その後、零がどうなったのかをご覧ください(`・ω・´)ゞ
翌朝
場所は変わらず第二区の地下。仕事を済ませ帰った零はそのまま仮眠を取っていたが、布団の上に違和感を感じ目を覚ます。
「おっはよー!零!」
「………なんで俺の布団の上に乗っかってるんだお前は。」
朝から満面の笑みで桜が出迎えてくれたのは非常に嬉しいのだが、いい年した(17歳)の女の子が小学生のような行動を取るのはどうなのだろうか。
ましてや、民警ということで零達の周りにも年少者は多い。
見つかったらなんて言い訳をするのだろう…
「いいじゃんいいじゃん!最近仕事一緒にならなくてつまんないんだもーん!」
「ったくお前は…」
本名は舞姫桜(マイヒメサクラ)。
桜色の綺麗な髪をツインテールに整え、笑顔が持ち味の女の子だ。目は右目が緑、左目が紫のオッドアイで身長は160cmほど。
幼い頃からの零を全て知る、唯一の理解者である。
桜と初めて出会ったのは、零が全てを失ってから一年後…9年前のことだった。
☆零・回想☆
父がいない、母がいない…そして妹がいない。
歩き続けて都心まで辿り着いた零は、そこでガストレア対戦が終了したことを知った。
…後一日耐えていれば、あの一日を耐えていれば…自分たち家族はこれからも笑って過ごすことができたというのに。
しかし、涙を流しきってしまった零からは悲しみも、悔しさも、憎しみもいかなる感情も湧くことはなく、これから自分一人でどうすればいいのだろうという不安と虚無感が心を埋め尽くしていた。
東京都心といっても、とても綺麗なものではなかった。
ガストレアに敗北し、街はボロボロ…補給物資もままならなく街としての機能はおろか、道端に倒れている人もまだ多かった。
一通りの情報だけ手にすると零は再び町を外れ、サバイバル生活を始めた
小さい頃から紗雪に料理を作ることが多かったため、ある程度家庭的ではあったし、外れなら僅かながら食用の植物が生えている場所も残っている。
始めのうちは慣れずに腹を壊したりしていたが、慣れてくるとその植物を見ただけで食用か、毒があるのか見分けられるようになっていった。
時折都心に戻っては、捨ててある布団など生活に必要な物資を自力で運び、誰にも目を向けられないながらも1人生き抜いていた。
夏が過ぎ、秋が来て、冬が来て…
9歳の少年には非常に厳しい状況が続いていた。
あの日から約一年…あの日と同じ季節を感じることのできるようになってきた頃、大人の集団が零のねぐらを突然訪ねてきた。
「朝霧零だな。」
「…誰…だ」
一年間、殆ど誰とも会話することもなくこの男の声など当然知り合いの記憶にもいない。
よくみると、白衣を着た男が数人と、武装した男が数人いた。
「お前は選ばれた人間だ。自身に特別な力を宿している上に、幼いながらも大人のように冷静な判断ができる。朝霧家…お前の家系のことを知りたいなら我らの元へ来い。」
「親父達のことを知っているのか…?」
「………」
男は何も答えなかった。
いくら冷静な判断ができるとはいえ、特に断る理由はなかった。
自分はここで一人生活しているだけだし、罠だとしても両親や妹がどうなっているのか…そもそも父親の謎の力はなんだったのか…
それが知れる可能性が僅かでもあるなら、行ってみる価値はあると零は判断した。
「わかった…アンタらについてくよ…」
「良い返事だ。」
男達は、特に拘束したり、眠らせたりすることはせず零を自分の足で歩かせた。
途中からは目隠しをされ、車で運ばれた。
しばらく時間が経ち、降ろされた場所は大きな研究施設だった。
説明人のような男が一人来ると、残りの男達は去って行く。
「ようこそ、我が研究所へ…」
「俺は何もわからない…家族のことを聞けると知って、ここに来た…」
「お気持ちはわかりますが、まずは説明を聞いていただきましょう。歩きながらで構いませんね?」
