堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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お久しぶりです!漸く最新話が出来ました!!
話の後半からは完全にオリジナルです!!
原作の展開とはグダグダになってしまいました。
さらにここでは原作で出るキャラを先に出してみました

それではどうぞ!!


危機一髪!? 必死の地底図書室大脱出!!

『きゃああぁぁぁぁッ!!?』

 

 学園長ゴーレムにより足場を破壊され、現在落下中のアスナ達。どこまで落ちるか分からない恐怖によりただ泣き叫ぶしかなかった。

 

「うあぁぁっぁッ!!助けてぇぇぇ!!」

 

 ネギはアスナ達から少し離れた場所で泣きながら手を振って叫んでいた。

 

「!!」

 

 アスナはそんなネギを見て、落下中でありながらもネギに近づき、ギュッと抱きしめた。

 

「あ…アスナさん…」

 

 抱き着かれたネギ自身はアスナが抱きしめてくれて安心したのか静かに呟いた。その数秒後には広い場所に落下していき、下には大きな湖のような場所があり、ネギ達はそのまま湖に突っ込んでいった。人数分の水柱が上がった。

 

 

 

 

 翌日テストまで残り2日間、図書館島最深部にて。

 

「うっう~ん」

 

「あ……う…あ」

 

 アスナとネギが呻き声を上げながら、目をさまして体を起こした。その直ぐにまき絵達も目を覚ました。

 

「あっあれ?此処何処?」

 

 アスナは意識がハッキリしてないせいか、自分達の状況が今一掴めていなかった。

 

「そっそうだ。僕達ツイスターゲームで問題に間違えてゴーレムに落とされたんだ」

 

 ネギが段々意識がハッキリしてきて自分達が今まで起こった事を思い出した。起き上がったアスナ達は辺りを見渡して愕然とした。

 

「って何処なのよ此処は!?」

 

 そうアスナ達が今いる場所はというと、ビルと同じくらいの高さの木々が生い茂り、木の根っこがまるでマングローブの根っこみたいに湖に沈んでいた。壁がまるで日の光に明るいことと湖に本棚が水没しているのだ。

 しかしそんな事よりもネギは辺りを見渡して、顔がサァァァと蒼白くなりアスナ達もネギの顔の蒼白さに驚いて、如何したのかと聞いてみた。…居ないんですとネギの言った事が理解できなかったが次のネギの言った事にアスナ達も顔を蒼くなってしまう。

 

「お兄ちゃんが……お兄ちゃんが何処にも居ないんです!!」

 

 マギが居ないのだ。ネギは起き上がると全員がちゃんと居るか人数確認をしてみると、マギが何処にも居ないのだ。アスナ達もマギが居るかどうか辺りを見渡してみるが、やはり何処にも居ない。

 

「だっ誰かお兄ちゃんを見ていませんか!?」

 

 ネギはアスナ達にマギを見ていないか聞いてみたが、アスナ達も見ていないと首を横に振った。

 

「アタシ達も今さっきに目を覚ましたし、それにアタシ達何処から落ちてきたのよ?」

 

「あっあそこアル!!」

 

 古菲が指差した所は何処か不自然に開けられたあのように見える。結構な高さだ。

 

「あそこからこの湖まで結構高いでござるな」

 

「もっもしかして湖に落ちた時に変に落ちて気絶しちゃったとか!?」

 

「もしそうやったら今頃湖の底やで!!」

 

 楓が湖からの高さに汗を流してまき絵が最悪の場合の事を言って、このかが最悪のイメージを浮かべてしまった。ネギはマギが湖の底で溺れている姿を想像してしまい。

 

「お兄ちゃん……お兄ちゃァァァン!!」

 

 叫びながら湖に向かって駆け出した。アスナ達が制止をかけようとしたが、ネギは止まろうとしないで湖に飛び込もうとしたその時

 

 

 ムニュウ!!

 

 

 ネギが何か柔らかい物を踏みつけ呻き声が聞こえた。ネギが足を上げてみると

 

「イテェなぁ…」

 

 顔に靴の模様を付けられて、明らかに怒っているマギであった。如何やら少し離れたところで仰向けで倒れていたようだ。

 

「おッお兄ちゃん!よかった!!無事だった――――」

 

 んだね!とネギが安堵の声を上げようとしたが、ネギの眼前にマギの腕が迫っていた。

 

「人の顔踏んづけておいてごめんの一言もねえのかこの馬鹿ネギィ!!!」

 

 

 バキィィィッ!!!

 

 

「ゴペェッ!!?」

 

 マギのアッパーカットにネギは数m程飛ぶと地面に叩きつけられた。

 

((((((ええええええッ!?何という理不尽!!))))))

 

 ネギとマギのやりとりを見て、アスナ達は心の中でツッコんだ。たく寝起き早々酷い目にあったぜと言いながら、首をゴキゴキとならすとアスナ達の方を見て

 

「なにアホ面してるんだテメェ等?」

 

 とアスナ達にそう聞くと、アスナ達もブチと何かが切れる音がして

 

「何じゃないわよこの馬鹿マギさん!!」

 

 マギに向かって飛び蹴りをするアスナ。マギは何時も通り躱して

 

「だから如何したんだよオメェら何そんな怒ってるんだよ?」

 

 今一状況はつかめいない様子でアスナではなくこのかに聞いてみた。

 

「どうもこうもないよーうちらマギさんがうちらの近くに居なくて心配したんやよー」

 

「ネギ君マギさんがもしかしたら湖の底で溺れてるんじゃないかって思って湖に飛び込もうとしたんだよ!!」

 

 まき絵の言った事にマギはそうかと呟くとネギの元に近づいて

 

「だったら最初からそう言えよメンドクセェ奴だなお前は」

 

 とネギを叩いて起こした。ネギはすぐ起きるとマギに向かって酷いよお兄ちゃん!と抗議したが今のマギは聞いた事は右から左への状態だった。

 

「そんな事よりも、此処は何処なんだ夕映?」

 

 マギは図書館探検部の夕映に此処は何処か聞いてみた。

 

「ここはおそらくですが、幻と言われた『地底図書室』かと思われるです」

 

 地底図書室?夕映の言った事に同じく図書館探検部のこのかも個々の場所は知ら無いようで、夕映に説明を求めた。

 

「地底なのに暖かい光に満ち溢れ、数々の貴重本に恵まれた本好きにはまさに楽園と言われる幻の図書館です…!」

 

 夕映の何処か興奮で震えた表情の説明にネギ達はへ~と言った。ただし…と影が差しこんだ歪んだ笑みを浮かべながら夕映がさらに説明するが

 

「ただし…この図書館を見て生きて帰った者はいないと言われているです」

 

「「「えーー!!?」」」

 

 夕映の生きて帰れないと言う発言にネギとアスナとまき絵が悲痛な叫びを上げた。ネギ達が驚いたのは生きて帰れないという事よりもこのままではテストに間に合わないという事である。

 

「とにかく此処は脱出が困難と言うのは確かです」

 

「どッ如何するアルか!?これじゃあ明後日の期末試験に間に合わないアルよ!!」

 

「それどころか私達、このままお家に帰れないんじゃ!?さっきの石像みたいなのがまだいるかもしれないし!!」

 

 夕映の脱出困難という発言に古菲とまき絵がパニックになってしまった。ネギは何とか落ち着かせようとすると、アスナが怪我をしているのを見て大丈夫かとアスナに聞いたが、アスナは掠り傷だから大丈夫だとネギにそう答えた。そんあアスナを見て、ネギは治癒魔法を使おうとしてハッと思い出した。

 

(そうだ!僕は今魔法は一切使えないんだった!!)

