堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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1週間経って今更ですがあけましておめでとうございます
今年もマギまをよろしくお願いいたします。


雪広あやかのヒーリング計画

「うわぁ……すごいですね……」

 

感嘆の声を挙げ周りを見渡すネギ。今ネギが立っている所はそこそこ大きな透明感のある池がある大自然の中である。

鳥の囀りや水の流れる音や風で木々が揺れる音が聞こえ、自然音を聞いているだけで気持ちが癒されるような、そんな感じがする。

 

「ここは我が家が所有しているプライベートエリアの山の1つですわ。自然に囲まれて少しでもネギ先生が癒されればと思いお誘いした次第です」

「はい、故郷のウェールズを思い出して気持ちが晴れやかになります。お誘いしてくださってありがとうございます」

 

微笑みを浮かべながらあやかにお礼を言うネギ。

 

(あぁ……勇気を出してお誘いした甲斐がありましたわ……!)

 

あやかは心のなかでガッツポーズをする。ネギとあやかが何故ここにいるのか、それは数日前に遡る。

 

 

 

 

 

「山……ですか?」

 

金曜日の放課後、あやかが今回行く山にネギを誘う。何故自分を山に誘ったのか首を傾げていると

 

「不躾だとは重々承知しておりますわ。ですが最近のネギ先生はお辛そうだったので少しでも気晴らしになればと思いまして……」

 

あやかは慕っているネギが辛そうにしているのを見てよかれと思い誘ってみた。

しかしマギの記憶喪失からまだ1週間程、美空に悩みを打ち明けてからまだ3日しか経っておらず、まだ子供のネギが早々に気持ちの切り替えを上手く出来るわけでもなく

 

「ありがとうございます。でもまだ少し気分が……」

 

ネギは申し訳なさそうに断りをいれようとする。あやかも断られるだろうなと思っていた。

仕方ない、日を改めてまた誘おうと思ったその時

 

「待ったネギ、もしかして俺のことで遠慮してるのか?」

「それは……」

 

言うのを渋る。渋ったということはそういうことなのだろう。

 

「俺の事をそこまで思ってくれるのは正直言うと嬉しい。男の俺が言うのもなんだかな……でもそれでネギの貴重な時間を費やしてしまうのは何か違うと思う。だから俺のことは気にしないで気晴らしに行ってくればいい。因みに俺もその日には出かける予定があるから」

 

ネギの頭に手を置きながら微笑むマギ。マギが出かけるのなら何を遠慮することがあるだろうか。

 

「だったらお言葉に甘えて……あやかさんお願いします」

「ネギ先生……!マギ先生本当に宜しいのですか?」

「俺が良いって言ったのになんでまた確認するんだ?俺はむしろネギの事を思って誘ってくれたあやかに感謝してるんだ。その日はお願いしていいか?」

「はっはい!おまかせくださいマギ先生!!」

 

こうしてネギを誘うことに成功したあやかであった。

 

 

 

 

 

「まぁあんたがネギを誘ったのは分かったけど、何であたし達もさそったの?本当はネギと2人っきりがよかったんじゃないの?」

 

あやかはネギの他にアスナやこのかに刹那、プールスに楓に古菲にまき絵。千鶴と夏美と他何人かのクラスメイトを誘った。

ネギを好きすぎるあやかならネギと2人でランデブーするんじゃないだろうかと思ったのにあやかから

 

「アスナさんやこのかさん達も良ければ是非」

 

と誘ってきたのだ。犬猿の仲と言われるほどにぶつかってきた相手がどういう心変わりなのだと首を傾げてしまう。

 

「本音を言えばネギ先生と2人っきりで過ごしたかったですわ。けどアスナさん達がいればネギ先生も安心すると思っので誘った次第ですわ……お1人余計な方も来たみたいですけど」

「おい、それって俺のことかあやかねーちゃん」

 

ジト目であやかを睨む小太郎。夏美が誘われ夏美が小太郎を誘ったので来たのだが、あやか的には余り来てもらいたくない相手だった。

 

「貴方みたいな粗雑な子供が一緒だとネギ先生の心が休まらないからです」

「はんっネギみたいにうじうじ考える奴は思い切り体を動かせばいいんや。マギ兄ちゃんからもネギの相手してくれって頼まれたからな」

 

