ブラック・ブレット 漆黒の魔弾   作:Chelia

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投稿遅くなりました!
おまたせです!


漆黒の騎士団

「こりゃ…すげえな………」

 

入り口に立っていた黒服のガードマンのような男に案内される蓮太郎、木更、結愛の3人。

内装はとにかく明るくて広いといった印象だ。

ここですと言われ指定された部屋の中に入ると巨大な会議室が広がっており、既にかなり偉い社長と思われる人物が何人も座っていた。

 

部屋の奥には巨大なELパネルがあり、部屋の周りには真ん中で会議する社長達を護衛するかのように多くの大人、そして子供が見られる…プロモーターとイニシエーターであろう。

きちんとしたスーツを着こなす社長グループに対し、社員側はそれぞれが好き勝手な格好をしている。

誰も、周りに対して気を使う気などないかのように…

 

「んだ?最近は民警まで子供の遊び場か?」

 

「私達は正式なライセンスを持った民警です。

では…」

 

巨大な男が舐めるようにこちらに声をかけてくるが、木更はまるで相手にしないかのように無視を決め込んで椅子に座った。

周りがスーツなのに自分だけ制服で完全に浮いているが、全く気にする様子はない。

それだけしっかりしているといえるだろう…

男はその態度が気に食わないのか、残った蓮太郎を睨みつけてきた。

外見はとにかくでかいというのが印象的。

威圧感のある鉄板のような胸板がタンクスーツの上からでもよくわかる。逆立つ頭髪に、口元にドクロスカーフをつけている。

 

「何か用かよ…」

 

ずっと自分たちの前に立ちはだかってるのが気に食わないのか、蓮太郎が毒をこぼすとそれを待っていたかのように突っかかってきた。

 

「何が「何か用かよ」だ…見るからに弱そうな雑魚の癖にムカツクんだよ!」

 

何を思ったのか、その男は自分の背中に装備されている超巨大なバスターソードを突然抜くと蓮太郎に抜刀斬りを浴びせようとしてきた。

 

「なっ!?」

 

蓮太郎の方も、まさかこのような公の場で斬りかかってくるとは思わなかったのか目を丸くし完全に対処が遅れてしまっている。

いくら民警同士の仲が悪いとはいえ、ここまで常識欠如している人間がこのような神聖な場所にいることは想定外だったのだろう。

バスターソードが蓮太郎の首元まで接近した時、ガキンという金属音と共にその動きは停止した。

氷刀・雪月花を鞘から抜いた結愛が、その刀を斜めに倒すようにしてバスターソードを正面から受け止めたのである。

体も武器も圧倒的に大きい男に対し、体も武器も圧倒的に小さい結愛がその武器を容易く受け止めている構図はなんとも不自然だが、それがイニシエーターの力というものだろう。

 

「抜刀速度、技の威力、相手の不意をついた一撃… 確かに、私達を雑魚と勘違いできる程度の能力は備わっているようですね。」

 

「んだとてめぇ!」

 

「…しかし、難点も多々あります。まず振りが大振りすぎます。目の前の人間1人を殺すのに、貴方の武器ならここまでの火力は必要ありません。威力を殺し、コンパクトに振るべきです。そしてもう一つ…その知能の低さ…相手の態度が気に食わない。そんな感情的な部分で己の戦闘パターンを維持できない時点で貴方は三流です。同じ近接武器を使うものとして、よくその程度の実力で蓮太郎さんに手が出せましたね。私のプロモーターには手は出させませんよ。」

 

「さっきからゴチャゴチャとワケわかんねえこと抜かしやがって!死ねや!」

 

「やめたまえ将監!」

 

将監と呼ばれた男は余程の熱血馬鹿なのか、結愛の煽りを含めた考察を1つも理解せずに腹を立たせ追撃をしようとした所、流血沙汰になることを恐れたのか彼の社長と思われる人物が声を上げた。

 

「ちっ…命拾いしやがったな糞雑魚が…」

 

