ブラック・ブレット 漆黒の魔弾   作:Chelia

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ガストレアのステージのレベルは本来Ⅰ、Ⅱのように書きますが、文字化けを防ぐためにあえて算用数字で書いています。
ご了承ください。


新たな仲間 蓮斗&結愛

☆SIDE 蓮太郎☆

 

「里見くん、死ぬ前に何か言い残すことはある?」

 

目の前にいるとってもお美しい美少女が満面の笑みで上記を言った。

さて、これは一体どういうことなのか…

状況の補足をすると、ここは天童民間警備会社の中で話しかけているのは社長の天童木更という人物である。

蓮太郎の幼馴染で、学生でありながらも親に頼ることを嫌いこうして会社を設立しているわけだが、前回にもお話したように色々と悪条件が重なって全く儲かっていない。

その理由の一つが、目の前で怒られている里見蓮太郎なのだ。

 

「待ってくれ木更さん!これには深い訳が!」

 

「はぁ?まさか、その深い訳がタイムセールのもやしとか言うんじゃないでしょうね?大体、依頼の事後処理全部すっぽかしてスーパーに買い物に行くってどういう神経してるの!?しかも、報酬を途中で受け取り忘れたのに気づいたくせに私にも警察にも報告しないなんて!」

 

「ぐっ…何も言い返せねぇ…」

 

目先の欲に目が眩むとロクなことがないぞ蓮太郎…

案の定、会社に戻った後多田島に連絡を入れたが、成功報酬?www何それwww俺、V…(ry

 

…ではなく、なぁんだ、受け取りに来ないからてっきり初回無料のサービスかと思ったぜガハハ!!と思いっきり笑われ報酬を受け取ることができなかったのだ。

 

「ぐっ…じゃないのよ!今回がどれだけ貴重な依頼だったと思ってるの!」

 

仰るとおりです。というか、これを逃した以上もう潰れるまでウチに依頼なんて来ないんじゃないか?

隣に座っている延珠が眠そうな顔をしながら欠伸をするとれんたろーは馬鹿だなぁという顔をしながらこちらを見てくる。

延珠は延珠でチャリから落として放置された事を根に持っているのか、全く擁護してくれない。

この会社に蓮太郎の味方は果たしているのだろうか…

そんなことを考えていると、ぎゅるるるるるという音が聞こえ現実に引き戻される。

鳴っていたのは木更さんのお腹だった。

 

「もういや………ビフテキ食べたい………」

 

社長机にバタンと倒れ込む木更。

透き通った黒髪でストレート、気品のある学生服に、大きな胸。これだけ容姿が整っていて美しい女性がこのザマである。

 

…誰のせいだ?

 

貴方のせいです。

 

「…アンタも食べるか?もやし…」

 

「そんなんでこの私が許すとでも?…はぁ、イニシエーターは優秀なのに何でこんなにダメダメなのかしらね、貴方は。」

 

民警個々の強さを測るものとして、IP序列というものがある。

IP序列はイニシエーター・プロモーター序列の略でIISOという組織により世界中の民警全てが戦闘能力及び戦果によってランク付けされる。

上位100位以内の組みには二つ名がつき、数値が上位に行けばいくほど「擬似階級の上昇」や「機密情報へのアクセス権」などが手に入る。

また、この裁定はかなり正確なもので結構アテになるため序列の高さがそのままそのペアの強さと認識して間違いはないだろう。

現在、世界中で民警のペアは約20万あるのだが果たして蓮太郎&延珠の序列とは…?

 

「序列123452位…雑魚中の雑魚ね。」

 

「そこまでいうか…」

 

全世界の民警の半分すら下回るという恥っぷりだ。

ただ、木更の言うとおり延珠は非常に優秀なイニシエーターである。

恐らく、延珠単体なら序列1000番代ランクまで行くことができるだろうが、蓮太郎のヘマのせいでこんな残念な順位にさせられている。

何とも勿体無い話だ。

 

「もーっ!こんな道のど真ん中で死なないでください!いーから、早く立ってくださいよ!!」

 

…おい、何か今物騒な言葉が外から聞こえたんだが。

 

「何やら外が騒がしいわね…」

 

