堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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今回は少し短いです。
それではどうぞ


決着エヴァンジェリン!①

 エヴァンジェリンの風邪が完治した翌日。エヴァンジェリンは珍しく学校に来て授業を受けていた。ネギは驚いていると

 

「昨日は世話になったからな。授業位は受けてやろうと思っただけだ」

 

 エヴァンジェリンの発言にネギは嬉しくなりながらも、何度もエヴァンジェリンに風邪は大丈夫なのかを尋ねて、エヴァンジェリンは鬱陶しそうだった。そこからはネギが勝手に英文を読んだりとご機嫌の様子だった。

 そんなネギをマギが教室の外から眺めていた。肩にはカモが乗っている。

 

「エヴァンジェリンの奴ちゃんと学校に来て授業を受けてとはな。まぁ良かったぜ」

 

 とマギもエヴァンジェリンが授業に出てくれて一安心といった所だった。そんなマギを見て、カモがう~んと唸っていた。

 

「あのエヴァンジェリンがそう簡単に改心するとは思えないんすけどねなんか裏があるんじゃねえっすか?大兄貴」

 

「まッそん時はそん時。何とかなるだろ」

 

「兄貴も大兄貴も甘いっすよ…」

 

 とマギの考えにカモが呆れたような溜息を吐いた。そんなカモを溜息を流しながらマギは職員室に戻った。

 しかしマギの授業の時にはエヴァンジェリンの姿が見えなかったのはマギ自身も少しだけ傷ついたのだった。

 

 

 

 

 コンピューター室にてエヴァンジェリンと茶々丸が何かをしていた。どう見ても調べものの雰囲気ではなかった。茶々丸が指からコードの様な物を出してパソコンに接続していた。そしてもう片方の手で高速でキーボードを叩いていた。そして厳重そうなパスワードを難なく解除していた。如何やら茶々丸は学校の秘密にアクセスしているようだ。そして探している者が見つかったのか指を止めた。

 

「如何だ見つかったのか?」

 

 とエヴァンジェリンが茶々丸に自分達が探しているのが見つかったのか聞いてみると茶々丸はコクンと頷いた。

 

「予想通りです。やはりサウザントマスターがかけた呪いの他にマスターの魔力を封じ込んでいる結界があります。この結界は如何やら学園全体に張り巡らせており大量の電力を消費しているようです」

 

「ふん10年以上気付けなかったとはな…」

 

 とエヴァンジェリンが鼻を鳴らした。しかしと呟くと

 

「魔法使いが科学に頼るとはな。こういうのはハイテクと言うのか?」

 

「マスター、私も一応ハイテクに分類しています」

 

 エヴァンジェリンと茶々丸は学校のデータにハッキングし終え、コンピューター室を後にし屋上に向かった。

 

「まあいい。おかげで今回行う最終作戦が予定通りに実行できるという訳だな?」

 

「そうです」

 

 と茶々丸が肯定するとエヴァンジェリンがフフフフと不敵に笑いながらが貯水タンクに登り

 

「予定通りに今夜決行するぞ。坊やの驚く顔が目に浮かぶわハハハハハ!」

 

 エヴァンジェリンがタンクの屋根に上り高笑いをしていると、茶々丸がジッとエヴァンジェリンの事を見ていた。エヴァンジェリンが茶々丸の視線に気づいて

 

「如何した茶々丸?何か気になる事でもあるのか?」

 

「マスター…申し訳ありません」

 

 と茶々丸が急に謝ってきたので不思議に思っていると

 

「実はネギ先生はすでに神楽坂明日菜さんと仮契約を結んでいます」

 

「何!?」

 

 エヴァンジェリンは茶々丸が黙っていた事よりも、ネギがすでに仮契約をしていた事に驚いていた。

 

「何故報告しなかったのか自分でも分かりません。申し訳ありませんマスターいかなる罰も受けるつもりです」

 

 とエヴァンジェリンに謝るが、対するエヴァンジェリンは別段と気にしていない様子だった。

 

