ドラゴンボールTH ~地球育ちのサイヤ人の幻想入り~   作:超野菜

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年内、間に合ったァーーーーーー!



決戦!! 吸血鬼姉妹!!

 

 

 

 

 

 

 

 

フランが紅魔館を破壊する少し前、紅魔館の主

レミリア・スカーレットと霊夢は互いに向き合い

相手の実力を窺っていた。

 

 

「・・・流石は博麗の巫女ね。今までいろんな

 人間を見てきたけど、ここまでやるような

 人間は久しぶりだよ。」

 

レミリアは外見こそ幼いが、500年以上生きて

いる。今まで人間に襲われたことも少なくない。

だが、その度に返り討ちにして自身の恐ろしさを

思い知らせた。

 

 

「そいつはどうも。ありがたいコメントね。

 でも、だからといってあんたの行為を

 見逃す訳にはいかないわ。あと、私よりも

 強い人間はこの趣味の悪い館にいるわよ。」

 

(はぁ・・・こんな肝心なところで何で悟空は

 いないのかしら。こいつなかなかの実力

 なんだけど。あ~めんどくさいわ。)

 

 

霊夢はこの幻想郷の中でもトップクラスに強い。

元々強かったのだが妖怪退治をしているうちに

さらに強くなっていった。その為霊夢は普段から

努力をしない。いや、する必要がないのだ。

今まで幻想郷には霊夢より弱い妖怪しか

いなかったのだが、レミリアは霊夢と同等の力を

持っていた。勝てない訳ではないが、あっさりと

勝てる相手ではない。

 

 

「趣味の悪い館なんて失礼ね!別に良い

 じゃない!幻想郷では常識に囚われては

 いけないんでしょ?だったら紅い館も

 紅い霧も別に問題ないと思うわよ?」

 

本人は気に入っているようだが、誰が見ても

紅魔館は気味が悪い。ましてや霧の湖の近くに

建っているので、よけいに不気味である。

 

紅い館は別に問題ないが、紅い霧は問題である。

この紅い霧は霊夢達のような力の強い者なら

全く問題ないが、里の人間のような力のない者

には人体に悪い影響が及ぶ。博麗の巫女として

これを見逃す訳にはいかない。

 

 

「はぁ・・・これ以上あんたみたいなバカに

 付き合ってられないわ。仕方ない。やっぱり

 叩き潰してこの霧を止めさせてやるわ。」

 

 

「ふん・・・出来るもんならね・・・!

 今夜はこんなにも月が紅いから・・

 ・・<本気で殺すわよ>。」

 

 

レミリアと霊夢が闘いを始めようとしたその時

”ズドオオオン”という激しい音とともに紅魔館の

一部が崩れるような音がした。

 

 

「な、なんだ!?何が起こっている!?

 !! ま、まさか・・・!」

 

非常事態に驚きを隠せないレミリア。紅魔館が

破壊されるパワーを持っている者は紅魔館の中

では一人しかいない。もしそうじゃなくても

嫌な予感しかしない。

 

一方、霊夢もある程度誰の仕業なのか

分かっていた。だがレミリアが思っている者とは

違っていた。話には聞いていたが、予想を遥かに

上回っている力に霊夢は呆れていた。

 

 

「お、お嬢様!大変です!

 い、妹様がまた暴れ始めました!」

 

そこへ小悪魔が現れた。大慌てで来たのか、

かなり息が上がっていた。

 

 

「やっぱりか・・・面倒なことになったわね。

 パチェは大丈夫なの?」

 

 

「はい。魔力はほとんど残っていない状態ですが

 山吹色の道着の男の人が回復してくれた

 ようです。もう十分動ける状態です。」

 

パチュリーはフランが飛び出た瞬間、小悪魔に

レミリアに報告するよう事前に言っていた。

正直、パチュリー一人では止められないが

レミリアと協力すれば何とかなる程度だった。

だが今回は今まで以上に暴れているので

魔理沙と協力して止めようとしても無理だった。

例え魔理沙ではなくレミリアと協力したと

しても結果は変わらないだろう。

 

 

「分かったわ。ところで咲夜は?」

 

 

「いえ、見かけておりませんので・・・

 まさか、闘いに巻き込まれたんじゃ・・!」

 

 

「勝手に決めつけないでくれる?小悪魔。」

 

 

小悪魔の隣に一瞬で現れた咲夜。だが、霊夢との

闘いでメイド服は少しボロボロになっていた。

 

 

「申し訳ございません、お嬢様。博麗の巫女の

 侵入を食い止めることが出来ませんでした。」

 

主人の前で深々と頭を下げる咲夜。余程レミリアに

対し忠誠を誓っているのだろう。

 

 

「良いわよ、そんなこと位。問題はフランーーー」

 

レミリア達がフランをどうするのか考えていると

急にレミリアに弾幕が放たれた。しかし、その

弾幕はレミリアに当たることなく咲夜の手に

よって相殺された。

 

 

「なにをごちゃごちゃと話し合っているのかしら?

