こうして、無事に夏世と殺し合いにならずに済んだ蓮太郎と結愛は、自分達を待ってるべく蓮斗と延珠に合流するため天童民間警備会社に向けて夏世と3人で歩いていた。
「延珠ちゃんは無事に見つかった。」
そう蓮斗からの連絡を受けているとはいえ、やはり自分の目で確かめるまでは不安にもなる。
そんな緊張した足取りで事務所の前まで来ると、そんな蓮太郎の緊張をぶち壊すような歌が流れているのが聞こえた。
『貴方のハートに、天誅!天誅!』
おそらくテレビの音だろう…いやしかし、ウチのボロ事務所にテレビなんかあっただろうか?
「答えは、中に行けばわかると思いますよ。延珠さんが待ってます!」
そう結愛に言われると、蓮太郎も覚悟を決めてドアを開けたのだった。
「ただいまー…」
「おお!天誅レッド敵陣に突っ込みすぎじゃね!?けど、これも含めてこの子の良いとこってな!」
「そうなのだ!天誅レッドは妾達のヒーローなのだ!」
「はーすーとさーん!!」
蓮太郎の空気をぶち壊したのと、どうみても仕事をサボっているようにしか見えないその状況をみると、結愛がプンプンと腰に手を当てて近づいていく。
「何呑気に子供と一緒にテレビ見てるんですか…」
「おかえりゆあちー。ま、これも延珠ちゃんのケアといえばケアなんだよ。さて、蓮太郎達が帰ってきたんだ、ちゃんということは言っとかないとな。」
「う、うむ…」
テレビを見るのをやめると、延珠は口篭りながら蓮太郎達の方を見る。
「れんたろー…妾はもう大丈夫だ!」
「あ、ああ…」
「ちげーだろ延珠ちゃん。それより先に言う事、さっき練習したろ?」
「心配かけて…ごめんなさい… うわぁぁぁぁん!!」
「…お前の帰ってくる家はここだ。おかえり、延珠。」
延珠は余程寂しい思いをしていたのか、蓮太郎に言いたいことが言えると、安堵と共に蓮太郎に抱きつくようにして泣き出してしまった。
(…蓮斗さん、ちゃんとやっててくれたみたい。私が口を挟む必要もなかったみたいですね…)
後ろにいる結愛や、事情を聞いた夏世もそんな2人を見て思わず笑みを浮かべた。
延珠がしばらくして落ち着くと、簡単なお互いの状況報告と夏世の紹介を済ませ蛭子影胤討伐に向けての作戦会議へと移るのだった。
「なるほどな…ゆあちー達も随分と大変な目にあったらしいな。背中は大丈夫なのか?」
「治療してくださった方の話によれば、縫合糸が完全に同化するには後2日かかると聞いています。それまでは激しい戦闘は控えるようにと…」
結愛の治療に使われたセレーネの縫合糸は様々な種類があり、縫いつけた後は糸が皮膚と同化を始め傷跡が残ることのないような仕組みになっている。
今回使われたのは呪われた子供達用の縫合糸で、ガストレアウイルスを使用して作られた一見すればかなり危ないものだったらしい。
一方、蓮斗の方はというと39区に行ったところで延珠は簡単に見つかり、その後は彼女を立ち直らせる為に様々な心のケアをしていたそうだ。
蓮斗の故郷である35区に行って、そこにいる呪われた子供達と会話をしたり、外周区の破壊された街を一緒に見て延珠に戦う理由を固めさせたりと、普段のアホタイプの蓮斗からは想像もできない腕っ節で延珠は完全に立ち直っていた。
テレビは、その過程で自宅に寄った蓮斗が家から持ってきたものらしい。
チャリにテレビと延珠を乗せてきたのか…パンクしてないだろうなと蓮太郎の顔が引きつっていた。
「にしてもすげえな蓮斗は…落ち込んでてもおかしくない延珠をいつもどおりに戻しちまうなんて。」
「蓮斗さんはカウンセリングみたいな事できるんですよ!「幼女」限定ですけどね…」