 

 ネギは今更だが、魔法を封印したことを後悔した。

 

「駄目です。何処も登れそうな場所が有りません…外に居るハルナやのどかが助けを呼んでくれるとは思いますが」

 

 夕映の言った通り、図書館島の外で待機していたハルナとのどかは、内部との通信が突如途切れ事に慌てていたという。しかし、今此処を脱出する事は今の所不可能だと分かるとアスナ達は絶望的な顔になってしまった。

 

(皆が不安になっている…こうなったのは担任である僕の責任だ!皆の担任でもある僕が今こそ皆を勇気づけなきゃ!!)

 

 ネギが握りこぶしを作りながら皆を見渡して

 

「みッ皆さん!元気を出してください!!根拠は有りませんが直ぐに帰れますよ!!だから諦めないで此処で期末試験の勉強をしましょう!!」

 

 ネギの此処で勉強しようと言う発言にアスナ達は驚愕して呆然としていたが

 

「クククク…アハハハッ!!!」

 

 大きな笑い声が聞こえ、アスナ達は大笑いをしているマギを見た。アスナ達は今迄マギがこんなに大笑いしたことが無かったために少し戸惑っていた。マギはアスナ達が戸惑っているのを見ていや悪ぃと言いながら、笑ったために流れた目尻の涙を拭った。

 

「悲観的に物事見るよりも楽観的に見る事はいい事だが、此処で勉強するって言うのが可笑しくてな。いいんじゃねぇか」

 

 マギの言った事に古菲とまき絵も吹き出していた。

 

「そうアルな!今此処で落ち込んでいるよりも楽観的に考える方が良いアルな!」

 

「なんかネギ君が頼りになる所があるなー」

 

 古菲とこのかがネギの楽観的な考えに賛成の様だ。

 

「…ありがとうネギ君。本当は私のせいでこんな酷いことになったのに…それに魔法の本も取り損なっちゃたし…」

 

 まき絵がネギにそう謝ったが、これにはアスナもツイスターゲームの時に間違えたので、アスナも苦い顔となってしまった。

 

「そんな事無いですよ!魔法の本が無くたって今から頑張れば大丈夫です!!」

 

 とまき絵が負い目を感じていたが、ネギはそう励ました。

 

「そうでござるな。今から勉強すれば点数の10点up位は行けそうでござるな」

 

 と楓がネギの励ましの言葉に便乗するかのようにそう言った。

 

「う…うん!そうだよね!今からでも頑張ろう!!」

 

 ネギに励まされ、落ち込んでいたまき絵も漸く落ち着いてきたようだ。これで漸くみんなで勉強をする事が出来る。

 

「幸いな事に教科書には困らないようですし…」

 

 夕映は近くの本棚から授業で使われている教科書を取り出した。何故こんな所に教科書があるのかと言うのは今は気にしてもしょうがないだろう。

 

「よーし!それではさっそく授業を――――」

 

 ネギが授業を始めようとしたが

 

 

 ぐぅぅぅぅぅぅ~~~~~~

 

 

 皆の腹が一斉になりだした。腹がなってしまうのは仕方ないことだろう。ネギ達は目を覚ましてから何も口に入れていないのだから。という事で勉強よりも先に

 

「食糧探しだー!!」

 

 まき絵達は地底図書室に何か食べ物が無いか探し始めた。ネギも一緒に食糧を探そうとしたら封印の魔法をかけた腕が光っていた。ネギはさっそく光っている方の腕の裾をまくってみると、Ⅰの文字が消えていた。

 

「一つ目の封印が解けた…朝日とともに解けるから今は土曜日の朝か。此処に来て1日経ったんだ。封印が解けるまであと2日か…」

 

 まだまだ先が長いと思ったネギ。

 

「おいネギ」

 

 とマギがネギを呼び止めた。ネギはマギに行き成り呼び止められて、何事かと思ったが

 

「上手くアイツ等纏めてやれたじゃねえか。よくやったな」

 

 話はそれだけだ俺達もメシ探しに行こうや。そう言って先にまき絵達を追いかけて行った。

 

「まッ待ってよお兄ちゃん!!」

 

 1人取り残されたネギは慌ててマギを追いかけた。その顔には笑みが浮かんでいたのであった。こうしてたった2日間という短い地底図書室のテスト勉強が始まるのだった。

 だが…マギは地底図書に来た時から感じていた。誰かに見られている気配がとても強いと言う事に…

 

 

 

 一方の2-Aの教室では、最下位脱出のために一生懸命勉強をやっていたが、マギ達が図書館島で行方不明になったと言う事で、あやかを筆頭に大騒ぎとなってしまった。やっぱり駄目じゃないのか……と一抹の不安を覚えた2-Aであった。

 

 

 

 

 更に1日過ぎた日曜日の昼。ネギ達はテストに向けての授業に励んでいた。

 

「この問題ですが、まき絵さん分かりますか?」

 

「あッはい!35です!」

 

「正解です。よくできましたね」

 

 ネギに褒められて照れながら頭を掻くまき絵。

 

「では時間になりましたので、小休止にしましょう」

 

『はーい』

 

 ネギに小休止と言われ、喜ぶアスナ達。昨日の土曜日から今日の日曜日にかけて、ネギとマギがアスナ達にテスト勉強を行っていた。昨日はマギが歴史と国語と古典に家庭科を教え、今日はネギが英語と数学に理科を教えていた。2人の教えたかいがあり、アスナ達は苦手な勉強を少しづつ上達していた。でも不思議だよねぇとまき絵が呟いた。

 

「こんな地下なのに都合よく全教科のテキストがあって……おまけにトイレにキッチンに食材があって」

 

 そうまき絵の言う通り、土曜日の食料を探した時に、直ぐにキッチンと食材が見つかったのだ。最初は何でこんな所にキッチンと食材があるのかと疑問に思ったが、細かいことは気にしないのが2-Aであり、素直にラッキーだと思った。至れり尽くせりアルねと古菲が食べながらそう言った。

 

「それに本に囲まれてあったかくて、ホンマに楽園やなー」

 

「一生此処に居てもいいと思ってしまうほどです」

 

「夕映に賛成だな~メンドイ事なんて何もしなくてよさそうだな~」

 

 このかと夕映にマギが、何処から出したのか折り畳み式のチェアに寝転びながら本を読んでいた。

 

「ちょッ!こら~!夕映も勉強しなよ~!!」

 

 まき絵がぐ~たらしている夕映にツッコミをいれた。まあ案の定夕映は聞く耳を持っていなかった。そんな夕映を見て苦笑いを浮かべるネギ。

 

「それじゃ私達も休憩にするアルか」

 

「賛成でござる」

 

