ドラゴンボールTH ~地球育ちのサイヤ人の幻想入り~   作:超野菜

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本文また吹っ飛んだよ・・・(呆れ
更新遅れて本当にごめんなさい。


斬れぬものなど、あんまり無い!!

 

 

 

 

 

春雪異変の発生源を追って邪魔者を蹴散らし進む霊夢達。

三人は知らず知らずのうちに春雪異変の発生源と思われる冥界にたどり着いた。

 

一方、悟空と文も霊夢達を追って冥界に入っていく。

・・・霊夢の結界ごと冥界の門を吹っ飛ばして。

 

・・・だが、彼女らは知るよしもなかった・・・

この異変がかつて無い程の大激戦になることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢の結界を吹っ飛ばして冥界に入った悟空と文。

二人の視線の先にはどこまでも続く長い階段があった。

 

「霊夢達はもうこの階段をかなり登っていったみてえだ。

 今んところ、大した敵とは闘っていねえようだな。」

 

「それにしても、長い階段ですね~・・・

 全力で飛んでも一瞬で着く距離ではなさそうです。」

 

果てしなく続く冥界の階段。

それでも、うっすらと終わりが見える距離。

幻想郷でもトップクラスのスピードを誇る悟空と文には大した距離ではない。

 

「長え道かぁ~・・・蛇の道を思い出すな。」

 

「蛇の道・・・何ですかそれ?」

 

「オラが初めて死んじまった時、

 修行のために界王様っていう偉い人の所に行ったんだ。

 それが信じられねえくらい長え道でよぉ~・・・

 話によれば、100万キロもあったらしいんだ。」

 

「・・・・・・」

 

耳を疑った。途方もない話に文は口を開けたまま呆然としていた。

100万キロ? 普通なら鼻で笑うくらい馬鹿げた話。

 

だが、これは全て事実だろう。この男に常識など通じない。

孫悟空の人生は幻想郷の住人の予想を遥かに上回る程、壮絶な人生だ。

悟空の圧倒的な力と独特な雰囲気がそれを裏付けていた。

 

「ちょっと質問しますが、界王様とは何者ですか?

 それと、その話は何時の出来事ですか?」

 

「え~と・・・随分前の話だったな~・・・

 界王様は・・・何て言ったらいいかなぁ~・・・

 簡単に言うと、オラの住んでいる地球は北の銀河にあって、

 その北の銀河の神様全ての頂点に立つ・・・だったような・・・

 まぁ、これでほとんど合っていると思うぞ。」

 

聞いているだけで頭がおかしくなりそうだ。

解りやすいように簡単に説明すると、

全宇宙の神様を管理している人の下に修行しに行った、ということだろう。

悟空の強さの秘密がまた一つ解った気がした。

 

と、言っても修行しに行ったのは随分前の話で

そこから先は悟空自身の修行で強くなったのだが。

 

その上、文には説明しなかったが悟空はもっと偉い人物とも会っている。

その北の銀河の界王を含め、全ての界王の頂点に立つ大界王。

さらに全ての大界王の頂点に立ち、創造を司る界王神。

そして全ての神、界王、大界王、界王神が恐れる破壊の神、ビルス。

 

全て話したら文の頭は爆発してしまうだろう。

 

「まぁ、そんなことは異変が終わったらにしよう。

 今は、先にいる霊夢達に追い付くぞ!」

 

「そうですね。話はまた今度ゆっくり聞きます。

 霊夢さん達の写真一つもないので急いで向かいます!」

 

話に見切りをつけ、悟空と文は先に進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟空達よりも少し先に冥界にたどり着いた霊夢達。

三人は雑魚敵の弾幕を退けながら着々と前に進んでいた。

 

「それにしても、さっきの音は何だったんだ?

 並大抵の事じゃ、あんな爆音はしないはずだぜ。」

 

「多分、私の結界が壊されたわ。それもあの爆音。

 きっと私の結界ごと冥界の門まで壊されたわね。」

 

霊夢達はもう既に頂上近くまで階段を登っていた。

爆音が聞こえてきたのは一番下の入り口付近だった。

 

 

「お嬢様や妹様を遥かに上回る程のパワー・・・

 つまり、そんなことができるのはーーーーー」

 

「悟空ね。なんだかんだいって結局来るんじゃない。

 それならもっと早く動いてほしいもんだわ。」

 

「いや、寧ろお前が動かなかったからじゃないのか?」

 

流石に何度も悟空と弾幕ごっこをしている分

魔理沙は悟空のことをよく知っている。

悟空の性格をあまりよく知らない者は、ただの戦闘バカという認識になる。

だが、悟空は自分がいるから大丈夫、と思われるのをあまりよく思っていない。

それを魔理沙はよく知っていたのだ。

 

「その理由は後でよく聞かせてもらうわ。でもその前にーーー」

 

 

