それではどうぞ!!
春休みを残すはあと1日、ネギは明日になれば3-Aとしての新たな1年が始まると思うとウキウキとしていた。
「明日から新学期~♪楽しみだねお兄ちゃん!」
とネギがウキウキしながらマギにそう言っていたが、マギは眠そうな目を必死に開けようとして
「何言ってるんだよぉ…こんな短い休みじゃなくて後2週間は休みが欲しいぜ」
と自分で淹れた濃いブラックコーヒーを啜っていた。カフェインが頭をスッキリとさせる。
「そんなに休みが有ったらだらけてしまうえー」
と朝食を作りながらこのかがマギにツッコミをいれた。
「朝食できたよー今日はベーコンエッグーイギリス風ブレックファーストやえー」
朝食が出来上がったようで、皿には盛り付けされたベーコンエッグとサラダがあった。人数が4人という事もあって、ネギとマギが自分の皿をテーブルに運んで行った。そしていただきますと言ってネギとマギはベーコンエッグを口に運ぶ。カリカリに焼けたベーコンととろ~り半熟の黄身が絶妙にマッチしていて…あえて言おう美味であると。
「うん!今日もとっても美味しいですこのかさん!!」
「全くだ。こうも美味い朝食を食えるとは嬉しい事だよな」
マギもとりあえずは料理は出来るが、正直食えればいいと言う考えで、味は二の次なのである。しかしこのかの料理は本当に美味しく出来ているのである。ネギとマギの感想が嬉しかったのかや~嬉しいわ~と言いながら顔を赤く染めていた。
「アスナはご飯食べたらすぐに居なくなってしまうからな~~」
「わッ悪かったわね!それじゃ行ってきまーす!」
アスナはばつの悪い顔をしながら一足先に朝食を食べ終えると、新聞配達のバイトに向かってしまった。バイト気よ付けろよ~~とマギ達がアスナに手を振って見送った。朝食を食べるのを再開するネギ達。
「でも本当に美味しいですこのかさん…将来はいいお嫁さんになりそうですね」
「もうネギ君たら褒めるのが上手やなー♡」
「…ハンマーのツッコミは止めとけな。危ねえから」
その後朝食を和気藹々としながら食べ終えた。その後は
「マギさん油汚れはしっかりあらってなー」
「おう了解」
朝食で使われた食器などをこのかの指示でマギが洗い
「ネギ君重くない?」
「はい大丈夫です!」
洗濯物をネギがこのかと一緒に部屋に運んだり
「このか今日は生ごみの日だっけ?プラスチックだっけ?」
「プラスチックやえーもうごみは纏めてあるからよろしくなー」
「りょうかーい」
マギがゴミ捨てに行き
「何時もありがとうなーネギ君マギさん」
「いえ僕達は居候な立場なので」
「こういう時に役にたたないとな」
とこのか部屋の掃除を手伝ったりした。そして一通りやる事が無くなり、このかがお手洗いに行っていると
「ちょっとネギ!マギさん!」
とアスナがバイトから帰ってきたようだ。そして手には封筒を持っていた。
「おうアスナおかえり。んで何だその封筒?」
とマギがアスナがもっている封筒を指差した。アスナは持っていた封筒をネギに渡した。送り先はというと
「イギリスからのエアメールよ!魔法学校からとか書いてあるわよ!」
まったく不用心ね!とアスナに文句を言われながらネギは封筒をもらった。そして封筒を開け手紙を取り出すとポウ…と手紙が光だし小さなネカネの立体映像が現れた。
『久しぶりネギにマギ♡元気にしてる?』
メッセージに現れたネカネは変わりなく元気そうでネギは嬉しそうだ。
「凄いわねコレ…流石魔法使いね」
アスナは魔法使いの手紙に驚きを隠せていない様子だ。
『2人ともちゃんと先生に成れたのねおめでとう。でもこれからが本番だから気を抜かずに頑張るのよ。特にマギはサボったりしないでね?』
「…なんで俺だけ一言余計なんだ?」
納得がいかずしかめっ面になるマギにネギとアスナはマギを落ち着かせていた。その間にもネカネの話は続いていた。
『それと…フフッちょっと気が早いけど貴方達のパートナーは見つかったのかしら?魔法使いとパートナーは惹かれあうものだからもう貴方達の身近にいるかもしれないわね……修業中に素敵なパートナーが見つかる事を祈っているわ』
「パートナー?」
ネギはパートナーと言う言葉にポカンとしていたが、アスナはパートナーと言うのが何なのか分からなかった。
「や…やだなぁ~お姉ちゃんたら!パートナーなんかまだ早いよ~!!」
「パートナー…か…」
