堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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始めましての方や、お久しぶりの方!ユリアでございます
ネギまの小説を書いてみました
どうぞ!


~プロローグ~
プロローグ


 西暦2002年1月中旬のイギリス、ウェールズ・ペンブルック州。そこにある大きな池に、一人の青年が座りながら池に釣り糸を垂らしていた。

 青年の髪の色は赤というより朱色に近い色で、髪型は分かれたショートカットだが、後ろが長めで、ひもで纏めていた。身長は182㎝位で、目は垂れ目であり何処かやる気のなさが滲み出ていた。

 口にはタバコが加えられていて、はぁと口を開くと、口からは、タバコの煙がモワモワと出て来た。タバコの灰がボロボロと落ちても青年はボーとしていた。

 

 と池に垂らしておいた竿の糸が、バシャバシャ!と水面が揺れていた。如何やら魚が針にかかったようだ。青年はボーッとしながらも竿をクイッと上げた。

 針を水面から出すと、30㎝のまぁまぁの大きさの魚がかかっていた。青年は針にかかった魚を慣れた手つきで針から離し、そのままリリースした。

 リリースされた魚は元気そうに泳いでいて、直ぐに見えなくなっていた。青年はそれをただじっと見ていると、又竿を水面に投げ入れた。そして針が沈んでいる所を見ていて、ふと呟いた。

 

「…暇だ」

 

 そう彼は、さっきから釣った魚をリリースしては又魚を釣るという事を、かれこれ2時間ほど繰り返しているのだ。

 見ると青年の足元にはタバコの灰皿が置いてあり、吸殻が山のように積もっていた。青年は吸い終ったタバコの吸い殻を又灰皿にねじ込むと、懐から新たなタバコを出して咥えると、ジッパーライターでタバコに火をつけた。

 そしてまたボーッと魚釣りが始まるかと思いきや、ドタドタと何かがこちらに近づいて来る足音が聞こえた。青年がダルそうにしながら足音の方向を向くと、顔に汗を大量に流していた中年の女性がこっちに向かっていた。

 

「マギッ!マギッ!!アンタこんな所で油売ってたのね!!」

 

 中年の女性が大声で叫びながら、青年の名前らしきものを呼んでいた。如何やらこの青年の名前はマギという名前の様だ。マギと呼ばれた青年は、自分の名前を呼んだ女性を嫌そうに見ながら、はぁと溜息を吐きながら(ついでにタバコの煙が出た)。

 

「なんだ。チーズ屋のおばちゃんじゃねえか。いいだろ?俺が何しようと」

 

 マギはだらけきった態度でチーズ屋の女性主人にそう言った。女性主人はハァ~まったくと呟きながら、マギに近づくと、容赦のない拳骨をマギの脳天に叩き込んだ。ゴチィィィンッ!!という結構痛そうな拳骨が、頭に響いた。マギはおぉぉぉぉぉ…!と呻きながら、頭を(タバコは器用に歯に挟んで)押さえて

 

「行き成り何すんだよ!?いてえじゃねえか!!」

 

 マギは行き成り殴られたことに怒るが、女性主人はなにすんだよじゃないわよ!と怒鳴り返して

 

「今日はアンタの弟のネギの卒業式じゃない!こんな所でボーとしてるんじゃないわよ!!」

 

 女性主人にそのことを言われ、マギは黙ってしまった。そう今日は、ネギと言うマギの学校の卒業式なのだ。つまりマギはネギの卒業式に顔を出さないで、こんな所で呑気に魚釣りをしていたのだ。マギは黙ったまま池の方を見ながら、タバコの煙を口から出しながら

 

「いいんだよ、こんな駄目な兄貴が卒業式に顔出しなんて、ネギのいい迷惑だ」

 

 マギの言った事に女性主人は何言ってんだいと呆れながらそう言った。

 

「ネギはアンタが卒業式に来てくれんのを望んでるのよ?ふてくされてないでさっさといきな」

 