「一言多いぞゆあちー… 正確には呪われた子供達のケアだ… 俺は自分の故郷である35区に住んでる身寄りのない呪われた子供達を世話してるんだ。だから、こういったことに慣れてるってだけだよ…」
つまるところ、39区の松崎のような役割をしているということだ。
蓮斗の性格から考えれば、恐らく民警として働いて得たお金を子供達の食費や娯楽費にほとんどつぎ込んでしまったのだろう。
そう考えるとあっさり倒産してしまったのも納得がいく。
蓮太郎がそんなことを考えていると、事務所内に置かれているパソコンから音が鳴った。
「木更さんからのメールだ。みんな来てくれ。」
蓮太郎がそう言うと、メンバー全員がパソコンの周りに集まる。
内容を要点だけ抜き取って話せば以下の通りである。
一つ、木更は現在聖天子の聖居におり重要な作戦、情報を聞かされているためこの事件が終わるまでは事務所に戻れないと言う事。
二つ、現在蛭子影胤はモノリスの外で活動を行っているということ。東京エリアを囲むモノリスによってガストレアの進行を防いでいるというのはもはや周知の事実だが、未踏査領域と呼ばれるその外に出るということは即ちガストレアの巣窟に単身で突っ込んでいるということになる。
そこまでしてその場所にいるということは、十中八九ターゲットがそこにいるとみて間違いないだろう。
そして三つ、木更が天童民間警備会社の最後の資金を使いヘリを手配したということ。
一度感染者をみたことのある蓮太郎と延珠がいれば、空から探した方が早いと判断したのだろう。
しかし、これで現在持てるすべての資金は使い果たし背水の陣に…
絶対に一億稼いできてね!という木更の期待が込められていた。
「とまあ、メールの内容はこんなもんだな… 明日の朝、夏世も連れて5人でヘリに乗り込み、さっさと対象のガストレアを撃破する。途中で奴らに邪魔をされれば排除ってところか…」
「へへっ、単純でいいじゃねぇか。それに、今日は何もなくなったんだし自由にしてていいんだろ?」
「まったりしてるな…モノリスの外に出ることになるし、影胤は序列元134位だ。緊張しないのかよ…」
「して後悔するくらいならしない方がいい。こんな世界だ…俺たちだって、いつまで生きてられるかわかんねぇんだから、遊べる時は遊ぶのが俺の主義。てなわけで延珠ちゃん!遊ぶぜぇぇぇぇ!!」
「おう!妾は天誅レッドだ!」
蓮斗と延珠が狭い事務所内で暴れ回る。
できるだけ心配事を考えないようにする主義か…人にはいろんなタイプがいるんだな…
「いえ、何に緊張していいかわからないくらいアホなだけです。」
「うお!?って結愛!最近俺の心読むこと多くなってないか!?」
「?…何のことかよくわかりませんが… それより、そこに食材の入った袋が置いてあります。思えば私達も何も食べていませんでしたし、料理を作ってくれという蓮斗さんなりのアピールかもしれませんね…」
「そっか…じゃあ俺は飯作ってくるわ。」
「えへへ…蓮太郎さん、私との約束忘れてませんよね?手伝うので料理教えて下さい!」
「でしたら私も手伝います。将監さんが料理なんてしないのは考えなくても分かる通り、普段の家事全般は私がしていましたから…」
というわけで、蓮斗達が遊んでいる中、蓮太郎達は料理をすることになったわけだが…
蓮斗のセンスのなさには感心せざるを得ない。
というより、何を作って欲しいのかがイマイチわからなかった。
カレーのルーとシチューのルーが両方買ってあるし、と思えば人参が入っていないし、何故かもやしが5袋も買ってあるしで一般的な材料で作る料理はどれも無理そうだった。
「らっきょうが買ってあるあたり、カレーを作れってことか?」
「ぷっ…でもどう考えてもシチューのルーはいらないでしょう…」