「気にするな今夜はお前が居ないと私が困るから罰は無しだ。しかし最早坊やにパートナーがいようがいまいが関係ないからな」

 

 と言い終えると、何かを思い出したのか急に不機嫌となり

 

「坊やは構わないが、アイツの方は如何なんだ?」

 

 エヴァンジェリンの言うアイツとはマギの事だとは茶々丸自身も理解しており

 

「いえマギ先生には仮契約者は居ないと思います…」

 

 と報告するとエヴァンジェリンはそうかそうかククク…とニヤリと笑いながら

 

「だったら今日の作戦は先に目障りなアイツから始末してそれからじっくりと坊やを痛めつけてやろう。そうと決まればさっさと行くぞ茶々丸。作戦まであと5時間だ」

 

 と言いながらエヴァンジェリンはタンクの屋根からジャンプした。がエヴァンジェリンは忘れていた。今の自分は吸血鬼ではなく人間そのものだと

 

 

 

 ベチンッ!!

 

 

 

 エヴァンジェリンは鼻を強く地面にぶつけてしまった。茶々丸がエヴァンジェリンに近づきエヴァンジェリンを助け起こした。エヴァンジェリンはうううと唸りながら顔を押さえていた。鼻からは鼻血が出ている。

 

「くそ…ッ!空をも飛べないとは人間とは何とも不便なんだ!それもこれも!アイツら(スプリングフィールド一族)のせいだ!だが待っていろ!今夜の作戦で油断している坊やらなど満月を待たずしてけちょんけちょんにして!今宵こそ坊やの血を絞りつくしてアイツなんか踏み潰して『闇の福音』とも恐れられていた夜の女王に返り咲いてやる~~!!」

 

 鼻血を出しながらエヴァンジェリンは魂の叫びを轟かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 放課後ネギ達は帰路についていた。今日は何故か全校生徒が一斉に下校をすることになっていた。如何して下校するのかはネギとマギは知らないでいた。

 

「でもよかったな~エヴァンジェリンさん教室に戻ってきてくれて。これもお兄ちゃんやアスナさんカモ君と楓さんのおかげですよ」

 

「ん?楓ちゃんが如何したの?」

 

「あ、いえ別になんでもないですよ」

 

 とネギは誤魔化した。ネギの隣に居たマギがやれやれだぜと言いながら

 

「ネギの授業には出て俺の授業をボイコットとされるとは思ってなかったぜ」

 

「まぁいつかはエヴァンジェリンさんも来てくれるはずだよお兄ちゃん」

 

 ネギがマギを励ましていると、でも安心したわとアスナが

 

「これであの訳の分からない契約とかに付き合わされることはなさそうね」

 

 と言うと、ネギはアスナにこの間の事についてすみませんでしたと謝った後

 

「でももう大丈夫です。もうこれ以上は他の皆さんには絶対迷惑をかけたりしませんから安心してください」

 

 とネギがグッと拳を握りながらそう言うとアスナは思わずポカンとしてしまった。

 

 と前方のコンビニが何やら騒がしかった。よく見ると3-Aの生徒もちらほらと見えた。

 

「おうお前ら何してるんだ?」

 

「あッマギさん!」

 

 のどかがマギに気づいてペコリとお辞儀をした。なんでそんなに買い込んでいるのかを尋ねてみると代わりに夕映が

 

「今日の夜8時から深夜の12時まで一斉に停電があるのです。年に2回のメンテナンスですので」

 

 と教えてくれた。つまり夜8時から夜の12時まで電気が使えないために生徒達はろうそくや懐中電灯などを買っているようだ。

 

「なんか天気も悪くなってきたし怖いよねー」

 

「そう?なんかドキドキして楽しいよきっと!」

 

 円と桜子が停電の事を話していた。

 

「真っ暗な学校で遊びたいな~」

 

「肝試しです~」

 

 史伽と風香が停電し真っ暗な学校を探検したいようだった。

 

