ドラゴンボールTH ~地球育ちのサイヤ人の幻想入り~   作:超野菜

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そろそろ春雪異変も終わりが近くなってきました。
次は・・・萃香か・・・


発進!! 超孫悟空!!

 

 

 

(な、なんていう凄まじい気なの・・・!?

 こんなに離れているのに、押し潰されてしまいそうだわ・・・!)

 

紫と幽々子の前に立ち塞がる悟空。

超サイヤ人となった悟空の雰囲気は風変わりしていた。

 

優しく、穏やかだった雰囲気は消え去り、

その圧倒的な闘気は、白玉楼全域に吹き荒れる嵐を発生させていた。

普段は集中しないと力を感じ取れない幻想郷の住人も

ビリビリと伝わってくる悟空の凄まじい気を肌で感じ取っていた。

目の前にいる紫と幽々子は立っているだけで精一杯だった。

 

 

「紫!! しっかりしなさいっ!!」

 

紫は悟空の凄まじい気を目の当たりにし、戦意を失いかけていた。

その光景を横で見ていた幽々子は紫を叱咤する。

紫は幽々子の叱咤でなんとか戦意を取り戻した。

 

 

「ごめんなさい、幽々子。」

 

(あの紫がここまで取り乱すなんてね・・・

 正直、私もここまで凄まじいとは思っていなかったわ。)

 

 

紫を叱咤したはいいが、正直、今の悟空に対抗できる術はない。

悟空よりも遥かに長い時間を生きてきた二人でも

ここまで圧倒的な力を持った者を相手にしたことはない。

故にどう闘えば良いのか見当もつかない。

 

 

(こんなに凄まじい闘気は今まで感じたことはないわ・・・

 月面戦争の時よりもヤバいわ。まともに闘ったら勝ち目は皆無ね・・・

 それでも、明らかなのは接近戦だけは挑んではいけないこと!!)

 

「幽々子、一旦下がるわよ!!」

 

「言われなくてもっ!!」

 

悟空が動き出すよりも前に紫と幽々子は距離を取り、

悟空があまり得意としない撃ち合いに持ち込もうとする。

 

 

「・・・明らかに遠い所から弾幕で闘おうとしてんな。

 でもよ、こうなったオラはちょっと強えぞ・・・!」

 

すぐに近距離戦に持ち込もうとはせず、悟空も弾幕で対抗する。

だが、超サイヤ人の悟空の弾幕は通常状態とは

比べ物にならない程のスピードと威力の弾幕になっていた。

 

 

「予想はできていたけど、やっぱり弾幕も凄まじくなっているわね・・・

 幽々子、一発でも当たったらアウトだと思った方が良いわよっ!!」

 

 

「そんなの、見なくても解っているわよ。」

 

悟空の弾幕を避けるのに精一杯になってしまい、思うように攻撃ができない。

二人とも集まっていては悟空の攻撃を避けるのも困難になる。

そう思った紫と幽々子は別方向から悟空を攻撃することにした。

 

 

(一人じゃ絶対に避けられる。

 幽々子と協力して確実に当てないといけないわね。

 こっちの準備は出来ている。しっかり合わせなさいよ幽々子!!)

 

 

(分かっているわよ・・・これは囮っ!!)

「死符[ギャストリドリーム]!!」

 

幽々子はスペルカードを使い無数の弾幕で悟空を攻撃する。

しかし、悟空には掠りもせず、あっさりと避けられてしまった。

 

 

(今よっ!!)「魍魎[二重黒死蝶]!!」

 

幽々子の弾幕を避け終えた悟空の背後に、いつの間にか紫がいた。

紫はスキマを使い悟空の背後に回り込んでいたのだ。

完全に悟空の不意をついた攻撃。

至近距離でこの弾幕を避けることは不可能だ。

確かな手応えを感じた紫は、スキマを使いまた距離を取る。

 

 

「・・・そうだったな。おめえにはそんな能力があったな。

 なかなか厄介な能力をもっているじゃねえか。わくわくしてきたぞ!」

 

 

「あの距離で当てても無傷か・・・全く、プライドが傷付くわね。」

(流石にこれは完全に詰んだわね。いったいどうすれば・・・!)

