が正直グダグダです
それではどうぞ
吸血鬼騒動の犯人がエヴァンジェリンだと分かったが、返り討ちにあったネギとマギ。翌朝の8時の女子寮、アスナとこのかの部屋にてアスナは困っていた。
「こらネギ!もう8時よ!いいかげんに起きなさいよ!!」
と布団に包まったネギを起そうと、ネギの体を揺すっていたのだ。
「アンタ先生なのに遅刻したら生徒に示しがつかないでしょうが!」
とアスナはネギを起そうと必死だったが
「…ゴホゴホッ!…なんか風邪を引いたみたいで…今日はお休みします」
と何処かワザとらしい咳をしていた。このかはネギ君大丈夫?と心配していたのだが、そんなワザとらしい咳をして布団に包まっているネギを見て、マギはハァァァァと深い溜息を吐いた後にネギが包まっている布団を強引に引っ張ろうとした。
「お兄ちゃんやめ…!」
止めてと言い終える前にマギは強引に布団を引っ張り終えてしまった。そして布団に包まっていたネギはと言うと…
「あ…」
普通にぴんぴんとしていた。まあ簡単に説明すると昨日エヴァンジェリンにコテンパンにされたせいで今日またエヴァンジェリンに会うのが怖いので仮病を使おうとしたのだ。
え?マギはって?昨日茶々丸に麻痺毒のガスを吸わされた後に急所の水月にクリティカルヒットをされているのに
「まぁ仕方ねぇなあれは」
とケロッとしていたのだ。寛大なのか怒るのも面倒なのか……恐らく後者だろう。話を戻すと、やっぱり仮病という事で少し頭に来たアスナは
「昨日怖い目にあったのは分かるけどね!先生のくせに登校拒否してどうするのよほらッ!」
「あうぅぅッ!ぱッパンツだけは許してくださぁぁい!!!」
とアスナが強引にネギを着替えさせようとして、ネギはパンツまでも脱がせられない様にパンツを掴んでいた。こうしてネギ達の今日の朝はドタバタと喧しい1日から始まるのであった。
学校登校ではネギは登校している生徒にクスクスと笑われていた。と言うのも今のネギの状態だが
「お早うネギ君!」
「お早うネギ先生何の遊びや?」
亜子がこう聞いてくるのはネギはアスナに片手で担がれていて、もう片方の手でネギの杖を持っているという状態である。
「おッ降ろしてくださいよアスナさん!エヴァンジェリンさん達が居たら如何するんですか!?」
ネギは泣きながらジタバタと暴れ、降ろしてくれと懇願しエヴァンジェリンが居たらどうするのかとアスナやマギに聞いても
「別に何とかなるんじゃないか?」
とマギの返答でアスナの返答は
「学校で襲ってきたら校内暴力で停学にしちゃえばいいじゃない」
と返ってきた何とも楽観的な2人なのだろう。ネギはそんな簡単な話じゃないと言うのは自分でも理解していた。昨日エヴァンジェリンと対峙した時
――――パートナーのいないお前では私には勝てないぞ―――――
――――悪いが死ぬまで吸わせて血を吸わせてもらうぞ―――――
ネギとマギは直にエヴァンジェリンと戦ったから分かる。魔力を封じられても彼女は強いと。次に会ったら今度こそ殺されてしまうとそんな事を考えている間に
「おいネギもう教室に着いたぞ」
とマギに言われ見てみると3-Aのクラス看板が目に写った。
「ちょ!僕まだ心の準備が…!」
とエヴァンジェリンが教室にいるかもしれないのにネギは未だに心の準備が出来ていなかった。そんなネギを見てマギは呆れたような溜息を吐いて
「なに言ってんだよお前は。ンな事いいからさっさと教室に入るぞ…う~すオメェ等おはようさん。そろそろホームルームだから席に着けよ」
とネギが何か言っているが無視しマギは教室のドアを開けて、生徒達に挨拶をした。生徒達はネギとマギに挨拶をし、よく見たら昨日は保健室で寝ていたまき絵も教室に居て、昨日と違い元気そうであった。
「まきちゃんもう平気なの?」
アスナはまき絵の容態を聞いてみるとまき絵は平気だと答えた。確かに顔色もよさそうである。
「昨日の事は何にも覚えていないそうだ」
とまき絵の熱を測っていたアキラはそう教えてくれた。ネギはまき絵が大丈夫なのを聞いて安心しながらもエヴァンジェリンが教室に居るのかを確かめると、エヴァンジェリンの席にはその本人の姿が無かった。ネギはホッとしていると
「――マスターは学校には来ています。つまりはサボりです」
「うわぁッ!?」
と行き成り茶々丸が後ろから現れ、エヴァンジェリンの事をネギに教えたがネギは後ろに茶々丸が居た事に大げさに驚いていた。
「んだエヴァンジェリンの奴サボってるのか?あんまりサボられると面倒だな…茶々丸エヴァンジェリンには授業は受けなくてもいいから教室に居ろって言っといてくれ」
「分かりました。では」
とマギはエヴァンジェリンにちゃんと教室に居ろとそう伝え、茶々丸は分かりましたとお辞儀をしながら、エヴァンジェリンのもとに行った。
「おッお兄ちゃん!何でエヴァンジェリンさんを呼ぶように言ったの!?呼ばない方が危なくて済むじゃないか!」
とネギの言っている事ももっともかもしれないが
「あのなネギ、俺達は先生だそりゃあ昨日はエヴァンジェリンと茶々丸にコテンパンにされたけどな、それでもサボりの生徒を見過ごすわけにもいかねぇだろ?」
「う…うん」
マギにそう言われ、ネギはシュンとしてしまったが、次にはマギが黙ってネギの頭を撫でてくれた。久々にマギに頭を撫でられたネギは少し落ち着いた。そんなネギを見てマギも微笑みながら
「んじゃオメェ等席に着けよ~そろそろホームルームを始めるからな」
とネギとマギは教卓に向かい、今日も一日の学校生活が始まるのだった
時間は飛び、マギの歴史の授業にて
「よ~し3年からは室町幕府を抜けて戦国時代についてだな~」
とマギは黒板に授業内容を書きはじめた。
「まッ今日は授業初日という事で軽めに戦国時代の武将について話しておくか」
とマギは授業初日という事で軽めの授業を行う事にした。マギは有名な武将の武田信玄や上杉謙信と織田信長や豊臣秀吉に徳川家康を順番に書きながらの合戦や出来事などを軽めに教えていた…いたのだが
「おいオメェ等初めの授業は軽めと言ったがな、授業を聞かずにボーッとしていいじかんじゃねえぞ」
と大半の生徒がボーッとしていたり、マギを見つめて顔を赤らめていた。
「おいおい如何したオメェ等まだ春休み気分が残ってるのか?はやく直せよ」
とマギがそんな事を言っていると、ハイマギさんと亜子が手を上げた。
「何だ亜子?何か質問でもあるのか」
と亜子に聞くと、亜子は顔を赤くしながらも
「まッマギさんって!年下のパートナーには興味がありますか?」
と亜子がパートナーの事について聞いてみたら
ガタンッ!!
