子供先生と兄先生①
ネギが魔法学校で、日本で教師になる事になり、マギも付き添いで日本で教師として日本に向かう事になった。その数日後の日本・新宿駅にて
「わぁ~凄いや…」
日本の地に降り立ったネギは、イギリスにはない日本の目新しさに興味津々といった感じで、キョロキョロと辺りを見渡してた。
「おいネギ、あんまりウロチョロすんなよ?迷子になられたら面倒だからな」
マギが大きな欠伸をしながら言った。マギとネギはイギリスから無事に日本に着く事が出来、校長のメモ通りに電車に乗り、乗り換え駅の新宿に到着したところだ。乗車までまだ時間があるという事で、ゆっくりとした歩みで、次の電車に乗る番線へと向かっているマギとネギ。ネギが日本の駅を興味津々に見ていて、その後ろをマギがダルそうについていく形となっている。
「それで、次はどの電車に乗るんだって?」
マギがネギに聞いてみると、ネギはメモを見ながら
「それがここら辺の電車に乗ればいいはずなんだけど、駅が複雑すぎてどの電車に乗ればいいか分からないよ。お兄ちゃん、近くの日本の人に聞いてくれないかな?」
ネギにそう頼まれて、マギは数秒だけ顎に手を当て考えると、両手をネギの両肩に乗せ
「いやネギ、お前が聞いてくるんだ」
マギの言った事に、ネギが仰天しながら
「えぇッ!僕が聞くの!?でも、もし間違った事聞いちゃったら…」
と何処か不安げそうに、マギに言うネギ。そんなネギを見て、いいか、ネギ…とさっきよりネギの両肩を強く掴むと
「何事も挑戦が大事だ。そうやって他人に任せじゃ成すべき事も成せない。多少不安があるかもしれないが、1歩でも踏み出せば必ず道は開けるはずだ」
マギの言った事に感動したのか、ネギは顔を輝かせ
「お兄ちゃん…うん分かった!僕、やってみる!!」
言いながら、多少不安が残る中、道を教えてくれそうな人を探した。そんなネギを見ながらマギは一言ポツリと
「まぁこんな事言っとけば大丈夫だろう…」
実の所マギは、さっきネギに道を聞いて来てほしいと言われたときに瞬時に面倒だと感じ、それなりの事言って、ネギを言い包めようと考えた。根が真面目で、マギの事が大好きなネギは簡単に言い包まれてしまった。面倒だからと言って、弟を使うというこの兄、人として最低である。
暫くすると、ネギが人のよさそうなカップルにどの電車に乗れば聞いている所だった。カップルの男が親切にネギに電車の乗り場所を教えてくれた。ネギは親切なカップルにお礼を言うと、マギの元に戻り、次に乗る電車の番線へと向かう事にした。数秒ほどで乗る番線に到着したマギとネギ。と丁度の時間で、自分達が乗る電車が来た。電車のドアが開き、電車の中に入る
「そう言えば、俺達が向かう学校ってなんて名前だっけ?」
マギがネギに自分達の向かう学校の名前を聞いた。ネギは、校長のメモに書かれた学校の名前を言った。その学校の名は………………
「麻帆良学園って名前だよ」
麻帆良学園に向かっている電車。電車の中には大勢の学生で(対比で表すと、男子が3割で、女子が7割)あふれていた。その中に目立った存在が居た。マギとネギである。ネギとマギは顔が整っているのと、ネギは顔に幼さが残っており、女子学生から可愛いと言われ、対するマギは目が垂れ目であるが、整っている顔とマッチしているため、カッコイイ部類に入る。そのためマギと目があった女子達は一斉に顔を逸らした。まぁ、目を逸らされたマギ本人は如何とも思っていないが。とマギがネギをチラッと見ると、ネギがソワソワしていた。
「如何したネギ?そんなにソワソワして、不安なのか?」
「うッうん不安だよ。お兄ちゃんは不安じゃないの?」
ネギに不安かと聞かれ、マギはそうだなぁ…と言いながら頭を掻くと
「あまり不安になるのも面倒だからな、在りのままの自分でいる事だな」
とマギがネギにそう言うとネギは成程と言いながらマギの言った事に深く感銘を受けた。
「俺としてはお前の荷物の量が多すぎる気がするんだが、重くないのか?」
