ドラゴンボールTH ~地球育ちのサイヤ人の幻想入り~   作:超野菜

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パト○ッシュ・・・僕もう疲れたよ・・・


~~~宴会後~~~ 後編

 

 

 

 

博麗神社の食料危機。犯人は悟空、そして魔理沙だった。

悟空は食料、魔理沙は酒を飲み尽くしていった。

互いに霊夢から鉄拳をくらいながらも、悟空は大量の魚を

魔理沙は酒とキノコを持っていくことで何とか許しを得たのだった。

しかし、まだ問題は残っていたーーー

 

 

 

 

 

「ふうっ。とりあえず、食料は確保出来たわね・・・

 とはいっても、ほとんど悟空が捕ってきた魚と

 魔理沙が採ってきたキノコだけどね・・・」

 

空っぽだった博麗神社の食料庫は干した魚とキノコの山になっていた。

もちろん、毎日キノコや魚ばかり食べる訳にはいかないので

後で人里に買い物に行くつもりだ。

 

「いや~、本当に悪かったな霊夢。次からは気い付けっからよ。」

 

笑顔で謝る悟空。全く反省の色が見られない。

大体悟空が気を付けると言って守ったことがない。

ましてや食料のことだ。恐らくまた食い尽くすだろう。

 

 

「・・・もうその事はいいわよ。過ぎたことだし。

 でも! まだ問題は残っているわよ!」

 

悟空は「まだあんのかよ・・・」と、ため息をついた。

 

 

「悟空! あんたを博麗神社で養うことは不可能だわ!

 だから人里で自分の家を探してくること! いいわね!」

 

 

「いぃーーーっ!? 何でだよ霊夢!

 別に良いじゃねえか、博麗神社に住んだって!」

 

まさかの宣告に驚く悟空。博麗神社に住むつもりだったのだろう。

一方、霊夢もかなり無茶な要求だ。

外来人にいきなり人里で物件を探してこいと言っていると同じだ。

 

 

「良いわけないじゃない! あんなに食べるやつ私が養えるわけないでしょ!

 ただでさえ博麗神社は貧乏なのに! お金がないの!O★KA★NE★GA!」

 

正直、そこまで博麗神社は貧乏ではない。

少なくとも、普通の生活は全然出来る。

だからといって、一度の食事で一週間分の食料楽勝に食べるやつを

養えるようなお金はない。あってもすぐになくなるだろう。

チチは牛魔王の財産があったから良かったものの、

霊夢からしたら、たまったもんじゃない。

 

 

「とにかく、悟空はこれから人里で自分家を探してくる!

 これは決定事項よ!さあ行った行った!

 悟空なら気で人里の場所は分かるでしょ!」

 

 

「分かった分かった。んじゃ、行ってくる。」

 

悟空は霊夢から追い出されるように人里に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、妖怪に襲われたものの、難なく退治した悟空。

その後、無事に人里に到着した。

 

 

「う~ん・・・参ったな・・・誰に聞きゃいいんだろ?

 ・・・ん・・・? なんだこの気は・・・?」

 

人里に着いてすぐに邪悪な気を感じた悟空。

フリーザやセル、魔人ブウとの闘いのうちに、

普段から邪悪な気に敏感になっているのだ。

悟空は邪悪な気の方向へと向かった。

 

少し人里の中心へと向かうと<鈴奈庵>という看板の店があった。

どうやらここから邪悪な気が発生しているらしい。

 

 

「・・・あんまし問題なさそうだけど、一応確認しておくか・・・」

 

悟空は戸を開けて中に入っていった。

 

 

「・・・すっげえな~・・・本ばっかしだ・・・」

 

中には本が大量にあるだけだった。

だが、問題はここに邪悪な気を持った本があるということだ。

全てではないものの、少なくはない。

 

 

「小せえが、かなり数は多いな・・・

 一応、ここのやつに聞いてみっか・・・おーい!誰かいねえかー!」

 

悟空が声を出して呼ぶと「はーい!」という声がした。

そして奥からメガネを掛けた少女が姿を現した。

 

 

「いらっしゃいませ! 鈴奈庵にようこそ! どの本をお借りしますか?」

 

 

「いや、別にオラは本なんか買わねえぞ。

 ただ、ここの本から邪悪な気を感じたからよ。」

 