 と古菲と楓も休憩を取る事にした。と少し離れた所でまき絵が自分の体の匂いを嗅いだ。

 

(やっぱり2日も入ってないとちょっと臭いな~)

 

 この地底図書室はキッチンとトイレは有るのだが、何故かお風呂が無かったためにまき絵達はこの2日間で少し、汗臭く感じるのだ。まき絵はコソコソと皆から離れて行った。

 

「あれ、まき絵何処に行くアルか?」

 

 古菲に呼び止められたまき絵はアハハと笑いながら

 

「ちょっと水浴びに行ってくる」

 

 と教えるとあーと古菲たちも自分の匂いを嗅いで、確かにちょっと臭うアルなと言った。

 

「それじゃあ私達も」

 

「ご一緒してもよろしいでござるか?」

 

 古菲と楓が一緒に水浴びをしていいかと聞いてくるとまき絵も断るわけなく、一緒に水浴びに行った。

 アスナ達が休憩を取っている間に、ネギはマギを連れてこの地底図書室を可能な限り調べることにした。

 

「んでどうだネギ、何か分かったか?」

 

「全然分からないよ。不思議だと思ったのはこの水にも沈んでいたこの本ぐらいだよ」

 

 そう言いながらネギは水に沈んだ本を一冊取り出した。一遍何の変哲もない本だが水に沈んでいたというのに痛んでもいないし、腐ってもいない。不思議に思ったネギとマギは本を調べてみると、保存の魔法がかかっていて他の本も調べてみると同じだった。それに…

 

「なあネギ分かるか?この地底図書室に来てから、誰かに見られているのがより一層強くなってきてるのが」

 

 マギの言った事にネギも頷く。

 

「うん僕達の事をじっと見ているのが感じられるよ。だけど何もしてこないのが怖いよ」

 

 ネギの怖いという事にああそうだなぁと頷いて同意するマギ。

 

「早くこんな所をおさらばしないとなアスナ達があぶねえぞ」

 

 俺達も休んだら出口を探さねえとなと言って休もうとするネギとマギ。

 

「そう言えば封印の魔法は如何なんだ?」

 

 とマギが聞くと、ネギはさっそく腕を見てみるとⅡのマークも消えていた。残るは1日という事だ。

 

「あと一本…明日の朝になれば魔法が使えるはずだよ」

 

 とネギがマギに教えていると、前方がキャッキャと喧しい。何事かと2人がのぞいてみると

 

「え゛?」

 

「…おいおい」

 

 偶然にも水浴びしているまき絵達に遭遇してしまった。ネギ達に裸を見られてしまったまき絵達はと言うと

 

「「キャ~(アル)~!!」」

 

 悲鳴を上げているが、嫌がっているというより何処か面白い物を見たという反応だった。

 

「ああわわッ!すッすみませんでした~!!」

 

 ネギは赤くなりながらまき絵達に謝りながら、退散しようとしたが

 

「まあまあ待つでござるよ」

 

 と楓に捕まってしまった。ネギは逃げようとしたが、長身の楓に持ち上げられてしまって、足が地面につかない。

 

「ネギ君顔赤くしてカワイイ~~」

 

 と裸のまき絵が近づいてネギにちょっかいを出していた。ネギは目を瞑りながらも

 

「ぼっ僕は女の裸なんかに興味なんてありませんから!!」

 

 ときっぱりと言うと、さすがにショックだったのか

 

「ひどぉいネギ君!!」

 

「私達の裸なんかに興味ないアルか~!!」

 

 と泣き崩れた。まあ嘘泣きだがネギは信じ込んでしまい、あ…あの!その…!となんて言えばいいか分からずに

 

「ごッごめんなさ~い!」

 

 と言い残し、ネギは走り去ってしまった。マギはやれやれだぜ…と呟くとまき絵達の方を見ながら

 

「あのなオメェら、あんまりネギをそうやってからかうなよな。あれでもまだ10歳なんだからよ」

 

 とまき絵達にそう言う、まき絵達はとりあえずマギに謝ったが

 

「…ってマギさんはなんで私達の裸見てそんな普通にしてられるの!?」

 

 と年上のマギに裸を見られていると今更思いだし、顔を赤くしながらマギに問いただすとマギはさも当たり前と言った感じで

 

「別にオメェらみたいなガキンチョの裸見たって如何って事ねえよ」

 

 とマギの言った事に今度は本気でショックを受けた様で今度は本気泣きで

 

「うっううガキンチョって言われた~」

 

「もう立ち直れないアル~」

 

「拙者スタイルには自信があったんでござるが…」

 

 と以外にも楓もショックを受けていた。

 

「んなアホな事やってねえでさっさと服着ろよ」

 

 そう言い残すと、マギもネギを追いかけて行った。マギが居なくなるとまき絵はむぅと頬を膨らましながら

 

「マギさんのバカ!!絶対ボンッ!キュッ!ボンッ!!の悩殺ボディになって鼻血ブー!にしてやるんだから!」

 

「おー!大賛成アル~!」

 

 とマギを見返してやろうと燃えていたまき絵達の湖の底で、怪しい光がまき絵達の事を見ていた事に彼女たちは知らない。

 

 

 しかしさらに彼女達からかなり離れたところ

 

「グルルルルルル…」

 

 この世の生物とは思えない唸り声の主がまき絵達を覗いていた。

 

 

 

 さてマギは先に走り去ってしまったネギを探していた。

 

「ったくネギの奴何処に行っちまったんだ?」

 

 とネギの行方を捜していると、ネギの後姿を発見した。マギはネギに声をかけようとしたが、近くには体にタオルを巻いているアスナが居た。それを見ると何故か隠れて覗き見る格好となってしまった…別に覗こうと思ったわけではないので予め言っておく。と如何やら怪我したアスナの肩の包帯をネギが巻きなおしているようだ。アスナが何処か申し訳なさそうにネギに謝る。ネギは別に気にしてない言いたげに手を横に振った。そんなネギを見て、アスナはニッコリと笑っていた。そんなネギとアスナのやりとりを見ていたマギは思わずニヤリとした。ついこの間まではネギの事を疎ましく思っていたアスナが少しづつだが変わっているのだ。それにしてもとマギはアスナをジッと見てふと思った。

 

(やっぱりネカネ姉にそっくりだよなアスナって…)

 

 そう他人の空似にしては似すぎているのだ。ネカネとアスナは髪をおろすとますます似てくる。日本では世の中には似ている人が3人は居ると聞いた事はあるが、まさにそうだと思ったマギである。とその時

 

「キャー!」

 

 まき絵の悲鳴が聞こえた。悲鳴を上げたという事はただ事ではないという事だ。

 

「なんでこうもメンドイ事が度々起こるんだろうな?嫌になっちまうよ」

 

 マギは呟いて溜息を吐くと、悲鳴が上がった方へ向かった。向かってみると其処では

 

「ちょっ!誰か助けて~!!」

 

 学園長ゴーレムに捕まっているまき絵であった。

 

「マジで勘弁してくれ」

 

 本当に勘弁してほしいと思って呟いたマギである。

 

 

 

 

「ネギ君マギさん!!助けてぇ!!」

 