マギはズッコケてしまった。
「亜子…なんでそんな事を聞いてくるんだ?」
ズッコケたマギはのろのろと起き上がり、何故パートナーの事を聞いて来るのかを訪ねた。亜子は
「さっきネギ先生が年下のパートナーは如何かと聞いてきたから」
と答えを聞いて、マギは溜息を吐いた後に目頭を指でほぐした。
(やっぱりネギの奴気にしてたのか…)
ネギは昨日エヴァンジェリンに言われたパートナーの事を気にしていたようだ。そしてネギは自分のパートナーになるのは嫌かを尋ねると、まき絵やあやかは自分をパートナーにというアピールが凄かったらしい。
「全く授業中にそんな事を聞くもんじゃねえぞ」
と呆れていると亜子は気になっている様で
「それでマギさんはもし…もしやけどこのクラスでパートナーにするならだれが一番ええの?」
と亜子が言っていることにこれは答えないと先に進まないなと思ったマギは
「そうだな…趣味があっているのどかとかかな?悪いなのどか変な事言っちまって」
のどかは自分の名を呼ばれ、嬉しくなりながらも顔を赤くしながら
「いッいえ!別に気にしてません!!むしろ嬉しいぐらいです!?」
と最後ら辺は自虐に走ってしまった。ハルナと夕映はのどかにガッツポーズを送っていた。それと名を呼ばれなかった亜子と風香と史伽はショックを受けてしまい
「なッ何でウチはアカンのん?」
「いや亜子は確かに元気いっぱいの女の子で魅力的だとは思うがあんまり話した事無いしな…」
「じゃッじゃあボクと史伽は!?マギ兄この前一緒に麻帆良を散歩して楽しそうだったじゃないか!」
「そうですそうです!」
「いや双子のお前らはイタズラとかで心身共にストレスがかかりそうでな…」
とマギにバッサリと言われ、亜子と風香と史伽はガーンッ!とショックを受けていた。
「もういいか?授業を再開するぞ」
とマギは授業を再開したが、嬉しそうに頬に手を当てているのどかとショックで机に倒れている亜子と風香と史伽の姿が有ったのであった。
放課後、生徒達は部活の者や帰路に着く者が居て、マギも帰路につこうとしたら
「マギ先生!」
「マギさ~ん!」
とあやかとまき絵がマギを呼びとめた。マギは何の用なのかと振り返った。
「如何したんだよ2人してなんか用か?」
と聞いてみると実は…とあやかが難しい顔をしながら
「ネギ先生の事ですわ。今日は1日顔色が優れない様子だったのでとても心配で…」
「なんか気になっちゃってマギさんに如何してネギ君が元気がないのか聞いてみようと思ったの」
あやかとまき絵の言う通りネギは終始元気が無かったのである。まさかそれがエヴァンジェリンにボコボコにされたからと言うのは言えるわけもなくとっさに
「ネギが元気がないのは本当の先生になって色々とやる事が多くなってな。やっぱ10歳のガキにはきつくてな、それが顔に出ちまったんだよ」
と有りえそうな嘘を吐くとあやかはそんな!と崩れながら涙を流し
「ああネギ先生がそんなに大変だったなんて…!あやかは何もできないのですか!?」
「そっかネギ君ってまだ10歳だもんねそりゃ疲れるのも無理ないかぁ」
とネギの気苦労をねぎらった。マギはそうだと何かを思いついたのか
「だったらお前らでネギの事を癒してあげればいいんじゃねえか?ネギだってそうしてもらえば嬉しいだろしな」
とマギが言った事がグッドアイディアだと思った。あやかはガバッ!と立ち上がりマギの手を両手で掴むと
「分かりましたわ!この雪広あやか誠心誠意をもってネギ先生を癒してさしあげますわ!!」
とやる気に満ち満ちたあやかの顔を見て、ネギがかかわるとテンションが高くなるなコイツ…とあやかを見て苦笑いを浮かべた。
「そうと決まればまき絵さん!さっそく準備の方を!!」
「りょうかーい!あ!マギさんもよかったら来てね!絶対だよ!!」
と言い残しあやかとまき絵は走り去って行った。廊下は走るなよとマギが注意したが、聞く耳を持たずにあやかとまき絵は彼方遠くに行ってしまっていた。やれやれだぜとマギが呆れていると
「ほう、昨日は茶々丸に伸されたと言うのに随分と平気そうじゃないか」
「なんだエヴァンジェリンか。俺がさっき言った事を守ってくれたな」
マギの目の前にエヴァンジェリンと茶々丸が現れた。茶々丸はマギにペコリとお辞儀をして、エヴァンジェリンはフンと鼻で笑った。
「昨日私達に負けた貴様がどうしてもと言うからなありがたく思えよ」
エヴァンジェリンの偉そうな態度にマギは苦笑いを浮かべていたが、急に真面目な顔になって
「なあ、お前はまたネギや俺を襲うのか?」
「当然だ。私の忌々しい呪いを解くには貴様の父の血縁の血が大量に必要なんだからな。まぁ貴様の血はタバコのせいで吸うつもりはないがな。よかったな血を吸われずにすんで」
とマギを小ばかにしたような言い様でマギにそう言ったが、マギが次に言った言葉はエヴァンジェリンの目を大きく開かせたのだった。
「すまねぇなエヴァンジェリン…俺のクソ親父のせいでそんなふざけた呪いをかけられちまって。もしよかったら俺の血でお前の封印が解けるならいくらでも使ってくれ」
「…は?」
