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思えばシンオウ地方って寒かったんだなぁ。
北国だから当然だろうけど、旅の間はヒシヒシと寒さを感じながら過ごしたものだ。ノモセ湿原とか地味に厳しかった。
どうしてそんな事を思ったのかといえば……。
「ホウエン地方に到着~」
正確にはカイナシティの港だけどね。暖かな日差しと潮風を感じると安心するなぁ。
一晩を船の中で過ごしたのに、シンオウ地方とホウエン地方との気温差をここまで感じられるとは思わなかったけど。
やっぱり地元はいい。他地方の旅は滅多に無いが、こうして地元に帰ってきた時の安心感は心地良かったりする。
船から降りて人混みから抜け出すと、海が見える岸で止まってモンスターボールを放る。
出てきたのはドクケイル・リーフィア・ミノマダム・マスキッパ・ナエトル・ロトム。ローちゃんはパソコンで転送して保管しています。
クケちゃんは望郷というものを感じないのか僕に引っ付くだけで終わるが、イーくんはちょっと嬉しそう。ロトやんはいつも通りビクビクしてます。
そして初めて来た南国地方に、新入りであるミノちゃん・キッパさん・ダイトさんは興味深そうに海を眺めている。
いやぁ、思えば短いようで長い、いや濃い旅だったなぁ。人と出会ったり、ジムで草弄りしたり、ジム戦したり、ポケモンゲットしたり、タマゴが孵ったり。
そうそう、船に乗る前に一度ナタネちゃんと再会しました。生まれたばっかのナエトルことダイトさんを見せるためにね。
アーさんと同じ暢気な性格らしく、のほほんとした可愛らしい子だ。ナタネちゃん曰く母親似だとか。ナタネちゃんのドダイトス♂は意地っ張りらしい。
ナタネちゃんと色々とお喋りしたり草ポケモンを可愛がったりして、改めて交友を深めることが出来た。草ポケモン好きという共通点があるっていいね。
最期は再会と定期的な連絡を約束してお別れ。お手紙を希望したので、今度は保存の効く木の実菓子とか送ってやろうっと。
いやぁ、草ポケモンが増えて、友達も増えて言うこと無し。コウキ君やヒカリちゃんと再会できなかったのは残念だけど、きっと元気でしょ。
さて、徒歩は辛いので適当にヒッチハイクでもしながら……あ、個人営業のチルタリス便だ。ラッキー。
―――
チルタリスって乗り心地が良くて大人2人乗せられる程に大きいから、小遣い稼ぎ感覚で運び屋モドキをするトレーナーが多い。
トレーナーとチルタリス次第で危険度やら乗り心地やらでバラつきがあるので多少の不安だったが、今回は当りだったので無事シダケタウンに着きました。
自宅に帰る前にご近所にご挨拶。お土産(もりのようかん)を渡して近状を聞いておく。特に何かあったわけでもないので一安心。ポケセンでローちゃんの回収も忘れずに。
さて、一通りご近所回りをしたところで。
「ただいま~」
「「(^▽^ )(おかえり~)」」
玄関じゃなくて裏庭に直行し、バクオングのゴーさんとサンドパンのサンちゃんが出迎えてくれる。うん、帰ってきたって感じ。
そして裏庭全体を見てみるが……見事に雑草まみれだなぁ。
名も知らぬ花が咲いたり、枯葉が散らばっていたり、大勢のスバメが木で巣作りしていたり、アーさんが枯葉のベットで寝ていたり、ナゾノクサが雑草を練り歩いたり。
池はシザリガーのガーさん、木の実畑はネンドールのヤーやんが見張ってくれたからか割と無事だ。ゴーさんの水遣りのおかげか枯れてはいない。
ゴーさんとサンちゃんをヨシヨシと撫でつつ、今日の作業プランを想定する。とりあえず新入り達の紹介は後回しかな。
しかしちょっと残念ではあるな……もっと荒れてくれた方が燃えるってものなのにさ。
ふふふ、長期間(というほどでもないか?)の旅の楽しみの一つが、この庭の掃除だったりするのだ。
部屋と店の掃除をしたら、張り切って庭掃除するぞー!……その前にポケモン達に餌やり、あそういや郵便のチェックもしなきゃ。
―――
部屋と店の掃除をちゃっちゃとして、ポケモン達と昼ごはんを食べて(この時に新入り達を紹介)、そして庭の掃除。午後いっぱいは掃除で埋まるだろう。
キャアキャアと楽しそうに逃げるナゾノクサ達をゴーさんとイーくんが追いたて、居なくなった所から僕とサンちゃんが雑草を刈る。
旅の疲れが抜け切っていないから多少キツいが、ガーデニングという趣味が僕の腰と脚を動かすのだ!さて、ザクザクと刈り取っちゃおうねー。
程好く刈れたらカットロトムのロトやんが芝刈り。いやぁ、テっさんも良いポケモンを寄越してくれましたよ、ホント。
さて、草刈をしながらポケモン達の様子を見てみよう。
まず、ダイトさんとアーさんが仲良しになった。これは性格が似ているから当然だろう。
驚いた事に、アーさんが葉っぱの布団を作り、そこにダイトさんを乗せて寝かしつけたのである。しかも自分はダイトさんの傍で座り込んで寝ているし。
イーくんのときは無関心だったのに……性格が似ると父親心をくすぐるのだろうか?……あ、スボミーのスーちゃんが混ざって寝てる。可愛い。
ミノマダムのミノちゃんはコイキングのキンさんとガーさんの喧嘩仲間入り。喧嘩っ早いから当然か。
上下関係的にはガーさんが兄貴分、キンさんが下っ端か。まぁキンさん未だに弱いから……。
少々突っ張り気味ではあるが関係は良好。小さな草ポケモンや虫ポケモンからは恐れられているが、そこはまぁ仕方ない。
マスキッパことキッパさんは、意外にもネンドールのヤーやんと一緒に行動して……いや、行動と言っていいんだろうか?
