ブラック・ブレット 漆黒の魔弾   作:Chelia

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今回は駄作です…
これは酷い


戦闘への余興

「………ってば!」

 

………?目の前から声が聞こえる。

 

「零ってば!!」

 

「…桜?」

 

「どうしちゃったのさ!いきなり無視決め込んじゃって…」

 

未だに布団の上に乗っかっている桜がプンプンと頬を膨らませた。

ふと時計を見ると結構な時間が経っていることに今気づく。

 

「悪い…昔のこと、考えてた…」

 

「あれから9年… 思えば、私達の関係も長くなったよね… 最も、やることは同じなんだけど?」

 

「だな。そういや、何か俺に用があったんじゃないのか?」

 

「相馬さんが呼んでたよー?時間経ってるから怒ってるんじゃない?」

 

「…どうだか」

 

「私も行くね!」

 

許可もなく布団から飛び降りると、ついて来る気満々の桜。

というわけで、軽く身支度を整えると零は寝室を後にした。

移動している間にこれから会う人物の説明を簡単にしておこう。

名前は相馬凌牙(ソウマリョウガ)。

身長は零より遥かに高く182cm、黒髪長髪で、筋肉ムキムキの男性の理想体型である。

非常に難のある性格をしているが、あらゆる面で驚異的な才能を発揮する、零や桜のなくてはならない仲間だ。

 

広い敷地内を歩き通常の会議室と同じくらいの大きさの部屋に二人は入っていく…

部屋の中には、対象の人物である相馬と、もう一人イニシエーターと思われる少女の姿があった。

 

「悪いな…遅くなった。」

 

「本当に悪い、俺が徹夜でパソコンいじってる間お前は爆睡、オマケに寝坊か?あ?」

 

「誰もそこまでやれなんて頼んでねーだろ… つかセレーネ、お前もいたのか…」

 

「クシクシ…私は凌牙様へお茶を出していたのですよ?おはようございます、零。」

 

奇妙な笑い方で相手に恐怖心を植え付けるような独特な笑顔を浮かべると、少女の方が返事をした。

名前はセレーネ・E(エターナル)・トルスタヤ。

零の会社のイニシエーターの一人で、相馬にデレデレの少女である。

透き通るような橙色の美しい髪をツインテールに結び、大きな緑色の瞳を覗かせている。

ドレスのような紫色の綺麗な衣装を着ていて一見するととても美しくお淑やかな女性に見えるが、残念ながらこの子は相馬異常の狂人である。

 

「今回もいい働きしたぜ?給料の代わりに桜のはじめてを寄越せ。」

 

「あのなぁ…仮にもこれR15なんだよ、主人公の俺にメタ発言させんな!給料で受け取れ!」

 

後ろで顔を真っ赤にしている桜は、かわいそうにもスルーされてしまい、零は相馬から強引にパソコンをぶんどると画面を見た。

書かれていた文字は七星の遺産。

先日、零が見つけられなかったブツのことである。

 

「七星の遺産… よく見つけたな…けど、これ俺達の権限じゃ見られないページだろ?」

 

「俺の力を舐めないで貰いたいな。時間がもったいないから単刀直入に話す。今日の午後、聖天子主催で大量の民警を集め七星の遺産回収へ向けての大規模な作戦を行うらしい。…当然、七星の遺産の正体については隠蔽されるだろうがな。」

 

「何か別の物と称して民警に回収させるつもりか… つまり、その作戦に乱入して奴らより先に遺産を回収すればいいんだな?」

 

「間違っても天童やその他権力者の手に渡っては面倒だからな… いつも通り、人選はお前がやれ。」

 

七星の遺産。

既に何度かこのワードが出てきているが、これが指す意味とはなんなのだろうか。

ガストレアには、その強さやウイルスの侵食度などを参考にステージ1からステージ4までの4種類で分類されている。

しかし、何事にも例外は付き物。通常のガストレアはバラニウム金属を嫌い、殆どがモノリスという名の壁に阻まれ東京エリアに入ることができないでいる。

その中で、バラニウムの影響を全く受けつけない特別なガストレアが現時点で数体確認されている。

それらの力はステージ4までのガストレアとは比較にならないほど大きく、呼び寄せれば街の壊滅は避けられないレベル…

そのバラニウムの影響を受けつけない例外ガストレアのことをステージ5と呼んでいるのだ。

七星の遺産は、そんな災厄をもたらすステージ5のガストレアを強制的に呼び出すことのできる力を持っている。

もし、これが悪用されたとすれば、最悪の場合世界が滅亡してしまうといっても大げさにはならないだろう。

 