 

 

煙から無傷の悟空が姿を現した。

至近距離で紫のスペルを使ってもダメージはない。

悟空は紫との闘いを楽しんでいるが、紫と幽々子は絶体絶命に陥っていた。

 

 

「幽々子・・・私に考えがあるわ。一旦、私のスキマの中に入って。」

(この考えだけは使いたくなかったけど、やるしかないわね・・・)

 

紫の提案で一旦、幽々子と紫はスキマの中に退避する。

 

 

「・・・?」

(攻撃してくる気配もない・・・どうするつもりだ・・・?)

 

悟空は辺りを警戒したが、一向に攻撃してくる様子はなかった。

だが、まだ決着もついていなければ、異変も終わってない。

紫と幽々子が諦めるとは思えない悟空は、まだ何か企んでいると思った。

 

 

「考えていても仕方ねえな・・・

 取り敢えず、魔理沙や霊夢を回復させねえと・・・」

 

悟空は倒れている霊夢達の所に行った。

霊夢達の体力はもうほとんど残っておらず、

自分の力で立ち上がることさえも出来ない状態になっていた。

 

 

「悟空・・・やっぱ凄いなお前は・・・」

 

 

「魔理沙・・・すまねえ、オラが来るのが遅かったせいだ・・・」

 

悟空は責任を感じ、拳を握り締める。

悟空も遊んでいた訳ではないが、悟空がこの場に入れば

ここまで追い込まれてしまうことは無かっただろう。

 

 

「お前のせいじゃないぜ・・・私達が弱いのが悪いんだ・・・」

 

 

「別に魔理沙さん達が弱い訳じゃないんですがねえ・・・

 ちょっとばかし、相手が悪すぎたんじゃないでしょうか。

 幽々子さんだけならまだしも、あの二人の強さはヤバいですよ。」

 

いつの間にか文が悟空達の近くに立っていた。

近くに来た文は自分のカメラで悟空の姿を次々と撮っていた。

 

 

「いや~それにしても素晴らしいパワーですね!

 その姿、何か名前とかはあるんですか!? スペルですか!?」

 

 

「ハア・・・また取材ってやつか~・・・

 こいつは[超サイヤ人]っていうんだけどな・・・」

 

そして悟空に次々と悟空に質問していく。

文の取材に軽いトラウマがある悟空は、それに嫌々答えていく。

 

しかし次の瞬間、紫のスキマが次々と現れ、

中からぞろぞろと妖怪が姿を現していく。

 

 

「文、悪いけど取材はこの闘いが終わってからにしてくれ。

 やっぱまだこの闘いは終わっちゃいねえみたいだ。」

(こんな大群を引き連れて・・・紫のやつは何を考えているんだ?)

 

悟空は額に指を当てて集中し、敵の数と位置を確認する。

悟空は紫が何を考えているのかさっぱり分からなかったが

今はこの妖怪の大群を相手にするのが先だと考えた。

 

 

「何を考えているのかは知らねえが、この大群は何とかしねえとな・・・

 文、悪いけど霊夢達を連れて離れていてくれ。こいつらはオラがーーー」

 

 

「待ってくれ!! 悟空、私にも闘わせてくれ!! 頼む!!」

 

悟空が闘いを始めようとした瞬間、魔理沙が悟空を引き止める。

だが、魔理沙は既に満身創痍。闘えるような状態ではない。

しかし、魔理沙はまだ諦めておらず、その目は本気だった。

 

 

「・・・分かった。オラの気を分けてやるけど、無理はすんなよ。」

 