将監も彼には逆らえなかったのか、渋々引き下がった。

結愛は呆れてため息をついている。やはり、彼女の実力は相当のものなのだろう。

そして、会話の中に出てきた「私のプロモーターには手は出させません」という言葉…

即席ながらも自分のために一生懸命尽くしてくれる結愛を見て、蓮太郎は嬉しさを感じるのであった。

 

「すまなかったね…あいつは短気でいけない。」

 

「こちらこそ、目上の方に対してのご無礼…大変申し訳なありませんでした。」

 

向こうの社長がわざわざ席をたち、蓮太郎達に誤りにくると結愛は怒ることなく自分達の非を告げ、頭を下げた。

本当に10歳とは思えない…

そんな結愛に好意を覚えたのか、社長は自分の名刺を結愛に手渡すと自分の席に戻っていく。

さり気なくその名刺を横からチラ見すると、そこには背景にすかしの入った金字で「三ヶ島ロイヤルガーダー 代表取締役 三ヶ島影似」と書かれていた。

 

大手も大手。蓮太郎も知っているくらいの超大手だ…結愛はそれを知っていたからこそ先に謝ったのだろう。

 

「蓮太郎さん、彼は伊熊将監。序列1584位の優秀な民警ですよ… 私も少し、手が震えてしまいました。」

 

「気にするな。結愛はよくやったよ…助けてくれてありがとな」

 

「は…はい///」

 

相手の情報をコソッと教えてくれる結愛。

それに対して蓮太郎が心からの笑顔でお礼を言うと、顔を真っ赤にして目線を逸らしてしまった。

蓮斗以外に言われたことがないとすれば、初々しさもわからなくはないが…

 

いきなりの武器を使った騒動により気まずい空気が流れる中、いよいよといったように禿頭の人間が部屋に入ってきた。

木更を含む社長クラスの人間全員が立ち上がりかけた所で、それを男が手を振り着席を促す。

遠くて階級章がよくみえないが、恐らく相当位の上の人物であることは雰囲気で感じ取ることができた。

 

「本日集まってもらったのは他でもない。君たち民警に依頼がある。依頼主は政府のものと思ってもらって構わない。内容を説明する前に、依頼を辞退する場合は直ちに退席せよ。説明を受けてからの依頼破棄はできないことを先に伝えておく。」

 

入って開口一番上記を口にした。

話を整理すると、今回の依頼は完全非公開制にしたいということ。よほど今回の件が重いものであることを意味している。

周りを見渡しても特に退席者はいなかった。

蓮太郎も周りが気になって見渡してみると、1人の少女と目が合う。

その理由が、先程の伊熊将監の隣に寄り添うようにして立っているという事だ。

落ち着いた色の長袖ワンピースにスパッツ…

ぱっちりとした目元をしているが、どこか冷めた雰囲気を纏う少女。

恐らく彼女が相棒のイニシエーターなのだろう。

少女は何を思ったのか手でお腹を押さえ、悲しそうな目線を向けてくる。

口パクで「お腹すきました」と言っていた。将監と違い、中々面白そうな子だった。

 

「辞退はなし…では、説明はこの方に行ってもらう。」

 

入ってきた男はそれだけいうと直ぐに身を引いた。

説明人はこの人ではなかったのか?そんなことを考えていると、部屋の中で唯一印象的だったELパネルの電源がつく。

 

「ごきげんよう、みなさん。」

 

そこに映し出された人間にみんな泡を食ったようにガタッと立ち上がり、信じられないといった様子でパネルを見ていた。

雪を被ったような純白の服装と銀髪…聖天子。

現在の東京エリアの国家元首…すなわち統治者である。

つかず離れずの距離には天童菊之丞が立っていた。

 

「楽にしてください皆さん、私から説明します。」

 

聖天子が上記を言うが、当然ここで座るような愚か者はいない。

 

「といっても、依頼は非常にシンプルです。昨日、東京エリアに侵入したガストレアの感染源の排除、プラスそのガストレアに取り込まれていると思われるケースを無傷で回収してください。」

 

後者のケースという言葉に皆が疑問を浮かべると、パネルの下に画像が表示された。その隣には今回の依頼の成功報酬がかかれている。

 

100,000,000

 