ネギは気恥ずかしくなったのか手紙に書かれていた早送りのマークを押してネカネのメッセージを早送りしてた。マギはと言うと、パートナーと言う言葉に顎に手を置き考えていた。そしてメッセージが終わると
「ちょっとお~なによ~パートナーって!ガキのクセに生意気に恋人のことかしら?」
「ちッ違いますよアスナさん!」
アスナがネギの首に腕を絡みネギは照れ隠しに否定した。
「俺が説明しよう…とりあえずこの写真を見てくれ」
と言いながらマギはアスナにとある写真を見せた。写真に写っていたものは、魔法使いの女性の石像と男性戦士の石像だった。
「何よこれ?」
アスナは写真に写された石像は何か聞いてみると、故郷にある広場の石像です。とネギが答えた。
「僕達魔法使いの世界に伝わる古いお伽話で」
「世界を救う一人の偉大な魔法使いとそれを守り助けた一人の勇敢な戦士の話があるんだよ」
と故郷の昔話を話した。
「そのお話にならって今でも社会に出て活躍する魔法使いを支える相棒……
アスナはネギの説明でふ~んパートナーねえ…と考え思った事が一つ
「やっぱり女の子…というか異性…なんだよね?」
とアスナの疑問にまあそうですね。とネギが答えた。
「やっぱり男の魔法使いだと綺麗な女の人、女の魔法使いだとカッコイイ男の人がいいですよね…で今だと大体がそのパートナーと結婚する人がほとんどなんですよ」
「じゃやっぱり恋人みたいなものじゃない」
アスナはネギの頬をギューッと伸ばしていた。そんなネギとアスナの遣り取りなんか気にせずマギはまだ唸っていた。
「如何したのマギさん?」
「ん?いやパートナーのことなんだけどな」
「パートナーが如何したのよ?」
アスナの問いにいや……なとマギは
「さっきパートナーはカッコイイ奴とか綺麗な奴がパートナーになるのが良いって言ったけどさ、やっぱり一時の感情でそう言うのは決めたりするのは後々面倒だと思う訳よ俺は、だからさパートナーを決めるのはじっくり時間をかけて相手と付き合ってだな「ふ~んマギさんは結構純情なんやねー」そうそう俺は結構純情…ってこのか!?」
マギが急に振り返るとお手洗いに行っていたこのかがいつの間にか帰ってきたのだ。まさか魔法の手紙が見られてしまったのではないかと思ったが
「なんかパートナーとかそう言うのが聞こえたんけどネギ君とマギさんは恋人を探しにきたん?」
とどうやら途中から話を聞いていたようだ。
「じゃあうちらのクラス女の子だけで31人だしより取り見取りやね」
「ちッ違いますよこのかさん僕とお兄ちゃんは本当に先生に成る為に来たわけで別に恋人なんて…」
「そうだなさっきも言った通り俺はじっくりと時間をかけてだな…「みんなーネギ君とマギさんは恋人探しに日本に来たらしえー!!」…聞く気ねえんだな分かります」
マギが脱力したような溜息を吐いた。このかはスマンスマン冗談やと謝ると
「アスナ悪いけどおじいちゃんがまた呼んどるからまた行ってくるわー」
そう言ってこのかは学園長の元へ行ってしまった。
「またあの話かぁ…学園長もしつこいわね」
「あの話ってなんですか?」
とネギが聞いても、ん~?こっちの話よと言って教えてくれないアスナ。
「でもばれなくて良かったわね」
「ハハハ…そうですね」
アスナとネギはとりあえずばれる事が無くホッとしている様子だった。しかしこの時安心しきっていた事が災いとなっていた。
「…聞いた?」
「聞いたです」
風香と史伽の双子に話を聞かれていた事に気づいていなかったのである。そしてこれが後の災いとなってしまうのである。
「たッ大変です~!!」
「大ニュース!ネギ先生とマギ兄は日本に
と風香と史伽が2-Aの生徒達に先程の話をした。その話はどんどん広まっていき
「なッなんですって!?」
「ネギ先生とマギさんがパートナーを探している!?」
「パートナーって恋人のことでしょ?」
「結婚相手を探してるんでしょ?」
「結婚相手を探すって映画みたいだね~~」
と最初ら辺はまあどっちかと言うと正しく伝わっていたのだが
「ここだけの噂、ネギ先生とマギさんって実は小国の王子で正体を隠してるらしいよ」
「えー!じゃあ玉の輿じゃん」
「凄いやん!」
とありもしない噂話が出始めて…
「ネギ君とマギさんは舞踏会でパートナーを決めるんだって!!」
「おー流石は王子!!」
「ネギ王子はパートタイマーが好きみたいだよ!」