『フォフォッフォ。こんな小娘など一捻りじゃぁ』

 

 まき絵が動けない事を良い事に学園長ゴーレムが調子に乗ってアホな事を言いだし始めた。勿論そんな事するはずもないのだが、このゴーレムの正体が学園長が動かしているというのはマギしか分かっていないために

 

「こっこらぁ!このゴーレム!まき絵さんを離しなさい!それ以上僕の大切な生徒を虐めると僕も許しませんよ!」

 

 ネギは学園長ゴーレムが言った事を信じ込んでしまい、まき絵を離すように説得したが学園長ゴーレムは聞く耳を持た無いようでさすがにネギも頭に来たのか、自分が持っている杖をゴーレムに向けると、ラス・テル マ・スキルと詠唱を始めた。

 

「光の精霊11柱!集い来りて敵を射て!!魔法の射手(サギタ・マギカ)!!くらえ魔法の矢!!」

 

 ゴーレムに向かって攻撃魔法を放とうとした。

 

『ひょッ!?なッなんじゃと!?』

 

 学園長もまさかネギが本当に攻撃してくるとは思ってもいなかったので慌てはじめたが

 

 

 シィン……

 

 

 何も起こらなかった。ネギは何も起こらずにアレ?と思い古菲や楓はネギが言った魔法の矢にクエスチョンマークを浮かべた。

 

(しッしまった!今の僕は魔法は使えないんだった!!)

 

 ネギは時々抜けている時がある。学園長はネギが魔法を使えないと分かるとホッとしながらフォフォッフォと笑い声を挙げながら

 

『観念すんじゃな。この迷宮は3日もあれば脱出できるんじゃがのう』

 

 とさりげなく脱出出来る日数を教えてくれたが、3日と言う単語にネギ達は慌てはじめる。3日なんて期末試験が終わってしまいネギとマギはイギリスに帰ってしまう。

 

「3日も掛かったらテストに間に合わないアル!」

 

 古菲がそう言う様に他のアスナ達も絶望的な表情になる。ネギはアスナ達に諦めないでください!としか言えなかったが何かを思い出したかのように

 

「そうだ僕の魔法の杖を使えば空をとん「いい加減にしろネギ」ハブッ!?」

 

 ネギが今度は魔法の杖と言いそうになって、マギが何時ものハリセンでネギを黙らすとネギにアイアンクローをギリギリと食らわせながら

 

「テメェは魔法を秘密にしたいのかばらしたいのかどっちなんだああん?」

 

「ごっごめんなさい!」

 

 アイアンクローが痛いのか涙目でマギに謝った。それと又魔法の杖と言う言葉にクエスチョンマークを浮かべていたこのかになんでもない!!と叫びながら誤魔化しフォローするアスナ。

 

「とッ兎に角アタシ達はあきらめないから!絶対ここを抜け出して期末試験で最下位を脱出してやるんだから!!」

 

 とアスナがゴーレムに向かって叫んだ。そんなアスナを見てネギは目に涙を滲ませ

 

「あっアスナさん僕やお兄ちゃんのためにそこまで…」

 

「いッ一々アンタもそん位で泣くんじゃないわよ!!」

 

 アスナはネギに見られて恥ずかしくなり顔を赤くしながらネギに怒鳴った。

 

「兎に角逃げながら出口を探すわよ!このかは皆の荷物を持ってきて!」

 

「うッうん了解や!」

 

 アスナに頼まれ、このかは皆の荷物を持ってくる。

 

「!皆ゴーレムの首の所を見るです!」

 

 と夕映が何かを見つけた様で、ゴーレムの首の所を指差した。

 

「あれはメルキセデクの書!ゴーレムと一緒に落ちてきたんだ!!」

 

 ネギが言う様にメルキセデクの書がゴーレムの首に挟まっているのだ。そうと分かれば

 

「本をいただきます!クーフェイさん、楓さんお願いしますです!」

 

「了解でござる!」

 

「任せるアルね!!」

 

 と楓と古菲は本を取る気満々であったがネギは

 

「だッ駄目ですよ!生徒の古菲さん達ではゴーレムを倒すなんて!!」

 

 と古菲達を止めようとしたが古菲は心配ご無用ネ!とサムズアップをしながら

 

「中国武術研究会部長の力見るアルよ!!」

 

 そして古菲はゴーレムに接近すると

 

「ハイッ!!」

 

 気合と同時にゴーレムの脚の関節部分に強力な正拳を叩き込んだ。

 

『フォッ!?』

 

 正拳を食らった学園長ゴーレムは一撃だけで石像でつくられたゴーレムがよろけた事に驚いた。古菲を止めようとしていたネギと傍観していたマギも驚いた。古菲は中国武術研究会部長であり、この麻帆良学園では指折りの実力者であり、中学生でありながら達人クラスなのだ。

 

「アイーヤッ!!」

 

 と今度は飛びながらの回し蹴りでまき絵を掴んでいた手を弾いてまき絵を解放した。とまき絵が落ちるより前に楓がまき絵に駆け付け、まき絵を御姫様抱っこで受け止めた。まき絵が楓お礼を言いながら、何処から取り出したのか、リボンを持つとゴーレムの首に挟まれていた本にリボンを巻つけると

 

「えーいッ!」

 

 と思いっきり引っ張った。巻き付かれた本はそのまままき絵の手によってキャッチされた。

 

「やった~!魔法の本をゲットしちゃったよぉ~~!!」

 

「すッ凄いです!バカレンジャーさんの体力は!」

 

「目的の物も手に入ったんだし早くここからおさらばするわよ!!」

 

 アスナは走りながらそう言った。

 

「だなさっさと終わらせたい…」

 

 マギが言葉を最後まで言えなかった。何故なら

 

 

 

 ゾクゥッ!!

 

 

 

 マギの体中の毛が総立ち、体が一気に底冷える感覚に陥った。

 

(な…なんだ?今のは…)

 

 マギは行き成り事で気が動転してしまったが、これだけは分かった。何かがこっちに来ると。マギは立ち止まって、何かが来る方角をジッと見つめていた。

 

「お兄ちゃん何で止まっちゃたの!?」

 

 ネギはマギが行き成り立ち止まったのを疑問に思いながら叫ぶと

 

「いいかネギ、アスナ達を連れて全力で此処を脱出するぞ」

 

 ネギはマギが言った事が理解できなかったがその時

 

 

 

 グルゥウオウオオオオオンッ!!

 

 

 

 まるで暴風みたいな音が地底図書室に響きわたった。暴風音を聞いてネギやアスナ達も立ち止まってしまった。

 

「なに今の?風?」

 

「こんな所で風が吹くとは思えないでござるが?」

 

 アスナと楓は今の風の音が何なのかと思った。

 

「ん?ねえ皆あそこ見て!!」

 

 と楓に抱えられたまき絵が先程マギが見ていたのと同じ方角を指差した。アスナ達もまき絵が指差した方角を見てみると其処には

 

「何あれ鳥?」

 

「それにしては大きすぎるアル!」

 

「と言うかこっちに来てない!?」

 

 まき絵の言う通り、鳥としては大きすぎる何かがアスナ達の方へ向かっていた。とその時

 

「ギャオォォォォッ!!!」

 

 鳥としては有りえない程の大きな鳴き声にネギやマギにアスナ達は耳をふさいで、目を瞑った。

 

「なッなによこれぇ!!?」

 

「うッウルセェ!!」

 

 マギ達が余りの煩さに目を瞑っていると、謎の生物がマギ達の頭上を通り過ぎて

 

 

 ズゥンッ!