出てきた少女からは邪悪な気を感じない。

悪意があって邪悪な気を持った本を集めている訳ではなさそうだ。

 

 

「気? よくわからないけど、ここに来るのは初めてのようですね。

 ここは貸本屋です。いろんな種類の本がありますよ。

 これから鈴奈庵をよろしくお願いしますね♪」

 

さりげなく宣伝する少女。

悟空が本を読んだり借りたりすることはあり得ないだろうが、

言っておけば少しは宣伝してくれるかもしれない、と思っているのだろう。

・・・この貸本屋は不景気なのだろうか。

 

「へえ~。まぁ、オラ本は読まねえし、借りることもないけどな。

 ・・・え~と・・・これじゃなくて・・・お、あった。」

 

きっぱり借りないといっておきながら、本を見て回る悟空。

そして、悟空は本棚から一冊の本を取り出した。

 

 

(・・・随分禍々しい気だな・・・)

「なぁ、この本なんちゅうんだ? ちょっと気になってよ。」

 

悟空が取り出した本は一冊だけだったが、まだこういう本はある。

 

 

「ああ、それは妖魔本ですね。

 妖魔本っていうのは、昔の妖怪が自分の存在を書き残した本のことです。

 まぁ、誰も読めないので簡単な説明しか出来ないんですけど・・・

 いやぁ、それに目をつけるとは!お客さんなかなか見る目ありますよ!」

 

まるでどこかのセールスマンみたいになっている少女。

悟空は借りないと言っているのに、諦めていない。

彼女にとって妖魔本は特別な物であるため、いつもより張り切っている。

 

 

「ふ~ん・・・妖魔本かぁ・・・」

(どうやらこの本から感じる気は中の妖怪の気のようだな・・・)

「・・・ん? この本誰も読めねえのに置いてんのか?

 ははは・・・おめえ物好きだなぁ! 儲かるのか?」

 

働いていない悟空には言われたくない。

だが、一生遊んで暮らせるお金を貰ってもおかしくはない。

 

 

「失礼ですね! 別に儲かってない訳じゃないですよ!

 それに、この本もいつか読めるようになりますよ!・・・多分。」

 

ほっぺたを膨らませて怒る少女。

事実、妖魔本が読めないという核心を突かれてしまったから仕方がない。

 

 

「・・・そうだな! 読めるようになったらいいな!

 あ、そうだ! おめえ名前はなんちゅうんだ?」

 

今さらお互い名乗っていないことに気付いた二人。

 

 

「そういえば名乗ってませんでしたね。

 私は本居小鈴。あなたはなんていう名前なんですか?」

 

 

「オラか? オラはーーー」  ドゴオオオオオンッ!!

 

悟空が名乗ろうとするとか人里の中心部から爆発音が聞こえた。

 

 

「な、何ですか!? この爆発音は!?」

 

普段ではあり得ない程強烈な爆発音に驚きを隠せない小鈴。

 

 

「ここの中心部からだ! オラちょっくら行ってくる!」

 

悟空は爆発音のした中心部へと向かった。

大体方向は分かる。邪悪な気が集まっているからだ。

 

一方、小鈴も「危ないですよー!」と叫びながら悟空の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里の中心部にたどり着いた悟空。

だが、中心部のあまりの変わりように驚愕した。

もう、ほとんどの民家がボロボロになっている。

悟空の後を追ってきた小鈴も驚きを隠せなかった。

 

 

「ひどい・・・! 一体何が・・・!」

 

悔しさのあまり涙をにじませる小鈴。

 

 

「!! 弱っている気・・・おいっ! 小鈴! 誰かいるぞ!」

 

悟空は倒れている女性を発見した。

気の大きさからして、かなりの重傷を負っていた。

 

 

「!! け、慧音先生!! 大丈夫ですか!?」

 

 

「・・・小鈴・・・何で逃げなかった・・・!」

 

倒れていた女性は上白沢慧音。人里にある寺子屋の先生だ。

 

 

「何があったんですか!?」

 

 

「・・・妖怪の・・・大群が・・・突然・・・!

 ははっ・・・不意討ちをくらってこの様だ・・・情けない・・!」

 

とはいえ、彼女もかなりの実力の持ち主。

小鈴は慧音が負けたことが信じられない様子だ。

 

 

(かなりの数の妖怪を相手にしていたらしいな・・・

 まだこの近くに気がたくさんある・・・!)