 どうでもいいけど、ここに私がいること忘れて

 ない?早く異変を解決したいんですけど。」

 

弾幕を放ったのは霊夢だった。さっさとレミリアを

倒し、いつも通りのゴロゴロとした生活をしたいと

いう気持ちから、これ以上どうでもいい話を聞く

ことは限界だった。一方のレミリアも自分の話を

遮られて怒り心頭だ。

 

 

「・・・そう。なら早速始めましょう。

 博麗の巫女よ、永遠に明けない弾幕の夜を

 ・・・悪夢のたびに思い出せ!!」

 

霊夢とレミリアの弾幕遊戯は始まった。互いに

弾幕を放ち様子を見た。互いの弾幕は相殺したが

僅かに霊夢の弾幕が上回っていた。相殺され

なかった霊夢の弾幕がレミリアに襲いかかるが、

レミリアは難なく避ける。余裕の表情のレミリア

だが次の瞬間、霊夢はレミリアの後ろに回り込み

レミリアを蹴りで上空に吹き飛ばした。

霊夢の蹴りは想像以上に強くレミリアは

天井を突き破って外に出てしまった。

 

 

「くっ!!なかなかやるわね。」

 

油断したせいで霊夢から重い攻撃をくらって

しまったレミリア。かなり効いたがまだまだ

余裕だ。その余裕のせいで霊夢の攻撃をくらって

しまったというのに、全く学習していない。

 

 

「威張ってたわりには大したことないわね。」

 

一方、霊夢は余裕はあるが一切、油断はして

いない。そこがレミリアとの大きな違いだ。

 

 

「・・・言ってくれるじゃない。なら私も

 本気でやってやるわ。私を本気にさせた

 ことを後悔させてやるわ!」

 

 

霊夢の一言でやっと本気になったレミリア。

霊夢も弾幕用の札やスペルカードを取り出す。

互いに様子見は終わり、これから本格的に闘い

始める。と思った瞬間、

 

 

「ーーーぁぁぁあああっ!!」

 

 

フランが凄まじい勢いで飛んできた。いや、

正確には吹き飛ばされたのだ。フランは

その勢いのままレミリアに衝突した。そして

レミリアも上空に吹き飛ばされていった。

 

 

「こんなこと出来るのは・・・アイツしかいない

 わね。全く、なんていうパワーなのかしら。」

 

 

「よっ!霊夢。そっち方はどんな感じなんだ?」

 

霊夢の予想通り、悟空だった。霊夢はもう悟空の

強さを理解しているので、そこまで驚かなかった。

だが、悟空の服装や体を見て驚きを隠せなかった。

 

 

(!! よく見たら悟空の体に一切傷がない!

 ということは、今までの闘いで悟空のやつ

 一切攻撃をくらっていない!?)

 

 

「どうした霊夢?オラの体に何かついてんのか?」

 

急に自分の体を見てきた霊夢。悟空は何をしている

のかさっぱり分からなかった。

 

 

「え!?い、いや別に。それより魔理沙は?」

 

 

「ここにいるぜ。」

 

魔理沙も霊夢の近くに来た。だが魔理沙はすでに

ボロボロだった。体力は悟空に回復してもらった

ので弾幕を避けることなら出来る状態だ。

 

 

「随分とやられたわね魔理沙。」

 

霊夢は他人にはほとんど関心がないが、親友が

ここまでボロボロになっていて心配しない程

ではない。心の中では心配しているのだが

恥ずかしくてなかなか面に出せないのだ。

そのせいで、まるで魔理沙をからかっている

ように見えるのだが、内心ではお互い

信頼し合っているのだ。

 

すっかり気が抜けている霊夢に弾幕が放たれた。

霊夢は弾幕に気が付いたが、反応するのが少し

遅かった。避けられない、と思ったが悟空が

弾幕を弾いたおかげで被弾せずに済んだ。

 