ぐぬぬと押し黙るあやか。マギに頼まれたと言われてしまうと強く言えないと考えていると

 

「ただまぁ今日はネギを癒すっちゅーことらしいし、ネギの独り占めは勘弁しといたるわ」

 

と珍しく小太郎が折れてくれた。千鶴や夏美が偉いと小太郎の頭を撫でて子供扱いするなと喚く小太郎。

少々一悶着ありそうだったが、これで無事にあやかの計画が進められそうだ。あやかは絶対にネギの心身を癒してあげようと心を燃やすのであった。

 

 

 

 

 

あやかが行ったのは池での水遊びや釣り。整備された山を登ったり安全が確保された洞窟の探検などしたりした。

時折小太郎が

 

「ちょっと組み手やろうや!」

 

とネギを誘い5分から10分の組み手を行った。そしたら楓や古菲が混ざって凄まじい組み手となってしまった。

あやかも目の前でネギが軽くではあるが本気で戦っているのを見ておろおろしそうになるが

 

「大丈夫よ。そんなに慌てることじゃないわ」

 

とアスナが落ち着かせた。どこか余裕を持っているアスナに驚く。

遊んだり組み手をやった後にお昼となり、お昼は誘った1人に五月がいたので五月が料理を振る舞ってくれた。

体を動かし食も満たされて満足そうにしているネギを見て心が温かくなるのを感じたあやか。

午後も色々な事をしようと思った矢先に自身の携帯電話がバイブレーションで震えた。

誰からかと思っていると父からだった。

 

「すみません、父から電話がかかってきたので少し席を外しますわ」

「あっじゃあ私もお花摘んでくる!」

 

とあやかとまき絵が席を外し電話に出るあやか

 

「もしもしお父様、どうなさったのですか?」

『ああ、あやか落ち着いて聞いて欲しい』

 

厳格な声で話を続けるあやかの父。父からの話を聞いてあやかは驚愕する。

 

「何ですって!?凶悪な強盗団がこの山に入ってきた!?」

『ああ、先程警察の方々からそう言った内容の電話が来て……』

 

凶悪な強盗団というのは最近世間を騒がせている強盗団で、自称『武闘派強盗団』と名乗っているらしく、その名を名乗るがために自身の体だけで数々の銀行を遅い、逮捕しようとした警察も蹴散らす程らしい。中には大企業も襲われたらしくその被害は甚大ではなかった様だ。

しかし傲り過ぎたのか、予告犯罪を企業に送り待機していた警察の特種部隊やらとぶつかり合いとなり多勢に無勢となったのか持っていた盗難車でその場から逃げ、検問などもそのまま突破し、空で追っていたヘリがあやかの家が所持している山の入り口で見つけたのことらしいし。

 

「そんな、なんて事ですか……」

『山事態は広いからそう簡単には出会うことはないと思いたいが、若しもの事がある。誘った皆さんを連れて急いで山を下りなさい。警察の方々も迅速に向かっていることらしい。私も仕事を中断して今向かっている。無事にいてくれあやか』

「はい、心配しないでお父様。この雪広あやか、凶悪な犯罪者に屈服するような弱い女ではありませんわ」

 

心配している父を安心させるように言い聞かせてから電話を切るあやか。しかし内心は穏やかではなかった。最初に来た感情は恐怖よりもなんてタイミングの悪いという感情だった。

これではネギを癒す計画が中途半端に終わってしまうではないか。しかしそんな事を考えていると暇などない。急いで誘った皆を集め山を下りなければならない。

 

「いいんちょ!お父さんからの電話なんだったのー?」

 

花を摘んでいたまき絵があやかの元へ駆けてくる。素直なまき絵に先程の話をすればおそらくパニックになるだろう。事態は一刻を争う。急いで話そうとしたその時

 

「ほう、この山には我ら以外に人が居たようだな」

 

山林の方から声が聞こえ、声の方を振り返るあやかとまき絵。目に映ったのは屈強な体をしたプロレスのレスラーが被る様々なマスクを被った10人の男が居た。

 

「だっ誰この人達!?」

「(なんて最悪のタイミングなんですか!?)……貴方達が今世間を騒がせている強盗団、そうですわね?」

 