階段を登り終えた直後、霊夢達に斬撃が飛んできた。

だが、霊夢に攻撃を予測されていた為、結界で阻止される。

 

「いきなり斬撃飛ばしてくるなんて・・・マナーがなってないぜ。」

 

「すみませんね。侵入者は切れ、と幽々子様から言われているので。」

 

階段を登り終えた先には銀髪の少女が剣を構えて立っていた。

今構えているのは長い剣で、背中にはもう一つ短い剣があった。

 

「ただの異変の関係者って訳ではなさそうね。

 貴方も従者ってところかしら?」

 

「私は白玉桜の主、西行寺幽々子様の剣術指南役兼庭師、魂魄妖夢。

 幽々子様の為、ここから先に貴女方を行かせる訳にはいきません。」

 

「悪いな。春を返してもらう為にも、

 私達もここであっさりと引き下がる訳にはいかないんだぜ!」

 

「あと少しで西行妖の桜は満開になり、幽々子様の悲願は達成される。

 迷いを断ち切る白楼剣に、妖怪が鍛えたこの楼観剣・・・

 

 この二本の剣に・・・斬れぬものなど、あんまり無いっ!!」

 

決め台詞とともに妖夢が突撃する。

何時もなら弾幕ごっこが始まるのだが、今回は格闘戦がメイン。

弾幕はオマケ程度になるだろう。

 

「取り敢えず、小手調べといきましょうか。まずは私が相手よ!」

 

突撃してきた妖夢の斬撃を咲夜が前に出てナイフで止める。

[キイン!!]という金属音が冥界に響き渡る。

 

咲夜と妖夢の闘い。それは圧倒的に妖夢が有利だった。

まず、咲夜が使っているのはナイフ。それに対し、妖夢が使っているのは剣。

リーチも違いすぎる上に、使用法も違う。

咲夜のナイフは本来弾幕として飛ばすもの。決して格闘用ではない。

それに比べ妖夢は普段から剣術の修行をしている。

 

経験もリーチも違いすぎるが、それでも咲夜は善戦していた。

咲夜は妖夢の剣筋はひたすら真っ直ぐだということを見切り、

剣筋を読んで闘っている。経験とリーチの差をそれで埋めているのだ。

 

「くっ・・・」(やっぱりナイフじゃ不利ね・・・仕方ない。)

 

それでもやはり、防戦一方になってしまう咲夜。

そして、遂にナイフを弾き飛ばされてしまった。

 

(勝機!!)「そこだっ!!」

 

 

だが、妖夢が斬った先には何もなく、ただ空を斬っただけだった。

しかし、妖夢の周りにはいつの間にか無数のナイフがあった。

そして次の瞬間、妖夢に向かってナイフが放たれた。

 

 

「彼女、かなりの剣術使いよ。ちょっと危なかったわ。」

 

ナイフが地面に刺さり、土埃が舞うのと同時に咲夜が姿を現した。

メイド服には土埃すら着いていなかった。

 

「どうする? 全員で一気に攻めるか?

 それとも誰かが残ってこいつと闘り合うか?」

 

「後者ね。誰かが残って彼女と闘うことにしましょう。

 これ以上彼女の相手に時間はかけられないわ。

 問題は誰が闘うのかだけど・・・」

 

咲夜の言う通り、もう時間は残されていなかった。

こうしている間にも春はどんどん奪われている。

 

「私がやるわ。」

 

名乗り出したのは霊夢だった。

これには魔理沙も咲夜も驚いていた。

 

「だってこいつの相手に一番時間がかからないのは私でしょ?

 咲夜はさっきのやり取りで不利そうだったし、

 能力に頼っても体力を無駄に消費するだけ。

 魔理沙はそもそも近距離戦は苦手。

 それにラスボスを倒すのは魔理沙の役目なんでしょ。」

 

霊夢の言っていることは全て筋が通っていた。

この中で最も体術に秀でているのは霊夢だ。

一番時間もかからない上に体力の温存もできる。

 

「解ったが・・・お前武器はあるのか?

 咲夜のナイフ、一本か二本ほど借りた方がいいんじゃないか?」

 

「大丈夫。私にはお払い棒があるわ。」

 

そう言って取り出したのは博麗のマークが入ったお払い棒だった。

そんなことにお払い棒を使ってもいいのだろうか?