 

 

 近くの瓦礫に着地にしたようだ。ネギとアスナ達は恐る恐る目を開いて自分達の前に現れた者の正体を確かめようとした。そして目を完全に開くと、ネギやアスナにマギまでもが絶句してしまった。その体はゾウの何倍ともある巨大な体で、まるで恐竜の様であった。羽は鳥と言うより蝙蝠を連想するような羽であった。まるで巨木の様な尻尾に、トカゲのような顔つきに鋭利な牙が口から飛び出していた。爛々と光る眼玉がネギ達を見ていた。その生物はファンタジー小説では代表的なモンスターでもある。ネギは顔が蒼白になりながらも、そのモンスターの名前を言った。そのモンスターの正体とは

 

「ドドド(ドラゴン)!!?」

 

 ドラゴンが其処には居た。

 

 

 

「ギャオォォォォォォッ!!!!」

 

 ドラゴンの咆哮にアスナやまき絵はガタガタガタと震えてしまった。

 

「な…なによコイツ」

 

「こッ怖いよぉ…」

 

 いまのまき絵は蛇に睨まれた蛙の状態であった。ネギも腰が抜けそうになりながらも、何とか踏みとどまった。

 

(なんでこんな所にドラゴンが居るんだよ!?色々とおかしいだろ!)

 

 マギはなんでこんな所にドラゴンがいるのかと考えていると、学園長ゴーレムが追いついてきた。

 

『ひょッ!?ななんじゃこやつは!?』

 

(ジーさんもこのドラゴンの事を知らねえのかよ!本当に何なんだ此奴は!!)

 

 学園長でもこのドラゴンは知ら無いようだ。するとネギ達を睨んでいたドラゴンは唸り声を上げながらゴーレムを見ると

 

「グルルル…ガァァァァァッ!!!」

 

 

 ゴォォォォォォォォォッ!!

 

 

 ゴーレムに向かってドラゴンは口から火炎を発射した。そして火炎はゴーレムに直撃した。

 

『!?ヒョエエエエエ!!?』

 

 学園長ゴーレムは情けない悲鳴を上げながら、燃え盛り数秒後にはブスブスと燃え尽き石炭となってしまった。石炭になってしまったゴーレムを見て

 

「グルオォォォォォンッ!!」

 

 と勝ち誇った様な咆哮を上げたドラゴンは今度はネギ達を睨み付けた。

 

『ヒィッ!!』

 

 ネギとアスナにまき絵は短い悲鳴を上げた後に石炭になってしまったゴーレムを見た。もし自分達があんな火炎をくらったら、塵も残らないだろう。恐怖で足が動かなくなりそうになったその時

 

「おいテメェ等…俺がドラゴンを食い止める。だからテメェ等はさっさと脱出場所を見つけろ」

 

『!!』

 

 マギの言った食い止めると言う言葉にネギとアスナが反応した。つまりマギはあのドラゴンを1人で相手する事となる。

 

「だッ駄目だよ!お兄ちゃんが残るなら僕も一緒に戦う!!」

 

 ネギの言った事に、マギは荒っぽくネギの胸倉を掴むと自分の方に持っていきながら

 

「ふざけた事を言うのもいい加減にしろ!魔法が使えないテメェは足手まといなんだよ!!」

 

 と言い終えると胸倉を離した。そしてアスナの方を見ると

 

「アスナ、ネギを頼む」

 

「でっでもマギさん!1人なんて危険すぎるわよ!!」

 

 アスナがそう言うが、マギは心配すんなと言ってサムズアップをする。

 

コイツ(ドラゴン)を食い止めておっちぬなんて事はしねえよ。隙をついて逃げてやるからよ」

 

 だから俺を信じろとマギが言うと、アスナは頷いて

 

「ネギ、此処はマギさんに任せてアタシ達は早く脱出するわよ!」

 

「まッ待ってくださいアスナさん!お兄ちゃん!絶対戻って来るよね!?」

 

「あぁテメェの兄貴を信じろよ。だから」

 

 とマギはキリッした顔になりながら

 

「さっさと行きやがれぇッ!!」

 

「ギャオォォォォッ!!」

 

 マギが叫んだのと同時にドラゴンが咆哮してネギ達に火炎を発射しようとしたが、マギは高速で移動してドラゴンの真上に飛ぶと

 

「おいトカゲ野郎、テメェの相手は俺だぜ!!崩襲脚!!」

 

 ドラゴンの頭に叩き降ろすような蹴りを食らわす。ほぼ奇襲となる攻撃にドラゴンは

 

「ギャアァァッ!?」

 

 短い悲鳴を上げながら首を大きく振った。マギは空中で回転すると着地した。ドラゴンは攻撃してきたのは目の前の自分よりも小さい人間だと理解すると

 

「グルルルル…グルゥオオオオオオンッ!!」

 

 怒りの孕んだ咆哮をマギに向かって放った。マギの肌はドラゴンの咆哮でピリピリと震えていたが、マギは不敵に笑っていた。

 

「トカゲ野郎がいっちょまえに怒りやがって、上等だかかってこいよ」

 

 と拳を構えたが何かを思い出すと拳の構えを解いた。

 

(そうだ、せっかくだしガキの頃にタカミチに習ったアレ(・・)でも使ってみるか)

 

 とそうと決まればとマギは集中し始めた。

 

「……左腕に魔力」

 

 と左腕に魔力を集中させた。

 

「右腕に……気」

 

 と今度は右腕に人間誰にでもある生命力の源である気を集め始めた。そして

 

「合成!!」

 

 魔力と気を合成した。

 

 ゴォッ!!!!

 

 

 魔力と気が合成した事に爆発的なパワーが溢れていた。咸卦法。タカミチに教えてもらった強力な身体能力向上魔法である。咸卦法が成功したマギは再度拳を構えると

 

「気を付けろよトカゲ野郎…今の俺はテメェと対等の力を持っていると思え」

 

 とマギがそう言うと、ドラゴンの方も本能で理解した。今目の前にいるコイツは侮れないと

 

「ギャオォォォォッ!!」

 

 ドラゴンは咆哮を上げるとマギに向かって突進をした。ズシンッ!ズシンッ!と地響きを上げならマギに向かうドラゴン。そして

 

 

 ガシィィィィィンッ!!