強盗と聞いて目をこれでもかと見開くまき絵。その通りと強盗団は叫びながら各々ポージングをする男達。

 

「我らは己の肉体に絶対的自信を持ち、刃や銃と言った無粋な物を使わない人呼んで我ら『マッスル強盗団』!!」

 

安直過ぎる反面に強盗団の濃すぎる面々に引き気味のあやかとまき絵。

 

「ですがそんな強盗団も待ち構えていた警察の方々に敗走してここまで尻尾を巻いて逃げてきたみたいですわね。いくら肉体が優れているからと言って、文明の機器には勝てないようですわね」

 

ここは下手に挑発じみたことは言わない方が吉と出るだろうが、今は少しでも話を展開して少しでも時間を稼ぐべきであろうと判断するあやか。

あやかの挑発に何人かが激昂し飛びかかろうとしたが、名乗りを上げた男がすっと手を挙げると制止する男達。どうやらこの男がリーダーのようだ。

 

「そちらのお嬢さんの言う通りだ。我らは己の力を過信し過ぎた。力を蓄え新たな門出のために今は逃げることを決めた。そのためにお嬢さん方には我々が安心して逃げられるための人質になって貰おうかな」

「ひゃっはああ!!往生しやがれえええ!!」

 

リーダーの男が話している間に下級戦闘員の様なマスクを被った男が世紀末のような台詞を吐きながら襲いかかってきた。

まき絵は悲鳴を挙げるが、あやかは呼吸を整え、殴りかかってきた男の手首を掴み捻って倒した。合気道の小手返しである。

 

「はあぁぁ!!」

「びでぶっ!?」

 

気合いの入ったあやかに投げ飛ばされた男はこれまた世紀末のような悲鳴を挙げて泡を吹いて気絶した。

 

「見くびらないで欲しいですわね。この雪広あやか、貴方達のような悪には絶対に屈しませんわ!!」

 

強盗団を指差しどんという擬音が出そうな程の強気な姿勢を見せるあやか。しかし強盗団達はあやかが仲間の1人を倒したと言うのに冷静であった。

 

「笑止、その男は我らの中で最弱の男」

「その程度の筋肉で我らの一員を名乗るなどマッスル強盗団の恥さらしよ」

「面汚しよりも今あのお嬢さんが自身を雪広と名乗っていたが、もしかしなくてもあの雪広財閥の御令嬢ではないか?」

 

仲間が倒れても役立たずと吐き捨てるどころか、あやかが名乗ったことを聞き逃していない強盗団。

あやかはしまったと苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。思わず名前を言ってしまった自分を叱咤する。やっぱりと思っていたがこの強盗団、自身の家の事は知っているようだった。

 

「これはなんたる僥倖!いつかは狙おうと考えていた雪広財閥の御令嬢と出会うとは!これは我らが逃げるためと今後動くための資金獲得の為の人質となって貰おうか!」

 

興奮気味のリーダーがあやかを人質にすると決めた。黙って人質になる積もりもなくあやかは構える。

 

「私は悪に簡単に押さえ込まれる女ではありませんわ!最後まで抵抗させていただきます!!」

「そのようだな。先程の小手返し、惚れ惚れするようなキレだった。流石は御令嬢、護身術もしっかりと身につけているようだ。だが……それは相手が1人の時、我らのような多人数ではどうしようもない」

「きゃっ!?いいんちょ!!」

「まき絵さん!?おのれ卑怯な!!」

 

いつの間にかまき絵の背後に気配を消した男が回り込んでおり後ろから羽交い締めにし動けなくした。

 

「我らも女子供を人質にするような外道な真似をせず堂々と奪って来た。だが今は時間のない瀬戸際、強引な手を使わせて頂く。そちらが言うことを聞いてくれるのならば友人は解放してやろう」

「っ……わかり、ましたわ。言うことを聞く代わりにまき絵さんには手を出さないでください」

「いいんちょだめだよ!!」

 

リーダーの要求を呑むために自ら人質になるあやか。駄目だと叫んだまき絵の口を羽交い締めにしている男が塞ぐ。

 

「懸命な判断に感謝しよう。だが我らは悪、多少お嬢さんがあられもない酷い姿を晒せばご家族も首を縦に振りやすくなるだろう」

 