「エレベーターも止まるし街灯もつかないから生徒は外出禁止になるんだってさ」

 

 美砂も停電の情報を教えてくれた。このかがアスナの分のろうそくを買っておこうかと聞いてみると、アスナは自分は8時には寝ちゃうから必要ないと返した。そしてネギ達も帰路につこうとしたその時

 

「ネギ先生マギ先生」

 

 しずな先生が現れネギとマギを呼びとめた。マギが如何したんすか?しずな先生と尋ねるとしずな先生は申し訳なさそうに

 

「今日教えるのを忘れてしまって。今日の停電でネギ先生とマギ先生に寮の見回りをお願いするのを忘れてしまって。ネギ先生とマギ先生には寮の見回りをお願いします」

 

 それを聞いて、ネギは快く了解しマギはしずな先生にばれない様に露骨に嫌な顔をしながらも了解した。ネギとマギは夜の寮の見回りをすることになった。

 

「ネギ君とマギさん見回り頑張ってーな」

 

「頑張んなさいよーアタシ達は帰るから」

 

 とこのかとアスナが先に帰ろうとしたら待ってくれアスナとマギが呼び止めた。

 

「何マギさん?」

 

「あぁ実はな…」

 

 マギはアスナを呼び止めて、ある事を話した。それを聞いてアスナは少しだけ難しい顔をするのだった…

 

 

 

 

 

 夜の8時学校の放送部の放送でこれから学園内は停電となる為学園の生徒は外出を控えるようにという放送を終えると、電気が一斉に消え学園が漆黒の闇に包まれた。

 女子寮も一斉に電気が消え、生徒達は逆に興奮してる様子で風香と史伽は停電した学園で遊びたくてうずうずしていた。それを楓がこういう夜はお化けが出るでござるよと冗談でそう言った。

 アスナとこのかの部屋にて、このかがカーテンを開けて外を見た。

 

「なんや不気味やそらやねー」

 

「…そうね」

 

 このかがアスナにそう言ったがアスナは何処かうわの空で聞いていた。特にやる事もないためにこのかは寝る事にしたのだが、アスナは寝る様子が無い。

 

「あれアスナ如何したん寝ないんか?」

 

 とこのかが聞いてみるとアスナはアハハと苦笑いをしながら

 

「なんか中学生にもなったのに暗いのに興奮しちゃって今は寝れそうにないわ。興奮が収まってきたらアタシも寝るからこのかは先に寝てていいよ」

 

「そうかーじゃあお言葉に甘えて先に寝かせてもらうえーお休みー」

 

 と言ってこのかは横になると直ぐに寝息を立て始めた。最近忙しかったのだろう気持ちのよさそうな寝息だった。そんなこのかを見てアスナは静かに笑うと寝巻きを脱いで制服に着替え始めた。

 そして静かに足音を立てずに部屋を出た。

 

 

 

 そしてエヴァンジェリンの自宅にて暗い部屋の中で一つだけ明かりが点いていた。否明かりではなくノートパソコンの液晶の光だった。

 茶々丸がパソコンで何かをやっているようだった。

 

「封印結界への電力停止。予備電源システムへのハッキング成功。全て順調です。これでマスターの魔力は戻ります」

 

 茶々丸は其処には居ないエヴァンジェリンにそう言った。

 所変わって学校の屋上に居たエヴァンジェリン。自分でも自らの魔力が戻った事を実感し、手をグーパーグーパーした。

 

「…よし」

 

 改めて実感してエヴァンジェリンはためしにナギと対決した時に幻術で大人の姿になった幻術をためしに使ってみるとちゃんと発動し、エヴァンジェリンの姿は大人の姿となったのだ。大人の姿のエヴァンジェリンはニヤリと笑った。

 また戻って女子寮の大浴場。まだ風呂に入っていたまき絵にアキラと裕奈と亜子は入っている時に停電になって仕方なく風呂に上がる事にした。

 しかし風呂に上がろうとしたのだが、アキラはまき絵が突っ立ったまま動かないでいた。アキラがまき絵に大丈夫か?と尋ねてもあ…うう…とまともに喋れなかった。まき絵の頭の中でエヴァンジェリンの声が響く