 

 

 ドラゴンとマギが衝突した。普通だったら突進をされて吹っ飛ぶはずだがマギは

 

「へッへへどうだよ馬鹿野郎」

 

 ドラゴンの突進を受け止めていた。

 

「今度はこっちの番だ」

 

 そう呟きながら、マギは一瞬で後ろに下がると今度は一気にドラゴンの体に接近して

 

「連牙弾ッ!!」

 

 連続の素早い蹴りをドラゴンの体に食らわす。蹴りを食らったドラゴンは悲鳴を上げながら、マギを食い殺さんとばかりに口を大きく開け、マギに迫る。だがマギはそれを呼んでいたと言いたげに

 

「甘い!三散華ッ!!」

 

 ドラゴンの顔に拳と肘の三連撃がドラゴンの顔に直撃した。顔に直撃し脳を揺さぶられたドラゴンはフラフラになりながらも今度は巨木ほどありそうな尻尾を振りまして来た。

 

「そんなの効くかよ!!魔神拳!!」

 

 と今度は、拳から出る衝撃波で尻尾を上に打ち上げた。そして追撃と言わんばかりに、再度ドラゴンの腹に接近した。

 

「とっておきだ!!獅子戦吼!!」

 

 と今度はマギの拳から獅子を象った気の塊がドラゴンの腹にめり込んだ。ドラゴンは悲鳴を上げながら横転をした。横転をしたドラゴンを見て

 

「へへ。どんなもんだよ」

 

 と不敵な笑みを浮かべたマギ。しかしまだ終わっていなかった。ドラゴンは目をカッと開かせると

 

「グギャオォォォォッ!!」

 

 怒りの咆哮を上げると、翼を大きく広げ空に羽ばたいた。今度は空から攻撃するつもりなのだろ。

 

「たくタフな奴だな……」

 

 と呟いたマギ。だがドラゴンが空に飛んでも逃がすつもりなど毛頭も無かった。マギウス・ナギナグ・ネギスクウと詠唱を始めた。

 

「黒曜の輝き快速の槍となり敵を討つ! 悪魔の槍!!」

 

 詠唱が終わるとドラゴンの頭上に数本の漆黒の槍が現れた。悪魔の槍。闇の精霊魔法の一つである。悪魔の槍はそのままドラゴンに降り注ぎ

 

 

 ザシュザシュザシュザシュザシュザシュッ!!

 

 

 漆黒の槍がドラゴンを切り裂いた。そのままドラゴンは墜落し地面に不時着した。だがマギは攻撃の手を緩めない。

 

「これで最後だ。マギウス・ナギナグ・ネギスクウ 魂をも凍らす魔狼の咆哮、響き渡れ!! 血の咆哮!!」

 

 

 グォォォォォォォォォォッ!!!

 

 

 闇の精霊魔法の上位魔法血の咆哮。闇の波動がドラゴンをさらに苦しめるそして

 

「ギャオォォォォ……ォォォォ」

 

 遂には力尽きた様でドラゴンは首をゆっくりとおろしながら倒れた。マギはドラゴンに少しづつ近づいた。どうやら気絶しているようだった。別に殺すつもりもなかったのだが

 

「す…スゲェきつかった…当分キツイ仕事はこりごりだ…」

 

 と呟くとマギは咸卦法を解除した。この咸卦法だが強力なのだが、その分魔力と気の消費が激しいのだ。だから連続では使用できないのである。

 

「さて早くネギ達の所に戻るか。ていうか隙をついて逃げるとか言いながら倒しちまったな」

 

 まぁいいかと呟くとネギ達の所にいち早く戻る為に駆けだした。

 だが…マギは油断していた。倒したと思っていたドラゴンの目が少しづつ開いている事に……

 

 

 

 

 

 

 

 走る事数分マギは滝の裏に非常口を発見して、そこを除くとかなり長い螺旋階段があった。恐らくここが唯一の脱出場所なのだろう。登るのが多少面倒くさいと思ったが

 

「きつそうだけど…仕方ねえよな!」

 

 そう呟いて螺旋階段を一気に駆け上がる。キツイと言っている割には軽快な走りでどんどん上へ上へと駆け上がり、数分後には先に走っていたであろうネギ達の姿が見えた。

 

「よう。ずいぶんとゆっくりだな」

 

 とマギがからかいを含んだ軽口でネギ達にそう言った。ネギ達は一瞬だが自分達の前にマギが現れたのに呆然としていたが、次の瞬間には

 

『お兄ちゃん(マギさん)!!』

 

 驚いたような声を上げた。それは当然と言うべきだろうマギがドラゴンを食い止めると言ってまだ1時間経つか経たないかと言う時間で合流してしまったのだ。

 

「お兄ちゃん大丈夫!?怪我は無い!?」

 

 ネギはマギの怪我の具合を確かめた。

 

「ん?ああ別に大怪我はしてねえぞ。有ったとしても掠り傷だ」

 

 とマギは自身の怪我を指差してそう答えた。

 

「というかあのドラゴン如何したのよ!?」

 

「でっかいトカゲ倒したアルか!?」

 

 アスナと古菲はマギが食い止めたと思われるドラゴンがどうなったのかを聞いてみた。

 

「心配すんな。あのトカゲ野郎だったら今頃伸びてるだろ…「ギャオォォォォッ!!」……マジかよ」

 

 伸びてるだろと言い終えようとしたその時、今一番聞きたくない声が螺旋階段に響いた。マギ達は階段から下を見降ろし、苦虫を噛み潰した顔をとなった。マギ達が見降ろしてみると

 

「グルルルル!」

 

 先程倒したと思っていたドラゴンが螺旋階段の壁を破壊して、マギ達を睨みつけていて目は赤く充血していて怒り心頭なのは明らかだった。そしてドラゴンは唸り声を上げると羽を折り畳み、4足歩行のような体制になると

 

「グルオォォォォォンッ!!」

 

 雄たけびを上げながら一気に階段を上ってきた。階段が所々で重さに耐えられなくなって砕けたりしたが、ドラゴンはそんな事知った事ではなくどんどんマギ達との距離を詰めてきた。もうマギ達とドラゴンの間は300mあるか無いかの距離である。

 

「オメェ等走れぇッ!!」

 

 マギの叫びを聞くよりも前にネギ達は一斉に駆け出した。

 

「なっなんなんあれ!?」

 

 ドラゴンを見ていないこのかあれが何なのか走りながらアスナに聞いた。

 

「このか!今は走る事だけを考えて!!」

 

 説明している暇もなく、アスナはこのかの質問を走りながら受け流した。ふと夕映がケータイを見てみると電波のアンテナがたった。という事は

 

「!ケータイの電波が入りました!地上はもう直ぐ其処です!皆さん頑張って下さいです!!」

 

「!皆さん見てください!!」

 

 とネギが前方を指差した。ネギが指差した場所は作業用のエレベーターであった。

 

「エレベーター!?あれに乗れば地上に帰れるのね!!」

 

 アスナが喜びながら叫んだ。後方にはドラゴンが唸り声を上げながら向かってきたその距離あと100mと少し、迷っている暇など無い。

 

「早く乗り込むわよ!!」

 

 アスナの指示で一斉にエレベーターに乗るネギ達。これでもう安全だと思いきや…

 

 

 ブブー!!