案内人の男は、零に施設の中を一通り歩き案内をしながらバラニウムやガストレア、プロモーターやイニシエーター、そして現在の時事など難しい話をどんどんしていった。
「…これが、ガストレア大戦に敗北した現在の日本の状況です。といっても、10歳の君には難しかったかな?」
「専門用語を極力省いてくれただけで充分。大体の話は理解した…それで、俺にどうしろと?」
「簡単な話です。君には特別な力が宿っています。それを、これからのガストレアとの戦闘で活かすため我々に研究をさせて欲しいのです。その報酬として貴方の知りたい家族の情報と、充分な生活をすることのできる資金、環境を整えましょう。」
「なら先払いだ。腹が減ったから飯をくれ…それと家族の情報もだ…」
「ふふっ…本当に小学生とは思えんな…。 いいでしょう。」
説明人は、食券のような物を一枚渡すと朝霧家について説明を始めた。
朝霧の一族は、このガストレア大戦でバラニウムが有効だと人類が気づく前からバラニウム…そして超バラニウムを所持していた。
その理由は一族にしか知らされないため、不明な点が多いが問題なのはそこではなく、バラニウムの所持方法のほうである。
「朝霧はバラニウムを個体として所持しているのだけではなく、己の体内にも直接宿しているのです。」
「体の中に、金属を?」
「その通りです。そしてそれは、朝霧の血を引いている貴方も例外ではない。試しにやってみなさい。貴方の腕には血液ではなく液状化した硬い金属が流れている…その流れを想像し、自分の思うがまま鋼鉄な腕を形成するように金属を固体化させなさい。」
説明人はまるで催眠術をかけるかのような一定のペースでそんなことを言い始めた。
最初は半信半疑だったが、適当な理由で自分のことを知りもしない男がこんな施設に案内なんてするわけがない。
言われた通りに自分の腕を想像してみると、右腕が真っ黒に染まり始め、最終的には金属らしい光沢まででてきた。
「な、何だよこれはっ!!」
「落ち着きなさい。今度は、人間の血液を想像しない。流れる鮮血を…自分がいつも使っている右腕を想像するのです。」
何故この男が自分より自分の体のことを知っているのか。
気に食わないし気味が悪いので特に追求はしなかったが、言われた通りに想像をするときちんと自分の腕に戻った。
「これが、俺の力なのか…」
「一度やり方を知ってしまえば簡単でしょう?その力は今現在、ガストレアを倒すことのできる唯一の力。その力で、未来の人類を救ってはくれませんかね?」
子供の頃、誰しもヒーローというものに憧れはしなかっただろうか?
現実には存在しないスーパー戦隊や仮面ライダーなど…そういった英雄が活躍する番組を見ては、自分もあんなふうになれたらと思うこともあるだろう。
普通の人間にとっては所詮それは架空の想像にすぎないが、零の場合はやれると言われた。
もちろん零もまだ歳が若く、そういったものにある程度興味はあったし力が欲しいかと言われれば欲しいと即答するだろう。
両親を失い、目の前で大切な妹を失った零は二度とそんなことが起こらなくてすむような力を欲していたのだ。
「俺は最強になる… もう何も失いたくない…俺にその資格があるというのなら、自分の力でその座を手にしてみせるさ。」
その返事を待っていたかのように、目の前の説明人はニヤニヤと笑い出した。
「くくくっ…交渉は成立ですね。桜、後は君に任せますよ…」
「はーい!」
説明人は人の名前を呼ぶとどこから湧いてきたのか自分と同じくらいの年齢の桜色の髪を持つ少女が現れた。
それには驚いたのか、目を丸くすると先に向こうの方から声かけてきた。
「はじめまして!君が、朝霧零くん?」
「あ…ああ… 君は?」
「私は桜。舞姫桜!それじゃあ許可も降りたし、レッツゴーだよ!」
「あ、お、おい!!」
桜はいきなり零の腕を掴むと説明人を放置するかのように一気に走り出した。