 そう言い女性主人は、その場に佇んだ。如何やらマギが卒業式に行くまで離れないつもりだ。そんな女性主人を見て、マギは折れた様で頭を掻きながら

 

「分かったよ…行けばいいんだろ?行ってやるよ」

 

 マギが漸く行く気になって、女性主人は顔の表情を和らげるが

 

「でも、今から行っても卒業式には間に合わないんじゃない?」

 

 女性主人の言った事に確かになと言うマギ

 

「仕方ねえな…面倒だけど、飛ぶか」

 

 飛ぶ?その単語に普通だったら何を言ってるんだ?と言うだろう。マギは座っていた体を伸ばしながら、まだ吸える場所があるタバコを灰皿にねじ込むと、大きく深呼吸する。すると…マギの体が淡く発行し始めた。そしてもう一度大きく深呼吸すると

 

「マギウス・ナギナグ・ネギスクウ!堕天使の翼よ!罪深き我の背中に汝の翼を与えたまえ!!黒き翼《ブラック・ウィング》!!」

 

 まるでおとぎ話で魔法使いが使う呪文みたいなものを一息で言い終えるマギ。するとマギの体の発光が強くなったと思った次の瞬間

 

 

 

 バサァッ!!

 

 

 

 マギの背中に黒鳥のような大きく美しい黒き翼が生えてきた。マギは力強く羽ばたくと少しづつ上昇していった。

 

「おばちゃん、俺の釣り道具、俺んちに持って行ってくれないか?」

 

「分かったよ。だから早く行きな!」

 

 マギは女性主人にありがとうと言うと、一気に上昇し、空をジグザグに飛んだかと思うと、一気に加速して、卒業式が行われている方向に飛んで行った。マギが見えなくなると女性主人はぽつりと呟いた。

 

「頑張りな。ネギの自慢のお兄ちゃん」

 

 

 

 

 彼の名はマギ……マギ・スプリングフィールド。彼はれっきとした…『魔法使い』なのである。

 

 

 

 

 

 さて、マギが池でダラダラと魚釣りをしているのと同時刻、ある学校で卒業式が行われていた。

 その学校の名前はメルディアナ魔法学校。名前通り魔法学校である。それにしても魔法使いの卒業式と言われるほどである、教員の恰好が魔法使いのローブみたいなものを纏っていた。

 それに卒業生の恰好もまるで魔法少年や魔法少女と言われそうな歳の少年に少女。その中にマギと同じ髪の色でメガネをかけた少年が居た。そう彼こそマギの弟のネギである。

 

「卒業生代表ネギ・スプリングフィールド。前に」

 

「ハイッ!!」

 

 校長に名前を呼ばれ、威勢のいい返事をしながら、壇上に上がるネギ。そして、校長から卒業証書を手渡される。ネギは、卒業証書を受け取ると、一礼した

 

「この7年間よく頑張った。卒業おめでとうネギ」

 

「ありがとうございます。校長先生」

 

 ネギは校長にそう言うと、又卒業生の列に戻った

 

「卒業生の諸君。この7年間よく頑張ってきた。だがこれは、あくまでも通過点でしかない。本当の修業はこれから…気を抜くでないぞ」

 

 校長が卒業生をぐるっと見渡すと

 

「ではこれにて卒業式を閉会とする!修業を無事に成し遂げ、立派な魔法使いとなれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 卒業式が終了し、ネギはメルディア魔法学校の廊下を歩いていた。その表情は何処か寂しさが表れていた。それは学校を卒業したからではなく

 

「お兄ちゃん…来てなかったな」

 

 ネギはマギが自分の卒業式に来ていなかったのが、残念でしょうがなかったようだ。ネギはマギの事を尊敬もしていたし、大好きなのだ。そのマギが卒業式に来なかったのは色々とくるものがある。ネギはハァと溜息を吐いていると

 

「ネギ!此処に居たのね!」

 

 ネギの事を呼ぶ甲高い少女の声が聞こえて、ネギは声が聞こえた方を見るとネギより髪の色が赤いツインテールの少女と、金髪のロングストレートの女性がいた。

 

「何だ、アーニャか…」

 

 ネギはテンションが低いまま、ツインテールの少女の名前を言った。だが、態度がまずかったのか、アーニャはムッとしながら、ネギに近づくと

 

 

 

 ムニィッ!!