悟空はそう言うと魔理沙に十分な量の気を分け与えた。

霊夢、咲夜にも少量の気を分け与え、二人は文と共に退避した。

二人が闘いから引いた理由はただの体力不足というわけではなかった。

咲夜は骨にもダメージがあり、残ったナイフも少ない。

霊夢は紫から受けたダメージが思いの外、大きかったことが原因だ。

 

その点、魔理沙はスペルカードも比較的残っている上、

弾幕を食らった回数も紫からの攻撃だけである。

 

 

「前に気を貰ったことがあるから分かるけど・・・

 その超サイヤ人ってのは反則みたいな力だな。」

 

悟空の気を分け与えてもらった魔理沙の魔力は

体力100%の状態よりも大きく、強くなっていた。

 

 

「さあ、行くぜ・・・気い抜くなよ魔理沙っ!!」

 

「言われなくても分かってるぜ!!

 さっきの落とし前、ここできっちり返してやるぜっ!!」

 

悟空と魔理沙は紫が呼び出した妖怪の大群に突っ込んでいく。

それを待っていたかの様に、妖怪達は一斉に弾幕を放ち始める。

 

 

「凄いな・・・いつも以上に体が軽く感じる・・・!

 これならっ!! 恋符[マスタースパーク]!!」

 

魔理沙の放った[マスタースパーク]は次々と妖怪達を倒していく。

悟空から気を貰ったことにより、体の動きや防御力、攻撃力、

そして[マスタースパーク]の威力も圧倒的に上がっていた。

 

 

「魔理沙の奴気合い入ってんな~・・・オラも負けてらんねえ!」

 

悟空も気を開放し次々と妖怪達を倒していく。

だが、倒しても倒しても妖怪達はどんどん増え続ける。

 

 

「始まったわ・・・急いで幽々子・・・!」

 

妖怪の群れと悟空達が闘っている真っ只中、

紫は幽々子とともに封印が解けつつある西行妖の所にいた。

西行妖の桜の花は八割程咲いており、その美しさは誰もが驚愕する程だ。

 

 

「紫、本当にやるの? 正直、私はオススメしないわよ。

 最悪の場合、力に呑まれて暴走するのかもしれないわよ・・・!」

 

 

「さっきも言ったでしょ? それしかないって。いいから始めて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少しだけ遡り、紫と幽々子は一時的にスキマの中に退避していた。

 

 

「・・・っぷはぁっ!!・・・はあ・・・はあ・・・

 まさか悟空さんがあそこまで凄まじい力を隠していたなんてね。」

 

超サイヤ人の圧倒的な威圧感から解放されて急激に疲れが襲ってきた。

それは幽々子も同じで、二人とも冷や汗が止まらなかった。

 

 

「どうするの紫? 確か何か考えがあるって言ってたわね?」

 

「幽々子、西行妖の桜は今どれだけ集まっているの?」

 

「確か・・・今八割くらいだったはずよ。それがどうしたの?」

 

「西行妖の桜の気を私に集めるわ。それで悟空さんとも闘えるはずよ。」

 

「そんなの無茶よ!! 紫の体が持たないわ!!

 それに、一度集めた桜の気をまた回収するのにはかなりの時間が必要だわ!」

 

「その時間稼ぎは私の式神達が引き受けるわ。

 無茶なのは分かっている・・・でも、それしかないわ。

 式神達を呼ぶわ。それと同時に、私と幽々子は西行妖の所に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これじゃキリがねえな・・・奥にいる紫達を倒さねえといけねえのか?」

 

妖怪達、いや、紫の式神達はスキマから次々と現れていく。

その闘いの最中、悟空は奥に紫と幽々子の気を感じ取った。

紫のスキマからどんどん現れていく式神を見た悟空は

戦闘を続けながら紫の気を探っていたのだ。

 

 

「何とかして紫の所にいかねえと・・・」

 

「私達がそれを許すとでも思っているのか?