 

「油断するな、霊夢。」

 

構えをとり、悟空の目つきが変わった。

霊夢も頷き、気を引きしめる。

 

 

「・・・やってくれるじゃない。初めてだよ、

 私をここまでコケにしたお馬鹿さん達は・・!」

 

レミリアとフランが悟空達の前に立ち塞がった。

フランはこれまでにない楽しい闘いが出来て

笑顔だったが、レミリアはこれまでにない程の

屈辱を与えられて激昂していた。

 

 

「絶対に許さんぞ博麗の巫女!!覚悟しろ!!」

 

 

「何で私なのよ・・・まぁいいわ。

 かかってきなさい、レミリア・スカーレット!」

 

 

「さぁ続けようよ、お兄サン。

 もっとワタシと闘いを楽しもう・・・!」

 

 

「よ~し、そんじゃ闘いを再開すっか!」

 

悟空と霊夢、レミリアとフランのタッグマッチが

始まった。悟空以外は弾幕の方が得意なので

弾幕の撃ち合いとなった。当然、悟空もそれに

合わせて闘う。全員、弾幕作りも避けるのも

上手く、どれも決定的なダメージにならない。

 

 

(ちぃ、どれも大して効いていないわね。

 っていうか山吹色の道着の男全く被弾して

 いないじゃない!どっちみち、このままじゃ

 勝ち目はないわ。だったら・・・!)

 

「フラン!残ったスペルカードを全部

 使いなさい!一気にカタをつけるわ!」

 

 

「訳分かんないけど、分かったわ、お姉さま!

 禁忌[カゴメカゴメ]!禁忌[恋の迷路]!」

 

フランはレミリアの言う通り、スペルカードを

2つ使った。もの凄い数の弾幕が霊夢と悟空に

襲いかかる。

 

 

「まだまだいくわよ!獄符[千本の針の山]!

 紅符[スカーレットシュート]!」

 

続けざまに、レミリアもスペルカードを使い

追い討ちする。これでは避けることは

ほぼ不可能だ。

 

 

「ちょっと!ルール違反じゃないの!?

 仕方ない、夢境[二重大結界]!」

 

愚痴りながらも結界でしっかり弾幕を防ぐ霊夢。

そして、弾幕でフランを攻撃する。

 

 

「でりゃりゃりゃりゃ・・・!!」

 

一方、悟空は素手で弾幕を弾きながら、その

合間に気弾でフランを攻撃した。霊夢も悟空も

フランの弾幕を止めるため、フランに集中攻撃

した。だが、レミリアが弾幕を相殺するので

なかなか弾幕は止まらない。

 

 

「くっ・・・!これ以上はっ・・・!」

 

霊夢の結界もだんだん限界に近づいてきた。

そんな霊夢の様子に気が付いた悟空は

気のバリアを作りフランに向かって突撃した。

フランの弾幕は全て弾かれ、全く意味が無く

なっていた。レミリアも悟空を止めるため

弾幕で攻撃するが、悟空はレミリアの攻撃が

当たる前に消え、フランの後ろに回り込み

打撃でフランを吹き飛ばした。

 

強烈な攻撃をくらったフラン。スペルカードを

使った弾幕も消えてしまった。もうレミリアも

打つ手は無くなってしまった。

 

 

「ふうっ。ありがとう悟空。助かったわ。」

 

 

「別にどうってことねえさ。」

 

もう勝ったも同然だ。悟空達も勝利を確信

していた。だが、闘いはまだ終わっては

いなかった。

 

 

「ここまで追い込まれるとはね・・・

 私も思っていなかったわ。でもね、

 やっぱり最後は私達が勝つ!

 フラン!”あれ”をやるわよ!」

 

レミリアとフランは遥か上空に飛んだ。

 

 

「これで勝てなかったらあなた達の勝ちよ!