「ネギ先生がパーになったって!?」
「ネギ先生かマギさんをゲットできればお姫様だよーー!!」
とありもしない噂話が15分で寮内を駆け巡ったという。そして噂になっているネギとマギはと言うと
「(ゾクゥ!)うぉ!?」
「如何したのお兄ちゃん?」
「いッいや何か寒気が…」
ネギとマギはスーツではなく私服姿で散歩をしていた。ネギは何時ものように杖を背中に担いで、マギはタバコを吸っていた。
「…ったくさっきは危なかったな…バレタかと思ったぜ」
マギはさっきこのかに魔法の手紙がバレテしまったのかと思った。そうだね…とネギも同意しながら
「僕とお兄ちゃんが魔法使いだってバレたら連れ戻されるのは確実で下手するとオコジョにされちゃうもんね」
「バレタらメンドイ事になるのは確実だし、注意しないとな」
マギとネギは自分達がオコジョになった姿を想像して溜息を吐くと、よし!とネギは言いながら
「パートナーを探すのはしばらくは忘れよう!今は明日のからの学校に集中だ」
「そうだな…今探さなくてもいいんだ。気楽に行こうぜ」
とネギとマギはそして又散歩を始めた。しかし次の瞬間にはネギとマギは大変な目にあうのだった。
「ネギ先生~~!!」
「マギさ~~ん!!」
ネギとマギを呼ぶ声が聞こえ、ネギとマギは振り返り、そして固まった。
「ぜひとも私をパートナーに~~!!」
「ボクをパートナーにしてよマギ兄~~!!」
「私も私もネギ王子~~!」
「うわぁぁぁッ!!」
「なッなんだぁ!!?」
2-Aの殆どの生徒がネギとマギに押し寄せてきた。ドドドドと押し寄せる姿はまるで闘牛だった。
「ネギ君とマギさんパートナーを探してるんだって!?」
「それって恋人なの!?結婚相手なの!?」
「なッ何で皆知ってるですかぁ!?」
「どこかで聞かれたか?」
質問攻めにあいたじたじになっているネギとメンドイ事になったと思ったマギすると
「あ…あの舞踏会は何時に?」
「「はい?」」
あやかの舞踏会と言う言葉に首を傾げていると
「ネギ君とマギさんって王子様なの!?」
「何時も持ってる杖は王家の証とか!?」
「マギお兄ちゃんお妃にしてください!!」
「なッ何の話ですかぁ!?」
「噂の何処かでありもしない話がでたみたいだな………メンドイから逃げるぞ」
そう言ってマギはネギの腕を引っ張って一目散に駆け出した。
「あッ逃げたぞおえー!!」
そしてネギとマギを2-Aの生徒達が追いかける。
「なッなんか生徒の皆の目が怖いよぉ~!!」
「なんか面倒な事になってきたなおい…とりあえずネギ、次の曲がり角で飛ぶぞ」
マギの言った事にネギは頷くと生徒達から一気に離れると、曲がり角をまがった。ネギとマギが曲がり角で見えなくなっても生徒達は追いかける。
「ネギく~ん!!」
「マギ兄待てぇ~!!」
と生徒達も曲がり角をまがったが、ネギとマギの姿は何処にも居なかった。
「あッあれネギ君とマギさん此処をまがったよね!?」
「いないよ~!!」
「何処行った!?」
「探すのよ!!」
と生徒達は曲がり角で居なくなったネギとマギを探し始めた。しかしネギとマギはもう曲がり角には居なかった。何故なら
「一応空に逃げたしこれで大丈夫だろ」
「どうしよう…!何か変に伝わってるし」
ネギの杖で空を飛んでいたからである。ネギは杖に跨りマギはネギの杖に鉄棒の様に宙ぶらりんとなっていた。真下を見てみると未だに生徒達はネギとマギを探していた。このあたりに降りると又見つかってしまいそうだ。どうしたらいいかネギは考えていると
「仕方ねえが学校の方に向かうか。学校ならだれも居なさそうだし」
マギが片腕を杖から離して、学校の方を指差した。ネギはマギの意見に賛成し、空を飛びながら学校に向かう事にした。
学校に到着したネギとマギ。先に宙ぶらりんになっていたマギが着地して、誰かいないかを確認した。
「よし誰も居ねえな…ネギ、お前も降りて来いよ」
「分かったよお兄ちゃん」
ネギもゆっくりと着地した。そしてネギはホッと一息ついた。今頃生徒達はネギとマギを虱潰しに探しているのだろう。これで安心だと思った矢先
「あれ?」
とどこかからか声がして、ネギとマギは声が声がした方を見てみると
「びっくりしたー!」
と着物を着た女の子がいた。ネギとマギは不味いと思った。
(ヤベ…あの女の子がいた方は見ていなかったもしかして…)
(見知らぬ人に魔法がバレタた!?)