その言葉が合図となり何人かが下菲な顔を浮かべながらあやかに手を伸ばした。涙目になりながら口を塞がれながらも拘束から抜けようとするまき絵だが屈強な男の前ではまき絵など非力である。

 

(あぁネギ先生、どうやらここで私は純潔を散らしてしてしまうかもしれません……)

 

あやかは今ここで自身の純潔が散らされるかもと覚悟した。

ですが……と拳を強く握りしめ

 

「ですが……例えここで純潔を悪によって散らせようとも!ネギ先生、貴方への熱い愛を失うことは絶対にありませんわ!!」

 

涙目になりながらも男達を睨み付ける。それが更に男達をそそらせるのか遂にあやかの服に手が当たりそうになる。挫けるわけにはいかず、下唇を血が出そうになるまでに強く噛むあやか。

しかし、あやかが酷い目にあうことを、彼が望んでいるわけなどあるはずも無かった。

 

「やああぁぁ!!」

「ぐぶほぉ!?」

 

あやかに手を伸ばそうとした男の脇腹を一瞬で飛んで来たネギに全力と言って良いほどの重い一撃をみまわれ、鈍い声を出しながら吹っ飛ばされ木に叩きつけられた。

 

「ね、ネギ先生?」

「あやかさん大丈夫ですか!?どこも酷い事をされていませんか!?」

 

先程までいた男がネギに殴り飛ばされたことに呆然として理解が追い付いていない様子だ。だが自分が助かったということが段々と理解できたのか、目に大量の涙を浮かべてネギを抱き締めた。

 

「ネギ先生……私、怖かったです……!」

「はい、もう大丈夫です……!」

 

優しくあやかの背中を撫でてあやすネギ。

 

「なっ何者だ小僧!?どうやってここぐえ!!」

「どうやってやって?おっちゃんらが強い気配を出しとるから簡単に見つけてすっ飛んできたんやわボケが」

「小太郎君!」

 

まき絵を拘束していた男に瞬道で背後に飛び当て身で昏倒させる小太郎。あまりの呆気なさに鼻を鳴らす。

 

「なっ何をやっている!たかが子供に遅れを取るとは!」

「貴様らも我らマッスル強盗団に泥を塗る気か!!」

 

ネギと小太郎に昏倒させられた仲間を叱咤するが、リーダーだけは違った。

 

「この愚か者共が!!貴様らは力に傲るだけでなく目まで腐ったか!その小僧2人をよく見てみろ!!」

 

リーダーが激昂したことにより改めてネギと小太郎を凝視する。そして直ぐに大口を開けて驚愕する。

 

「何なんだこの気の密度は!?」

「我々と同等、いやそれ以上だと!!?」

 

強盗団が狼狽しているのを怪訝な目で見る小太郎。

 

「なんやあのおっちゃんら、喧しいやら随分濃い奴らやな」

「そんな事知らないよ。そんな事どうでもいいぐらい僕は怒ってるんだから」

 

瞳孔が開いて明らかに怒っているネギ。魔力と気が可視化出来る程だからそれほどだろうと一歩下がる小太郎。

 

「クックック……我は直ぐに分かったぞ。小僧、貴様強いだろう。恐らく我が今まで出会った中での一番の強者だ。貴様等はその黒髪の小僧を相手しろ我は赤髪の小僧とさしで勝負する。手出しはするなよ!」

 

そう言いリーダーは力を解放する。絶対的な自信を持っていたのはこの強盗団は魔帆良学園の豪徳寺と同じように一般人でありまがら気を使えるようだ。気を纏い臨戦体勢になるリーダー。リーダーに続くように強盗団の部下も力を解放して気を纏う。

 

「なんやあの偉そうなおっちゃん、ネギだけ指名して俺はおまけ扱いか?胸糞わるいな」

「ごめん小太郎君、あの人が僕と1対1で戦いたいなら僕はそれに応えて、いけないことをしてることを分からせてやる」

 

そう言いネギも構える。まぁ仕方ないかと雑魚を引き受けるかと気持ちを切り替える小太郎だが、1人があやかによって気絶させられ、1人はネギでもう1人は自分が戦闘不能にした。