エヴァンジェリンはマギが言った事にポカンとしてしまった。今マギは何を言った?自分にすまないと謝った後に、自分の血をいくらでも使っていいとそう言ったのだ。
「貴様正気か?悪の魔法使いに頭を下げて挙句には自分の血をいくらでも使ってくれだと?貴様仮にも正義の魔法使いではないのか?」
エヴァンジェリンの言った事にああそれなと言いながらマギは頭を掻きながら
「俺ってみんなで掲げる正義っていうの好きじゃねえぁしさ、それに15年もその呪いに苦しんでるんだろ?」
とマギの言っている事に頭を痛くするエヴァンジェリンは自分の生い立ちを話した
「いいのか貴様?貴様が封印を解いてやろうとしているこの私はもう600年ほども生きていてこの手で殺めた人間など数知れないのだぞ」
此れを話せば自分が愚かな行為をしようとしているのかに気づくと思いきや
「へぇ結構長生きなんだな。それにその殺めた人間ってどうせお前が吸血鬼=悪者って考えで襲ってきて返り討ちにしたってパターンだろ?」
それに…とマギは言葉を続ける。
「もしもお前が極悪非道な悪もんだったら、まき絵の血を全部吸って殺しちまうもんだろ?なんかさ…お前が好きで吸血鬼をやりたいとは思えないんだよな」
とマギがそう言うとエヴァンジェリンは何処か驚愕したような顔になって俯いてしまった。マギはエヴァンジェリンの態度が急に可笑しくなったのが変に思い、大丈夫かと聞きながら腕を伸ばすが、エヴァンジェリンに腕を思い切り払われた。そして顔を上げたエヴァンジェリンの表情は無表情に近い冷たい表情となっていた。
「黙れ…何も知らない小僧が私に意見するとはよほど死にたいようだな」
エヴァンジェリンの底冷えするような声に少しだけマギはたじろいてしまった。そんなマギを見てエヴァンジェリンは
「…興がそがれた。行くぞ茶々丸」
「はいマスター」
とエヴァンジェリンはマギの元からさり、茶々丸はマギにお辞儀をしながらマギの元に去ろうとした。
「おいエヴァンジェリン。明日も学校にちゃんと来いよ」
とマギがそう言ってもエヴァンジェリンは無視して行ってしまった。マギは何か怒らせるような事を言ってしまったか?と考え始める。ネカネにはマギには女心が分かっていないとよく言われたが、さっきまでの発言にエヴァンジェリンを傷つけた事を言ったのかが分からなかった。
「ったく…やれやれだぜ。そう言えばあやかとまき絵がネギを励まそうとするなんかをやるって言っていたな。気分転換に行ってみるか」
と行ってみる事にした。
アスナは女子寮で急に居なくなったネギを探していた。ネギは居なくなったと言うより、楓とアキラに拉致られて大浴場に連れられてしまい、其処であやかとまき絵が考えた。『ネギ先生を励ます会』によって揉みくちゃにされているのだが、アスナはそれをしらない。ついでに亜子と風香と史伽はマギを今か今かと待ち構えているのだが、閑話休題。
「まったくネギの奴何処に居るのよ?」
とブツクサと文句を言いながら、ネギを探していると
「なんだ神楽坂明日菜か…今日は会いたくない者によく会うな」
と何処からか行き成りエヴァンジェリンと茶々丸が現れた。
「アンタ達!ネギを何処に隠したのよ!?」
とアスナはエヴァンジェリンの姿を見てすぐさま戦闘態勢に入ったが
「私は坊やなど隠していないぞ」
とエヴァンジェリンの言った事にアスナは面食らってしまった。
「安心しろ神楽坂明日菜。少なくとも次の満月までには私達が坊やを襲ったりすることはないだろう」
「どういう事よ?」
とアスナの疑問にエヴァンジェリンはほらとぐいと口を引っ張ってアスナに自分の口をよく見せる。エヴァンジェリンの歯には吸血鬼の鋭い牙が無かった。アスナは如何してと思っていると
「次の満月までは私はただの人間となってしまう。坊やの血はすえないという事だ」
まぁもっともと続けるエヴァンジェリン。
「次の満月までに坊やがパートナーを見つけられれば勝負は分からんが…まぁ魔法と戦闘の知識に長けた助言者・賢者でも現れない限り無理だろうがな。フフ」
「なッなんですって!」
エヴァンジェリンの余裕ある態度にアスナはムッとしてしまった。ネギがここまで言い様に言われてムカッとしてしまった。そんなアスナを見て何かおかしいのかエヴァンジェリンは笑い出した。
「それよりもお前やけにあの坊やの事を気にかけてるじゃないか。子供は嫌いじゃなかったのか?同じ布団で寝ていて情でも移ったのか?だったら滑稽だな」
そんな事を言われて顔を赤くしながらも反論する。
「かッ関係ないでしょ!とにかくネギに手を出したら許さないからねアンタ達!というよりなんでネギだけ狙うのよ!マギさんは如何したのよ!?」
とアスナがマギの名前を出すと、ニヤリと笑っていたエヴァンジェリンが急に冷えた顔になった。アスナは急に表情を変えたエヴァンジェリンに思わずたじろぐアスナ。
「神楽坂明日菜…私の前で当分その名を呼ぶな。もし又その名を呼べば貴様の血を全て吸って吸い殺すぞ」
エヴァンジェリンの殺気に満ちた目で睨まれアスナは、は…はい分かりました。と思わず敬語で答えてしまった。