 

 

 

 ネギの頬を強く抓った。行き成り自分の頬を抓られ、涙目になるネギ

 

「はひふんほ!?ハャーヒャ!!(何すんの!?アーニャ!!)」

 

 ネギは抓られながら、腕をブンブンと振り回しながら、アーニャに訴えかける。だがアーニャにはなんの効果もなさそうで

 

「何が何だアーニャかよ!?最後の最後までボーっとしてこのボケネギ!!」

 

 アーニャは言いたい事を言い終えると、ネギの頬から手を放した。ネギは抓られた頬を摩っていた

 

「全く…あの馬鹿兄が来ないのがそんなにショックだったのあんた?」

 

 アーニャの言った事にネギはカチンと来て

 

「お兄ちゃんは馬鹿じゃないよ!いつも僕が知らない場所で凄い魔法の修業中なんだ!」

 

「如何かしら?そんな事言って、結局はボーッとしてるだけじゃないの?聞いたんだから、あの馬鹿兄が近くの池でグテ~ってしながら魚釣りしてるって」

 

「それはただ休憩がてらにやってただけだよ!」

 

 何だよ!?何よ!?とネギとアーニャはギャーギャーと言い合いをしていて、それを金髪の女性…ネカネ・スプリングフィールド(ネギとマギの従姉)がおろおろとしながら見ていると、コツコツコツと誰かが此方に近づいて来る足音が聞こえてきた。誰かとその方を見てみると

 

「…あれ?もう卒業式は終わっちゃたのか?」

 

 呑気そうにそう言った垂れ目の男、マギがネギたちの方に向かってきながらそう言った。ネギ達は行き成りマギが現れてポカンと呆けていたが、ネギが目をウルウルと潤ませながら、一気にマギの元に駆けだした。

 

「お兄ちゃんッ!!」

 

 ネギは泣きながらマギの胸に飛び込もうとした…が

 

 

 

 バチィンッ!!

 

 

 

「へブッ!!?」

 

 マギに結構本気のでこピンを食らわれていた。魔力が込められたでこピン、通称『破壊神のでこピン』。魔力を高密度に凝縮された場合、コンクリートの壁を粉砕できるほどの威力がある。

 まぁ今回のでこピンは何も魔力を練っていないただのでこピンだが、それでもネギは数m程だが吹っ飛ばされてしまった。

 

「あ…すまんつい」

 

 マギは咄嗟にネギにでこピンをしてしまったのにとりあえず謝っておいた。アーニャとネカネは吹っ飛ばされたネギを助け起こした。ネギは大してダメージが無かったのか、額を押さえながら起き上がった。

 

「いッ行き成り何するの!?お兄ちゃん!!」

 

 ネギはさっきとは違う意味で涙目になりながら、マギにそう言った。だが対するマギは…

 

「いや…行き成りガキでも野郎が胸に飛び込んで来たらそりゃあ誰だってブッ飛ばすだろ?」

 

 マギのその返答にガビーンという表情になるネギ。酷いやお兄ちゃん!!と手をブンブンと振り回しながら泣き怒るネギ、対するマギはあぁ~~メンドクセェと思いながら、頭を掻く。アーニャとネカネは(と言うよりネカネだけだが)オロオロとしていたが

 

 

 

 ポンッ!グシグシグシ

 

 

 

 マギが何も言わずに行き成りネギの頭を雑だが、優しく撫でてくれた。ネギは泣くのを止めて、マギの方を見てみると

 