施設の案内はある程度されたのでここがどういう場所なのかもある程度想像はできたが、連れて来られた場所はその想像とは全く異なっていた。
「………食堂?」
「うん!腹が減ってはなんちゃら!」
「あ、ああ…」
満面の笑みで言うが最後まで言えてない。
大人たちしかいないような場所で子供二人で行動していると本当に周りから浮いて見えた。
周りの人間がみんなこっちを睨みつけてくるが、桜は全くお構いなし。
こういうキャラなのだろうと自分の中で勝手に納得すると零も先程貰った食券で食事を取った。
「はーっ!おいしかったー!」
「何かお前、楽しそうだな… つまらなくないのか?こんな場所に閉じ込められて、色んなことされて。てっきり、俺みたいに悪魔に魂売るような奴しかいない場所だと思ってたんだけど…」
「うーん?私にも嫌なことはあるよ?でも、私は笑ってるって夜桜と約束したから!」
「………夜桜?」
「私は普通の人間とは違う、特殊能力者なの。ここは、そういう人達を集めて研究をしている施設。私達くらいの年齢の子がここにいたら、多分その人は何らかの異能の力を有していると見て間違いはない… てことで、君もそうなんでしょ?」
…否定できなかった。
おそらく、桜はこの施設については詳しいのだろう。
頬にケチャップをつけながら真面目な話をしているのは何とも滑稽だが、零は自分と同じ能力者であること、そして彼女の口から出た夜桜という言葉に興味を持っていた。
「その通りだ。流石に詳しいんだな…」
「私の能力はね、自分の体内の中であらゆる物質を生成することができるの。その種類はおよそ1000。物質を同士を合成して、薬を作ったり毒を作ったり…万能な能力でしょー!」
「すごいんだろうけど、イマイチ想像しにくいなそりゃ…」
「…でも、この能力が開花したてで制御できなかった頃の私は自分の体内に毒を作ってしまった。研究所内は大騒ぎだった…貴重なサンプルがーサンプルがーってね…」
「………」
サンプル。
話を聞いた時に検討はついたが、自分や目の前の桜。
こういった能力者は皆、実験動物のように扱われるのだろう。
今まで幸せな生活を送ってきた零は、ずっと研究所で育ってきたと答える桜をみてかわいそうだという感情を持った。
「でも、奇跡が起こった。その毒が私の中で回ると脳に異常反応を起こし、一つの意思が生まれた。…私は二重人格者になったの。私とは違うもう一つの意思…毒から生まれた桜。それが、夜桜だよ。」
「………なるほどな。能力者って、始めは嘘だと思ってたし使いこなせればかっこいいかもって思ったけど、そう簡単には行かないんだな。」
「ついておいでよ。君が求めてる場所に、案内してあげる。」
桜はそう言って席を立つと、食堂を後にした。
零もそれに続く。先程までの明るい雰囲気ななく、桜はずっと真剣な目つきをしていた。
お互いに会話はなく、目的地に辿り着くまで終始無言。
その空気を感じ取ったらしく、体が緊張を覚えていた。
かなり歩いたがまだつかない。階段をいくつも降り、施設の最深部と思われる場所に辿り着くとようやく桜は足を止めた。
「ここから先は夜桜に変わるね。私…こういうの苦手なんだ。逃げちゃってごめん… でも、零くんがこの絶望を受け入れて強くなって帰ってくることを祈ってるよ。」
「待ってくれ!それってどういう!」
零が止めようとした瞬間、目の前の桜の姿が変わっていった。
体型はそのままだが、桜色の綺麗な髪は紫色に変わっていき、オッドアイだった緑の瞳の輝きが消えると両目とも紫色の瞳になった。
どこから取り出したのか黒いマントをバサッと羽織ると、先程までの彼女とは丸で別人の…どこか怖い雰囲気の少女へと変身した。
「驚かせてしまったようですね…」
「アンタが夜桜ってやつか?外見だけじゃなく、口調も変わってるみたいだけど…」