窓は開けていたため、木更も普通に聞こえていたのか同じことを考えていたようだ。

 

「…こんなオンボロ通りに来る奴なんてどうせたかが知れて…って、おい!誰か倒れてるぞ!?」

 

「えっ!?里見くん、様子を見に行きましょう!」

 

窓から外を見ると、蒼緑の綺麗な髪をした小柄の少女が真っ赤な髪をした大きな男を必死に起こそうとしていた。

蓮太郎と木更は慌てて下まで降りて行くと、その少女達に声をかけることにする。

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

「え、ええっ!?人!?///」

 

木更が慌てたように背後からが話しかけると、その少女はビクッと体を震わせ、顔を真っ赤に赤面させながら振り返った。

 

「あ、いいんです!いつものことなんで!」

 

その少女は慌ててそう答えるが…

 

「す、すまねぇ…ゆあちー…」

 

バタッ。

大男の方は、そう言い残すと意識を失って倒れてしまった。

 

「って!うわぁぁ!本当に気絶しないでくださいよ!このバカぁ!」

 

何とか事態を穏便に済ませたかった少女だが、逆に空回りしてさっきから色々と叫ぶだけになっている。

こりゃ、ダメそうだな…

 

「…まぁ、何か色々と触れられたくないんだろうが、流石に道のど真ん中で倒れてたら目立つだろ?ここは、お兄さん達に任せておけよ。てなわけで木更さん、こいつ運ぶの手伝ってくれ。」

 

「軽々しくレディーに荷物持ち頼まないで!里見くんが一人で運びなさいよ!」

 

「…荷物って…否定できないのが辛いです…」

 

蓮太郎が少女に優しく声をかけると、ちょっと良いシーン作ってやろうかという所で木更がフラグをぶっ壊しにかかっていた。

少女は苦笑いしかできないものの、流石にこの男を1人で担ぐこともできないので、仕方なく2人の手助けを受けることにしたようだ。

 

蓮太郎は男を担ぐと、女性陣2人を連れて再び会社内に戻る。

延珠が驚いた顔をしていたが、少女が全く心配ないと言ったので多分その通りなのだろう。

簡単にソファーに寝かせると、少女を椅子まで案内した。

 

「すまねぇな、ボロい会社だからこんなんしかないんだ。」

 

「あ…いえ、私の方こそ皆さんにご迷惑を…」

 

「へー!しっかりしてる子じゃない!里見くんも見習いなさいよ!」

 

木更がニコニコしながら言うが、流石に小学生くらいの女の子を見習うってどうなんだと蓮太郎に突っ込まれていた。

少女が言うには、5分程度で目を覚ますとのことなので大人しく待っていると本当に5分ピッタリに目が覚めたので驚かざるを得ない。

 

「って、こんな所で寝てたらカッコよくねぇぜ!待ってろ!ゆあちー!!…ってあれ?」

 

男が飛び起きると、何やらカッコつけようと頑張っているがさっきと違う場所にいることに気づく。

 

「もういいです…少し黙っててください。」

 

「…ハイ。」

 

少女に言いくるめられ黙り込む男。

何か似たような光景をよく見るような気がする…この会社で。

まあ、きっと気のせいだろうから話を進めましょう。

蓮太郎達からしても色々と聞きたいこともあるだろうし…

 

「ええと、その人は大丈夫なのか?」

 

「はい、あまりの空腹に意識が飛んだだけです。」

 

少女が答える。

男の方は発言禁止を忠実に守っているのか後ろで無言で涙を流していた。

…こわいわ!というか、この年で大人に言うこと効かせてるこの子もこわいわ!

 

「空腹って、どんだけ食わないとそういう現象になるんだよ… アンタこれ食うか?」

 

蓮太郎が先程買ってきたもやしを男に見せると、物凄くキラキラした目でこちらを見てくる。

だからこわいわ!サイレントのお笑いじゃないんだから…

 

「…話しかけられた時くらい返事していいです」

 

「マジで!?くれんの!?」

 

表情だけでなく言葉の方もハイテンションだった。

もう少女の方は呆れてため息をついている。

 

「れんたろー…妾もお腹空いたぞ…」

 

若干放置気味にされて機嫌の悪い延珠もそういう。

 