不味い展開になったと分かればすぐさま
「どッ何処の誰か存じませんが!今のはその…!」
「ネギ君マギさん」
「さっきのはワイヤーを使ったCGなんだよ。別にマジで飛んでいたわけじゃ…」
「ウチやウチ」
と着物を着た少女はネギとマギの事を気軽に呼んで、更に自分の事を指差して、ウチウチと言った。ネギとマギはアレ?と首を傾げた。この少女は何故自分達の事を知っている?もしかしてとマギは少女をジッと見つめた。少女はそんなに見つめられると照れるやんと顔を赤らめた。
「もしかしてこのか…か?」
「そうやよーなんか行き成り出て来たからビックリしたけどそーかーCGかーなるほどなー」
着物の少女はこのかだったのだ。
「わぁ!すごく綺麗ですねこのかさん!着物ですよねそれ!」
「ほんとに綺麗だな。というより何でそんな格好なんだお前?」
「ネギ君とマギさんこそどうしてこんな所に?」
と話していると急に騒がしくなった。ネギとマギは何事かと思うと黒服でサングラスをかけた数人の男がやって来た。
「木乃香様ー!!」
「何処に行ったのですかぁ!!?」
黒服の男たちはこのかを探しているようだ。マギは黒服の男たちが何なのかと思ったが
「ネギ君マギさん、ウチ逃げないとアカンねん!!」
と言ってネギの腕を引っ張ってこのかは学校の中に入って行った。マギは又面倒な事に首を突っ込んだと思うとやれやれだぜ……と呟くと、ネギとこのかを追いかけた。
ネギとマギとこのかはとある空き教室に逃げ込んで、何故このかがあの黒服から逃げてきたのかというと
「ええッ!?」
「このかがお見合い…か」
とどうやらこのかはお見合いから抜け出してきたようだ。という事は黒服達はこのかのボディガードだったようだ。
「そうなんや、
とこのかの経緯を聞いてそうだったんですか…とネギは納得したようだったが
「所でお見合いと言うのは何なんですか?」
とネギの素朴な疑問にこのかはズッコケてしまった。子供のネギにとってはお見合いと言っても何なのか分からないだろう。因みにマギは少しだけ日本の文化をかじっているため、お見合いと言うのがどういう物か理解している。
「いいかネギ?お見合いと言うのはな結婚相手、つまり将来のパートナーを探す日本の慣習なんだよ」
「え…パートナーを?」
「まあそういう事だ」
マギの説明にこのかはマギさんよく知っとるなーと言うと、少しだけ日本の文化をかじったんだよと答えた。
「そういう事なんやけど、これが相手の写真なんやけど、こんなにあるんよ」
とこのかは数枚の写真を見せてくれた。どれも違う男性ばかりである。
「えっとこいつは学校の先生でこいつは警察官…みんな若いな」
「皆カッコイイですね…凄い!この人はお医者さんで、この人は弁護士じゃないですか!」
とネギとマギは写真を見てそう言っていた。このかはええーウチややわーと嫌そうな顔をしていた。
「この人なんか倍も歳離れとるんよ」
とこのかが持っていた写真を見てみると、タカミチとおんなじ位の男性の写真だった。アスナだったら大喜びだろうが。このかはハア…と溜息を吐くと
「まだウチ子供やのに…将来のパートナーを決めるなんて早すぎると思わへん?」
と何処か疲れた様な顔になってそう言った。このかの言った事に自分達もそう思ったネギとマギ。確かに少女の内にパートナーを決めると言うのはいくらなんでも強引すぎる。
「そうですよね!分かりますこのかさんの気持ち!」
「確かにな…人生は一回きりなんだ。そんな簡単に将来の相手を決めちまうのは人生を損していると俺は思うぜ。やっぱりこういうのは一緒に笑ったり怒ったり泣いたり楽しんだりそうやって絆を深めていくもんだろ?それを身内の勝手で決めちまうってのはな…ジーさんに言ってみたらどうだ?『これ以上お見合いをするならもうおじーちゃんとは口をきかない』ってさ。そうすればジーさんお見合いをすることも無くなるだろ」