「はい。…それと、先程までの桜との会話は私も聞いていたので説明は不要です。私達は二重人格者。表に出ていない方の意識は、起きて瞳の先の景色を見るか、眠って体力を回復するかの2つを選ぶことができます。私達は仕事の時、プライベートの時を約束を決めて使い分けているわけですね。最も、人格が表に出ていない者が脳に司令を出すことはできませんが。」
二重人格…
通常は、重い病などでもう一人の自分の幻覚や意識が見えたりするなど、1種の精神病であることが主だが目の前にいる1人(フタリ)は明らかに違う。それぞれがきちんとした意思を持ち、互いの存在を認めあい、1つの体を共有している…
それが、第一印象だった。光と闇というイメージが相応しい。
明るく元気な光の桜に対して、冷たく渇いた目をし冷静な様子が見て取れる闇の夜桜。
夜桜からは、人を殺し慣れている殺人者特有の殺気が感じ取れた。
「便利なもんだな… 桜は笑っているのが約束って言っていた。対してお前が支払っている代償はあれ(人の命)なんだろ?」
「…貴方の事は大体情報として知らされています。データではこういった場所とは縁のない生活をされていたようですが、この一年で何か変わりましたか?」
「俺は1人生き続けた。その中で色んな人間を見てきたさ…外周区のほうじゃ人殺しなんて日常茶飯事。今じゃもう驚きもしねぇよ…」
「そうですか… っと、今は私の話でも、貴方の過去話でもありませんでしたね。正直に言って、この扉の先は貴方が絶望するといっても過言ではない重要な人物がいます。見ても驚かない…先程、貴方はそう仰られましたが、その数十倍の覚悟が必要かと…」
「つまり、俺にとってその辺の人殺しなんかよりよっぽど辛いものって事だな?」
「間違いなく。」
夜桜は即答した。
この一年間、絶望しかしてこなかった零にとって、言われたところでピンときそうなものは何もなかった。
想像もできないような物が待っているとだけ聞けば好奇心もわくが、自分にとって良くないものだと予め聞かされればそんな余裕もなくなるだろう。
覚悟が決まれば夜桜が扉を開けると言うので承認すると、扉の横にあった電子パスワードを入力…すると、重そうな鉄の扉がぎぃぃと開きはじめた。
扉の先は何もない大きな空間が広がっていた。一番奥の壁際にだけ幾つかの物が置かれている。
夜桜は、ついてこいとジェスチャーすると部屋の一番奥にある何かの機械の近くに向かい歩きはじめた。零も続く。
機械の正体は人型くらいの大きさのカプセルだった。
「その中にある物…それを貴方の目で確かめてください。何度も念を押して言いますが、決して自我を忘れることのないよう…」
夜桜はそれだけ言い残すと、零を願うように目を閉じた。
「嘘…だろ………」
零は唖然とした。目を丸くした。言葉が出なかった。
何もできない、頭が真っ白になる…それらのどんな言葉もが当てはまるほど完全なるただの棒と化した。
カプセルの中身…それは、一年前に失った最愛の妹…朝霧紗雪の姿だった。
中は液体が敷き詰めてあるようだが、呼吸はできているらしく時折、紗雪の口元からはポコポコと液泡がこぼれ落ちていた。
「生きて…生きてたのか、紗雪っ!」
「喜ばないでください。言ったはずです、絶望と… その少女、確かに生存はしていますが体の中はガストレアウイルスに侵食された上、研究者達に魔改造されてしまっています。外見は確かに少女のままですが、とても人間と呼べるようなものではありません。」
自分でも、そんな説明をしなければならないのは嫌なのか夜桜は目を閉じたまま顔を逸らし、零の顔も紗雪のカプセルも見ようとはしなかった。
「…どういうことだよ。俺の目の前にいるのは俺の大好きだった妹だ…起きたらまた俺の前でいつもみたいに笑ってくれるんじゃないのか?紗雪は戦う力なんてもってない普通の人間なんだぞ?」