「わかった、木更さんも食べるだろうし適当に炒めてくるから待っててくれ。」

 

そういうと、蓮太郎は奥の部屋に消えていった。

ここ、天童民間警備会社の内装は至ってシンプル。…というより、ボロマンションの1フロア部分なのでこれ以上どうしようもないというのが正解だ。

部屋の奥には社長用のテーブルと椅子が置いてあり、中央には来客用のソファーがある。ここだけ家具が豪華なのは恐らくお嬢様である木更の最後のプライドなのだろう。

木更が何故お嬢様なのにここまで貧乏なのかは敢えてここでは触れないでおく…

部屋の手前には、現在唯一の社員である蓮太郎と延珠の仕事机(という名の勉強机)があり、それ以外には何もない。

寝泊まりすることも考慮されており、キッチンやシャワーも設備はされてあるが寝泊まりするほど仕事が忙しくならないのと、料理できる人がいないためこちらはあまり使われていない。

蓮太郎だけは料理がある程度できるが、ここのキッチンを使うのは非常に珍しいといえる。

 

もやしを炒めるだけなので、すぐに蓮太郎は戻ってくるとそれを机の上に置いた。

 

「悪いけど、今はこれしかないんでな… まあ、好きに食べてくれ。」

 

報酬を受け取り忘れるほど全力で買いに行き、お一人様1パック(延珠と並んで2パック買った)のもやしを全て出す蓮太郎。

金が無い金が無いといいながら、困っている人を放っておけないのは彼の持つ人を魅了する最大の特徴といえよう…

 

「うお、美味そうだな!」

 

「里見くん、遠慮なくいただくわね!」

 

頂きますと元気よく言うともやしにがっつく三人。

延珠はまだ可愛げがあるから良いとして、残りの二人にはプライドというものがないのだろうか…

 

「す、すみません!お食事までご馳走していただいて… 何とお礼を言ったらいいか…」

 

蓮太郎の横で少女がペコペコと謝っていた。

 

「気にすんなよ… それより、アンタは食わなくていいのか?」

 

「私は大丈夫です… そういえば、怪しいお店があって少しびっくりしましたが、ここは民警なんですね。」

 

笑って遠慮する少女。無理をしているなら強引にでも食べさせたほうがいいのだろうが、初対面の女の子に食事を強制させるのもどうかと思い、蓮太郎はこの少女と会話をすることにした。

 

「まあな、ご覧の通り立地も最悪でな…社内もオンボロだしとにかく儲かってないんだ。」

 

「ここにいる途中にいたヤンキーのお兄さんやエッチなお姉さんは貴方の知り合いなんですか?」

 

「あー…この建物、一階はゲイバーで二階はキャバクラ、三階がウチで四階は闇金なんだ。って言って意味わかるか?」

 

「はい、わかりますよ?…けど、色々カオスですね… 苦労されてるみたいで。」

 

「そういえば自己紹介してなかったな。俺は里見蓮太郎。向こうにいるのが俺のパートナーの延珠と社長の木更さんだ。」

 

「私は結愛(ユア)といいます。あっちでもやしにがっついているバカは朝山蓮斗(アサヤマハスト)さんって言います。」

 

互いに自己紹介をすると、もやしにがっつく3人をみてクスクスと笑う2人。

蓮太郎から見てわかったことといえば、こちらの少女結愛がしっかりもので向こうの蓮斗がダメダメな兄貴といったところだ。

まるでプロモーターとイニシエーターだな…

 

「そういえば、結愛はどうしてこんな所を歩いてたんだ?」

 

「それが…」

 

ガックリ肩を落とすと結愛が話し始める。

 

この二人も俺達と同じ民警で、朝山民間警備会社という会社を設立し活動を行なっていた。

しかし、蓮斗のあまりの仕事のできなさに経営は悪く遂に本日倒産したという。

今日はその旨の書類を持って、民警をやめると政府に手続きに行くところだったそうだ。

 

「決して仕事がないわけじゃないんです…けど蓮斗さん、目の前に困った人とか面倒な事件があるとすぐそっち行っちゃって… それはそれで大切なことだろうとは思うんですけど、常にそればっかりだとまともに依頼もこなせない。完全に経営者向きじゃないんです… 私潰れないようにって頑張ったのに…頑張ったのに… うわぁぁん!」