まだ後6人いるがこいつらは全員雑魚だと自分1人でどうにかなりそうだが、今日は遊びに来ただけで喧嘩をしにきた訳じゃない。1人での相手が面倒やなと思っていると。

 

「何やら面白そうな催しをしているでござるな」

「私達も混ぜさせてもらうアル」

 

忍び装束に着替えた楓と混を構えた古菲が小太郎の横に並ぶ。

 

「拙者らのバカレンジャーピンクやいいんちょに酷い事をしようとした外道共、その罪は」

「体でしっかり払ってもらうアル」

 

顔には出していないが怒りを滲ませる楓と古菲。

 

「ほう、この小娘共もかなり強力な力を持っているようだな」

「我らの強さとどれくらい差があるのか試させて貰おうか」

 

相手が女子供で強盗団はもう勝った気でいるようだ。

 

「おいおっさんら。減らず口を叩くのも其処までにしておいた方がええで。楓姉ちゃんと古菲姉ちゃんの方がおっさんらよりも何倍も強いんやからな」

「ほう……だったら見せてもらおうか!!」

 

そしてネギ達とマッスル強盗団の戦いが始まる。

だが戦いは激闘が繰り広げられるかと思いきや、蓋を開ければなんてことなく、あっさりと終わってしまう。

何故なら一般人相手にその力を暴力として振るっていた強盗団と違い、ネギ達は護るためにその力を振るっていたからで、力の差は歴然でネギ達が負ける要素など全く無かった。

ダイジェストで小太郎や楓と古菲の戦いを見てみると

 

楓戦

 

『行くぞ兄貴!』

『おお!弟よ!俺達の力を小娘に見せてやろう!!』

 

兄弟の強盗が互いの気を掌に集める。

 

『『くらえ!俺達兄弟の一撃を!!』』

 

掌から放たれた気の波動が楓に直撃し動かなくなる楓。

 

『見たか俺達兄弟の力を!』

『殺しはしない。出直してくるんだな!!』

 

が倒れた楓が煙と共に消える。驚く兄弟強盗

 

『『『『『『残念。それは変わり身の分身でござるよ』』』』』』

 

自分達を取り囲む楓に何も言えない兄弟強盗

 

『『『『『『出直してくるでござるよ』』』』』』

『『ぐわぁぁぁ!!』』

 

6人の楓にタコ殴りにされあっさりと倒されてしまった。

 

古菲戦

 

『ハイヤー!冲捶!外門頂肘!裡門頂肘!』

『ぐおおこれは八極拳!!』

『一発一発が重すぎる!!』

『全然ダメアル!出直してくるヨロシ!猛虎硬爬山!!』

『『ぐぎゃああああ!!?』』

 

古菲の猛攻に耐えきれずあっさりと敗北。

 

小太郎戦

 

『………(びくびく)』

『……(びくん!びくん!)』

『っちなんや不完全燃焼やなつまらんわ』

 

雑魚に時間をかけるつもりなどなく瞬殺で意識を刈り取った小太郎。

あれだけデカイ口を叩いておきながらあっさりと負けてしまった強盗団の手下達。

一方ネギと戦っているリーダーは辛うじてネギに食らいついている模様だ。

 

「まさか、ここまで差があるとは……我も結局井の中の蛙だったということだったようだな」

 

手に気を纏ってネギに殴りかかっているが、ネギのカウンターだけがことごとく当たるだけでリーダーだけがボロボロになっているだけだった。

 

「なんでその力を悪い事に使ったんですか?その力があれば人を助けることだって出来たかもしれないのに」

「ふ、我もただの阿呆だったのだろうな。この力を手に入れてから我は負け知らずだった。悪事を働いていたのは我よりも強い者がいつか現れると思っていたのだろう。結果は我よりも小さい子供が我よりも強者であった。だが負けん!我の心が折れぬ限り敗けではないのだ!!」

 

叫びながらネギを殴り飛ばそうと拳を振り抜くが、ネギはリーダーの拳を強く祓い

 

「桜華崩拳!!」

 

ネギの必殺技がリーダーの体に練り込む。桜華崩拳を食らったリーダーは白目を向いて膝から崩れ落ちた。

 