8つの0がかかれている。その額は、宝くじの1等などでしかお目にかかれないような1億という数字だった。

今回ターゲットとされるガストレアは、この間蓮太郎が倒したステージ1のスパイダーガストレアの感染源であるという説明がされる…

しかし、その程度の相手にこれだけ破格の額がつくというのは明らかに異常事態だ。

社長達が質問しようとすると、聖天子が先手を打つように口を開く。

 

「これだけの破格の額がついている理由…それは、これ以上の情報開示ができないという点にあります。」

 

「納得できません。」

 

その時点で木更が口を挟んだ。明らかに失礼な行為に、他の民警達も目を丸くしている。

 

「貴女は?」

 

「天童木更と申します。ターゲットのガストレアがステージ1程度の相手なら、わざわざこれだけ優秀な民警を集めなくても目標の達成は容易いでしょう。にも関わらず、破格の報酬で周りを釘付けにしてまで依頼の詳細を隠すというのは不自然ではないでしょうか?裏に何があるか推測されるのは当然のことと思います。」

 

「それは、貴女達の知ることではありません。そのための報酬額です。」

 

「確かに私達は会社として動いていますが、その全てがお金のために全てを捨てられる人間ではありません。それが原因でウチの社員が危険な目に遭うというのなら、ウチはこの件から手を引かせていただきます。」

 

「ここで席を立つとペナルティがありますよ?予め忠告はしたはずです。」

 

2人の間にピリピリとした空気が漂い始めると、それをぶった切るように奇妙な笑い声が部屋中に響き渡った。

 

「誰です?」

 

「キヒ…ヒヒヒヒヒッ!」

 

その不協和音に聖天子が睨みつけたような表情をすると、昨日蓮太郎達が出会った赤い燕尾服にシルクハット…そして仮面が特徴的なあの男が社長達が取り囲むテーブルのど真ん中から姿を表した。

突然の登場に社長達は驚き、中には椅子から転げ落ちる者も…

一方で民警達は警戒し、各々の武器を握っていた。

蓮太郎はホルスターのXDを、結愛も雪月花の柄を握っている。

 

「これはこれは無能な国家元首殿…単刀直入に言って、私は君たちの敵だ。」

 

そう目の前の仮面男が口にし終えた瞬間、蓮太郎は既に発砲していた。

前回同様体制を整える隙すら与えない一撃。しかし、前回同様あっさりと躱されてしまう。

 

「おお、これはこれは里見くん。まさか君がこのような場にいるとは想定外だったよ。」

 

「蓮太郎さん知り合いなんですか?」

 

「ああ…ちょっとしたな…」

 

「貴様!どこから入ってきた!!」

 

「どこから?勿論正面から、堂々とだよ。」

 

「わけわかんねーこと抜かしてんじゃねえよ!」

 

民警の1人が仮面に怒鳴ると仮面は正面からと答えた。

気づけば、いつの間にか扉が開いておりその先に見える廊下からは所々に血飛沫が見える。

どうやら嘘というわけではないのだろう。

そんな話などどうでもいい伊熊将監はバスターソードを抜くと早速飛びかかろうとしていた。

 

「おやめなさい!」

 

特攻しようとした伊熊将監を止めたのは以外にも聖天子だった。

 

「おや、敵は排除しなくていいのかい?」

 

「そうするにも情報が少なすぎます。私達の敵を名乗るのなら、何故敵の懐に単身飛び込んできたのか…よろしければ、詳細をお聞きしましょうか。」

 

「私にとってこんな場所は懐でもなんでもないよ…やろうと思えばここにいる人間を全員あの世に連れて行ってあげることもできるからねぇ… 私の目的はただ1つ。君達の欲しがっている七星の遺産。それは我々がいただくという事だ。」

 

「…七星の遺産?」

 

木更を始め、全員が首を傾げた。ここにいるメンバーにとっては初めて聞くワードである。

 

「おいおい、まさか箱の中身が何なのかもわからない状態で回収しろと言われていたのかい?それはあまりにも可哀想だ…そうは思わないかい?里見くん。」

 

「ちっ…」

 