 

「・・・そんな装備で大丈夫か?」

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

どこかで聞いたことがある台詞(フラグ)を言い、

博麗のお払い棒を構える。

 

「さぁ、ここは私に任せてさっさと行きなさい!」

 

魔理沙と咲夜は猛スピードで妖夢の横を通り過ぎる。

そうはさせまいと妖夢は斬撃を飛ばすが、それも霊夢の結界に阻止される。

 

「どうやら貴方を倒さないとあの二人を追いかけられそうにありませんね。

 仕方ありません。貴方を一瞬で倒して差し上げましょう!!」

 

「あんた、私に勝つ前提でほざいているみたいだけど、

 私相手に何秒持つかしらね? 瞬殺されても文句言わないでよ!!」

 

霊夢と妖夢が頂上でぶつかり合う。

霊夢のお払い棒はただの木で作られたものだが、

霊力を込めているため、剣が相手でも斬られるようなことはない。

しかし、一瞬でも気を抜いて霊力を抜くとただの木になってしまう。

 

霊夢にはハンデがあるが、それを一切感じさせない動きだった。

妖夢の剣筋を完全に見切り次々とお払い棒の打撃を当てていく。

 

「ぐうっ!・・・やはり一筋縄ではいきませんか。

 流石博麗の巫女ですね。素晴らしい動きです。」

 

「誉めてもらうのはありがたいけど、こっちは急いでいるのよ。

 悪いけど、決着を急がせてもらうわよ。」

 

霊夢の目付きがさらに鋭くなる。

異変解決の時に見せる本気の目付きだ。

 

「私にも、敗けられない理由があります。

 このままあっさりとやられるわけにはいきません。

 勝利の、幽々子様の為、少し戦術を変えさせて貰います。」

 

そう言うと、妖夢は霊夢との距離をとった。

何をするのか解らない為、霊夢は最大限に集中する。

 

「餓王剣[餓鬼十王の報い]!!」

 

妖夢は何もない空間を楼観剣で斬る。

すると、斬られた空間から無数の弾幕が現れ霊夢に襲いかかった。

 

 

「へえ! なかなか面白い弾幕を使うじゃない!」

 

少し意外な弾幕に霊夢は軽くかすりながらも避けきる。

気合いを入れ直し、霊夢の遠距離戦モードに切り替える。

 

 

「初見であれを避けきりますか・・・

 ならば! 獄神剣[業風神閃斬]!!」

 

大型の弾幕。この程度の弾幕なら霊夢は軽く避けることができる。

しかし、妖夢はこの大型の弾幕を全て斬っていく。

すると、大型の弾幕から無数の小型の弾幕が現れる。

 

確かに物凄い数の弾幕だが、霊夢はそのパターンを既に見切っていた。

今度は反撃しながら妖夢の弾幕を避けていく。

 

 

(確かに物凄い数の弾幕だけど・・・その分、隙も大きいようね。)

「もう終わりなの? そんなんじゃ、あんたに勝ち目はないわよ。」

 

挑発する霊夢に妖夢は怒りを露にしていた。

より力を込めて次の弾幕で霊夢を倒そうとする。

 

だが、霊夢の狙いはそこで生まれる大きな隙だった。

妖夢が力を込めている間に一気に攻め、間合いを詰める。

 

「隙だらけよ。神技[天覇風神脚]!!」

 

霊夢の体術が妖夢に当たるかと思われたがギリギリで剣に阻まれる。

しかし、その衝撃で妖夢の剣が弾き飛ばされる。

 

この隙を逃すまい、と続いて正拳を入れようとするが

妖夢はもう一つの剣、白楼剣を抜刀し反撃する。

間一髪、霊夢は妖夢の斬撃を避け、距離をとる。

 

「そういえば、あんたにはもう一つ剣があったわね。

 すっかり忘れていたわ。危うく斬られるとこだった。」

 

「ここから先は二刀流で相手をさせて貰いますよ。」

 

霊夢と妖夢は再び構え直してぶつかり合う。

今度は近距離戦だけではなく、弾幕も度々飛び合う戦闘になっていた。

 

だが、その流れ弾がとある木に当たった時だった。

 

「うわっ!?」  「「えっ?」」

 

突然声がした。霊夢の声でも妖夢の声でもない。

二人の視線が声のした木に向かう。

 

「誰かいるようですね・・・姿を現したらどうですか?」

 

妖夢が剣を木に向ける。そしてその木を斬ろうとした瞬間

 

「いや~勝負の邪魔をしてすみません。

 清く正しい文々。新聞の射命丸文です!」

 

木から飛び出してきたのは文だった。

にこやかな笑顔で誤魔化そうとしているのがバレバレだった。

 

「まぁ、誰かに見られているような気がしていたけどね。

 あんただったとは少し以外だったわ。」

 

霊夢には何とか誤魔化すことができた。しかし

 

「新聞記者ですか? まぁ何でもいいです。

 とりあえず、侵入者は誰であろうと斬る!!」

 

妖夢は無理だった。容赦なく文を斬り捨てようと襲いかかる。

突然のことだったので文は反応することができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢の剣が文に当たるかと思われた瞬間

 

 ガッ!!「なっ!?」「・・・・・・」

 

妖夢の斬撃を止めたのは、悟空だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




祝!! お気に入り登録者200人突破!!
本当にありがとうございます!
これからも完結目指して頑張っていきます!

次回は妖夢vs悟空です。



「次回も見ていってくれよな!」

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