「これが僕の本気です。よく味わってください」

「何言ってるんや。お前が本気出したらそのおっちゃん体がぐちゃぐちゃになるやろ」

 

 

こうして世間を騒がせていた強盗団はネギ達によってあっさりと敗北を帰してしまったのだった。

 

 

 

 

 

その後、遅れて警察とあやかの父が到着するが、強盗団があっさりと自らお縄を頂戴する事となり目を丸くする事となった。

ネギ達に負けた強盗団は直ぐに目を覚ましたが、戦意は喪失していた。

更に強盗団に善意で料理を作った五月が強盗団に何かを諭したようで五月の話を聞き終えた強盗団達は、自分達が何をやっていたのかと自らの行いを恥じていた。そしてリーダーも

 

「我が間違っていた。この罪償い切れることが出来るなら、今度は世のため人のためにこの力を振るいたい」

 

凶悪な犯罪を犯し続けていたのだ。出てくるのは何十年と先になるだろうが、改めて更正することを誓った。

捕まる前にボロボロであった強盗団は皆口を揃えて

 

「やたらめたらに山を進んで怪我をして観念した」

 

そう警察達に証言した。これはネギ達が自分達の事は公に出来ないと言ったので敗者として従い、ネギ達の事を黙っていることにしたのだ。

これで事件は無事に解決。あやかの父は皆が怖い思いをしてしまっただろうということで山の近くで自身の財閥が経営してるホテルに無償で宿泊してもらうことにした。

殆どの者は被害は受けておらず、被害を受けたまき絵は目の前でのネギの激闘を見ていた事で自身が人質になっていたことをすっかり忘れてしまっていた。

しかしご厚意を無下にするのもあれだしということでお言葉に甘えることにした。

そしてホテルに向かい、温泉で体を癒した後に夕食をたらふく食べて満足するネギ達であった。

 

 

 

 

 

「……凄いな。お兄ちゃんも来れば良かったのに……」

 

夜にホテルの庭園を歩いていたネギは夜空を見上げる。街の明かりが無いので満天の星空を見ることが出来てまたも感嘆の声を挙げていると

 

「ネギ先生……」

 

どこ申し訳なさそうな表情を浮かべているあやかが歩み寄ってきた。

 

「あやかさんどうしたんですか?」

「申し訳ありませんネギ先生。本当ならネギ先生を癒すためだったのにこんなトラブルに巻き込ませてしまって……」

「そんな、何を言ってるんですか。トラブルなんて偶然起こったようなものです。それにこんな素敵なホテルに無償で泊まらせて頂くなんてこれ以上にないことですよ」

「ですが……」

 

渋っているあやか。責任感が強い彼女は自分のせいで危険な目に合わせてしまったのだと責めてしまっていた。

そんなあやかにネギは優しくあやかの手を自身の手で優しく包み込んであげる。

 

「あやかさんそんなに自分を責めないでください。僕は僕のために色々として下さったあやかさんに感謝します。本当にありがとうございます」

 

ネギが微笑みながら感謝を贈るとあやかはまたも号泣してしまう。

 

「ネギ先生が私に感謝をしてくださる。それだけで感無量ですわ!!」

 

天にも昇るような幸福感。ネギに感謝をされてあやかのネギへの貢献のやる気は更に上がる。

 

「そして今日、ネギ先生の勇姿を見てネギ先生はただ者ではないと改めて痛感いたしましたわ!ならばこの雪広あやか!ネギ先生のために労力を厭わないことを改めてここに誓いますわ!!」

「あ、あはは……お手柔らかにお願いします」

 

決意の炎でその身を焦がすあやかを見て苦笑いを浮かべるネギであった。

 

「……ま色々とあったけど、元のいいんちょに戻ったみたいね」

「いい雰囲気やなー」

「いやお嬢様あれはいい雰囲気なのでしょうか……」

「ネギお兄ちゃんとあやかお姉ちゃん楽しそうレス!」

 

そんなネギとあやかを遠くからアスナ達が見守っていた。

こうして道中トラブルがあったがあやかのネギのヒーリング計画は何とか無事に終わったのであった。

 

 

 

 




今回はオリジナルですが、中々楽しく書いていました。
今回の話しか出ないのに自分なりに随分濃いけど噛ませなキャラクターを作ったなぁと思いました。

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