 貫け![スピア・ザ・グングニル]!!」

 

レミリアはこの一撃に自信の全ての魔力を込めた。

凄まじいエネルギーなのは霊夢も魔理沙も

分かった。だが、これがそのまま激突したら

幻想郷に少なからずダメージを与えてしまう。

霊夢は博麗の巫女として止めなければいけない。

 

「止めなさい!そんなパワーを上げた状態で

 全力の一撃を放ったら幻想郷が・・・!!」

 

レミリアは止める気など全くない。むしろ

霊夢が受け止めざるを得ないのがレミリアの

狙いなのだ。

 

 

「禁忌[レーヴァティン]!フルパワー!!」

 

フランのフルパワーのレーヴァティン。これも

レミリアのスピア・ザ・グングニルと同時に

投げるつもりだ。これだけのエネルギーなら

幻想郷が大変なことになってもおかしくない。

 

 

「あんなの私でも止められないわよ!」

 

流石の霊夢も焦っていた。霊夢のスペルは

魔理沙のような光線系のスペルはない。

結界で守っても何時かは破られてしまう。

 

かといって魔理沙も、もうマスタースパークを

撃つような魔力は残っていない。

 

 

「・・・オラに任せてくれ。考えがある。」

 

この非常に不味い状態なのに悟空は落ち着いて

いた。余程自信があるのだろう。

 

 

(この人・・・こんな時なのに落ち着いている

 ・・・でも、何でだろう・・・この人なら

 何とかしてくれる気がする・・・)

 

「分かったわ。悟空に任せるわ。」

 

悟空に全てを託し、霊夢は魔理沙とともに

その場を離れた。

 

 

「よし!いくぞ!」

 

悟空は自身の最高の技で迎え撃つ。

一番の師匠、武天老師が編み出した技だ。

 

 

「か~・・・め~・・・は~・・・め~・・・!」

 

悟空の手に凄まじいエネルギーができた。

レミリア達とは対照的な青色のエネルギーだ。

 

 

「だ、大地が震えている・・・!なんて

 エネルギーだ!私のマスパと撃ち合った時

 あいつ本気じゃなかったのか!?」

 

霊夢も魔理沙も驚いた。吸血鬼二人のフルパワーと

同じくらいのエネルギーをたった一人の人間が

出せるとは思っていなかったのだ。

 

 

「たった一人で立ち向かう勇気は誉めてやる!

 だが・・・これで私達の勝ちよ!!」

 

レミリアとフランは同時に最大のスペルを放った。

二つのエネルギーは一つになり悟空に襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「波ァーーーーーーっ!!」

 

 

悟空もそれと同時にかめはめ波を放った。

 

禍々しい紅いエネルギーと強大な青白い

エネルギーはぶつかり合う。

 

 

 

 

 

「負ける訳にはいかないのよ・・・!!」

 

 

 

 

 

「ここに落とさせる訳にはいかねえ!!

 絶対止めてやる!!」

 

 

 

 

互いの意地のぶつかり合い。この撃ち合いの

衝撃は半端なものではなかった。遠くで見ている

霊夢達や紅魔館組も吹き飛ばされそうになった。

 

どっちが勝ってもおかしくない、誰もがそう

思った。しかし次の瞬間ーーーーー

 

 

 

 

「・・・・・はあああああ!!」

 

 

 

形勢が変わった。悟空が気を開放したことにより

レミリア達の攻撃は一気に押し返されてしまった。

 

レミリア達にそのままかめはめ波が当たる、と

思ったが、急にかめはめ波の軌道が横に逸れた。

いや、悟空が軌道を変えたのだ。

 

 

「これで、オラ達の勝ちだな。でも、おめえ達

 やっぱすげえな。オラ久々にわくわくしたぞ。」

 

 

「はあっ・・・はあっ・・・完敗ね・・・

 満月の夜でこれじゃ、言い訳もできないわ・・」

 

 

レミリアとフランは力尽きて倒れてしまった。

それと同時に幻想郷を覆っていた紅い霧も消えた。

 

 

「よっしゃ!異変解決!帰って宴会でも

 しようぜ!もちろん博麗神社でな!」

 

 

「宴会!?飯食えんのか!?やった~!

 オラ腹減っちまって~!」

 

 

「なんで私ん家なのよ・・・」

 

 

 

 

こうして紅霧異変は幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、この闘いを密かに見ている者がいた

ことを霊夢と魔理沙は知らなかった。

 

 

「いやぁ、いい写真が撮れました!早速

 記事にしましょうか♪それと・・・あの

 外来人の男の人の取材の準備もしないとね♪」

 

 

 

 

 

「孫悟空さんか・・・面白い人ね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー春雪異変編に続くーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




来年もこの小説をよろしくお願いします。
それでは皆様!よいお年を!




「次回も見ていってくれよな!」

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