大食いなキッパさんには木の実畑の木の実を勝手に食べないよう言い聞かせ、ヤーやんはキッパさんを見張るように言ってある。
だからだろうか、畑を気に入って漂うだけのキッパさんを追いかけてヤーやんがフヨフヨと漂う、の構図ができるのだ。
……害が無いので良し!頑固なヤーやんにも友達が出来ると思えば期待ですら持っちゃうよ。
後はいつも通りかな?イーくんとゴーさんは遊んでいるし、ローちゃんはナゾノクサ達の面倒を見ているし、ロトやんは芝刈りしているし。
ザングースのザンさんも例の如く木の根元で寝ているし、クケちゃんは僕の背中に張り付いて離れないし……って。
「どおりで重いと思ったら君のせいかい!」
「(▽▲▽ )(だって暇だもん)」
背中に羽根が生えた人みたいでビックリするでしょうが!早くどきなさい!どく気ないよね解っていますとも!
あーもう、こんなんで庭掃除が終わるんだろうか……ホミカさんの曲を聞いてテンションあげっか。
―――
ザックザックと雑草を刈って、ロトやんで芝刈りすることしばし。緑の平地が完成!野花も移し変えたし、見栄えがよくなったね。
次は木の実畑の整理だ。無人販売所にはソコソコの金額が入っており、木の実も多少減っている。律義な人が多くて助かります。
ソノオタウンで買った「じめじめこやし」が届いていたこともあり、さっそく試すとしますか!
ヤーやんが張っていた壁を解除し、古くなった木の実や根、雑草を引き抜く。ここでの手伝いはゴーさんとキッパさん。
キッパさんが古くなった木の実を処分(という名の胃袋直送)している間に雑草や草木を『はっぱカッター』などで細かく刻む。燃料や肥しに使います。
まだ実る見込みがある物や畑に住み着いたナゾノクサを引っこ抜いて土だけにしたら、次はいよいよ新しい肥しを試す時!
サンちゃんの『たがやす』で土を耕せば、じめじめした肥しを、客からの需要が多いオボン・ラムのある畑に撒く。
安いとはいえ、うちの木の実畑の3分の1ぐらいに使う量しか買っていません。効能が良かったら注文する予定。
余った分はモモンの実あたりに撒き、残りはうちで使っている肥料を使う。後は植え替えて水遣りだね。
さて植え替えようと思って戻れば、「じめじめこやし」を撒いた畑にナゾノクサ達が群がってた。もちろん追っ払う。ごめんよ。
流石はソノオタウンの肥料、ナゾノクサ達もメロメロか。今度追加注文しておくべきだろうか?
それにしても……。
「やっぱ僕は草弄りの方が好きだわ」
暖かな日差しに照らされ、草ポケモンに囲まれて畑や草木を好きなように開拓する。
旅ももちろん楽しかったけど、こうして草木に囲まれる生活の方が癒されるなぁ。ホウエン地方さまさまだよ。
まさに……スローライフ万歳!
あ、アメモースが来た。木の実目当てかな?追い払わないと。
―続―
次回からはORAS要素も混ぜつつスローライフを満喫します。どんな展開にするかはその時次第です(ぇ)
ただ延々とのんびりしたポケモン生活を見せるだけの小説ですが、楽しんでもらえれば幸いです。