マギがネギの荷物を見てそう言った。ネギの荷物はと言うと、
・自分と同じぐらいの長さの杖
・大きめのカバン
・その他諸々の小道具
「お兄ちゃんだって結構な量だよ」
と言われたマギの荷物は、
・ギターケース
・結構大きめのスーツケース
・私物
「そう言えば、その大きめのスーツケースには、何が入ってるの?」
ネギにスーツケースを指差され、スーツケースの中を聞かれた。
「俺とお前の私服に、俺が暇な時間を充実な時間にさせるための私物が数種類にあとタバコかな?」
マギのタバコと言った途端にネギは慌てだした。
「だっ駄目だよ!お兄ちゃん!タバコはネカネお姉ちゃんと約束してもう吸わないって約束したじゃない!!」
ネギはマギにタバコを吸わないように言うが、マギは耳を穿りながら
「あのなネギ、俺はタバコを吸わないと集中できないんだ。それに教師は集中しないといけない職業だし、ストレスがたまるものだ。だから必須のアイテムなんだよ。大丈夫だって、あっちとは違って少しずつ吸っていくからさ」
「う……ん分かった。だけど本当に吸い過ぎないでね?お兄ちゃんにもしもの事があれば僕は…」
ネギがマギの事をじっと見ている。マギは分かったよと言いたげに、ネギの頭に手を置いた。
「了解したよ。お前に心配事をかけたら後々面倒だからな」
マギの了解の返事に漸く安心したのか、表情を緩ませたとその時
ガタンッ!!
と電車が大きく揺れ、ネギは大きくバランスを崩し、女子生徒の胸に沈む形で倒れこんでしまった。ネギは顔を赤くして、ゴッゴメンナサイ!!と慌てて倒れこんだ女子生徒に謝るが、女子生徒達はさほど気にしてない様子で、逆に可愛いネギが倒れこんでラッキーと思っているようだ。
「かわいいね僕、何処から来たの?」
「君の隣にいるカッコイイお兄さんは君のお兄ちゃんなの?」
「此処から先は中学、高校だよ、何しに行くの?」
女子生徒はにこやかにネギに話し掛けてきた。話し掛けられたネギは、何を話せばいいか分からずおどおどしたが、髪の長い女子生徒の髪がネギの鼻をくすぐり
「は…は…ハクションッ!!」
盛大に大きなくしゃみをした。すると
ブワァッ!!!
と電車内で小さな旋風が巻き起こり、ネギの周りにいた女子生徒のスカートが捲り上げられ、パンツが見えてしまった。女子生徒達は行き成り凄い風にびっくりしている中、ネギは急いで口を隠したが、もう遅かった。
「おいネギ、今の風はお前の仕業だよな?」
「ハウッ!!」
如何やらマギにはバレテしまったようだ。今の旋風はネギの魔法の力で、風化・武装解除《フランス・エクサルマティオー》という魔法だ。この魔法は文字通り武装解除の魔法で、相手の武器を取り上げるのと、より強力になると、相手の服も奪ってしまうという、女性にとっては屈辱的な魔法である。しかしこの魔法が暴走すると、くしゃみだけでこの魔法が発動してしまうという例がある。今のネギのくしゃみがそれだ。
「お前、この魔法は基本中の基本だろ?暴走させてどうするんだよ?」
「それが、まだこの魔法は制御中で…ごめんなさい」
「おいおいしっかりしろよ、主席卒業生」
マギが呆れていると、電車のアナウンスにて麻帆良学園中央駅というアナウンスが流れた。この駅がマギとネギが降りる駅なんだろう。電車が完全に停車し、ドアが開くと一斉に駅のホームに向かう生徒達
「じゃあね坊や♡」
「気をつけてね」
「ヤバッ!!遅刻ギリギリじゃん!!」
ネギに話し掛けていた女子生徒達も急いでホームへと向かって行ってしまった。駅のホームを出たマギとネギ。その目には様々な生徒が見えた。全力疾走の学生、スケボーやローラースケートを使っている生徒に路面電車に乗っている生徒もいた。いずれの生徒も顔には必至と慌てぶりが見てわかる
「皆急いでるねお兄ちゃん。何でだろう?」
「全員が全員寝坊して遅刻しそうとかじゃないのか?」
と呑気そうに話している二人に、放送が流れた