 

 

 ――――行けわが下僕――――

 

 

 流石に返事が無く不審に思ったアキラがまき絵を振り返らせると、まき絵の口に有るはずのない牙があった。そしてまき絵は何も言わずにアキラ達に襲い掛かった。行き成りの事でアキラ達は悲鳴を上げることしか出来ずアキラ達の悲鳴が不気味大浴場に響いた。

 

 

 

 ネギとマギ+カモが真っ暗な寮の見回りを行っていた。ネギは暗い寮を歩いていて少し怖がったていてマギは早くこんなメンドイ事を切り上げて寝たいようで大欠伸をしていた。

 と急にカモが全体の毛を逆立て始めた。如何したのかを尋ねてみると

 

「お二人さん何か異様な魔力を感じねえか!?停電になった瞬間に現れましたぜ!この強大な魔力まさかエヴァンジェリンの奴じゃ…」

 

「え?エヴァンジェリンさんなら改心したんじゃ!?」

 

 ネギはカモが言った事が信じられない様子だったが、甘いですぜ兄貴!とカモが反論する。

 

「相手は名の知れた大悪党!そんな簡単に諦めるはずねぇですぜ!!」

 

 カモの言った事にネギは少しショックになりながらも何時エヴァンジェリンが仕掛けてくるかマギと一緒に警戒していると、ネギとマギの前方に誰か居た。もしかして夜の学校で遊んでいる生徒かと思い近づいて注意しようとしたが、近づき目が飛び出すかと思った位驚いた。何故ならその生徒が

 

「まッまき絵さん!?」

 

「おいおい、なんて格好だよお前は…」

 

 ネギは驚きマギは呆れていた。何故ならまき絵は服も下着も来ていない所謂全裸だったのだ。ネギはまき絵に服を着るように言おうとしたが、次にまき絵が言った言葉に思わず固まってしまった。

 

「ネギ・スプリングフィールドとマギ・スプリングフィールドに告ぐ。我がご主人エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル様が貴様たちに戦いを申し込む。30分後に大浴場まで来い」

 

「!!何でまき絵さんがエヴァンジェリンさんの事を!?」

 

 まき絵が何故エヴァンジェリンが吸血鬼なのかを知っているのかを驚いているとそうか!とカモが大声を上げた。

 

「兄貴!アイツエヴァンジェリンに噛まれた事があるだろ!?今のアイツはエヴァンジェリンの操り人形でさ!」

 

「うそッ!そんな!?」

 

 ネギは信じられないと言いたげな表情だったがマギは

 

「いやカモの言う通りだ。まき絵の体から得体の知れない魔力がうず巻いていやがる。エヴァンジェリンの操り人形になっているのは間違いなさそうだ」

 

 とマギがまき絵の体から感じる魔力でそう断定した。そしてまき絵は伝言が終わったのかまき絵は駆け出しながら

 

「じゃあねネギ君!ついでにマギさんも~!!」

 

 まき絵はそう言い終えると何処から取り出したのかリボンを持つと電柱にリボンを巻付けてまるで某蜘蛛男の様に縦横無尽に移動し去って行った。それをネギとカモはポカンと見ており、マギは俺はついでかよ…と呟いていた。

 

「今のは人間技じゃねぇ。半吸血鬼化してるぜあの姉ちゃん」

 

 カモの言った事にネギはそんな!と未だに信じられない様だった。

 

「まき絵さんが倒れたあの日、僕とお兄ちゃんがまき絵さんを見た時は魔力の残り香だけで何処にも異常は見られなかったよ!!」

 

「エヴァンジェリンの魔力が封じられているのが逆に仇となっちまったようでさ!潜伏していて兄貴と大兄貴にも気付けなかったんですぜきっと!」

 

 カモが言った事にもしかしたらとマギも何か分かったのか、ネギとカモがマギの方を見た。

 