 この八雲籃、例え刺し違えても、ここから先には行かせないっ!!」

 

だが、目の前にいる八雲籃と名乗る式神がそれを許さなかった。

他の式神よりも一際強く、この式神達のリーダーのようだった。

だが、それでも悟空には全く歯が立たない。

時間稼ぎである式神達も流石に数が減ってきていた。

 

 

(瞬間移動すりゃ、すぐに行けるんだけどな・・・

 紫の奴、気を限界まで消してやがる・・・

 その上、周りにも中々強え奴がいっぺえいる。

 これじゃ瞬間移動すんのはちょっと難しいな。)

 

現状、式神の数は減ってはきているが、

今度は紫の周りに次々と強い気が集まってきていた。

紫は限界まで力を抑えているが、悟空の様に完全に消すことは出来ない。

その為、自身の式神を周りに多数呼び寄せカモフラージュしているのだ。

 

 

(魔理沙。これからオラは紫の所に行かなくちゃならねえ。

 次の攻撃で一気に蹴散らすけど、残った奴は任せていいか?)

 

(任せてくれ悟空。絶対に負けないから、安心してくれ。

 その代わり、お前もあんな奴に負けるんじゃないぜ!!)

 

悟空と魔理沙が小声で話終えると、悟空だけ前線に出た。

 

 

「おめえ達と闘っている時間はねえんだ。

 悪いけど、一気に決めさせてもらうぜ!!」

 

そう言うと悟空は式神達に突っ込んでいく。

式神達は弾幕で攻撃するが、悟空には一発も当たらない。

 

 

「ここだっ!!   ーー気爆[超爆発波]ーー

 はああああああああああーーーーーーーっ!!!!」

 

 

悟空は一気に気を開放させて強烈な弾幕と衝撃波を放った。

その衝撃波は次々と式神達倒していき、

先程まで沢山いた式神は殆ど消えてしまった。

 

「全く・・・本当に凄まじい力だぜ・・・」

 

魔理沙も段々と悟空の強さに慣れていっているのか、

その圧倒的な強さを見てもそれほど驚かなくなっていた。

 

 

「くそっ・・・まだだ・・・行かせる訳には・・・!」

 

「おっと! 悪いけど、こっからは私が相手になるぜ!!」

 

悟空の超爆発波を少し食らったものの、悟空の後を追おうとする籃。

しかし、その前に魔理沙が立ち塞がった。

 

「さぁ・・・こっちも弾幕ごっこを楽しもうぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、こっちもさっさと決着をつけないとな・・・!」

 

悟空は式神をなぎ倒しながら確実に紫の所に近付いていく。

式神達も少しは抵抗するものの、全くの無意味で、

一瞬で近寄られて至近距離で弾幕を放たれてピチュってしまう。

 

 

「紫の所までもう少しだ・・・!」

(でも・・・何か変だな・・・元気が集まっているのか・・・?)

 

悟空は違和感を感じながらも進んでいく。

そして、遂に紫の所にたどり着いた悟空。

 

 

「来たわね・・・こちらもたった今準備が終わった所よ。」

 

再び対峙する悟空と紫、そして幽々子。

しかし、先程までとは違い紫の気が圧倒的に上がっていた。

 

 

「これは・・・桜の元気を集めて自分の力にしているのか・・・!?」

 

気を、そして元気を扱う悟空だからこそ理解できる。

今の紫はとてつもない強さを身に付けていた。

 

 

「ご名答。集めた桜の力を私に還元したってこと。

 これで貴方とも渡り合えるはずよ。」

 

紫には先程までの焦りは消えており、冷静さを取り戻していた。

因みに幽々子は一仕事終えたと言わんばかりに西行妖の下で観戦している。

 

 

「成程・・・さっきから元気が集まっていた理由が分かったぜ。

 それにしても、そこまで強くなるなんてよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーオラわくわくしてきたぞ!!

 

 

 

 




「次回も見ていってくれよな!」

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