「聖天子か… 今回は俺と紗雪、二人だけで行く。凌牙は引き続きバックアップを頼む。」

 

「…わかった。くれぐれも俺を退屈させるなよ?」

 

「ちぇーっ…また零と別々か… たまには私も頼ってよー!」

 

「…そもそもお前はプロモーターだろうが。とにかく、そういう事ならさっさと手は打つ。準備するからこの場は解散だ。」

 

パソコンを置き、くるりと体を反転させるとさっさと退出していった。

いよいよ、零達の組織が動きを見せる。

 

☆蓮太郎side☆

 

同時刻の午前10時頃…蓮太郎は街中を自転車で爆走していた。

同じ道を何度も何度も通る自分にイライラしながらもどこかに自分の求めている人物がいないかとどうしても期待してしまう。

 

「…なんでいなくなっちまったんだよ、延珠!」 

この日、いつも通り蓮太郎と延珠は学校に通っていた。

呪われた子供達は一般の人々から厳しい差別を受けていて、現段階では通常一緒に過ごすことは難しい。

しかし、蓮太郎は延珠に普通の子供と同じ生活を送って欲しいと願い、呪われた子供達である事実を隠し延珠を普通の学校に通わせていたのだ。

それが、何らかの原因で延珠が呪われた子供達であるという噂が漏れ、激しいいじめにあった延珠は学校を早退。

その後、行方不明のなっているのが現在の状況だ。

学校には当然いなく、家にもいない…街中回ったがそこにも延珠はいなかった。

そうすれば、いそうな場所は後1箇所しかない。

 

「…行くか?外周区に…」

 

モノリスにより近い位置に存在している外周区。

一応、延珠の故郷になる場所だ。

そんなことを考えていると黒いリムジンがこちらに向かって走ってきた。

蓮太郎の目の前で止まると窓が開き、中から他の天童民間警備会社のメンバーが顔を覗かせる。

 

「里見くん、仕事よ。」

 

「俺が今どんな気持ちでどんな状況がわかってて言ってんのか?」

 

自分が延珠を探していることは当然木更達も知っている。

しかし、そんな状況下でも仕事の話を持ってくる木更に蓮太郎は苛立ちを隠せなかった。

 

「け、喧嘩はよくないです!私から説明します…」

 

蓮太郎と木更の雰囲気が悪くなると、事態がエスカレートする前に止めようと後ろに座っていた結愛が車から降りてきた。

結愛のパートナーである蓮斗も一緒である。

 

「社長も蓮太郎さんの気持ちは重々わかっているんです…ただ、今回の仕事はどうしても蓮太郎さんに出ていただきたいそうで…」

 

「…どういうことだ?」

 

「それは私にもわかりません…ただ、今回は他の大手の民警企業の方々やお偉い様も同席することになるとか。」

 

「なんだよそれ…俺はそんな気分じゃないんだ…」

 

「ま、大事な相棒がいなくなればそう言って当然だな。俺だって、ゆあちーがいなくなったら死にものぐるいで探すし…」

 

会話に蓮斗が口を挟むと、蓮太郎の自転車に手を置いた。

 

「代わりになるかはわからないけど、俺が延珠ちゃんを探してくるよ。だから蓮太郎は仕事に集中してくれ…」

 

「けど、この街にはもういない…そうなれば、延珠の居場所なんて!」

 

「外周区…だろ?」 

 

「!?」

 

その答えを知ってて当然のように答える蓮斗に、蓮太郎は驚きを隠せなかった。

とはいえ、これを知ってても特に不思議なことはない。

民警である以上IISOのことは知っていて当然だし、大抵のイニシエーターは呪われた子供達として外周区で生まれていることが多い。

更に、蓮斗も結愛も出身地は外周区のため向こうの地形は蓮太郎より遥かに知り尽くしているのだ。

 