「ふん。茶々丸行くぞ」
「はいマスター」
それ以上は何も言わずにエヴァンジェリンはアスナの元から去って行った。茶々丸だけはアスナに礼儀正しく頭を下げて去って行く。アスナはマギの時だけ態度を変えたエヴァンジェリンを見てマギはエヴァンジェリンに何をしたのかとそう思っていると、何処からか悲鳴に近い騒ぎ声が聞こえた。大浴場からである。
「まったく今度は何よもう!」
とアスナは大浴場に向かって行った。大浴場に行くと其処には何故かマギが居た。
「あれマギさん、なんで大浴場に?」
「いやなんかあやかとまき絵がネギを癒そうとかで此処でなんかやっているそうだが…さっきから騒がしいんだよな」
とネギが親指でさされた大浴場は先程から何やら騒がしかった。
「何やってるのよまったく!アタシが先に行くからマギさんも付いて来て!」
「は?何言ってるんだよ。男の俺が女湯に行くなんてそれは流石にやば「いいから来て!」話を聞けよな」
とマギが言っていることを無視して、アスナはマギの腕を引っ張って大浴場に入って行った。そしてアスナが大浴場の中に入ってみると、アスナの目の前に何かの小動物が迫ってきた。
「なッ何よコイツ!?」
アスナは咄嗟に近くにあった風呂桶を掴み
「えい!」
パコーンッ!!
小動物を叩き落としたが、小動物は何もなかったかのように直ぐに起き上がると、素早い動きで大浴場の外に出てしまった。マギは走り去っていく小動物を見ていたが、その小動物が何処かで見たような気がしたが、気のせいだろうか、とアスナの方を見てみると
「アンタ達はなんて格好してるのよ!?ネギまで連れ込んで」
「いッいえアスナさんこれは誤解ですわ!!」
「ネギ君を元気付ける会なんだよ~~!!」
とアスナが叫んでしまったのはネギやあやかにまき絵その他の生徒の水着が無く全裸になっていたのでアスナが叫んで、マギはやれやれだぜとお決まりの台詞を呟いて事態の収束をした。こうして『ネギを励ます会』はあやふやな形で終わったのだった
ネギとアスナとマギは自分達の寮の部屋に向かっていたが、表情は疲労の色が現れていた。先程のネギを励ます会の収束は思ったよりも骨が折れた様であった。
「まったく…今日は散々な1日だったわよ」
「でも皆さんのおかげで少し元気が出ましたよ」
アスナは今日1日を振り返って疲れた様な溜息を吐いていたが、ネギは生徒達に励まされて少しは元気が出たようだ。でも…とすこし表情がしずんだネギとその隣にいたマギは何か考え事をしていた。
(まだパートナーが決まっていない。早くしないとエヴァンジェリンさんに今度こそ殺されちゃう…)
(今日はなんかエヴァンジェリンを怒らせちまったな。明日からどんな顔でエヴァンジェリンに会うか…)
と二人して溜息を吐いてアスナに怪訝な顔で見られていた。すると…
「景気の悪そうな顔してるんじぇねえかお二人さん。もしかして俺っちの助けが必要かい?」
と何処からか声が聞こえ、ネギとマギにアスナは辺りを探していると、下だよ下と今度はネギ達の足元から声が聞こえてネギ達は下を見てみると、ネギ達の足元に一匹の白いオコジョが女性の水着を咥えていた。アスナは若しかしてこのオコジョが喋っていたのかと思ったが、まさか魔法が何でもありだからと言っても動物が喋るわけがないと思っていたが、その考えは一瞬で崩れ去った。
「俺っちだよネギの兄貴にマギの大兄貴。アルベール・カモミールでさぁ。お久しぶりっす!」
足元に居たオコジョが流暢に喋り始めた。さらに
「かッカモ君!?」
「おーカモじゃねえか。懐かしいなおい」
「へへッお二人に恩を返しきたぜ」
と喋るオコジョとネギとマギが知り合いの様だった。
「姐さん。さっきの一撃はなかなかだったぜい」
「…魔法使いってなんでもありなのね…なんか頭が痛くなってきた」
先程大浴場にいた小動物はこのオコジョだったようだが、喋るオコジョを見てアスナはもう頭が一杯であるようだ
ネギとマギの前に現れたオコジョ、アルベール・カモミール通称カモとの出会いは5年前のイギリス・ウェールズの山中にて、カモは動物を捕まえる罠に足を挟まれていた。
「
と強引に罠を外そうとしたが、茂みがガサガサと揺れる音を聞くと
「あッうそうそ!ごめんなさい!食べないで!!俺っち食っても美味しくねえぞ!!」
とさっきまでの強気の威勢は消えてしまい腰が引けてしまった。しかしカモの前に現れたのは罠を張った人間じゃなかった。
「大丈夫。罠を仕掛けた大人には僕が言い訳しておくから。お兄ちゃんお願い」
「なんで俺が…メンドイな」
と2人の少年が現れ、兄らしい少年がカモの足を挟んでいた罠をメンドイと言いながら外してあげた。足が動ける様になったカモに弟の方の少年がにっこりと笑いながら
「もう罠にかかっちゃだめだよ。覚えたての治癒魔法で怪我を治してあげる」
とカモの怪我を魔法で治してあげたのであった。そうカモの怪我を治してあげ、罠を外してあげた兄弟は幼いネギと少年だったマギであった。罠から逃れたカモは近くの茂みで、怒られているネギとマギを見て
(あの2人こそ俺っちの求めていた漢の中の漢だよ!!)