「悪いなネギ、卒業式に出られなくて。まぁこれだけは言っとくぞ…卒業おめでとさん。よく頑張ったな」

 

 マギに行き成りよく頑張ったなの言葉にネギは一瞬だが、またポカンとしていたが。また泣き出してしまい

 

「お兄ちゃんッ!!」

 

 と今度こそマギに抱きついた。マギは抱きつかれて一瞬だが、嫌そうな顔になったが、フッと笑うと

 

「…ったく、もう10歳にもなる男が一々泣くんじゃねえよ」

 

 と言いながら、ネギの頭を優しく撫でまわす。それを見たアーニャとネカネは、これで一安心だというような溜息を吐いた。

 

「…なんじゃ、おなじみの顔ぶれは此処に居たのか」

 

 また第3者の声が聞こえ、今度は先程卒業式のでネギに卒業証書を渡した校長だった。

 

「「校長!」」

 

「おじいちゃん!!」

 

「んだじーさんか」

 

 アーニャとネカネが校長の事を校長と呼んだが、ネギとマギはおじいちゃんとじーさんと呼んでいた。それは校長がネギとマギの祖父であるからだ。校長は長いひげを弄りながらネギ達に近づいてきた。

 

「さっきは校長としての言葉だったが、今度は祖父として言わせてくれ、卒業おめでとうネギ。これからが本当の修業じゃ」

 

「うん!分かったよおじいちゃん」

 

 ネギの返事にウムと頷く校長。それにしても…言いながらマギを睨む校長。マギは校長に睨まれ脂汗を流す

 

「村の住民から話は聞いたぞマギ…お主真面目に修業しないで、そこらじゅうブラブラしているそうじゃな?」

 

「そ…そうか?みんなの見間違えじゃないのか?」

 

 マギは汗を流しながら、必死に校長から目を逸らした。しかしここでアーニャが追い打ちをかける

 

「わたしもその話は聞きました。それに…この馬鹿兄からまたタバコのにおいがプンプンします」

 

「おい馬鹿!ネカネ姉の前でタバコの話は…はッ!?」

 

 マギはアーニャを黙らせようとしたが、急に肌寒く感じ、後ろを振り向くと其処には涙目になりながらマギを見ていたネカネ

 

「マギ…貴方またタバコを吸っているのね!?あれほどタバコを吸っちゃいけないってあれほど…」

 

「分かった!分かったから!!もう吸わないって!それに今日は祝いの日なんだから説教は無しにしようぜ!?」

 

 ネカネの説教はとても長いここで説教なんてされたらたまらない。此処はしないと口裏を合わせた方がいいと直感で感じた。

 

「まったくのぉ…それよりもネギよお主はもう修業場所は見たのか?」

 

「い、いやまだだよ」

 

 校長に言われ、思い出したネギ。修業場所は卒業証書に魔法で書かれていて、開くとみられるという仕組みになっている。

 

「アンタまだ見てなかったの?ちなみに私はロンドンで占い師よ」

 

「そうだったんだ。じゃあ僕も早く開けてみようかな」

 

 ネギはそう言い、卒業証書を開いた。すると卒業証書が光だし、空白の箇所に文字が浮かびだした。修業場所は何処かとネギの他にアーニャとネカネ、とりあえず見とくかのマギ。そしてそこに浮かびあがっていたのは…

 

 

 

 

 

 ―――――――日本で教師をやる事―――――――

 

 

 

「「「え…えぇぇぇぇ!?」」」

 

 浮かび上がった文字に驚愕するネギとアーニャとネカネ。校長は、ほう先生か…と呟き、マギはふ~んと興味なさそうな態度だった。日本での教師、それは異国の地日本でネギが1人で教師として行くことになる

 

「校長!何かの間違いじゃないですか!?10歳で先生なんて無理です!!」

 

「そうよ!ネギなんてただでさえボケでチビなのに!」

 