「…マンホールチルドレン。言ってわかるか?」

 

「三十九区か…オーケー任せろ!」

 

自分よりも知識のある人間であることを理解した蓮太郎は、渋々延珠がいると思われる場所を伝える。

自分が探してあげたいのは山々だが、延珠が確実に見つかることを最優先とすると共に、目の前の木更達を困らせたくなかったのだろう。

蓮斗は思い当たる場所だったのか元気よく返事をすると蓮太郎の自転車にまたがった。

 

「…ちょっと待て。チャリで行く気か?」

 

「おう!体力には自信あるからな!延珠ちゃん連れて日帰りで帰ってきてやるぜ!」

 

おいおいと蓮太郎は呆れてしまう。

ここから何十キロあると思ってるんだ…

さっきまで頼もしそうに見えたのに、急激に頼りなさそうに見える蓮斗。

確かに、ギリギリ日帰りで戻れるかもしれないが電車を使ったほうが明らかに早い。

蓮斗はやっぱり…

 

「心配しないでください蓮太郎さん。蓮斗さんは「アホ」ですから!」

 

「…だよな、知ってた。」

 

「アホの部分だけ強調して言わないでくれませんかねええええ!!」

 

結愛にダメ出しされて涙目になる蓮斗。

…こいつ、まさか10歳の子に怒られて喜んでるわけじゃないだろうな?

 

「あ、蓮太郎さん。そんなわけで蓮斗さんは延珠さんの捜索、蓮太郎さんは私達と一緒に仕事をお願いします。そこで、私が今日一日だけ蓮太郎さんのペアになろうと思うんです。…延珠さんの代わりにはなれないと思いますがご迷惑でしょうか?」

 

「俺と結愛が?今日だけの一日ペアってことだよな?」

 

「はい。今回の仕事では、大手の社長の他、それを護衛するために数多くの民警ペアがいると予想できます。ただでさえ私達は年齢が低く異質な雰囲気を醸し出してしまうでしょうし、形だけでも作っておくべきかと…」

 

「わかった。そういうことならよろしく頼むぜ、結愛。」

 

「はい、こちらこそです!蓮太郎さん!」

 

突然結愛と組むことになった蓮太郎。

今回の仕事は昼かららしく時間がないと木更に急かされると、蓮太郎と結愛は車に乗り込んだ。

 

「蓮斗、延珠のこと頼んだぞ…」

 

「そっちこそ、うちのゆあちーを頼んだぜ?」

 

長居すれば蓮太郎が不安になるのをわかっているのか、蓮斗はさっさと出発した。

良い体格で蓮太郎のオンボロチャリに乗っているのは滑稽ではあるが…

 

「…ごめんなさい二人共。少し寝かせてもらってもいいかしら?昨日からこの案件のせいで寝れてないのよ…」

 

出発すると欠伸をする木更。

どうやらかなりお疲れの様子である。

 

「気にしねーよ…木更さんはむしろ、そのくらい休んでくれたほうがいいんだ。」

 

「ごめんね…里見くん…」

 

それだけ言うとよっぽど疲れていたのか、木更からはすぐに寝息が聞こえてきた。

制服であるあたり、恐らくは一度学校に立ち寄っていたのだろう。

 

「ね、寝ちゃいましたね…」

 

「木更さんは元々良い生まれの人なんだ。だから、普段は人前で無様な姿を晒さないようにって見栄張ってんだよ。疲れないほうがおかしい。」

 

「…天童って、やっぱりあの…」

 

「おっと、それは俺や木更さんの前ではタブーだ。気をつけてくれ。」

 

「…聞いてはいけないことでしたか。あの…蓮太郎さんの隣…いってもいいですか?」

 

何を考えたのか結愛が突然そんなことを言い出した。特に特に断る理由もなかったので承諾すると、ニコニコしながら蓮太郎の隣に座り腕まで絡めてきた。

その可愛い仕草にドキッとさせられる。

車の中は流石高級車とも言うべきか広めにできており、シートベルトを外せば移動も不可ではない。

 

「…お、おい!」

 

「大丈夫です。熟睡しているようですし起きませんよ。それに、私だって10歳の女の子です…甘えちゃいけませんか?」

 

そう言われてもだな…といいかけるも蓮太郎はやめた。

隣の結愛はもう笑っていなかったからである。

蓮斗があんな調子では、甘えるにも甘えられないのだろう…

人の温もりを感じたのは果たしていつ以来なのか?