 

 

 エレベーター内でブザーが鳴った。アスナ達は何事かと思っただがそれは

 

『重量overデス』

 

 エレベーターのアナウンスにアスナとまき絵と古菲が顔を真っ青にする。

 

「ちょッ!此処まで来てそんなの無いでしょ!!?」

 

「まっまき絵!今何キロアル!?」

 

「わっ私は痩せてるよ!そう言うくーふぇはどうなの!?」

 

 アスナ達はパニック状態になりギャーギャーと喚き散らした。そんな事をやっている間にドラゴンとの距離がどんどんと縮まって行くばかり。残りの距離はあと50m。

 

「みっ皆持ってる物や服を捨てて!アタシが片足出してブザーが止まるんだから、あとちょっとなのよ!!」

 

 とアスナが片足を出すと、確かにブザーが止まった。本当にあと少しなのだ。

 

「えっえい!!」

 

「これで如何あるか!?」

 

 まき絵や古菲が率先として衣服を脱ぎ捨て、いらない小物などを投げ捨てた。ネギは顔を赤くなりながら目を瞑っていた。ほとんどの者が全裸まじかの恰好になりこれで大丈夫かと思いきや

 

『ブーッ!ブーッ!!重量overデス重量overデス』

 

 まだブザーが鳴りやまなかった。

 

「こっこれだけやっても駄目アルか~!!?」

 

「もう捨てる物もないよ~!あと少しなのに~~!!」

 

 とまき絵が泣きだしてしまった。さらに悪夢は続き

 

「グルオォォォォンッ!!」

 

 遂にドラゴンとの距離が10mまで縮んでしまった。ドラゴンの怒りの顔がマギ達を睨んでいた。

 

「いやぁぁぁッ!!」

 

「もう駄目なの!?」

 

「お終いアル~~!!」

 

 アスナ達の絶望的な悲鳴が響く。ネギは杖をギュッと握りしめ

 

(どうしよう…!お兄ちゃんはもう戦う力を持っていない…だったら!!)

 

 

 ―――――今度は僕がアスナさんやお兄ちゃん皆を護る番だ!!―――――――

 

 

 ネギはエレベーターから飛び出し杖を構え、ドラゴンと対峙した。

 

「ドラゴンめ!僕が相手だ!!」

 

 ネギは勇気を振り絞り、ドラゴンに向かって叫んだ。アスナ達は飛び出しネギがドラゴンの相手になると叫んだのを聞いて仰天した。

 

「ちょッネギ!アンタ馬鹿な事は止めなさい!!」

 

「ネギ君危ないよ戻って!!」

 

「ネギ先生無茶でござる!!」

 

「危険アル!!」

 

 アスナやまき絵に楓と古菲がネギに戻るように叫んだが、ネギはギュッと杖を握る力をさらに強め

 

(お兄ちゃんが僕達を護る為に必死に食い止めてくれたんだ!魔法が使えない僕でも皆を護って見せる!!)

 

 そんなネギをドラゴンは口を大きく開き、ネギを食い殺さんと迫る。鋭利な牙が光る。アスナ達が悲鳴を上げる。

 

(あ…駄目だ。やっぱり怖い…)

 

 自分が死ぬかもしれないと分かると、すっかり戦意が喪失してしまったネギはゆっくりと自分が死ぬ瞬間を待った。

 

「全く、カッコつけすぎだよオメェは…」

 

 マギの呟きが聞こえると、ネギは思い切り引っ張られ、アスナ達の方に引き戻された。

 

「おッお兄ちゃん!何やってるの!?」

 

 見ればネギの代わりにマギがエレベーターの外に出ていた。

 

「テメェのヘマの尻拭いを誰かにさせるのは面倒だからな。俺に最後までさせてくれよ。それとテメェ等は此処から脱出する事じゃなくて期末テストで最下位脱出するのが目的だろ?」

 

 だからとマギが持っていたのは魔法の本であった。

 

「こんなくだらねぇモンのために命を張るんじゃねぇよ。テメェ等が本気出せばやれるんだって事を俺は信じてるぜ」

 

 そう言いながらマギはニヤリと笑った。

 

「おッお兄ちゃん!早く戻ってきて!!」

 

 ネギは泣き叫びながらマギに戻ってくるように言った。

 

「ネギ、俺はちゃんと戻って来るぜ。だけどなもし……戻って来れなかったらゴメンな」

 

 そう言って、マギはエレベーターのドアの開閉ボタンを押した。重量overのブザーが鳴らなくなり、ゆっくりとドアが閉まりだした。遂にはネギは泣き崩れてしまった。ドアが完全に閉まる前に見た物は、ネギに向かってサムズアップをしているマギの姿であった。そして…完全にドアが閉まった。

 

「お兄ちゃん!おにぃちゃぁぁぁぁぁぁんッ!!!!」

 

 ドアが完全に閉まり、マギの姿が見えなくなりネギは泣き叫んだ。ネギが泣き叫んでいる間に、エレベーターは地上の1回を目指して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 地底図書室に取り残されたマギと目の前には自分を食い殺さんとするドラゴンが居た。ドラゴンに睨まれているのにマギは懐からタバコを取り出した。そして何時ものとおり口に咥え火をつけた。タバコの煙があたりに漂いドラゴンは顔をしかめた。如何やらタバコのにおいが嫌いの様だ。そう言えばアイツラの前だとタバコを吸ってなかったなと思いだすマギ。久しぶりに吸うのは美味いと思った。

 

「ちょっとぐらい休憩させてくれよぅ…体がもたないぜぇ」

 

 そしてタバコを吸い終ると、吸殻を捨て潰しドラゴンを見た。

 

「さて…第2ラウンドと行こうぜトカゲ野郎」

 

 そしてマギとドラゴンの戦いが再び始まろうとしたその時

 

 

 

「――――――すみませんがちょっと待っていただけませんか?」

 

 瞬きする間に行き成りマギの目の前にフードを深くかぶった男が現れた。マギは気配を消して行き成り現れたこの男に驚いた。

 

(んだこの男…行き成り現れやがった何もんだ?)

 

 とフードの男に警戒心を持った。さらに驚きくことは

 

「ぐ…グルゥ…」

 

 あれだけ怒り状態だったドラゴンが大人しくなったのだ。マギはドラゴンを大人しくしたこの男を只者ではないと瞬時に理解した。

 

「申し訳ありません。この子は飛んでいた時に偶然と学生が来るような場所に迷い込んでしまったのです」

 

 学生が来るような場所?フードの男が言っていることが今一分からないマギ。

 

「そんな事よりもテメェは誰だ?ドラゴンを大人しくさせるなんて普通の魔法使いじゃねえだろう」

 

 マギはフードの男に名を聞いた。男はマギの方を振り返ると

 

「私の名はそうですね…クウネル・サンダースと覚えてください」

 

 フードの男…クウネル・サンダースはマギにそう自己紹介した。マギの脳裏にはフライドチキンを作っている白いスーツを着たお爺さんを想像した。

 

「何がクウネルだよ。ふざけた偽名を使ってるんじゃねえぞ」

 

 しかしマギがクウネルが偽名だと直ぐに分かった。クウネルはおやバレテしまいましたかとにこやかに言った。

 

「流石に鋭いですね…マギ・スプリングフィールド君」

 

「おい、何でテメェが俺の名前を知ってるんだ?俺はテメェに自己紹介をした覚えはねえぞ」

 

 何故クウネルがマギの名前を知っているのかそれは

 

「彼を…ナギ・スプリングフィールを知っているからですよ」

 