と感動し誓った。立派な男になったらあの2人に恩返ししよう!と
「これが俺っちと兄貴たち2人との出会いなのさ!」
「へぇ~漢ねぇ…」
アスナはカモが話したネギとマギの出会いにそう返した。話に出ていたネギとマギはカモとの出会いに懐かしがっていた。
「いやー懐かしいなぁカモ君大きくなったね」
「ほんとに大きくなったなカモ。妹は元気にしてるのか?」
ネギはマギが言った妹言う言葉に首を傾げた。そう言えばネギは知らねえかとマギはそう言いながら
「俺が山で修業してた時に偶然にカモに会ってそこでカモの妹と会ったんだ。体が弱い妹でな俺がしばらくの間妹の看病をしてやったんだ。カモの妹なのに全然似て無くてかわいいんだこれが」
とマギが説明するとネギはへぇ~と言いながら
「カモ君に妹が居るなんて知らなかったよ。今度僕にも紹介してよ」
とネギが言うと
「あ…あぁ今度ネギの兄貴紹介するっすよ。マギの大兄貴の言う通り本当に可愛い妹なんすよ」
と何処か歯切れの悪い返事をするカモ。そッそんなことよりも!とカモは強引に話題を変えた。
「兄貴たち全然進んでねえじゃねえっすか」
「え?何が?」
とネギはカモが言っている進んでいないという意味がよく分からなかった。
「パートナー選びっすよ!パートナ選び!!良いパートナーを探さないとマギステル・マギになるにもカッコがつかないでしょ!!それにマギの大兄貴はその歳で未だにパートナー不在は流石に不味いっすよ!」
とカモがパートナー選びの事を話すとネギとマギは苦い表情になった。
「それはこれから探そうと思ったんだけど……」
「パートナーなんてそんな簡単に探せるわけねえだろ」
とネギとマギがパートナー選びに難攻しているのが分かるとそうスかとカモが何処からかタバコを出し(マギが吸っているタバコと同じ銘柄)咥えると煙を出しながら
「でも俺っちが来たからにはもう大丈夫っすよ!何故なら俺っちは兄貴達のお姉さんに頼まれた助っ人なんすから!」
と胸を張りながら(アスナにタバコを取り上げられ消されていたが)そうネギとマギにそう言う。
「ええそれ本当!?カモ君!」
「ネカネ姉から?ほんとかよ」
ネギはネカネの名前を聞いて嬉しそうだが、マギは何処か信じていない様子だった。とカモが話を続ける。
「さっきもあの大浴場で調べさせてもらいましたけど、すごくいい素材ダラケっすね!俺っちは確信しましたっすよこの中に兄貴と大兄貴の運命的なパートナーが必ず居るって!」
と自信満々にそう答えているとアスナはあからさまにカモを怪しんで
「なんでアンタがそんな事が分かるのよ?」
と胡散臭そうにカモをつついたが
「俺っちにはそういう特殊能力があるんすよ。とにかく!いけますぜ3-A!!この中にきっと兄貴と大兄貴のパートナーが」
居る!とカモが言い終える前に
「なんや騒がしいけど、誰か来とるんか?」
とシャワールームでシャワーを浴びていたこのかがバスタオルを巻いて部屋に戻ってきた。
「だッ誰も来ていませんよ!!」
とネギが誤魔化していたが、このかがカモの存在に気づくと
「可愛え~!!真っ白なオコジョや!ネギ君とマギさんのペットなん!?」
とこのかはカモを抱きしめると、そのまま外に飛び出し他の生徒を呼んだ。すぐさま生徒の何人かが集まりカモを触りだす。
「ネギ君とマギさんのペットなんやて!」
「かわいい~!さわらして!!」
「あ~たまんない肌ざわり~~」
流石の女子という事だろうか。カワイイ動物には目が無いのだろう。女子生徒達に触られているカモはというと
(へへ…全員俺っちの漢気にメロメロよ)
と恍惚な笑みを浮かべていたが次の瞬間
(!!こッこれは!?)