「恐らくだが、この停電とエヴァンジェリンの魔力に関係があって、停電なったおかげでエヴァンジェリンは魔力を取り戻せたという訳だ。つまり今のエヴァンジェリンは万全の状態。一気に勝負をかけて来るようだな」

 

 とそれを聞いてネギは驚きと悔しさの両方が滲み出てきた。

 

「そんな…エヴァンジェリンさんは反省して学校に来てくれたと思っていたのに。しかも魔法と関係のないクラスメートのまき絵さんを利用するなんて酷すぎるよ!また僕の油断が大事な生徒を危険に合わせてしまうなんて!!」

 

「兄貴!今は悔やんでいる暇なんて有りませんぜ!とにかくアスナの姐さんを呼んで力を貸してもらわねぇと今のエヴァンジェリンに対抗するには兄貴と大兄貴の力だけじゃ足りませんぜ!」

 

「うッうん!」

 

 とネギはアスナを携帯で呼ぼうとしてハッとした。さっきネギ自身がアスナにもう迷惑をかけないと約束してしまったのだ。それを今更覆すことは出来ない。

 

「いや!そうはいかないよカモ君。此処は僕とお兄ちゃんで行く!」

 

「あッ兄貴!?何馬鹿な事言ってるんっすか!?」

 

 カモはネギが無謀な事を言ってる事に目を丸くして驚いていた。とネギは実はこんな事が起こる時のために昨日のうちから用意はしてあったと言いながら大きな袋を何処からともなく持ってきて袋の中から色々と取り出した。魔法薬が入った瓶に見た目が古い杖数本に、年季が入った銃の様な物。対エヴァンジェリン用の完全武装である。

 準備が完了していざ大浴場に向かおうとしたネギだが、目の前にマギが行く手を阻んだ。

 

「お兄ちゃん何やってるの!?早くエヴァンジェリンさんの所に行かないと!」

 

 ネギの訴えにマギは分かってるよと言いながらタバコを口に咥え火をつけ、そして口から煙を吐く。煙があたりを漂う。

 

「はっきり言うと情けない事に、俺とネギだけじゃアイツ(エヴァンジェリン)に勝てる自信が無い。だったらカモの言う通りアスナに力を貸してもらった方が良いんじゃないのか?」

 

「!だッ駄目だよお兄ちゃん!もうアスナさんに迷惑はかけたくないよ!これは僕達の問題なんだ!」

 

 ネギの必死な訴えにマギはそうか…でもなあと呟きながら

 

「アイツはそうは思ってないみたいだな…」

 

「え?お兄ちゃんそれどういう意味?」

 

 ネギはマギの言っている意味がよく分からなかった。するとネギとマギの元に誰かが近づいて来る足音が聞こえた。

 

「此処に居た!ネギ!マギさん!!」

 

 アスナが制服姿でネギとマギの元に走ってきた。アスナの姿を見て驚いて目を見開いた。

 

「アスナさん!?なんでこんな所に居るんですか!?」

 

 ネギは何故アスナがこんな所に居るのかと驚いているとマギが

 

「アスナに教えたのさ『ネギが又無茶をしそうだ』ってな。それでアスナは来たんだろう?」

 

「そんな!何でお兄ちゃんはそんな事をアスナさんに言っちゃたの!?」

 

 ネギの叫びにアスナは黙ってネギに近づき、徐にネギの頬を思い切り引っ張った。

 

はにふるへんへふかあふなはん(何するんですかアスナさん)!」

 

 ネギは引っ張られて涙目で驚いているとアスナはハァと溜息を吐いて

 

「確かにアタシはマギさんにアンタが又無茶しそうだって聞いたわよ。でもねマギさんはこうも言ったのよ『これを聞いてお前がどう行動しようとも俺は何も言わない。これ以上俺達に関わらなくても別に責めたりしない』てね。だからアタシは自分の意志で此処に来た。アタシが来たくて来たんだから迷惑でもなんでもないのよ」

 