 ネカネ姉の言っている事はまだわかるが、アーニャにはすげぇ言われ様だなと内心でそう言うマギ。

 

「しかし、卒業証書にそう書いてあるのなら仕方のないことじゃ。立派な魔法使いになるためには、頑張って修業してくるしかないのう」

 

 しかし、校長はそこに書いてあるのなら仕方がないことだとそう言った。

 

「あぁ…」

 

 ネカネはショックと不安でフラフラと倒れてしまった。ネギとアーニャは慌てて、ネカネを助け起こした。マギは何もせずにボーっと突っ立ってるだけだった。

 

「ふむ…安心せい。修業先の学校の学園長はワシの友人じゃ。何も問題はなかろう。それでも不安なら…」

 

 と次の言葉はある意味マギの衝撃的な爆弾発言だった。

 

「…マギを付添いの先生として、ネギと同じ場所で先生をやってもらうとするか」

 

 校長の発言にマギは、は?とポカンとしたが次の瞬間

 

「ハァァァァァァァァッ!?」

 

 ネギとアーニャにネカネに負けないほどの大声を上げた。

 

「如何いう事だよじーさん!?なんで俺がネギの付き添いでそんなメンドイ事をしなくちゃなんねえだよ!?」

 

「お主がいればネカネも多少は安心するだろうし、ネギも安心して修業に取り組めるだろう」

 

「嫌だぞ俺はそんな…」

 

 マギはまだ抵抗しようとしたが、それにと校長が先に言葉を被せた

 

「それにお主、学校を卒業したらその後は修業場所には行かず、7年間も碌な修業もせずに…それ以上堕落した生活を送るというならば…」

 

 と此処で、校長が切り札を出してきた。

 

「またここで7年間学んでもらう事になるぞ?」

 

「んな!?」

 

 校長の言った事にマギは嫌そうな声を挙げた。またこの魔法学校を通う事になる。つまりはネギよりも幼い子供と一緒に学ぶことになる。そんなの考えただけで虫唾が走る。絶対に嫌だ。

 

「分かったよ…やればいいんだろ!?やれば!!上等だ!先生でもなんでもコイヤ!!」

 

 とマギはややヤケクソ気味に叫んだ。なら決まりじゃのと校長はひげを弄りながら

 

「それではマギはネギと一緒に先生の修業を頑張ってくれい」

 

 校長の言った事にネギは目を輝かせ

 

「お兄ちゃんと一緒に教師…頑張ろうねお兄ちゃん!!」

 

 とネギが嬉しそうに言っているのを、マギはははははと乾いた笑い声を挙げながら

 

「もう…どうでもいいや…」

 

 とさっきとは違うボーっとしながら死んだ魚の目の様な目で遠くを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ネギが張り切って、日本に行く準備をするために自宅に帰ろうとした時

 

「これマギよ、お主はここで待て。お主にはワシから話があるのでのお」

 

 校長の言った話と言う単語にネギは説教だと思い不安を感じた。校長の前にネギとマギの祖父である校長の説教は怖いのなんの。二度と悪い事はしないと心に誓うほどである。そんな心配そうにマギを見ているネギに、マギは苦笑いをしながら

 

「心配するなよネギ。直ぐに終わるだろうからさ」

 

 とマギはネギを安心させるようにそう言う。ネギはまだ不安を顔に出しながら、先に自宅へと帰って行った。

 

「それで、話ってなんだ?じーさん」

 

 マギはだらけた態度で校長にそう言うが、校長はマギ…と怒ったような悲しんでいるような表情となり

 

「お主はまだ闇の精霊魔法の修業をしているのか?」

 