『麻帆良学園生徒のみなさん、こちらは生活指導委員会です。今週から始まった遅刻者0週間、始業ベルが鳴るまで残り10分となりました。尚今週遅刻した生徒には、委員会の方からイエローカードが進呈されます。くれぐれも余裕を持った登校を心がけてください。以上、生活指導委員会からの放送でした』
生活指導委員会という放送に、マギとネギは何故生徒達がこんなに急いでいるのか理解した。自分達も大丈夫かと思いネギは、時計を見てみると自分達も時間がギリギリであった
「ワワッ!僕達も遅刻しそうな時間だ!お兄ちゃん急ごう!初日から遅刻なんて不味いよ!!」
ネギはマギを急かすように言った。しかし基本ダラケきった生活をしているマギは
「えぇ~~初日なんだし、遅れても許してくれるぜ?もうちょっとゆっくりいこうや」
と呑気に大あくびをする始末。この兄何処でもマイペースを貫くつもりだ
「駄目だよ!初日に遅刻なんて生徒さんからの印象が悪くなっちゃうよ!!」
だらけたマギをそう論するネギに、マギは折れた様で
「分かった、分かったよ。んじゃさっさと行こうぜ」
そして自分達も校舎に向かう事にした。
軽快な走りで、全力疾走で走っている生徒達を追い抜くマギとネギ。まだ10歳のネギが自分より体力がある生徒達を追い抜けるかと言うと、ネギ自身が身体強化の魔法を使用しているからだ。そのおかげで何時もよりも数倍もの体力と筋力となるのだ。尚マギの場合、身体強化の魔法は使えると言えば使えるが、魔力が勿体ないと言う考えで、ダラケきった生活でも毎日欠かさずトレーニングを行っているため、そん所そこらのアスリートよりも強靭な肉体であると自負している。
「このペースだったら余裕で間に合いそうだな」
「そうだね、よかった」
ネギとマギはペースを崩さずにこのまま校舎に向かおうとしていたが…
「高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!高畑先生!ワンッ!!」
急に前方で先生の名前を10回言った後に犬の鳴き声を真似た鈴で髪を止めているツインテールの少女が走っていた。彼女の周りに居た生徒達はかなり引いていた。ツインテールの隣に居たローラースケートで走っている黒髪のロングストレートの女子もかなり引いていて、ツインテールの彼女が何か叫んでいた
「なぁあのツインテールの奴、何あんなにギャーギャーと叫んでるんだ?」
マギがツインテールの少女を指差しながら、ネギに聞いてみると
「黒髪の女の人が好きな人の名前を10回言った後に犬の鳴きまねをすると恋愛運が上がる占いだって話だったんだけど、それが冗談で言っただけで、それでもめてるみたい」
成程、占いか…まぁ女子中学生は思春期の塊みたいなものだ。冗談でも嘘の恋愛運が上がる御呪いを教えられて、それが効果なければ怒るのも無理はないと、マギは思った
「占いか…お兄ちゃん僕、あの人に親切に教えてくるよ」
とマギが制止する前にネギがツインテールの女子の所に向かって行った。マギは瞬時に思った…絶対に面倒な事になるな…と
「まさか、到着早々”これ”を使うはめになるとは…」
と呟きながらマギは懐からあるものを出した。マギが言ったこれとは…
マギが懐から何かを出している間に、ネギがツインテールを鈴で纏めた少女の元に行き、こう言った
「あの…あなたに失恋の相が出てますよ?」
「え゛?」
ネギに行き成り失恋の相が出ていると言われ、固まってしまったツインテールの少女は表情を固め、数歩よろけると
「な…なんだとこのガキャー!!」
キレた。それはもう盛大に。行き成り失恋の相が出ていると言われれば、それはもうキレるだろう。キレられたネギ本人はと言うと、驚きながらも
「い、いや何か占いの話が出ていたので、教えてあげようと思いまして…」
ネギはたじろぎながらもそう言ったが、ツインテールの少女はネギの言った事には聞く耳を持たない様子で、ズンズンと近づきながら
「あ、あああああアンタ!テキトーな事言うと承知しないわよ!」
「い、いえかなりのドギツイ失恋の相が…」
出ていますよと言おうとした途端
スパァァァァァァァンッ!!!