蓮太郎はXDを仮面の頭に向けたままでいるが、聖天子が戦闘を止めたため発砲することができない。

画面越しではなく、生で煽られている民警達にはたまったものではない。

 

「名乗ろうではないか、私は元陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊所属…蛭子影胤。そして、私のイニシエーターを紹介しよう。」

 

影胤がそう言うと、先程の入り口から緑色でウェーブ状の短髪の女の子がくるくると跳躍しながら影胤の横に着地した。

その綺麗なドレスには多量の返り血がかかっており、ただ事じゃないことがわかる。

 

「蛭子小比奈。10歳。」

 

そう名乗ると小比奈は丁寧にお辞儀をした。

 

「機械化特殊部隊だと?」

 

「こいつ、機械化兵士なのか!」

 

周りがざわつく。機械化兵士は公にはされているものの、あまり評判はよくない。

元々イニシエーターの代わりにガストレアと戦うために作られた戦闘兵器なのだ。

影胤の言うことが本当だとするのなら、今ここにいる生身の体のプロモーターでは勝利はかなり困難と言えるだろう。

しかし、同じ機械化兵士である蓮太郎はまた別の所で驚いていた。

 

(こいつ…元部隊が俺と同じ?)

 

蓮太郎も陸上自衛隊の部隊に所属していた時期があったのだが、その所属場所が一語一句異ならずに同じ場所であった。

それが指す意味、それがどれだけ恐ろしいことかに気づけているのは蓮太郎を除いて他にはいなかった。

 

「さあ、ショーの始まりだ!!」

 

「っつ!?伏せろぉぉぉぉ!!!!」

 

蓮太郎は木更と結愛に抱きつくように飛びかかると、そのまま二人と共に地面に転ぶ。

その直後、影胤が指をパチンと鳴らすと彼の周りに青白いドーム上の光が現れそれがどんどん広がっていった。

その光は社長や民警達をどんどん押していき、壁にぶつかった人間から丸でプレス機に挟まれたかのように次々と潰され、死んでいった。

 

「こ、殺される!?」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

その異常事態に気づくと、生き残っていて度胸のない会社の社長や民警は聖天子との約束など忘れ死にものぐるいで逃げていく。

影胤はそれをみてキャハハキャハハと奇妙な笑い声をあげ、楽しんでいた。

流石の聖天子も、この事態には唖然とするばかりである。

 

「き…さまぁぁぁぁっ!!」

 

一気に血生臭くなった会議室に吐きそうになるも、蓮太郎はそれを堪え死んでいった人たちの分も合わせて影胤達を睨みつけた。

先程の一撃で死んだ人数はおよそ10人。

元々この会議室にいた人間は、社長と民警合わせ40人程度だったので一撃で4分の1もの人間を一掃したことになる。

 

「あ、そうそう里見くん。私からのプレゼントは気に入ってもらえたかな?」

 

「…プレゼントだと?」

 

「どうして君のイニシエーターが学校で呪われた子供達だという噂が流れ始めたと思う?キヒヒ…」

 

その先は目の前の影胤の笑いを見れば誰だろうとわかることだろう。

延珠…そのことだけが気がかりでこの場に来た蓮太郎にとって、その言葉は様々な思考を巡らせた。

そして、最終的に行き着いた蓮太郎の答えは?

 

「貴様だけは殺す!!」

 

それだけいうと、思考よりも先に体が動いていた。目の前の男への憎悪のみがその総てを突き動かし、戦略も何もなくただ突っ込んでいく。

しかし、それこそ影胤の思うツボだった。

影胤の目的は延珠を利用し蓮太郎を怒らせることで注意力散漫にさせること。

事実、突撃する直前に蓮太郎は影胤の横にいた小比奈がいつの間にかいなくなっていることに気づくことができなかった。

小比奈は待ってましたとばかりに、イニシエーター特有の小さな体を生かして蓮太郎の背後を奪うと素早く小太刀を抜いて左肩から右腰に掛けてバッサリと斜めに斬り裂いた。

 

「迂闊だったねぇ里見くん。君の終わりだ。」

 