 

「・・・オラの気を分ける!今のうちに逃げろ・・・!

 コイツら、まだ近くにいる・・・!」

 

悟空は慧音の手を握り、気を分けた。

すると慧音は立ち上がることが出来るようになり、

体の怪我も大分良くなった。

 

「あなたは・・・一体・・・?」

 

 

「二人とも動けるな? 妖怪はオラが倒す。

 おめえ達は巻き込まれないように避難していてくれ。」

 

 

「・・え・・・でも・・!」

 

小鈴は悟空を心配した。

しかし、今の悟空の表情を見て心配は消えた。

悟空の表情は怒りが露になっていた。

とても、さっきまで満面の笑みを見せていた人物とは思えない。

 

 

「さっさとしろっ!! とっとと消えるんだっ!!」

 

 

「!! はいっ!! 分かりました!!」

 

悟空の言う通り、小鈴は慧音を連れて、

悟空の闘いに巻き込まれない位置まで避難した。

 

 

 

 

 

「・・・出てこい・・・」

 

悟空が静かな声を出すと、四方八方から妖怪が出現した。

並大抵の数ではなく、完全に悟空は包囲されてしまった。

 

 

「・・・あいつ・・・こんな数の妖怪に一人で闘っていたのか・・・」

 

この数相手では、霊夢も魔理沙も勝つのは厳しいだろう。

 

 

「よく見たらさっき退治した妖怪共じゃねえか・・・

 なるほど、数を増やしてオラに復讐ってとこか・・・

 ・・・その為だけに関係ねえ人まで巻き込みやがって・・・!!

 ・・・許さんぞ・・・貴様らァーーーーーっ!!!」

 

悟空の気がどんどん上がっていく。

崩壊した民家の木材が中に浮かび、まるで地震のように大地が震える。

 

 

「あわっ、あわわわわ・・・! す、すごい・・・!」

 

遠くで見ている慧音と小鈴は悟空のあまりの強さに恐怖していた。

もちろん、それは妖怪の大群も同じことだった。

だが、諦めることはなかった。

リーダー格の妖怪の合図で一斉に悟空に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・な、何が・・・起こったの・・・?」

 

小鈴も慧音も呆気を取られた。

何が起こったのかさっぱり分からなかった。

 

「・・・数じゃオラに勝てねえこと覚えとけ・・・

 二度とこんなことすんじゃねえぞ・・・」

 

悟空に襲いかかった瞬間、妖怪の大群が一斉に倒れた。一瞬だった。

 

 

「あ・・・あの・・・? 今何を・・・?」

 

恐る恐る小鈴が悟空に尋ねた。

すると、「うん?」という声と共にいつもの悟空が戻った。

もう、さっきの怒りに満ちた悟空ではなかった。

 

 

「ああ、あまり派手に闘ってこれ以上人里を壊すわけにはいかんねえからな。

 高速で妖怪共に攻撃して気絶させてやった。んで、コイツらどうしよ?

 どっかに投げときゃいいかな? ははは・・・。」

 

笑っている悟空だったが、やっていることはあり得ないことだ。

悟空以外では絶対に不可能である。

悟空の凄すぎる技に小鈴も慧音も苦笑いで誤魔化すしかなかった。

 

 

「おっ! そうだ! オラにおめえに頼みてえことがあんだけどよ。

 この人里の修理手伝うから、住む家くれねえか?」

 

 

「そんな! 喜んであげますよ! 

 貴方が居なかったら人里は間違いなく妖怪共のものになっていました。

 改めて、感謝します。えっと・・・?」

 

 

「ああ、そっか。オラは孫悟空! よろしくな!」

 

 

「私は上白沢慧音。こちらこそ宜しくお願いします。」

 

 

「んじゃ、このことを霊夢に伝えてくる! 小鈴もじゃあな!」

 

 

「はいっ! 本当にありがとうございました!」

 

 

悟空は小鈴と慧音に別れを告げ、博麗神社へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、この騒動は[文々。新聞]に取り上げられ、

独占インタビューもあり、悟空の知名度は一気に上がった。

そして、悟空の手伝いもあり、人里はすぐに復旧した。

そして、人里の外れに悟空の家が建ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次から妖々夢編です!
次の更新は多分遅くなります。(長くて1ヶ月)


「次回も見ていってくれよな!」

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