とカモの能力で何かを感じたのか、全身の毛を逆立てた。ネギはカモの元に行くと
「あの、僕これ飼ってもいいんですかね?」
と生徒達に了承を得ようとすると
「いいんじゃない?」
「この寮はペットOKだし!」
「うちが許可取ってあげるな」
と大丈夫そうであり、カモは無事に寮で飼える事が出来るようになったのだった。これでパートナー探しがいくらか楽になったネギは
「お姉ちゃんにカモ君をよこしたお礼に手紙を書かないとね」
「そうだな。ネカネ姉も喜ぶだろうよ」
とネギがネカネに手紙を書こうとすると
「あぁ兄貴!別に書かなくていいんすよ!」
と何故か必死にネギに手紙を書かなくていいとそう叫ぶカモ。そんなカモに何でと思ったネギとさっきから怪しい行動をするカモに眉を上げるマギ。そんな事よりも!とカモが何か大変そうな顔になりながら
「実は今いた女子の中にこれは!!というマギの大兄貴のパートナー候補がいたんすよ!!」
「えッウソ!?」
「マジかよカモ?」
とネギは驚いたような顔でマギは信じられない顔で、カモを見ていたがカモは生徒達の写真を見てこの娘っす!!とそのパートナー候補の女子の写真を指差した。その女子とは
「もう俺っちのセンサーもビンビンでさぁ!!」
のどかであった。確かにマギとネギが麻帆良に来た初日にのどかは危ない所をマギに助けられたことがあったし、ドッジボールの時もボールが当たりそうになった時もマギが代わりにボールを取ったりその他にも空いた時間や暇な時間にはのどかとはどんな本が好きなのかという話をして思い当たる節は幾つもある。
「如何なんすかマギの大兄貴?この娘とはまんざらじゃないんじゃ?」
とカモがマギに如何なのか聞いてみると
「…」
と何故か無言だった。大兄貴?とカモはマギが話を聞いているのか確認すると、マギは急に立ち上がりゴキッ!ゴキ!と首を鳴らすと、ソファーの方に向かっていた。
「お兄ちゃん如何したの?」
ネギがそう聞いても
「寝る」
の一言で普段着から寝間着へと着替え始めた。そして着替えながら
「そんな下らねえ事やってないで早く寝ろよ。明日も早いんだしよ」
時計を見ればもう10時を回っていた。確かにこれ以上起きていても明日がきつくなるだろう。とりあえずパートナーの話は此処までしておいてネギとアスナも寝る事にした。とアスナもベットに行こうとすると、ドアの郵便淹れに何かが入っている模様だった。中を調べてみると手紙でネカネからのエアメールだった。
「ネギのお姉さんからのエアメールじゃない」
とカモはネカネのエアメールを見てヤバい物を見たような表情になりながら
「あッ姐さん!その手紙俺っちが兄貴たちに届けておきますよ!」
とアスナの返事も聞かずに手紙を咥えて、アスナの元から走り去って行った。そしてアスナの姿が見えなくなると、アスナにばれない様に外に飛び出して寮の廊下にある燃えるゴミのゴミ箱に手紙をクシャクシャにしてゴミ箱に捨てたのだった。
「や…ヤバい!早いとこ手をうたねぇとまずい…!」
とカモは何処か焦ったようなそんな感じで呟いていた。
翌日の放課後、のどかは図書委員として図書館島まで本を運んでいた。
「図書館島からここまでは遠くて困ります~」
のどかは本を運びながらそんな事を呟いていた。そして1~2時間かけて本を運び終え、下校しようとして下駄箱を開けるとのどかの下駄箱に1枚の封筒が入っていた。なんだろうと思いのどかは差出人は誰かと思い、封筒の裏を見てみると
『マギ』
の名前だけ。
(もッもしかしてこれはマギさんからのらッラブレター!?)
のどかは逸る気持ちを落ち着かせ、ゆっくりと封筒を開けラブレターに何が書いてあるのか呼んでみた。内容はどんなものかというと
『のどかへ 放課後寮の裏で待ってる。俺のパートナーになってくれ。 マギ』
手紙を読み終えたのどかは
「う…ウソ…ぱッパートナーって…」
信じられないという顔をリンゴの様に真っ赤にしていた。しかしこのラブレターだが、マギ本人が書いたわけではない。カモがのどかを呼ぶためにカモが書いた偽のラブレターなのである。そんな事など露知らずのどかは嬉しさのあまりスキップで寮まで帰って行った。
一方ラブレターに書かれていたマギは何時もの石像が有るベンチでタバコを吸っていた。今日1日も何の問題も無く終われせる事が出来たと思った。しかし
「やっぱりだが、エヴァンジェリン奴来てなかったな。パートナーの茶々丸も居なかったし…やっぱり昨日の事で怒ってるみたいだな。まいったな」
と溜息と同時に煙を吐く。如何したもんかと考えていると
「大兄貴!マギの大兄貴~~~!!」
カモが大慌てでマギの元に走ってきた。
「如何したんだよカモ。そんな大慌てで」
「大変っすよ!昨日は話した宮崎さんがガラの悪い男達に女子寮の裏でカツアゲにあってるすよ!!」
「はあ?カツアゲ?と言うよりなんでのどかがそんな目にあってるのをカモが知ってるんだよ」
マギは何故のどかがそんな目にあっているのをカモが知っているのかを聞いてみると、カモは何故か視線を逸らしながら
「そ…それは俺っちオコジョの特殊能力っすよ!」
と今一説得力が無かったが、今はそんな事を考えている暇は無い。のどかがそんな事になっているのなら助けるのが教師である。
「兎に角行くぞカモ」
「そうこなくっちゃな大兄貴!」
とカモはマギの肩につかまり、マギは黒き翼を発動させて超特急で女子寮に向かった。
そして女子寮に到着すると、のどかは女子寮の裏で直ぐに見つかった。着地するとのどかの元に駆け付けた。
「おいのどか大丈夫なのか?」
のどかはというと、何故かお洒落をしていた。なんかおかしいと思ったマギは
「おいのどかガラの悪い男は何処に行った?」
