故お前が私の家に来ようとしたのか教えてくれないか?大事な話があると言っていたが家庭訪問か何かか?」

 

 エヴァンジェリンはティーカップを置いて何故マギがエヴァンジェリンの家に来た理由を尋ねた。マギは

 

「なぁエヴァンジェリンは登校地獄ってクソ親父にかけられた呪いと、魔力を押さえられている結界があったろ?」

 

 呪いと言う単語を聞いてエヴァンジェリンは途端に不機嫌な顔になり

 

「あぁお前と坊やに負けていなければ、今頃マギの血を全て吸い私は呪いを解くことが出来ただろうに。それがどうかしたのか?」

 

 本人が居る前で血を全て吸うって恐ろしい事言うんじゃねえよ…と内心ツッコむマギだが何故マギがそんな事を聞いてきたのかというと実は…とマギは少しの間を開けてから真顔になって

 

「もしかしたらお前の呪いが解けるかもしれないんだよ」

 

 とマギが言った一言にエヴァンジェリンは驚いて身を乗り出した。

 

「そッそれは本当か!?」

 

「あぁ、俺だってこんなお前が怒りそうなメンドイ嘘なんて言うつもりないぜ?マジな話だ」

 

 とマギの言った事に嘘偽りはなさそうだった。

 

「しかし何故本当に行き成り解けるかもしれないと分かったのだ?」

 

 エヴァンジェリンはそれが不思議に思い、マギにそう訪ねるとマギは一冊の本をエヴァンジェリンに見せてあげた。

 

「なんだその本は?」

 

 行き成り本を見せられても分からないエヴァンジェリンにマギはページをパラパラと捲って、おあったあったと呟いた。

 

「マンマンテロテロ…」

 

「!!!」

 

 マギが思い出したくもないあの呪文を行き成り唱えだしてエヴァンジェリンは思わず身構えてしまった。

 

「なッ何故お前がその呪文を知っているんだ!?」

 

「知ってるも何もこの本に書いてあるぞこの本には」

 

 とマギがそう言ってエヴァンジェリンはまさか!とその本を見た。その本の題名は

 

『馬鹿でも分かる呪いの魔導書』

 

 その題名を見てマギとエヴァンジェリンは思った。

 

(やっぱクソ親父って馬鹿だったんだ…)

 

(ナギは本当にバカだったんだな)

 

「しかしマギ、如何してお前がその本を持っているのだ?」

 

 それが一番の疑問だった。確かにナギが持っている物をマギが持っているのはおかしいだろうしかしマギは

 

「何か荷物の中に入ってたんだよな。何で俺が持っているかとか今は別にどうだっていいんじゃねえか?考えるだけ無駄だしメンドイ」

 

 という事で何故この本を持っているのかという話は置いておくことにした。

 

「まぁ話を戻すんだが、お前にかけられている呪いだけどな、ご丁寧な事に呪いの解除の仕方も書いてあるんだなこれが」

 

 とページを捲ってホレとエヴァンジェリンに呪いの解除方法が載っている項目を見せてあげた。

 

「何々用意するのは、呪いをかけられた者とその呪いをかけた者かその血縁者を用意する。まず呪いを解除するための魔方陣を書く。次に掘った魔方陣の中央に呪いをかけられた者を立たせる。そして書いた魔方陣に呪いをかけた者かその血縁者の血を流しこませる。最後に解除の呪文を唱えれば呪いをかけられた者は呪いが解かれる…何ともまぁ胡散臭いものだな。本当にこれで呪いが解けるのか?」

 

 とエヴァンジェリンは怪訝そうな顔で呪いの解除方法を見ていたが、その胡散臭い呪いにかけられたのもまた事実。今はこの解除方法を信じるしかなかった。

 

「という事だ。今から呪いの解除をしようと思う。覚悟は出来たか?俺は出来てる」

 

「いッ今からって!私は魔法界でも知れずと知れた大悪党だぞ!?そんな簡単に呪いを解いていいのか!?」

 

 とエヴァンジェリンがそう言ってもマギは

 

「そん時はそん時。何とかなるだろう?それにあのクソ親父だって言ってたんだろ?光に生きてみろって。お前は十分に光に生きただろう?だったらもういいんじゃねえか?お前が自由になってもよ」

 

 マギが笑いながらそう言うと、エヴァンジェリンは何故かマギの笑顔に心惹かれて思わず頷いてしまった。

 

「よし!んじゃさっそくチャッチャと始めますか!」

 

 とさっそくエヴァンジェリンの呪いを解除する事にしたのだった。

 

 

 