そういうところからも結愛の苦労が伺える。

 

「じゃあ、折角だし到着するまで2人で話すか。一日とはいえ今日はペアを組む。それに、同じ会社で働いていくことになった仲間でもあるし、お互いのこと知っていて損はないだろ。」

 

「ふふっ…私もそう言おうと思っていました。先程の件は触れないよう、蓮斗さんにも伝えておきますね?」

 

「わかった。…じゃあ、いきなりぶっちゃけた質問させてもらうが結愛は蓮斗のどこを気に入ってるんだ?あれ完全にネタキャラだろ…」

 

「あ、あはは…何も言い返せないです。でもあの人は私を救ってくれた大切な人です。それに、やるときはやりますから…その時の蓮斗さんはかっこいいんですよ?」

 

結愛はなんの躊躇いもなく、自分達の過去を話して聞かせた。

蓮斗との出会いも、2年前の事件の事も。

先程本人が言っていたが、それだけ蓮太郎達のことを信用しているという証拠になるだろう。

 

「それが結愛の戦う理由か?」

 

「えっ…何の話しです?」

 

「先日、友人に聞かれたんだ…お前の戦う理由はなんだ?って。けど、俺は答えることができなかった。俺が戦うきっかけになった理由と、今戦っている理由が全然違うんだよ… 結果、自分が何をしたいのかもよくわからないまま延珠にも迷惑をかけてる…」

 

「なるほど…それが、蓮太郎さんの悩みですか。でもそこに拘りを持つ必要はないと思いますよ?戦っているうちにその目的が変わる事は珍しいことではありません。私もそうですし…」

 

「悪いな…お悩み相談するつもりはなかったんだけど…」

 

「気にしないでください… 参考程度に私の戦う理由、お話しますよ?私の当初からの戦う理由…それは勿論蓮斗さんのお役に立つことです。私、蓮太郎さんが思ってる以上に蓮斗さんのこと大好きなんですよ?」

 

「それを堂々と言えるあたり、よっぽど好きなんだな…」

 

「い、いいいい言わないでくださいね!?/// あの人は誉めるとすぐ調子に乗るんですから!!」

 

微笑ましいのでついつい笑顔を浮かべながら蓮太郎が聞くと、言ったあとで恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にしながら結愛がパタパタと両腕を振って否定した。

本人のことを大好きでありながら本人の前ではいつも怒っているようにみえる。

皆の衆、これがツンデレというやつだ!

 

「あはは!言わねえって!蓮斗はいじられてる方が似合うよ」

 

「…ですね。それは、当初からの目的で今も変わることはありません。しかし、先程お話した蓮斗さんのお父さん…私の師範が殺されたあの事件を境に、私の目的が1つ追加されてしまった…」

 

普段はニコニコしている結愛だが、こういう時は笑顔がふっと消えて瞬時に冷徹な表情に変わる。

本人が氷の使い手というのもあるのだろうが、冷たい…というのが非常に強く印象に残るのだ。

 

「答えは単純。「復讐」ですよ… 私は普段蓮斗さんと一緒に皆を守るために戦っていますが、奴だけは例外です… 私は…あいつを殺したくて殺したくてたまらない!!」

 

嫌なことを思い出したのか口調が荒れる結愛。

しかし、蓮太郎は臆せず話す。

 

「復讐は何も産まない…それをわかっててか?」

 

「はい。頭ではわかっています… けど、時には理屈を通り越して感情で動く。それが人間というものでしょう?」

 

この時、蓮太郎は知らなかった。

結愛が最初に蓮太郎達のタブーに触れてしまったのはまだお互いのことを詳しく知らなかったからだ。

しかし、それは結愛から蓮太郎だけの話ではなく。その逆もある。

蓮太郎も結愛のことを詳しく知らず、これが後々非常に大惨事になるということは、この段階での2人は知る由もなかった。

結愛の復讐対象が、蓮太郎の知る「あの人」であることに。

 