「アイタァァァァッ!?」
ネギが何かで思い切りはたかれた。誰がネギをはたいたかというと
「まったく色々とメンドウな事をしないでくれよな……」
ハリセンを肩に担いだマギが立っていた。ツインテールの少女と黒髪ロングの少女は、行き成り目の前に少年とそっくりな青年が現れてポカンとしていた。ハリセンではたかれたネギは頭を押さえながら
「お兄ちゃん!行き成り何すんの!?」
と理不尽さを露わにしながら、マギに訴えかけたが、そのマギは呆れたように溜息を吐きながら
「あのなあネギ、今のはお前が悪い。全面的に」
「如何して!?僕はただ親切に占いの結果を親切に教えてあげたのに…!」
それが間違えなんだよ。と言いながらネギを指差すマギ
「いいかネギ、もしお前が明日誕生日だとして、明日を楽しみとする。だがそこに絶対当たる占い師が『貴方の誕生日は悲惨な結果になる』って言われたらどうよ?お前だって気分はどん底になるだろ?今のお前の発言は好きな人に告白しようとする女子が、行き成り失恋の相が出ているって言われたらどうよ?その女子はショックで引き籠るぜ?絶対」
「そ…そんな僕のせいでそんな事が…」
ネギはマギに言われ、事の重大さに気づいた。まぁ今のネギの行動は『要らん親切、余計なお世話』と言えるだろう。
「それになあの歳のヒステリックな女は小さな出来事でも不良になる可能性も「誰がヒステリックな女よおおおおおおおッ!!」…」
マギが最後まで言い終える前に、ツインテールの少女がマギに飛び蹴りを食らわせようとしたが、マギは上体を軽く動かして、ツインテールの飛び蹴りを躱した
「な?こうやって直ぐに暴力に走る」
「すッすみません!僕、貴女に余計な事を言ってしまって…」
ネギはツインテールの少女に謝ったが、少女の態度からして、許す気配など無かった
「謝るくらいなら…さっきの失恋発言取り消しなさい!!」
「あ…あの…その…」
ツインテールの少女に片腕で頭を掴まれ、上へと持ち上げられてしまいオドオドとしているネギ。と言うより10歳にもなると小柄なネギでも結構な重さになる。それを片腕で持ち上げるとはこの少女、普通の少女よりも怪力なのだろう。
「なーなーアスナ。子供の言った事やし、許してあげへんの?」
「うるさいこのか!あたしは何も考えずにずけずけと物言うガキがね、ダイッキライなのよ!!」
黒髪の少女、このかがネギを許してあげようと言うが、ツインテールの少女、アスナは、断固として譲らない様子だ。一方傍観者の様な立場になっているマギは、もう如何にでもなれと言う態度をとっていた。
「それにしても、坊やと坊やのお兄さんは転校生かいな?こんな所に何しに来たん?」
と言いながら、このかは一際大きい建物を指差した
「ここは麻帆良学園都市の中でも一番奥の女子高エリアで、初等部は前の駅やし、男子校は逆のエリヤなんよ?」
言われれば確かにこの女子高エリアに来てからは、男子の姿を見なくなったのはそういう事か
「つまり!!」
そう言いながら、アスナはネギを降ろすと、ネギの顔面にズイッと指を近づけると
「ガキは入っちゃいけない場所なの!それと!そこでボーッとしてるアンタも!分かった!?」
とアスナはマギにも指をさしながらそう言った。これまでのやりとりでこのツインテールの少女アスナ第1印象はと言うと…
(なんて乱暴な女の人だろう…)
(一々五月蝿い女だなコイツ…)
酷い言われ様だった。
「ほなうちら用事があるから一人でかえってなあ~」
「じゃあね!ボク!!」
このかとアスナはそう言って、何処かに行こうとしていた。ネギはアスナにまだ何かを言おうとしていたが、聞く耳を持とうとしないアスナ。マギとしては口煩い奴が居なくなってせいせいするような感じだ。
「―――いや、彼らはいいんだよアスナ君」
と校舎の方から、男の声が聞こえ、呼ばれたアスナは瞬時にその男が居る方向を見た。
「お久しぶりです、ネギ君、マギ君」
ネギとマギの名前を呼んだ男性を見て、アスナはカァァァッと顔が真っ赤になっていた。このかはその男性におはよーございまーすとあいさつをした。