 呪いを解除するという事でマギとエヴァンジェリンに茶々丸は地下室へと向かった。

 先ずは魔法陣だが、此れは誤りも無く正確に書かないといけない。少しでもずれていたり、変に傾いているとちゃんと作動しないか別の呪いがかかってしまう可能性がある。なので魔法陣を書くのに最低でも半年はかかるものだが

 

「私はロボットですのでこう言った精密作業はお手の物です」

 

 と茶々丸が代わりに魔法陣を書いてくれた。やはりロボットだからか、気疲れも無くすいすいと正確に魔法陣を書き進め、ものの数分で魔法陣は完成した。

 次にエヴァンジェリンを魔法陣の中央に立たせる。これは問題ない次は呪いをかけた者かその血縁者の血を魔法陣に流し込ませるというものだったが

 

「マギ血は用意してないのか?」

 

「ああ用意してない。だから今出す」

 

 と言いながらマギが台所から失敬したのかナイフを取り出し、何も言わずに左手首をナイフで深く切り裂いた。切り裂かれた手首から勢いよく血が流れだし魔法陣に流し込まれる。

 何も言わずに行き成り自らの手首を切り裂いたマギを見て、エヴァンジェリンはギョッと驚愕してしまい

 

「なッ何をやってるんだお前は!?そんな事をやったら死んでしまうじゃないか!!」

 

 と思わず叫んでしまったが、手首を切り裂いたマギは

 

「一々叫ぶなよこっちだって覚悟の上でやってるんだからな」

 

 そんな遣り取りをしている間に魔法陣にマギの血が流し終え、魔法陣が血で赤くなり魔法陣が赤く怪しく光りだした。

 

「よしこれで準備完了だ。此処まで来たらもう後戻りはできねぇ…行くぞエヴァンジェリン」

 

「あ…あぁ」

 

 マギの呼びかけにエヴァンジェリンはただただ頷くだけだった。そしてマギは解除の魔法の呪文を詠唱する。

 

「マギウス・ナギナグ・ネギスクウ すべての呪縛はこの名の元に、無と消えよ リカバー!!」

 

 マギが魔法を唱えるとエヴァンジェリンはピクリと体を少し震わした。すると次の瞬間エヴァンジェリンの体が赤く少し発光し、体に異様な模様が現れた。マギはエヴァンジェリンに現れた模様をまじまじと見つめる。

 

「これがクソ親父がかけた登校地獄っていう呪いか。確かにでたらめに呪いをかけたから色々とちぐはぐで滅茶苦茶だ…だが後はこの呪い自体を破壊するだけだからわけないな」

 

 そう言いながらマギは右腕でまるで呪いの模様を握りつぶすかのように力強く右手を強く握りしめた。すると

 

 

 

 ピキピキ パキィィィィィィィンッ!!

 

 

 

 エヴァンジェリンに纏っていた模様が粉々に砕け散ったのだった。茶々丸はエヴァンジェリンの体を調べてみて頷くと

 

「確かにマスターの登校地獄の呪いは無くなりました。呪いの解除は成功です」

 

 それを聞いてエヴァンジェリンは目を見開いて次には顔を輝かせていた。マギも一件落着と安堵の溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 しかし…問題はまだ残っていたのだ。

 

 

 

 バシュンッ!!ギュルギュルギュルギュルギュルギュルンッ!!

 

 

 

 突如何処からか鎖が飛び出し、エヴァンジェリンの体や手足ををがんじがらめに縛り始めたのだ。

 

「なッなんだこれは!?グァァッ!!」

 

 エヴァンジェリンが突如現れた鎖に驚いている間にも、鎖はエヴァンジェリン巻き付いて、エヴァンジェリンは苦悶の悲鳴を上げた。

 

「おいエヴァンジェリンの奴如何したんだよ!?行き成り鎖が出てきて縛られるってプレイがハードすぎないか!?」

 

「分かりません!…ですが恐らくマスターの登校地獄の呪いが解かれたことでマスターの魔力を封印している結界が強制的にマスターを封じ込めようとしているのでは…!」

 

「一難去ってまた一難。俺が一番嫌いでメンドイ展開だなおい!」

 

 マギはエヴァンジェリンを縛り上げている結界の鎖も破壊しようとして魔力を集中しようとしたが、急に目の前が霞始めマギは思わず片膝をついてしまった。

 茶々丸は慌ててマギに近づき支えて上げ、マギの体をスキャンしたが驚きながら

 

「!出血レベルが危険域の一歩手前です!このままだとあと数分もしたらマギ先生は失血死してしまいます!!」

 

 マギが死ぬと言う言葉にエヴァンジェリンは固まってしまった。そのマギはと言うと

 

「ハハハ…ヤベェなちとカッコつけすぎたかな…」

 