「すいません…ホントにアホな人で…」
いつもは無表情なことが多い夏世ですらクスクスと笑っていた。
「そういや、結愛達は普段料理はどうしてたんだ?」
「作る人が誰もいなかったので殆どできたものを購入するか、外食で済ませていました。作るより費用はかかりますが、蓮斗さんが火事を何一つできないので私の方もそこまでみれなくて… 夏世さんは全部一人でやっていたんですか?」
「そうですね… ただ、将監さんは肉料理しか食べませんし、おいしいともまずいとも言わないのであまり苦労しなかったというか…」
「俺の周りも料理できる奴はいないからなぁ…延珠はダークマター作るわ、木更さんはまな板ごと切り刻むわ、先生に関しちゃもはや人間の食べ物じゃないし…」
何だかんだで、東京エリアには料理をすることのできる人口は少ないのかもしれない。
それが3人の率直な感想だった。
一時間ほど経過してカレーが完成すると、2人はまた天誅ガールズのテレビを見ていた。
「面白いんですか?」
夏世がそれを言ったが最後、熱弁を始める延珠。
かれこれ10分以上マシンガントークに付き合わされIQ200を越える夏世ですら表情が引きつり始めた頃、ようやく延珠の熱弁が終わった。
「どうだ!面白そうだろう!」
「は、はぁ…」
後ろにいた結愛はわけがわからないと目を回し、蓮太郎はいつものことと聞かないようにスルーしていた。
「とりあえずカレー食おうぜ?折角作ったのに冷めちまう」
「あ、私運んできます!」
蓮太郎が助け舟を出すと結愛が逃げるようにキッチンへ駆けていく。
蓮斗が一緒になってわいわい天誅ガールズを見ているということは、延珠のこの長ったらしい熱弁を聞いて興味が湧いたということだろう。
世の中色んな人がいるんだなと再び思う蓮太郎であった。
「お、いい匂いだ!」
「どっかの誰かさんのせいで、通常とは入ってる具材が明らかに違うんだけどな…」
「う、うるせぇ!食えりゃいいんだよ!」
「ちなみに蓮斗さんは炎の使い手なのに目玉焼きすら満足に焼くことはできません。」
「そんな貴方を結愛さんがずっと支えていたかと思うと…最低ですね」
「やめえててて美少女に罵られるの嬉しいけどみんなでいじめるのはらめなのおおおお!!」
…聞いちゃいけないセリフを聞いた気がした。
「ま、とりあえず食うか。いただきまーす」
蓮太郎の合図でみんなが食べ始める。
今回カレーに入っている具材はじゃがいも、もやし、ナス、豚肉、トマト、たまねぎの6種類。
夏野菜カレーだと言い張ればそんな気もしなくはないが、なんだか謎のバリエーションだった。
と思いきやみんなの反応は…
「うむ!最高においしいぞ!」
「…私が普段食べているものよりおいしいです。」
延珠と夏世からは好評だった。蓮太郎自身も割と悪くないと実感する。
対して蓮斗と結愛だが…
「は、蓮斗さんどうですか…?」
「どうって、蓮太郎が作ったのなら美味いに決まってるだろ?」
「い、いえ…そうじゃなくて、今回は私も一緒に作ったから…」
「ゆあちー俺の事馬鹿にしてたけど人の事言えないくらい料理できないもんな!足引っ張らなかったか?」
「………そんなこと聞いてないです!!この馬鹿ぁ!!」
パーン
豪快な張り手音の後に残るは怒って出ていく結愛と左頬を真っ赤に腫れさせる蓮斗だった。
「イダィ…」
「お前らいつもこんなことやってんのかよ…」
「モテない男の典型的なパターンですね…」
「ん?何がだ?」
答えは乙女心を察する力です。誰も答えはしなかったが。
「とりあえず蓮斗は結愛を迎えに行った方が良いだろ…下にいるし。」
窓から下を見下ろすと電柱の影に隠れている結愛がいた。