「ですが、貴方の知る一年前と状況は変わってしまった。その少女は、今や人間などではなく、ただの殺人兵器ですよ。」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
夜桜は上記を言った瞬間、零は拳を振り上げていた。自分の大切な妹を人間ではなく殺人兵器と言われた。
それが完全に零の逆鱗に触れてしまった。
どこまでもどこまでも妹に一心だった零に取っての最大の侮辱、最大の悪口だ。
零は自分の右腕をバラニウム金属に変換させると、手加減抜きで容赦なく夜桜をぶん殴った。
その威力は鉄塊で殴られたのと同等の威力。
9歳の少女である夜桜の体など簡単に吹き飛び、宙に浮かんだまま壁に激突した。
「がはっ!?はぁ…はぁ…」
夜桜は吐血すると、殴られた腹を押さえながらその場に蹲ってしまった。
その状況を見て、始めて零は我に帰る。
「よ、夜桜!?」
「…いいんです。それに、ある程度予想はできていたのにも関わらず、躱せなかった私のミスですから。」
「ごめん…お前に当たってもなんの意味もないのに…」
「朝霧零…貴方には、この辛い現実と向き合って生きていく覚悟が必要です。それに、この研究所は生易しい所ではありません。毎日体を調べられ、人を殺す訓練を受け、最後には純粋で有能な兵士にされる…鬼畜の一言では収まり切れない場所です。悪いことは言いません。今ここで、何も見なかったことにして逃げてください…それが、貴方が唯一幸せに生きていく最初で最後のチャンスです…」
苦しそうにしながらも、目の前にいる夜桜という人間は自分の持てる最大限の笑顔を作りながら零の心配をしてくれた。
こんな思いで生活するのは自分達だけでいい、他の少年少女を巻き込みたくない。だから、自分は桜の分まで、他の研究対象にされた子供達のために多くの血を流し続けてきたのだと。
言葉で語らなくても伝わってくる夜桜の過去。
しかし、その夜桜の願いを零は聞き入れなかった。
「…それはできない。俺は、自分の為に誰かを犠牲にするのはもううんざりなんだよ。俺は紗雪を助けることができなかった。それに、俺がここで逃げたら友達を見捨てることと同じ…俺にはもうそんな真似二度とできないから。」
「…友達?」
「ああ、短い付き合いだけど友達に時間なんて関係ない。桜に夜桜。俺は今日、友達を2人も作っちまったからな…」
「何を言っているんですか?説明した通り、私などただの毒の塊…人間じゃ…」
夜桜が最後まで言い終わる前に零は止めた。
「じゃあ俺の目の前に立っているお前は何だ?1つの意思を持って立っているお前は何だ?確かに体は桜の物かもしれない… だからなんだよ、お前は俺の友達じゃないっていいたいのか?」
「…私を、人間として見てくれるのですか?」
「………ったりめーだ。」
「私、人前で泣いたことなんてなかったのに…」
気づけば夜桜からはボロボロ涙が流れていた。
本当は自分が一番辛いはずなのに、気づけば目の前の女の子の心まで救っていた。
自由気ままな零らしいといえば零らしいが…
「良い事思いついたぜ…」
「え…?」
「夜桜、お前はある程度この施設について詳しいよな?」
「も、もちろんです…桜は生まれた時からこの施設にいますから。」
「なら、俺に協力してくれ…今から俺の考えを話す。」
「………桜もOKだそうです。私も、もちろん了承しますよ。貴方は、私を人として見てくれた初めての「友達」ですから。」
これが、桜と夜桜…二人との最初の出会いだった…
新キャラの桜、夜桜の登場です!
この作品はオリキャラメインの話となりますので零の中間を主にこれからもどんどん新しいキャラを出していきます。
覚えるのが大変だとは思いますが、どうかよろしくお願いします><
また、覚える手助けになればと思いキャラクタープロフィールを用意しました。
まずは、前回登場した蓮斗と結愛です!