「高畑先生!?お、おはようござい「久しぶりタカミチ!」「タカミチおひさ~~」…!?あッあんた達知り合いなの!?」
如何やら彼がさっきアスナがこのかの嘘の占いで叫んでいた高畑先生の様だ。アスナが高畑先生に挨拶しようとしたが、ネギとマギが高畑先生を親しそうにタカミチと呼んでいたのを聞いて、後ずさった。
「如何だい麻帆良学園は良い所でしょう?『ネギ先生』『マギ先生』」
タカミチがネギとマギの事を先生と呼んでいたのを、アスナとこのかは不思議そうにしていた。
「え?先生?坊やとお兄さんが?」
「あ、はい。そうです。お兄ちゃんもほら」
「えぇメンドイなぁ…」
ネギが一礼すると
「この度、この麻帆良学園で英語の教師をやる事になった、ネギ・スプリングフィールドです」
「同じくネギの兄で、此処で歴史の先生をやる、マギ・スプリングフィールドだ」
ネギとマギの自己紹介にポカンとする女子2人。次の瞬間
「エェェェェェェェェェェェェェェェッ!?」
アスナがこれでもかと程の大声を挙げた。
「チョッチョット待ってよ!先生!?それどーいうこと!?アンタのお兄さんはまだわかるけどアンタみたいなガキンチョが!?」
「まーまーアスナ落ちついてぇなぁ~」
興奮したアスナがネギに詰め寄り、そのアスナをこのかが落ち着かせようとしていた。
「ハハハ。いや彼らは頭がいいんだ。安心したまえ」
タカミチが笑いながら、ネギ達の元に歩いてやって来た
「でも先生、そんな事急に言われても…」
アスナは納得がいかない様子だ。あぁ言い忘れてたけど、タカミチが付け足しで
「僕は又長期の出張が入るから、君たちAクラスにネギ君が担任、マギ君が副担任に入るそうだよ」
「なッ!!?」
タカミチの言った事にアスナはガーーーーーンとかなりショックを受けているようだ。如何やらタカミチが又自分達のクラスの担任になってくれると思っていたようで、そのショックは計り知れない。
「そ…そんなぁ~アタシこんな子嫌です。さっきだって行き成り失恋の…いや失礼な言葉ををアタシに「でも本当の事ですよ」本当言うなぁぁッ!!」
アスナが必死にタカミチにネギが担任なのは反対だと訴えかけていたが、ネギが余計な横槍を言って余計にアスナを怒らせる。遂には泣き怒りながら、ネギの胸倉を掴んで揺すりまくった。
「だいたいアタシはガキが大嫌いなのよ!アンタみたいな無神経でチビでマメみたいに小さいガキが!!」
ネギはアスナに言いたい放題言われて段々腹が立ってきた。そりゃこっちだって無神経な事を言ってしまったかもしれないけど、そこまで言う必要はないだろ…と、その時アスナの髪の毛が、ネギの鼻をくすぐった。そのせいでネギは鼻をムズムズさせ始めた。マギは又武装解除の魔法が暴発すると考え、ネギを止めようと…しない。だってメンドイから。そして遂に
「ハッハァァックション!!!」
電車の時よりも盛大なくしゃみをした。巻き起こった風も、さっきのは旋風位だったが、今度は暴風レベルの風で、アスナの服が全て吹き飛んでしまった。残ったのは上のブラジャーと下の…毛糸のクマパン。
「なッ!!?」
アスナは行き成り自分が下着姿になってしまった事よりも、先にタカミチの方を見た。そのタカミチと言うと…
「あ…いや…」
顔を赤くしながら、アスナから目を逸らしていた。アスナはタカミチに下着姿を見られてしまいヘナヘナと座り込んでしまった。
(クマパン……)
(毛糸のクマパンや……)
タカミチとこのかはクマパンの事を考えていたが、マギはと言うと
(一刻も早くタバコを吸いてえ…)
まったく別の事を考えていた。魔法を暴発させたネギはと言うと、アスナに色々と酷い事言われたから、許すつもりはないと言いたげに、頬を膨らませていた。
「い…い…」
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!
絹を裂いたようなアスナの悲鳴が麻帆良学園の女子高エリアに響きわたった。