 と血の気の失せた顔で笑いながらも変わらず魔力を集中していた。

 

「おッおいマギ!何をやっている!?このままじゃあお前が死んでしまう!バカな事もうやめろ!!」

 

 エヴァンジェリンは必死にマギに止めるように訴えた。しかしマギは

 

「何言ってるだよエヴァンジェリン。もう少しでお前は自由の身になれるんだ。だからもう少し待っていろ…あと少しで終わるからよ」

 

 とマギは聞く耳を持たずに更に魔力を集中していた。血はどんどん流れていきマギの顔は段々白くなっていきフラフラとし始めかなり危険な状態だった。

 

「おいマギ!なぜそこまでする!?もういい!もういいからやめてくれ!これ以上はお前が死んでしまう!!」

 

 エヴァンジェリンは涙目になりながらマギに訴えかけた。しかしマギは笑いながらエヴァンジェリンにこんな事を聞いた。

 

「なあエヴァンジェリン…お前は修学旅行に行ったか?」

 

 と行き成り場違いな事を聞きだした。

 

「行き成り何を言っているんだお前は!?私が呪いのせいで何処にも行けないのは知っているだろうが!」

 

 思わずエヴァンジェリンは怒鳴ってしまったがマギはそうだよなぁと笑いながら

 

「だけどよ今年はお前は行けるようになったんだ。きっと楽しいぞ…あんな馬鹿騒ぎが大好きなアイツ等だ。退屈はしないだろうよ」

 

 それに…とマギは笑いながらエヴァンジェリンを見つめた。顔は青白を通り越して土気色になっていた。

 

「文化祭だってそうだ。お前の事だから参加とかはしなかっただろうから今年最後の中学の文化祭だ。思い切り楽しんでみろよ」

 

「何を言ってるんだお前は!そんな事言ったってお前が此処で死んでしまったら意味が無いじゃないか!!」

 

 

 

 

 

「何言ってるんだ。俺がこんな所で死ぬつもりなんてさらさねえよ。それに…俺はお前と、俺が死ぬまで一緒に居てやるからよ」

 

 だから…マギは拳を振りかぶり

 

「こんなふざけた鎖なんて俺がぶっ壊してやる!!」

 

 マギはエヴァンジェリンを縛り付けている鎖に拳を叩きつけた。

 

 

 

 バキィィィィィィィンッ!!

 

 

 

 マギが拳を叩きつけると鎖は粉々に砕けちった。体を解放されたエヴァンジェリンは倒れそうなマギの体を受け止めてあげた。体に又魔力が戻ってきたのが感じられた。

 エヴァンジェリンはマギの背中を優しく撫でてあげた。

 

「全く大したものだよお前は…」

 

 エヴァンジェリンは優しい口調でマギにそう囁いたがマギからは返事は無かった。エヴァンジェリンはマギの顔を覗いてみると

 

「…」

 

 マギの顔からは生気が感じられなかった。とても危険な状態であった。聞けば心臓の鼓動もだんだん小さく感じられた。

 

「おッおいマギ!死ぬな!!死んだら許さないぞ!!おい茶々丸!!急げ!!」

 

「はいマスター!!」

 

 茶々丸は急いで治療の準備に入った。エヴァンジェリンはマギが意識を失わない様に必死に呼びかけていた。だがマギの体はどんどん衰弱して行った。

 

(よかった…な…エヴァンジェリン。お前…はこれで…自由…だ)

 

 マギは薄らと目を開けてエヴァンジェリンを見ていたが小さく笑っていると、遂に意識を失ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 意識を失ったマギは闇の中を漂っていた。自分は死んでしまったのか、それとも生きているのか分からなかった。

 マギは夢を見た。それは自分が生まれた時夢だった。其処に居たのは自分の父であるナギと、赤ん坊のマギを優しく抱っこしている女性の姿が

 

『顔つきと髪の色は俺にそっくりだな』

 

 ナギは笑いながら赤ん坊のマギの頬を突いた。すると寝ていたのか赤ん坊のマギは泣き出してしまった。マギを抱っこしていた女性はナギを叱るとマギをあやしたらマギは直ぐに泣き止み直ぐにまた寝てしまった。

 寝てしまったマギを見て女性は微笑みながら

 

「でも目元と目の色は私にそっくりよ』

 

 とマギの頭を愛おしそうに優しく撫でていた。マギは赤ん坊の自分を抱き上げているのは自分の母親だと気づいた。しかし…

 

(そう言えば俺、クソ親父の顔は覚えてるけど母さんの事は顔は思い出せねえな…)

 