二人は多くの技を使って戦いますので、ここで紹介する持ち技は全てのうちのほんの一部となります。予めご了承ください。
朝山蓮斗
身長:178
体重:70
年齢:20
容姿:普段は黒いコートのような服装、修行時は日本人らしい袴を着用する。
真っ赤な髪が特徴的でジェルを使ってガッチガチに固め、一見するとヤンキーのようだが実際は結愛の髪の色に対抗するためと染めているだけである。元の髪色は黒。
金色の瞳に白いハチマキ、食事時以外はタバコを加えていることが多いなど色彩バランスも色々カオスなのでとにかく目立つため、結愛からは何か削れないんですか?とよく突っ込みを受けているらしい。
詳細:三十五区出身で、朝山式抜刀術を使用、伝授できる最後の一人。
初登場時のIP序列は13720位。
7年前に道端に捨てられていた3歳の結愛を見つけ、家に連れ帰り育てた過去を持つ。
家は三十五区の外れにあり、そこで父、結愛と3人で修行をしながら楽しく暮らしていたが、父が二年前にとある事件で死亡。
行き場を失い、2人で会社を経営し民警を始めるが倒産。…その後は現在の通りである。
誰にでも等しく優しく接することのできる温穏和な性格を持つが、裏を返せば恋愛には疎い。
ヘビースモーカーで、暇さえあればタバコを口に咥えている。
好物は蓮太郎のもやしを食べて以来、完全にもやしに固定された。
ロリコン。
持ち技:
朝山式抜刀術という武術を使用する。武器は刀一本のみで、紅い装飾がベースで刀身は真っ黒のバラニウム製の刀「煉獄刀・焔」という武器を使う。
朝山式抜刀術…朝山家に伝わる戦闘方法で、人間の中に眠っている潜在能力を刀という武器を媒介とすることによって発動する。
使用するには、日本古来の武器であり、使用の難しい刀を扱えること、自分に潜在能力が備わっていることが最低条件として求められるため、修得するにはかなりの才能が必要になる。
潜在能力は個々により異なるため、全員共通の型は2つのみ。
三ノ型以降は、個人により技名・効果は異なる。
朝山式抜刀術・一ノ型・隼…納刀状態から技を使用する。目にも止まらぬ速さで敵との距離を詰め、下から上に斬り上げるように一気に抜刀する。
二ノ型・斬鉄…抜刀状態から技を使用する。目を閉じ、自らの剣先に意識を集中させることにより、どんなものでも両断することができる。ガストレアボディやバラニウム金属は愚か、超バラニウムでさえも真っ二つにすることができるが、発動までに10秒以上かかるのが弱点なため、対人戦では殆ど使えない。
四ノ型・緋炎…剣先に炎を纏わせ、敵を斬り裂く。また、纏わせた炎を集めて球体を生成し、それを相手に投げつける遠距離攻撃に変更することも可能。
結愛
身長:134
体重:31
年齢:10
容姿:蒼緑色の綺麗な髪、エメラルドグリーンの瞳を持ち、髪型は肩にかかる程度のストレート。
夏でも真冬用の白いコートと水色のマフラーを着用しているが、何故か下半身はミニスカートなので暑がりなのか寒がりなのかは不明。
頭に白いベレー帽を被っている。
詳細:初登場時のIP序列は13720位。
モデル・イエティの超イニシエーターで、氷を使った能力で戦う。
外周区に捨てられていた捨て子。奇跡的にIISOに引き取られる前に蓮斗に発見され、そのまま朝山家で生活を始める。
年齢に似合わないほどしっかりしている性格で、ダメダメな兄貴分の蓮斗ができないことは全て自分ができるようにするという意志の元、様々な知識、技術を取得していて家庭的な女子。
現在は料理を練習中で、天童民間警備会社に入社後は蓮太郎にしばしば料理を教わっている模様。
まだ自意識すら持つことができなく、呪われた子供たちである自分を大切に育ててくれた蓮斗、及びその父に恩義を感じており、2人の為に尽くすことが彼女の生き甲斐であった。
趣味は蓮斗のお世話がメインとなる家事全般で、好物はチーズケーキとピザ。
持ち技:
蓮斗同様、朝山式抜刀術の使い手で、現在唯一の弟子である。
武器は刀一本のみで、水色と蒼の装飾で刀身は真っ黒のバラニウム製の刀「氷刀・雪月花」という武器を使う。
一、二の型は蓮斗と同じ。
三ノ型・絶対零度…剣先にマイナス273℃の冷気を纏わせて敵を斬り裂く。命中すれば、相手は必ず氷漬けになる。
氷槍の雨(アイシクル・ペネトレイション)…朝山式抜刀術ではなく、結愛個人の持ち技なので刀を握り媒体としなくても発動することができる。
両手から大量の氷柱を放出する。一つ一つの大きさは小さいが、スピード及び飛距離はかなり高く全て命中すれば100m先のバラニウム金属でさえ粉々に粉砕する。