マフラーがはみ出ていてバレバレだが、彼女なりのいじけ方なのだろう。
「私も行きます。早く謝ってしまいましょう …」
「俺なんかしたっけかなぁ…」
夏世に連れられて蓮斗も出ていった。
延珠と蓮太郎だけが残ると若干気まずい雰囲気になる。
先に沈黙を破ったのは延珠だった。
「…れんたろーは妾のことどう思ってるのだ?」
「俺にとっての延珠はかけがえのないパートナーであり、大切な家族の一員だ。」
「うむ、ならいいのだ!」
ニコッと満面の笑みを浮かべる延珠からは悩みが取れた様子が伺えた。
呪われた子供達ということがクラスにバレた延珠。
全てを否定され、生きる意味があやふやになった延珠にとって、蓮太郎のその言葉だけが生きる意味なのだから…
「今まで悪かったな…延珠がいなくなって初めて分かったことが俺にもある。前に零にお前は何の為に戦うんだって聞かれた時、俺は答えることができなかった。けど今なら言える。俺は、木更さんや延珠…そして、俺の日常を守るために戦うんだってな。」
「なら、妾もれんたろーを手伝うのだ!妾もっともっとみんなといたい…だから妾も戦う!」
「ああ…これからもよろしくな延珠!」
蓮太郎と延珠が握手をすると、ちょうど残りの3人が戻ってきた。
「蓮太郎さーん…夏世さんが色々言ってくれたのに蓮斗さん酷いんですよぉ…」
「まあ、泣くなよ結愛… 蓮斗のことは、お前が一番よく知ってるんだからさ…」
「それにしたって一度くらいは答えてくれてもいいのに…」
「そうだ!結愛にお土産があったのだ!」
延珠が思い出したかのようにポンと手を叩くとガサゴソと荷物をあさる。
取り出したのは水色の和服のようなコスチュームだった。
「…一応聞きますが、買ったの蓮斗さんですよね?それは?」
「2人のお小遣いで全キャラ分買った天誅ガールズの衣装だ!これで友達が何人増えても天誅ガールズごっこができる!夏世にもあげるぞ!」
今度は黄色いコスチュームを取り出すがかなり小さい。
天誅ブルーとイエローのコスチュームである。
延珠曰く、天誅イエローはメンバーの中で一番ロリっ子なため、服のサイズもかなり小さいとか…
これを結愛と夏世に着せるのだろうか
「いいんですか?ありがとうございます」
会ったばかりの自分に対してプレゼントと言われ、きょとんとした表情をする夏世だったが延珠がニコニコしながら差し出すので笑みを返し受け取る。
てっきり恥ずかしがるのかと思ったが意外な反応だった。
「こ、こんなの着れるわけないじゃないですか!私がコ…コ…コスプレなんて///」
恥ずかしがるのは結愛のほうだった。
天誅ブルーのコスチュームは和服系だし、ミニスカートの短さに慣れている結愛ならそこまで大事レベルではないと思うのだが。
「そっかー…ゆあちーは俺と延珠ちゃんが選んだプレゼントを突き返すのかー 能力通り氷のように冷たいやつだなー」
「…ゆあは嫌だったのか?」
蓮斗がわざとらしく棒読みでいうと延珠が間に受けて悲しそうな顔をする。
「わ、わかりましたわかりました!着ますから!!」
「思い立ったが吉日ですよ結愛さん。早速着替えましょう。」
「えっ!?」
「妾も行くのだー!」
「えええっ!?いやぁぁぁ!心の準備の時間ー!!」
夏世と延珠に連行されて結愛は悲鳴を上げながら部屋を離れた。
「ビックリするよ…ウチの事務所にこんなに人が出たり入ったりするのは今日が初めてだ。」
「それが客ならいくらかよかったのになぁ…」
「だな…」
「にしてもゆあちーのコスプレかぁ…楽しみだぜ!」
「確信犯だろお前…」
「わかるか?小学校高学年になるに連れて少しずつ膨らみ始める絶妙なおっぱいがだな!」