 校長の言葉にピクッと反応するマギ。魔法の世界では様々な魔法がある。火の精霊魔法、水の精霊魔法。風の精霊魔法に土の精霊魔法、雷の精霊もあれば光の精霊魔法がある。

 その中でとても強力な魔法があるそれが闇の精霊魔法だ。だが闇の精霊魔法は本当に強力なのだ。下手をすると町なんて吹き飛ばす魔法も存在するのだ。校長は知っていたのだ。

 ダラダラした生活は実は偽りで本当は誰も知らない場所で闇の精霊魔法を修業していたのだ。卒業式に向かう時に使った黒き翼も闇の精霊魔法の1つである。

 マギは幼少のころ魔法学校の危険指定図書に認定された闇の精霊魔法が書かれている魔法書を勝手に持ち出して闇の精霊魔法を修業していたのだ

 

「強力な魔法ならいくらでもあるだろう?そんな闇の魔法に手を出さんでも…」

 

 校長がこう言うのは、他にも理由があるそれは、闇の精霊魔法は簡単に言うと『悪い魔法使い』が使うというのが、魔法世界での見方のだ。

 つまり、闇の精霊魔法使い=悪い奴と言うのが魔法使いでの間ではそう見られてしまうのだ。

 校長は孫であるマギが、そう言う目で見られて欲しくなく、説得しようとしたが、マギは考えを改め無いようだ。

 

「悪いがじーさん、闇の魔法が一番強くなるために必要な魔法なんだ。そう…あのクソ親父をぶん殴るためにも」

 

 拳を強く握りしめて、マギは校長を見た。校長は、マギの目を見て瞬時に理解した。こやつの目は覚悟した目じゃ。闇の魔法がどんなにも辛く険しい地獄の道だと理解しながらも、それでもその道を進もうと決意したのだと…ならばもう何も言うまい…校長はフウッと溜息を吐いた後に、マギを見た。

 

「校長として、祖父としてこれだけは言わせてくれ…くれぐれも道を外さないでくれ」

 

 校長の言った事にマギは、あぁ分かってるって。と何時もだったら滅多にやらないキリッとした顔でそう言った。

 

「さて…とメンドイ話は終わった事だし…」

 

 そう言いながらマギは、懐から又タバコをだし、口に咥えて火をつけた。タバコの煙が廊下に漂う。

 

「まったく、先程にネカネに説教されたのに、懲りん奴じゃなお主は」

 

 校長は呆れたように言った。

 

「これ吸わないと調子が出ないんだよ。どうだじーさんも一緒に?」

 

「残念じゃが、医者に止められてのぉ。今は禁煙中じゃ」

 

「嘘つくなよ。じーさんの体から、パイプの匂いがプンプンするぜ?」

 

 マギにそう言われ、校長は慌てて体の匂いを嗅いだ。嗅いでみるとかすかにだが、匂いが残っていた。如何やらさっきパイプを吸った時の消臭がちゃんと出来ていなかった様だ。

 

「まったく、お主の鼻は犬並みじゃな」

 

「医者には黙っておくから、ネカネ姉には黙ってくれよな?」

 

 マギにそう言われ、校長は、全く要らんことまで覚えよって…と苦笑いを浮かべた。

 

「ネギを頼むぞ。お主みたいな不良少年になって戻ってきたら、わしはストレスで禿げてしまいそうじゃ」

 

「心配すんなって。ネギは真面目だからそんな事にはならないって」

 

 それは安心した…と校長はひげを弄りながらそう言う。

 

「では改めて頼もう。マギ・スプリングフィールドよ、異国の地日本でネギ・スプリングフィールドを立派な魔法使いとして育て上げよ」

 

 校長の願いにマギは片膝をついて跪き

 

「我、マギ・スプリングフィールドは、この身をもって、必ずやネギ・スプリングフィールドを立派な魔法使いへと導くことを此処に誓います」

 

 

 

 このやりとりはまるで…王とそれに仕える騎士の様に見えた。

 

 

 

 

 

 




いや~正直な所、漫画の原作で文が書けるかと思っていなかったのですが
すんなりかけました。これからも頑張って投稿していくので
応援と評価と感想よろしくお願いします(欲張り過ぎだろ!!)

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