 クウネルの言った事にマギは目を大きく開き驚愕した。

 

「!なんでクソ親父の名前を知ってるんだテメェ!?」

 

 クウネルはマギがクソ親父と言った事に吹き出していた。

 

「それは彼とは友であったからですよマギ君」

 

「…それは本当か嘘かどっちだ?」

 

 マギの言った事にさあどっちでしょうね?ととぼけたように言ったクウネル。それにしてもとクウネルはマギの事じっと見ると

 

「やはり彼の息子だ。所々似ている所がある」

 

「あんなクソ親父と似てるなんて虫唾が走る」

 

 虫唾が走るとは随分と嫌われていますねと小さく笑うクウネル。

 

「如何ですか?ナギの昔話など」

 

 とナギの昔話を聞いてみるか?と誘うがマギはクソ親父の昔話なんて聞きたくもないと断った。

 

「泣き虫の弟と問題児が待っているからな」

 

 と言うと、そうですかとクウネルは呟いた。

 

「ふふっネギ君ですか。彼も面白い成長をしそうですね」

 

「ネギの事も知ってるって事は、俺達の事を見ていたのはテメェだったのか」

 

 そう今迄マギ達を見ていたのはこのクウネルだったようだ。

 

「ふふ。私の趣味は他者の人生の収集でしてね」

 

「……嫌な感じの趣味だなおい」

 

 とクウネルの趣味に呆れるマギによく言われましたと笑ってごまかすクウネル。

 

「さて私達もそろそろ居なくなります。マギ君……君とは近いうちに又会う事になるでしょう。その時には……ネギ君にもよろしくと伝えておいてください」

 

 それと…と言葉を区切ってクウネルが続けた。

 

「それと彼女を…アスナさん(・・・・・)の事は見守ってあげてください。彼女はネギ君やあなたの成長に欠かせない人物になるでしょうから」

 

 それではとクウネルが言い残すと、マギが瞬きをした瞬間にはクウネルとドラゴンは居なくなってしまった。残っているのはマギただ1人。なんか肩透かしを食らった気分である。

 

「クウネル・サンダース。ふざけた野郎だ」

 

 だが…只者ではないと感じた…変人だけど。とネギ達を1階に連れてったエレベーターが戻ってきたようだ。マギはエレベーターに乗り込むとフウと溜息を吐いた。これで一段落着いたようだ。

 

「アイツ等、絶対心配してるだろうな。はぁ」

 

 絶対に何か言われるなぁ……そう思ったマギである。

 

 

 

 

 

 

 

 一足先に図書館島から脱出したネギ達の顔は沈んでいた。マギを置いて行って自分達が脱出したのだ。今頃マギがどうなってしまったのか分からないのだ。

 

「……」

 

 ネギは黙って地底図書室に戻ろうとした。

 

「何処行くのよネギ?」

 

 アスナは静かに尋ねた。

 

「お兄ちゃんを助けに行きます。すみませんが止めないでください」

 

 とネギがそう答えた。ネギの答えにアスナは馬鹿ね……と呟くと

 

「アンタひとりじゃ何もできないでしょ?アタシもついていくわよ」

 

 とアスナがついていくと言った。ネギはありがとうございますとアスナにお礼を言った。

 

「ネギ坊主!中国武術研究会の部長もお供するアル!!」

 

「助けるには数が多いに越した事は無いでござるからな」

 

 と古菲と楓もついてくるようだった。ネギはありがとうございます!とお礼を言った。

 

「このかと夕映ちゃんまき絵は此処で待ってて。直ぐに帰ってくるから」

 

「うっうんきーつけてなー」

 

 このかは心配そうにそうアスナに言った。そんな遣り取りをやっている間に、エレベーターがやって来た。そしてエレベーターのドアが開き始めた。エレベーターに乗り込もうとしてドアが完全に開くと

 

「…おうお前らまたせたな」

 

 エレベーターの中からマギが現れた。ネギ達はまさかマギが出てくるとは思わなく、ポカンとしてしまった。

 

「おっお兄ちゃん無事だったの!?」

 

 いの一番にネギがマギに大丈夫かを聞いて見ると

 

「ん?あぁ別にどうって事ねえぜ」

 

 とさも平気そうにそう言う。ネギはマギの無事具合にポカンとしていたが、次の瞬間には目には涙をためて

 

「うう……お兄ちゃん!!!」

 

 と泣きながらマギに飛びついた。マギは何時もなら嫌がるのだが、今回は特別にネギを抱きしめてあげた。

 

「悪いなネギ。心配かけてな」

 

「いいんだよ。お兄ちゃんが帰ってきてくれたなら」

 

 とネギはマギの事を許してあげた。そんな抱擁をやっているとアスナ達もネギとマギに近づいた。

 

「マギさん大丈夫なの!?」

 

「怪我はしてないでござるか!?」

 

「あのトカゲは如何したアルか!?」

 

 アスナ達もマギが大丈夫かを聞いた。思ったよりも心配されてマギは苦笑いを浮かべた。

 

「ワリィな心配させちまって。俺はこの通り大丈夫だからよ」

 

 マギが大丈夫だと言うと、アスナ達も安心したのか腰を抜かした。

 

 

 

 

 

 夕方、マギ達は学生寮に向かっていた。脱ぎ捨てた服はマギが集めてくれたようで服はちゃんと着ている。

 

「いや~図書館島では散々だったアルな~」

 

「怖い思いをしたけど楽しかったよね~?」

 

 古菲とまき絵が図書館島の出来事を思い出していた。

 

「冗談。俺はもうあんな所には行きたくねえぜ」

 

「あはは」

 

 マギは疲れた様な溜息を吐き、ネギは苦笑いを浮かべていた。それにしてもとアスナがマギを見た。

 

「魔法の本捨てちゃったのよね。少し残念だったなぁ」

 

 魔法の本だがマギがドラゴンと戦うために投げ捨ててしまったのだ。

 

「なんか悪いな。せっかく手に入れた本を捨てちまって」

 

 とマギが謝るが、アスナ達は別にいいわよと気にしていない様子だった。

 

「そもそもアタシ達が変なものに頼ろうとしたのが悪いのよ」

 

「今夕方ですから、期末試験までざっと15時間です」

 

「必死に勉強すればなんとかなるやろー」

 

 アスナ達の言った事にネギは皆さんと呟いて、涙を浮かべる。そんなネギを見てアスナは小さく笑いながらネギの頭を撫でた。

 

「それじゃテストまで死ぬ気で勉強するわよ!!」

 

『おおーッ!!』

 

 アスナが宣言して、このか達も腕を大きく掲げた。期末試験までの残り時間までアスナ達は死ぬ気のテスト勉強を開始するのだった。

 アスナ達2-Aは無事学年最下位を脱出できるのか……?運命の期末試験は遂に明日と迫っているのだった………




はい今回出た原作のキャラはドラゴンとクウネル・サンダースでした。
今回の展開で有りえないとか可笑しいと思った読者たちも居ると思います絶対に
申し訳ありませんが、この展開は前々から考えていたものでこのように原作のキャラが
先に登場するという事がありますがご了承ください

次回の期末試験は短めでやるつもりなので待っていてください

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