 

…思い出し笑いではなく、思い出し泣きをしたのか結愛は泣き出してしまった。

いくらなんでも相棒を泣かせるほど仕事ができないとは余程のアホなのか?いや、倒産してる時点でアホなんだろうな。

大して話しもしていないはずなのに蓮斗への評価が物凄い勢いで下がっていく。

蓮太郎は結愛の頭を撫でてやった

 

「よしよし…大変だったな。」

 

「へっ…?」

 

涙を拭いて顔を上げると結愛は不思議そうにしていた。

 

「どうかしたか?」

 

「…いえ、蓮斗さん以外にもイニシエーターにこんなに優しいプロモーターがいるんだなって…」

 

そういえば、零の奴にも似たようなことを言われたな。

呪われた子供たちにも幸せな生活を送って欲しいというのは蓮太郎自身の願いでもある。

 

「そうだ!木更さん!」

 

思いついたかのように蓮太郎が叫ぶ。

 

「何よ里見くん、食事中よ?」

 

「この二人をウチで雇うってのはどうだ?民警を辞めちまったら序列も剥奪されるし、それじゃ結愛があんまりだろ…」

 

「話は私も聞いてたけど、ホントに大丈夫なの?タダでさえウチには里見くんってお荷物がいるのに、ダメダメプロモーターをもう一人抱える気?」

 

「うめえええ!!このもやしうめえええよおおお!!」

 

ボロッかすに叩かれている張本人は満面の笑みでもやしを食べ続けていた。

ロクな食材もないので、もやしにその辺にあった適当な調味料を突っ込んだだけで何も工夫はしていない。

普段何食ってんだこの人は。

 

「考えてくれるのは嬉しいですけど、私、人に迷惑をかけるのが好きじゃないんです… だから…」

 

結愛が丁重に断ろうとすると蓮斗がガタッと立ち上がった。

 

「ご馳走さん。そして天童社長、もし俺達を雇ってくれるんなら、是非お願いできないか?」

 

その目はさっきまで見せていたバカ面とは正反対で、真面目で真剣な目つきだった。

その顔を見た瞬間、延珠の目つきも変わる。

 

「蓮太郎、木更…この二人強いぞ…」

 

延珠はうさぎの生存本能を生かすことで、対峙した相手の大まかな戦闘能力を感じ取ることができる。

その延珠が、目の前の蓮斗、奥の結愛を強者と判断した。

…それだけではない、さっきまで感じ取ることができなかったということはある程度殺気や戦意を隠すこともできるということだ。

 

「…延珠ちゃんがそういうなら間違いは無さそうね。でも、倒産経験があるならちょっと不安かしら… 貴方達の実力、私に見せてもらえる?」

 

「構わないぜ、相手は蓮太郎達でいいんだな?」

 

いきなり戦えと言われて蓮太郎は焦るが、流石に木更に戦わせるわけにもいかず渋々承諾した。

木更も社長ながら恐ろしいほどの実力を持っているが、腎臓の持病で人工透析を受けているため長時間は戦えない。

それ以前に、ここで自分が出なければ男の名が泣くだろう…

試合をするために、場所は会社から少し離れた空き地へ移動。がしかし…

 

「ここじゃ正直全力は出せないですね… 200m先に民家があります…」

 

残念そうに言う結愛。

狙撃手なら話はわかるが、結愛が手にしている武器は一本の刀のみ…

一体どんな戦いをしようというのか。蓮斗のほうも、手にしているのは一本の刀のみだった。

 

「俺達は刀を使って戦うんだ。お前達との勝負、楽しみにしてるぜ!」

 

プロモーターとイニシエーター。互いのペアがセットになり互いに向き合うと、いよいよ戦いが始まろうとしている。

フィールドは完全な野原。空き地とそれ以外の場所を仕切るかのように周りはブロック塀で囲まれている。広さは縦横約200mで、戦闘を行うには充分な広さだ。

 

「序列12万over里見蓮太郎。」

 

「同じく、藍原延珠だ!」

 

「12万か…けど、実力の方はもっと上だろうな。手練の匂いがプンプンするぜ… 序列13720位、朝山蓮斗!」

 