「ガラの悪い男ですか?」
「襲われていたんじゃねえのか?」
「はい?如何いう事ですか?」
と話がかみ合っていない様だった。やっぱり何処かおかしいと思っていたマギだがのどかが次に言った言葉はマギを呆然させる一言だった。
「あ…あのマギさん。わッ私なんかがパ…パートナーでいいんでしょうか?」
「…は?」
マギは思わず呆然としていたが、肩に乗っていたカモがグッと拳を握っているのを見て合点がいった。
「おいカモ…」
「すまねえ大兄貴。てっとり早くパートナーの契約を結んでもらうために一芝居うたせてもらいましたぜ」
マギがカモを睨みつけると、カモは小声で謝るとマギの肩から離れた。そんな事をやっている間にのどかは話を続ける。
「おとといの吸血鬼騒ぎの時にはまた助けてもらって。私何だか何時もマギさんに迷惑かけてばかりですみません…」
「んな事ねえぞ。生徒を助けるのが教師の役目だしな」
とマギが当たり前の事を言ったら、だからとのどかは
「だから…お返しにマギさんのお役に立てるのなら私なんでも…がッ頑張りますからなんでも言ってくださいね」
のどか自分で言っていて恥ずかしいのか顔を赤くしながら精一杯の笑顔をマギに見せた。そんなのどかを見て何故だろうかドキリとしてしまったマギ。
「フフ…俺っちの読みは間違っていなかったようですぜい」
「あ?如何いう事だよカモ?」
カモが確信めいた事を言ってマギが如何いう意味かを聞いてみると、つまりとカモが続ける。
「一口にパートナーと言ってもただ隣に居ればいいってもんじゃないんすよ!互いに信じ合いいたわりあえる関係で有る事が重要っすよ」
「まぁ確かに。俺もパートナーを選ぶときはちゃんと支え合うかも考えているしな」
「あぁそれを踏まえてこの宮崎のどかはマギの大兄貴を好きである事ではズバリ現時点で№1なんすよ!!」
「好きってlikeの方だろ?」
「何言ってるんすか!ラブラブのloveの方っすよ!宮崎のどかは大兄貴の事を男として好きなんすよ」
マギは未だにカモが言っていることが理解できなかった。自分は鈍感ではないと思っていたが、のどかの気持ちを理解していなかったのはショックが大きいようだ。マギのその隙を逃すわけもなくカモは
「
とカモが叫ぶと、マギとのどかの足元に魔方陣が展開された。
「んだこれは魔方陣か?」
マギは行き成り魔方陣が現れた事に驚いていながらのどかの方を見てみると
「マギさんこれは何ですか?この光…何だかドキドキします…」
マギも魔方陣の淡い光に何故かドキドキと鼓動が高鳴っていた。普段はこんな事が起こるはずもないと思っていたのだが、これはカモが絡んでいるようだ。
「これがパートナーとの仮契約を結ぶための魔方陣っすよ!」
「仮契約!?本で読んだことがあるが此れがそうなのか?」
カモとマギが言っている仮契約とはどういう物かを説明すると
契約してミニステル・マギになった者は魔法使いを守りそして助ける事となる。その代りとしてミニステル・マギは魔法使いから魔力を供給してもらう事により、肉体的に精神的に増強されると言ういいことずくめという訳である。
しかし本契約がまだ出来ないネギやパートナー選びにこだわりを持っているマギはミニステル・マギを選ぶのはなかなか大変である。そこで出てくるのが仮契約システム。まさに言葉の通りにお試し契約である。
「さっそく仮契約を大兄貴!」
「メンドイけどやるしかねえか…」
とのどかと仮契約をしようとしたが、仮契約のやり方にマギはフリーズをしてしまう。
「仮契約なら何人でも結べるし解除も簡単だし軽い気持ちでキスを」
「おう…ってまて今キスって言いやがったよなお前」
とカモの方を見たマギにカモは確かに言いましたぜと言いながら
「キスが仮契約で一番簡単な契約方法なんでさ」
「ちょっと待て!キスは流石にヤバいだろ!?それにのどかをこんな騙す形でよ…」
とマギは仮契約を止めようとするがのどかは
「キスですか…わ私初めてですけど…マギさんがそう言うなら…お願いします」
と目を瞑ってのどかは唇を突きだした。マギはのどかにこんな形で初めてをするのは止めろと言おうとしたが
「ん…」
マギより背が小さいのどかが精一杯背伸びしてマギに顔を近づけようとしていた。そんなのどかを見てマギは溜息を吐きながら
(何時もならメンドイで済ませるけど此処はメンドイって言える状態じゃねえよな…腹括るか)
とマギはのどかの顔に自分の顔を近づけたのだが
(初めてって、俺も初めてなんだけどな…)
とマギもファーストキスをした事が無いのでどうやってやればいいのか分からず、これでいいのか?やらこのやり方はあってるのか?と苦戦していたが、漸くやり方を理解して少しづつのどかとの顔に近づき、そしてあと数cmで唇と唇が触れ合おうとしたその時
「こらこんのエロオコジョ」
と突如アスナが現れてカモを手で押さえつけた。アスナに押さえつけられたために魔方陣は解除され、のどかも緊張のあまりに気絶してしまった。みるとアスナの隣にはネギも居た。
「あッアスナ!?これには深い訳があってだな!」
アスナに不味い所を見られてしまいマギは必死に言い訳しようとしたが、アスナはマギには目もくれずにカモに近づき、あるものをカモに見せたそれは昨日クシャクシャにしてゴミ箱に捨ててあったネカネからお手紙である。カモは不味いと滝のような汗を流し始めた。
「アンタね命の恩人を誑かして何をしようとしたのよ!?ネギとマギさんのお姉さんからの手紙読んだわよ!お姉さんに頼まれたて来たなんて真っ赤な嘘じゃない!ほんとは悪い事をして逃げて来たんでしょアンタ!?」
(ひ~もうこの姐さんには全てばれてる~!!)