マギがそう言ってみるとこのかはうん試しに言うてみるとそう言うとフフとマギに笑いかけた。
「マギさんって色々と考えているんやね」
「そりゃそうだろ?一目惚れで付き合ってその女がすっげー自己主張の激しい女だったらメンドイ事になるだろ?」
マギの言った事にそれもそうかと同意するこのか。それやったらとこのかはネギの鼻を指でつつくと
「それやったらウチはこんなおじさんよりもネギ君とマギさんがパートナーだったらええなー♡」
とネギは急にパートナーと言われ、顔を赤くしてしまった。だってなーとこのかは話を続ける。
「ネギ君は大きくなったらカッコよくなりそうやし、マギさん大人になったら今よりカッコよくなりそうやし…やっぱ外国人はええなー♡」
とこのかはネギとマギが大人になった姿を想像して楽しんでいた。とそや!良い事思いついたと何かを思いついたこのか。
「ネギ君とマギさんのパートナーが誰か占ってあげるえ」
「えッ?占いですか?」
「なんだこのか、お前占いなんて出来るのか?」
マギが聞いてみると、もちろん!とこのかは自信満々に答えた。
「ウチ占い研の部長やねん」
とこのかは何処から出したのか水晶玉を出してきた。とさっそくネギとマギを占おうとしたが、悪いこのかとマギが謝りながら
「俺占いっていうのに興味が無くてな…自分の人生は自分で決めるって決めてるからそう言う占いで自分のこれからが決まっちまうのが嫌だっていうかさ」
マギが言った事にこのかはそっか~それは残念や~とこのかはそう言った。
「それじゃあネギ君を占ってみようかなー」
「はッはい、お願いします」
とネギの占いが始まった。このかは水晶を眺めながらフムフム…成程な~と何時ものようなおっとりしたような雰囲気ではなく、何処か真剣な顔つきで占っていた。ネギとマギはこのかの占っている姿を見て、もしかしたら当たるかもしれないと思ってしまった。
「ネギ君の将来のパートナーやけどな…ものすごく近くにいるで」
「そ…そうですか?」
とネギが聞くとこのかは占いを続けた。
「その人はこの春休みまでに仲良くなった女の子やな」
と言うが、ネギとマギはこの春休までにクラスの殆どの生徒と仲良くなったのでかなり多く、まだ誰かは分からない。
「それとな…ややなあ~ネギ君今日までにその子のパンツを見とるえ♡」
「ええッ!?パッパンツですか!?」
ネギは慌てはじめたが、ネギは良くクシャミで風を起こしてるせいで女子のパンツを見てしまう事はあった。これで数は絞れてきただろう。
「あとな…その子はツインテールと鈴がチャームポイントのちょっと乱暴者な女の子やな♡」
このかの分かりすぎる特徴にネギは吹き出してしまった。だってこのかが言っているその女の子は
「それってアスナさんの事じゃないですか!無理矢理占ないで下さいよ!!」
とネギは手をブンブンしながら涙目でツッコミをいれた。
「アハハ今のは冗談や。でもネギ君アスナの事好きやろ?」
とこのかは冗談の占いをやっていたようで、嘘の占いをしないでくださ~い!とこのかを追いかけネギ君顔真っ赤やで~♡と笑いながら逃げているこのか。そんな二人を見て溜息を吐いて呆れたような顔で笑っているマギ。
「でもネギ君とアスナ最近仲がええやん?」
「そッそんな事無いですよ!!」
とネギは否定するが、マギはそんな事は無いと思った。ネギと最初にあった時は、終始ネギの事を鬱陶しいような顔で接していたが、最近はネギに対しても笑ったり怒ったりとネギの前でも普通に接しているのだ。これで仲が良くないと言うのはそれこそないだろう。
「そーけ?アスナもまんざらでもなさそうやし…というより最近はうれしそうやけど」
とアスナの変わり具合が分かる所を見ると、流石はアスナの親友とも言えるだろう。
「それになウチも…」
このかはゆっくりと歩きながら、空いている窓の所に向かい振り返るとネギとマギに笑いかけながら