 マギは母の顔、ましてや名前さえ思い出せずじまいだった。するとどんどんナギとマギを抱っこしている母が遠ざかってしまう。

 

(待ってくれ…まだ俺は母さんの顔を見てないんだ…)

 

 マギは追いかけようとしたが、代わりに眩い光がマギを包み込んだ。

 

「ぐッぐあぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

「ぐ…ぐぁ…」

 

 マギはゆっくりと目を開けた。最初に写ったのは知らない白い部屋だった。マギはゆっくりと起き上がり、重い頭で辺りを見渡した。

 自分が寝ていたのは大きな白いベットで部屋一面白に統一されていた。遠くには海も見える

 

「いや何処だよ此処は…」

 

 マギは何故自分がこんな所に居るのかに理解が追いつかなかった。

 

「そう言えばエヴァンジェリンの呪いを解除に成功したけど、血の出が尋常じゃなくて意識が朦朧としてそんで意識が飛んじまってそれで…」

 

 と此処でマギは漸く理解したのかポンと手を打って

 

「此処は死後の世界なのか。やっぱ血を出し過ぎたんだな…てっきり日本でいう三途の川に行くんだと思っていたが、違うみたいだな」

 

 しかし…ハハとマギは乾いた笑い声を上げた。

 

「こんな早くにおっちぬとはな…ネギやアスナに故郷のネカネ姉に辛い思いさせちまったかな…」

 

 マギは早くに死んでしまってネギ達に辛い思いをさせてしまったと思い後悔した。すると部屋のドアがギィとゆっくりと開き始めた。遂にお向かえが来たと思いきや現れたのは

 

「ま…マギ?」

 

 エヴァンジェリンが驚いた表情でマギを見ていた。

 

「ハハお迎えがエヴァンジェリンにそっくりな天使なんて可笑しなことがあるんだな」

 

 と笑っているとエヴァンジェリンが怒りの形相でマギに迫ってきてそして

 

「この馬鹿者がぁぁぁッ!!」

 

 マギの顔面に本気の飛び蹴りを食らわした。

 

「ぐはぁッ!?」

 

 マギはエヴァンジェリンが飛び蹴りをしてきたがフラフラの状態で避ける事が出来ずに直撃し床を滑った。そして頬を押さえ上半身を起き上がらせると

 

「いてぇ!ていう事は俺生きてるのか!?というかエヴァンジェリン行き成り何するんだよ!?」

 

 とマギは蹴られる理由が見つからず、エヴァンジェリンが蹴ってきたことに憤慨したが、エヴァンジェリンは怒りの形相を抑えずにそのままマギに近づくとマギの胸倉を掴んで

 

「何するんだよだと!?7日も目を覚まさずに起き上がったと思ったらアホらしい事を言いだしおって!こっちはどれだけ心配したと思っているんだ!!」

 

 エヴァンジェリンはマギの胸倉を思い切り揺すりながらマギに怒鳴り散らした。マギはエヴァンジェリンにかなり心配をかけてしまったと思い申し訳ないと思っていると、顔に何かが当たった。エヴァンジェリンを見ると

 エヴァンジェリンは泣いていていた。泣いてこぼれた涙がマギの顔に落ちてきたのだ。

 

「ふざけるなよマギ…貴様言ったよな!?死ぬまで一緒に居てやると!そう約束したのに死んでしまったら私は許さないからな!貴様を許さないからな!!」

 

 と言いながらエヴァンジェリンはマギをギュッと抱きしめた。マギはエヴァンジェリンが泣いて震えているのを感じながら自分もエヴァンジェリンを優しく抱きしめた。

 

「すまねえなエヴァンジェリン…すまねえ。酷い事しちまったな…だが俺は生きているしお前の目の前に居る。今度はお前を一人ぼっちにさせねえ」

 

「う…うわぁぁぁぁぁんッ!!」

 

 マギはエヴァンジェリンが泣き止むまで優しく抱きしめてあげたのであった。

 

「マスター…マギ先生…よかった」

 

 茶々丸がマギとエヴァンジェリンが抱きしめあっているのを部屋の外で微笑みながら見ていたのであった。

 

 

 

 今日15年ものの間呪いに縛られていた吸血鬼エヴァンジェリンは自由になったのだった…




今回の話はネギまの原作でも有名かもしれない原作ブレイクの
エヴァンジェリンの呪い解除の話です。
私が知っているネギまの呪いの解除は大抵がバグキャラにより簡単に呪いを解除していたんですが
私は死ぬかもしれない展開をやりたくてこういう話にしました。
しかし私自身思いましたが、グダグダな展開でした。
オリジナルの話はこんな展開が続きますが、ご了承ください

はぁ…文才能力が欲しい切実に

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