カモは目を回し、絶望的な顔になってしまっていた。
「しかも下着泥棒2千枚って何よこれ!?凄い量じゃない!」
「どッどういう事カモ君!?」
「昔からお前はスケベだったのは知ってたが、何でそんな大量の下着を盗んだんだよ?」
ネギとマギは何故カモが下着泥棒をしたのか理由を聞こうとすると、カモの観念したのか訳を話した。
「分かった話すぜ…マギの大兄貴には俺っちに病弱な妹が居るっていう事はしってるっすよね?」
「ああ妹の看病したのは今でも覚えてるぜ。それで妹と下着ドロに何の関係があるんだよ?」
と関係を聞くと、カモは実は…と何処か重そうな表情になりながらも
「実は妹の病気なんだが…治って無かったんすよ」
「は?治って無かった?俺が看病した時には元気になってたじゃねえかよ」
とマギは信じられないような顔をしていた。
「妹はマギの大兄貴が去って行った数日後にさらに病気が悪化しちまって、昔よしみの医者に妹を見てもらったらただの風邪とかじゃなくて重い病気だったんでさ」
とマギは如何してカモが昨日妹を紹介してくれと言った時に辛そうな顔になっていたのか理解出来た。
「だったら妹さんを早く治してあげたらよかったじゃない」
とアスナが当たり前の事を言ったらそれが出来たら俺っちだって下着ドロなんかしませんぜとそう言った。
「俺っちの家族は俺っちと妹しかいねえ。妹の病気を治すにはかなりの大金が必要なんでさ。それに金を稼げるオコジョは俺っちしかいねえのに一か月食っていけるか分からないような金しか稼げないほど貧乏な家でさ…おまけにウェールズの冬は寒い。寒さで妹の体は弱る一方で何とかしたい一心で保湿効果に優れた人間の女性の下着を拝借してるうちに下着泥棒の罪でお縄に掛かっちまったてわけでさ…」
と妹は知り合いの医者に預けましたがとカモはタバコを咥えて煙を吐いていたが、その表情は哀愁が漂っていた。
「ムショ暮らしじゃ妹に仕送りも出来やしねぇ。そこで覚悟を決めて脱獄を決意、脱獄に成功すると貨物船にゆられゆられて唯一頼れる人間のネギの兄貴とマギの大兄貴が居る日本に来たわけでさ」
そして今に至るという事である。アスナは
「だからって何でこんなことをしたのよ?」
と尋ねるとカモは言葉に詰まったが
「それは手柄を立てれば兄貴と大兄貴に使い魔として雇ってもらえると思いまして…マギステル・マギ候補の使い魔ともなれば追っても手出しが出来ないと思いまして」
「だからってアンタね…」
アスナはカモの考えに呆れていると、カモは諦めたような表情となりながら
「…すまねえネギの兄貴マギの大兄貴と姐さん。俺が尊敬する兄貴と大兄貴を騙して利用しようなんざ俺も地に墜ちたってもんさ。妹も俺っちが悪い事をしてまでも病気を治してあげても喜んでくれないだろうしな…笑ってやってくだせぇ。おとなしくお縄につくことにするよ」
おたっしゃでとカモはネギとマギの元から去ろうとしたその時
「まってカモ君!」
ネギがカモを呼び止めた。アスナはネギを見てみると吃驚してしまった。何故なら
「しッ知らなかったよカモ君が、そんな苦労をしていたなんて」
カモの過去の話を聞いてネギは号泣してしまった。ネギはまだ子供でこの話には弱いようだった。
「分かったよカモ君!君を使い魔として雇うよ!!」
「あッ兄貴良いんですかい!?こんなスネに傷持つ俺っちなんかで」
「うん月給は5千円でいい!?」
「十分でさ兄貴~!!」
とネギの使い魔として雇われることになったカモ。
「ったく勝手に話を付けるんじゃねえよ」
とマギが呆れていた。
「大兄貴?」
カモは不安になった。まさかマギは反対なのでは思っていたがそれは反対で
「俺も月給1万位は払うぜ」
「おッ大兄貴それじゃ…!」
「あぁもう妹に心配させるんじゃねえぞ」
「おッ!大兄貴~!!ありがとうごぜぇます!!」
とカモは感激の涙で号泣していた。
「いや…まぁいいんだけどね」
完全に蚊帳の外であったアスナはネギとマギとカモの遣り取りに軽く引いていたのであった。
という事でカモはネギとマギの正式な使い魔として雇われる事となったのであった。
その後ののどかは
「いッいやです…こんな所で寝ちゃって。しかもあんな恥ずかしい夢を見るなんて…」
と寮の近くのベンチで寝てしまっていて、さっきのマギとのやりとりを夢だと思い込んで顔を真っ赤にして顔に手を当て腰をくねらせていたのを。遠くでマギ達が見ていてマギがすまないと心の中でのどかに謝っていたのであった。
今回原作とは違う点があります
まず最初にのどかと仮契約をする相手がマギという事
これは今迄話から行き成りネギと仮契約をするのは無理があるという事です
もう一つはカモの妹の話ですが、これは本当に居ると言う設定です。
これで少しはカモが良い奴みたいなキャラになってほしくて出しました。
残念ですが、妹は話には絡むことは有りませんのであしからず。
感想よろしくお願いします