「さっぱりわからん。後それ延珠や結愛の前で言ったら確実に殺されるぞロリコン。」
「ちぇっ… いつか誰かと腹を割って女の子(幼女)の話しをしたいもんだぜ…」
ロリコン。即ちロリータコンプレックスの略。
元々は、自分と年齢のかけ離れた少女に恋愛感情や性欲を持つという意味の言葉だが、最近ではその定義も曖昧になっている。
そういった感情がなくとも少女へ愛情を向ければロリコンと呼ばれるし、年齢が達している一般の女性であっても、体型が幼児体型ならばその人に愛情を寄せた人間はロリコンと呼ばれる。
蓮斗がどの程度のロリコンなのか知ったことではないが、胸だけでなく、ミニスカートから見える太もも、綺麗な肌、そして何より純粋無垢な心と目線… その全てがいいんだろうがぁ!と、ブツブツ言っているあたり、蓮太郎の想像通りかなり危ない側の人間であるのは間違いないだろう。
こんなんで大丈夫なのだろうかと結愛のことを少し心配したが、結愛の場合は逆に蓮斗のほうをいつも振り回しているので問題はないと自己解決する。
「よーし、ではこれが歌詞とセリフだ!いくぞ二人とも!」
扉の向こうから延珠の元気な声が聞こえてきたということは、そろそろ戻ってくるのだろう。
カメラを構えようとする蓮斗からそれを奪うと、なんとなくで蓮太郎も扉の先を見つめるのであった。
「貴方のハートに、天誅!天誅! Let me go!いつだって!最大のポテンシャルで!」
延珠と夏世は元気よく、結愛は恥ずかしそうにしながら出てくる。
こ、これは…可愛いぞぉぉぉぉ!!
さっきまで蓮斗のことを馬鹿にしていたが前言撤回だ!
相棒の延珠が可愛いのは言わずもがな、結愛はいつもと違う和服を着こなし、ミニスカートとは違った生足の出し方がまたエロい!
夏世に関しては元々の服のサイズがかなり小さいので出るとこが出てしまっている。
(俺、ロリコンになったらどうしよう…)
(何を悩む必要があるんだ蓮太郎!こんなに可愛い子達が3人もいるんだ!欲望に忠実になれよ…)
(くっ、だ、ダメだ!俺はこんなところで社会的地位を失うわけにはいかない!)
何故か心の中で蓮斗と会話した気がした。
「どうしたのだ?蓮太郎…すごい汗をかいているぞ?」
「うわぁぁっ!?え、延珠!?」
「何そんなにビビってんだよ蓮太郎は…3人ともよく似合ってて可愛いぜ?」
「ほ、ほんとですか!?」
さっきは褒めてもらえなかったので、蓮斗のその言葉を聞くとあからさまに嬉しそうな態度を見せる結愛。
「あ、ああ…俺もみんな似合ってると思うぞ?」
「ふっふー!ふぃあんせの妾は似合って当然なのだー!」
「お褒めの言葉は受け取っておきますが、里見さん、目線がとてもいやらしいですよ?」
「な、なんの話だ夏世…」
「そういえば、このコスチューム私にはちょっと小さすぎたようで後2センチもスカートが上にあがればパンツが見えてしまうギリギリのラインなんですよね?どうしたらいいと思います?」
悪魔の笑みを浮かべながら蓮太郎に接近する夏世。
この子、IQが高いだけあって毒舌かと思いきや、行動面に関しても中々のSのようである。
「んなもん知るか!自分で考えろ!」
「そんなこと言われてもー…ほらほらー」
「な、何やってるんですか夏世さん!///」
「れ、れんたろーは渡さないぞ!!」
挑発するようにスカートをチラチラと揺らす夏世。
それに気づいた結愛は顔を真っ赤にし、延珠は慌てて突っかかる。
「どうやら、結愛さんたちにはちょっと早かったみたいですね…」
この後蓮斗が悪ノリし、イニシエーター三人組は天誅ガールズのコスプレをしたまま暴れ回ったので、社内がカオスになったのは言うまでもない。
決戦前夜にも関わらず、騒がしい夜となるのであった。