 それにとアスナはネギとマギを交互に指差しながら

 

「アンタは変に意地張っちゃって間抜けな所があるし、マギさんはマギさんで偶に頼りない所が有るから見てられないわよ」

 

 そこまで言うか?とマギは頭を掻きながら苦笑いを浮かべていた。ネギはこれ以上アスナ達に迷惑をかけたくないと思っていたが、ここまで自分の事を心配してくれるのを内心嬉しくも思うが内心複雑な気持ちだったが

 グッと握り拳を握ると決意の籠った目でアスナを見て

 

「アスナさん…申し訳ありませんが力を貸してください。僕とお兄ちゃんはどうしてもエヴァンジェリンさんを止めなくちゃいけないんです!」

 

 とネギのお願いにアスナもサムズアップをしながら

 

「お安い御用よ。アタシの力だったらいくらでも貸してあげるわよ」

 

 と此処に新たる心強い仲間が出来たのである。

 

 

 

 

 

「それでネギ。アンタ如何してそんな色々な物を身に着けているのよ?」

 

 アスナはネギが如何して完全武装をしているのかを尋ねてみるとネギは簡潔に説明した。

 

「ふ~~ん要するにエヴァちゃんの魔法の力が停電のせいで戻っちゃったっていう訳ね。それは何とも大変な話ねぇ」

 

 とアスナは驚いているとネギは

 

「はい…だからアスナさんにはもう危険な目には合わせたく」

 

 とネギが又そう言っているとアスナは馬鹿ねとネギの頭を軽く小突いた。

 

「今更言った事を覆すつもりなんかないわよ。最後まで付き合うわよ」

 

 とアスナが笑いながらそう言った。ネギはありがとうございます。とお礼を言うしか出来なかった。

 

 さてと…とマギは此れから如何するかを尋ねた。

 

「流石に何も作戦が無くてエヴァンジェリンに勝つのは無謀すぎるな。如何したもんか」

 

 と何か作戦が無いか考えているとネギが

 

「それだったら僕に考えがあるよ」

 

 と何か作戦があるようだ。マギにアスナとカモが一斉にネギを見た。

 

「何かナイスアイデアな作戦があるんですかい?ネギの兄貴」

 

 とカモがそう訪ねるとネギはうんと頷いた。

 

「うん僕が考えた作戦だけと―――――――」

 

 とネギがマギ達に作戦を教え始めた。

 

 

 

 

 

「―――――――――という事なんだ」

 

 とネギが作戦を一通り喋った。ネギの作戦を聞き終えたアスナは怪訝な顔をしながらも

 

「ねえその作戦本当に上手くいくの?」

 

 と作戦が上手くいくか不安そうだったがマギは

 

「否これは意外と上手くいくかもしれない。エヴァンジェリンの事だ多少は油断をしてるかもしれない。やってみる価値はあるかもしれないぜ」

 

 とマギが言った事でアスナも納得したようでうんと頷いた。

 

「よし!アスナも納得した事だし作戦を開始しようぜ!そろそろ約束の時間だ。エヴァンジェリンも遅れたら何をしてくるか分からねえからな」

 

 とマギの言った事にネギとアスナにカモが頷いた。

 

「それじゃあ…作戦を開始します!!」

 

 ネギの合図にネギとマギ、アスナとカモが別れた。これが如何やら作戦の一部の様だ。

 

「アスナさんカモ君作戦通りにお願いします!!」

 

「しくじるんじゃねえぞ!!

 

「ネギとマギさんも無茶だけはしないでよ!!」

 

「兄貴と大兄貴!御武運を!!」

 

 そして別れたネギとマギはエヴァンジェリンが待っているであろう大浴場へと向かった。遂に決着は着くのだろうか………?

 

 

 

 




一々書くのもくどいと思いますが
今回原作と違うのはアスナが最初からエヴァンジェリンとの戦いに加わります
今回話の長さは短いですが、次回はバトルもありますので長くなると思います
今週中に出来上がったら投稿しようと思います!!

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