勝ち誇ったように得意げになる影胤。

しかし、蓮太郎は特に痛がる様子もなくその場に立っていた。

この中で一番驚いていたのは小太刀を手に握っていた小比奈である。

 

「この状況下で盾になった?」

 

「ぐぅぅっ………あっ………」

 

蓮太郎の代わりに技を受けたのは結愛だった。

このまま影胤の作戦に乗っていたら受けていただろうその攻撃は結の左肩から右腰にかけてをばっさりと斬り裂いており、綺麗な白い服が鮮血で染め上がるように血が吹き出ていた。

一気に血が減り、立てなくなった結愛はその場に倒れてしまう。

 

「おい…嘘だろ?」

 

「嘘じゃないです…私のプロモーターには……手………出させないか………ら………」

 

「これは傑作だ!君は代用のイニシエーターかい?即席のコンビでいい盾になったじゃないか!!光栄に思い死んでいくことだね。」

 

この状況が面白いのか影胤はずっと笑いっぱなしだ。

 

「私は延珠さんの代用ではありません…蓮太郎さんのイニシエーターは延珠さんただ一人… でも、そんな蓮太郎さんが私を必要としてくれたなら、私はそれに答えるだけです。」

 

「結愛…確かにコンビを組むとはいったが、俺はここまでしろなんて!」

 

「いいんです…私はただのイニシエーターではありません。この程度の攻撃じゃ死なないですよ… ただ、流石に出血量が多すぎて自己再生が…っつ!?うっ………」

 

そういうと、結愛は意識を失ってしまった。

イニシエーターの回復能力がいくら高いとはいえ、小比奈の小太刀はバラニウムでできており、ガストレアウイルスの働きを阻害する。

超イニシエーターは、通常のイニシエーターと比較するとその全てのスペックを遥かに上回る。

それは回復力も例外ではないが、傷口が深い上、攻撃された武器がバラニウム製だったので即回復できなかったのは痛手ではあるが…

木更は結愛に駆け寄るとそのまま抱きかかえる。

 

「脈はあるし、心臓も正常に動いているわ… 里見くん、ここは私達も逃げましょう…」

 

「逃げるったってこの状況じゃ!」

 

「里見くんの言う通り… 残念ながらこの作戦の話を聞いてしまった君達は私たちの敵になった。申し訳ないけど1人残らず死んでもらうよ?」

 

そういうと影胤は奇妙なカスタムをしてあるベレッタを両手に構えた。

まさに絶体絶命である。もはや周りの社長や民警達は完全に怯えているのかその場に座り込むか伏せているだけ、あの伊熊将監でさえ、唖然として思うように動けていなかった。

まともに動いた蓮太郎達も結愛が重傷を負い、これ以上の戦闘は非常に困難。

しかし、小比奈の素早い攻撃、影胤の銃撃という名の遠距離攻撃、そして未だ謎に包まれた影胤の青白い光の攻撃…それら全てを躱し、逃げ出すのははっきりいって不可能であった。

蓮太郎の中で半ば諦めの感情が芽生え始めた時、影胤とは全く異なる聞き慣れた笑い声が聞こえてくるのであった。

 

「ふっ…おいおい、俺達が特別ゲストとしてかっこよく登場してやろうと思ったのにまさか先客がいるとは思わなかったぞ?」

 

黒いローブを着用し、その裾はマントのように長い。完全に素顔を隠している怪しい人だ。

しかし、それはその中身を知らない人間が思うことであり、蓮太郎にとってその声は頼もしいものだった。

 

「久しぶりだな…聖天子。」

 

「あっ!?貴方は!?」

 

画面越しの聖天子が驚いた顔を見せた。

ローブを外し、素顔を見せた男はやはり蓮太郎の想像通りだった。

 

「朝霧零。この場に参戦させてもらうぞ…!」

 

 

 

 

 

 

 




結構急展開になってしまい、ちゃんと書けてるか心配です…

次回、大量の新キャラが登場するので覚えるのが大変になってしまうとは思いますがよろしくお願いします!

零や桜などのプロフィールは次回以降に作成を開始するので、まだ時間がかかってしまいます。申し訳ありません。

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