「…同じく、結愛。」

 

互いに自己紹介を終えると延珠と結愛の瞳が真っ赤に染まる。

イニシエーターとして、ガストレアウイルスの力を解放するためだ。

そして、それは戦いが始まるゴング代わりにもなる。

ビュンと常人ではありえない風切り音が聞こえると二人は互いに突っ込む…

挨拶がわりにと延珠は回し蹴り、結愛は抜刀斬りでぶつかり合った。

その威力は…

 

「互角!?」

 

「お主もやるようだが、妾も負けんぞ!」

 

延珠は踵で結愛の刀を抑え込むとそのままくるりと体を反転させ襟を掴む。

そのまま地面に背負い投げを繰り出した。

 

「ぐあっ… 流石ですね…延珠さん。ですが!」

 

「!?」

 

素早く手を離すと距離を取る延珠。

立ち上がる結愛の周りには白い霧がオーラのように纏われていた。

 

「何なのだ…今の寒気は…」

 

蓮太郎の側まで警戒して引く延珠に蓮斗が答えた。

 

「なあ、蓮太郎。魔法や超能力って信じるか?」

 

「…そんな大層なもんがあるなら、とっくにこの世界はもっと良い方向に変わってるだろうよ。そもそも、機械化兵士や呪われた子供たちの存在がここまで公になることもないはずだ。」

 

「だな。けど、限りなくそれに近い域までいける人間がいるとしたら… 朝山式抜刀術・一ノ型・隼!」

 

「天童式戦闘術・一の型五番・虎搏天成!」

 

次はプロモーターである蓮太郎と蓮斗がぶつかり合う。

蓮斗は納刀状態のまま、蓮太郎に一気に接近し凄まじい速さで抜刀。そのまま真っ二つにしようと手加減のない一撃を放つ。

対する蓮太郎も、早業に合わせて早業で対抗した。目にも止まらぬ速さの拳で神速の突きを繰り出す。

この互いの技が真正面からぶつかり合った。

 

「刀相手に素手だと!?」

 

「あいにく、こっちにも仕掛けがあってな…!」

 

結果は先程同様互角、刀とぶつかり合っておきながら蓮太郎の腕は斬れることなく真っ黒の金属が露出していた。

 

「バラニウム…お前機械化兵士だったのか…」

 

「そういうこった、そして俺の義眼は常人の数倍のスピードで演算することで行動の先読みをすることができる。お前がスピード系の技を使うことも、結愛が最初に突っ込んでくることも読んでいたさ…」

 

「なら、手加減してやる必要はねぇな。ゆあちー、さっさと終わらせるぞ。」

 

「はい!」

 

蓮斗の合図で先程から結愛の周りを纏っていた白い霧の放出量が一気に上がり、それによりその正体がわかった。

それは細かい氷の集合体。本来なら氷点下でもかなり低い温度でしか見ることのできないダイヤモンドダストという現象が、真夏の今目の前で起こっている。

そしてその隣に立った蓮斗からは、それに対抗するように灼熱の炎がオーラのように纏われていた。

 

「な、何だこれは!」

 

「へへっ、さっきお前は超能力を否定していたけど俺達みたいに一定の条件を満たせばある程度の特殊能力を使うことのできる人間だっているんだぜ?今から、その技の一部を見せてやるよ。」

 

蓮斗の刀が赤くて、結愛の刀が水色だった理由はそういうことだったらしい。名前は煉獄刀・焔と氷刀・雪月花というそうだ。

まるで漫画でもみているかのように、二人の力が増大していくのがわかる…一撃で決めると互いにアイコンタクトを取ると二人は技を繰り出してきた。

 

「朝山式抜刀術・三ノ型・絶対零度!」

 

「朝山式抜刀術・四ノ型・緋炎!」

 

結愛は氷、蓮斗は炎を刀身にも纏うと一気に突っ込んでくる。

 

「これは練習試合のようなものだしな…正面から行くぞ延珠!」

 

それに対抗するように延珠と蓮太郎も正面から向かっていく…

 

 

 




題名新メンバー追加なのに文字数足りなかった;;

枠に入り切らなかった分は次回の前半やります。申し訳ないです。

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