「まさか…年下に人間について語られるとはな… 師範はどんな人だったんだ? いつもは優しいお前がそこまで怒るなんて相当だろ?」

 

「師範は本当にエッチな人でしたよ… いっつも私のスカートをめくったりお尻を触ったり後ろから抱きついてきたりしてもう!!」

 

「お、おう…」

 

「けど、それが気にならなくなるくらい本当に優しい人だった… 蓮斗さんの良い面も悪い面もエスカレートした人だと思ってください。優しい時はどこまでも優しく、ふざけてる時はどこまでもふざける。修行は厳しかったけど、それでも3人で過ごしたあの日々は私は一生忘れない。それなのに…それなのにあいつは…!!」

 

「師範はどのくらい強かったんだ?」

 

「私は、師範より強い人を今まで誰一人としてみたことがないんです。朝山式抜刀術の天才…その力は、私と蓮斗さんが全力を出して100回挑んでも、その全てを瞬殺の一言で返り討ちにするレベルです。」

 

入社試験がてらの簡単な試合。

そこでは勿論、蓮斗も結愛も全く本気を出していなかったがそれでも蓮太郎と延珠は勝てなかった。

そんな二人が何度挑んでも勝てないと聞かされれば、それはもう次元の違う何かの話といっても間違いではない。

 

「言い方は悪くなっちまうが、そんな最強の師範が負けたってことだよな?」

 

「だからこそ私は信じられないんです… 恐らく、犯人を見つけたところで私は勝つことはできないでしょう。それでもやらなきゃならない。超イニシエーターとして、師範の弟子として、そして蓮斗さんが本当の意味で笑ってくれるその日まで… 私はこの2年、ずっと修行を続けてきましたから。」

 

「そういや、気になっていたんだが超イニシエーターって空想動物がメインとなるガストレア因子の上位種のことだよな?結愛みたいに特殊能力を使ったりってみんなできるのか?」

 

「それは人によって違うと思います。私は、私以外の超イニシエーターを1人しか知りませんし、詳しい事はわからないですが…」

 

「知り合いがいるのか?」

 

「はい、知り合いも知り合い、大親友ですよ!その子はモデル・デビル… 悪魔のイニシエーター何ですけど、不死という絶対無敵な能力を持つ上に、口からブレスを放てます。」

 

「…それ、化け物を通り越して最強じゃねえか。」

 

「だから言ったじゃないですかー!私は、超イニシエーターの中では下級も下級…ホントに大したことないって…」

 

「世界は広いってことか… なんだか、俺も超イニシエーターについてちょっと興味が出てきたぜ。」

 

「それはよかったです!あ、私からも1つ聞いてもいいですか?」

 

「お、おう…なんだ?」

 

「そんな真面目な話じゃないですって!力抜いてくださいよ…」

 

先程まで復讐だとか超イニシエーターだとか物騒な話が続いていたので蓮太郎は若干緊張すると結愛に笑われた。

 

「蓮太郎さんって、料理得意なんですよね?よかったら、今度私にも教えてもらえませんか?」

 

「別にいいけど俺は人並だぜ?まあ、蓮斗なら何食わせても喜びそうだし、結愛が作ったのなれば喜ぶだろうよ…」

 

「手料理と称して毒を持っておきますよ!ふっ、ふふふふふっ…」

 

「こえーよ…」

 

迫真の演技に騙される蓮太郎だが、結愛は冗談ですと舌をペロっと出してみせた。

今まで色々な家事をしてきたが、料理をする機会が少なかったので是非教わりたいとのこと。

今度から、会社のキッチンを使って蓮太郎が結愛に料理を教えることになったようだ。

 

「話し込んでいるうちに着いたようです。気を引き締めていきましょう…」

 

「ああ、よろしく頼むぜ結愛。」

 

だいぶ長々話し込んでいるといよいよ職場に到着。2人は木更を起こすと新たな仕事に取り組むのであった。

 

 

 


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