「ウチも…ネギ君とマギさんが来てから可愛い弟とカッコイイお兄ちゃんが出来たみたいで嬉しいえ♡」
このかの笑顔を窓に入ってきた桜吹雪がとても綺麗に感じられ、ネギと以外にもマギも顔を赤くしてしまった。
「…って僕は弟じゃなくて先生ですよこのかさ~ん!!」
「きゃ~ネギ君又怒った~」
とネギとこのかの追いかけっこが始まると思いきや、このかが着物に足を引っ掛けて転んでしまい、ネギを巻沿いにしてしまった。
「…何やってるんだよお前ら…」
マギは2人のやりとりを見ていて全く…と呟きながら溜息を吐いた。あたた…このかは転んでしまった体を摩りながらゆっくりと起き上がるとキャッと短い悲鳴を上げながら顔を赤くしていた。ネギは何故このかが顔を赤くしているのか分からなかったが次の瞬間には自分も顔を赤くしていた。
「あ…あう…」
ネギはこのかが来ている着物が翻り、下着が見えてしまっていてそれを見てしまったのであった。
「あちゃーウチもネギ君にパンツ見られてしもうたなー」
とパンツを見られてしまったが、何処か嬉しそうなこのか。ネギはどうやって言い訳したらいいか分からず慌てていると
「ふふふ…お二人とも仲がおよろしいようで」
と教室のドアから声が聞こえ、マギは誰が来たのか分かっているため、メンドイ奴が来たと言う顔になりネギとこのかは誰が来たのか振り返ってみると……
「ネギ…アンタねぇ~心配して探しに来てみれば何をやってるのかしら…?」
「木乃香さん…あなたという人は大人しそうな顔をしてネギ先生を誘惑するとは…」
怒りで体を震わしているアスナとあやかであった。よりにもよってこの2人に見つかってしまうとは運が悪いと言えばいいのだろうか…?
「アッアスナさん!ごッ誤解です!!」
「いやないいんちょ、これは違うねん」
ネギとこのかあアスナとあやかに違うと説明しようとしたのだが
「居たぞ!こっちだ!!」
と他に探していた者達もどんどん教室に集まってきて
「ネギ王子ぃ!!」
「マギお兄ちゃん!」
「ま…マギさん!!」
「発見ーー!!」
「このかお嬢様!!」
2-Aの生徒の他にもこのかを探していた黒服の男達も集まって来た。
「ネギ王子私と私とー♡!!」
「マギ兄!ボクと結婚しろ~!!」
「ま…マギさん…わッ私と!」
「マギさん!のどかを彼女にしなさ~~い!!」
「ハルナしつこ過ぎるです」
「このかお嬢様!今日は逃がしません!!」
「玉の輿だぁ~!!」
「木乃香さん抜け駆けは許しませんわよ!!」
「あ~んアスナ助けて~!!」
「あッアスナさ~~ん!!」
ネギとこのかを(マギにも数人いるが)捕まえようとする者達からアスナに助けを呼んでいるネギとこのか。そしてそこからは何時もの様に大騒ぎになってしまったのだった。
「やれやれだぜ…だけど」
マギはお決まりの台詞を言いながらも何処か黄昏た様な表情になりながら窓の外を見た。
「パートナー…か」
マギはパートナーと呟いた。もし自分のパートナーがもしかしたらネギの占いと同じように今まで知り合った女の子の中から出てくるのか……と思ったが、それは無いだろうと自己完結した。
「さっきも自分で言っただろう。こういうのはじっくりと考えるものだってな。焦らずいこうや人生は一度きりなんだし…………な」
そう言いながら、マギは何時ものようにタバコを吸った。しかし……今日のタバコは何時もより苦く感じるのだった……………
後日談だが、さすがにお見合いがしつこかったこのかは学園長に
「これ以上お見合いさせるならもうおじーちゃんとは口をきかへん!!」
と言うと溺愛している孫娘に口をきいてくれないというのは死活問題となるため、お見合いはしないという事になったのだった。
漸く原作第2巻が終わりました
遂に次回からは第3巻!
という事は………あの幼女が出るぞ~~~~~!!
幼女や!幼女最高~~~~~~!!!(作者はロリコンではありません)
感想お待ちしております