ポケットモンスター・ライフ   作:ヤトラ

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中々やる気が出てきません。何故かと言えば先の展開が纏まらないから。
そんなわけで一気に加速させました。期待させるような展開(?)しといてすみません(汗)



その37「きのみ屋さん、タマゴが孵る瞬間を見る」

 前回のあらすじ・マキシさんに4対2で負けました。

 いやぁ、流石はジムリーダー。うちの4匹は新入りも当然とはいえ、相性の悪い草ポケモン相手に2匹で勝てるとは。

 それでも観客の皆さんからポケモン達への賞賛を貰ったし、マキシさんは楽しめたようだし、この街はポケモンバトルが好きなんだなぁ。

 

―さて、当初の目的を果たすとしましょう。

 

「ほれ、約束のサインだ!マサって奴によろしくな!」

 

「ありがとうございます~」

 

 マキシマム仮面のサイン、ゲットだぜ!(昔知り合った4人組の内の少年の決め台詞……らしい。糸目のブリーダー君から聞いた)

 極太マジックで豪快に「ウォーターストリームマスクマン・マキシマム仮面」と書かれたサイン色紙。一目で誰のサインか解る字っていいなぁ。

 

「それにしてもホウエン地方出身のトレーナーに俺のファンが居るとは、冥利に尽きるな!」

 

「水ポケモンを好んで使うぐらいですし、ポケモンと並んで喧嘩とスポーツが大好きな奴ですからね」

 

「おお、俺と同じ水ポケモン使いか!どんな奴だマサって奴は」

 

「うーん……生傷と包帯の絶えない奴です」

 

「なまきず?」

 

 嘘は言っていません。それに「喧嘩とスポーツが大好き」と言ったでしょう?……バトルマニアってのはポケモンだけに言えることじゃないんです。

 とりあえずそのマサから頼まれていた物もゲットしたし、マキシさんと少しお話したらノモセを出ようか―――。

 

―モゾモゾ

 

「……あ!」

 

「おい、お前さんのリュックがモゴモゴ動いているぞ?」

 

「タマゴが孵るんだ!」

 

「なんと!?」

 

 受け取ってから一日経っているとはいえ、意外と早かった!もしかして産んでからしばらく経っていたのかな?

 モンスターボールからローちゃんを出し、背負っていたリュックを下ろして中からモゾモゾ動くタマゴを取り出そうとする。

 うわ、手から伝わるこの脈動感!何気にタマゴを孵化したのってコレが初めてなんだよなぁ、感激!

 僕とマキシさんはマジマジとタマゴを見つめ―――パリパリとタマゴの殻が剥がれていく。

 

―そして、ナエトルが生まれました!

 

「……」

 

 プルプルと身震いして体についた殻を落とすと、パチクリと目を開いて僕らを見上げる……ゴクリ。

 

「(-~- )(ぐう)」

 

 生まれた直後なのに寝よった。

 

「……マキシさん、タマゴを孵したことってありますか?」

 

「あるが……生まれてすぐに眠るやつなんざ、カビゴンとかナマケロぐらいじゃないか?」

 

「ですよねぇ」

 

 随分と暢気なナエトルだこと。ローちゃんはそんなナエトルをおんぶしてあやし始めた。可愛い。

 なんかデジャヴを感じる光景だと思ったらエアームドのアーさんに似ているんだ、このナエトル。

 

「……とりあえずお邪魔しました」

 

 眠るナエトルをおぶったローちゃんを引き連れ、さっさとハクタイシティに向かうとしましょうか。というわけでマキシさんにお辞儀。

 

「おう!バトル楽しかったぞ!道中気をつけ……なくてもいいぞ!」

 

「なんでやねん!?」

 

 ここは「道中気をつけろよ!」って言うところでしょ!?

 

「今朝方に国際警察から連絡が来たんだが、とうとうマグマ団残党を捕らえたんだと」

 

「え?早くないですか?」

 

 いや、国際警察って聞くからには凄い警察なんだろうけど、それにしたって捕まるの早いな?

 

「まぁあれだけアチコチ出回っていたんだ。窃盗やら器物破損やらで迷惑だったし、さっさと片付けたってことだろう!詳しくは話せないし、聞いていないがな

 というわけで、しばらくシンオウ地方は平和になるだろうから、安心して旅してこい!」

 

「は、はぁ……」

 

 ジムリーダーの言う事から信用できるし、安心できるといえばできるが……呆気ない終わり方だったなぁ、マグマ団。

 つくづく思うが、少し巻き込まれたからといって騒動の中心に居ることは無く、僕の知らない所で勝手に終わっていたりするものなんだな。

 呆気ないといえば呆気ないが、世の中には悪い人以上に良くて強い人が沢山いるんだ。こんな風に終わる事もあるだろう。相手は残党だし。

 

 さて、物思いに耽る前にマキシさんに手を振って別れを告げ、ローちゃんをボールに戻して代わりに両手でナエトルを抱っこする。重いなコイツ。

 名前は実は前々から決まっている。ドダイトスに進化することを期待して「ダイトさん」。あえて真ん中辺りを捩ったのがポイント。

 

 ポケモンセンターでロトやん達を回復したらダイトさんをボールに登録して、そしたらハクタイシティに行こう。

 生まれたナエトルをナタネちゃんに見せてからお別れしてホウエン地方に帰るんだ。お店と畑はどうしているかなぁ。

 

 

 

 さて、ハクタイシティに行くバスが今日中にあればいいんだけど。

 

 

 

―続―




これ以上ゴチャゴチャする前にさっと終わらせてしまいました。期待していた方、ごめんね(汗)
やはりポケモンで書きたいのはストーリー物というより、色々な場面を覗かせるスローライフだと気付いたので!

マグマ団残党はどうなったのか。ポケライフ「国際警察・ギンジの場合」に続きます。

次回からはあらすじどおり、ホウエン地方でスローライフ生活を送ります。
……なんかやっとホウエン地方に戻れると思うと、ほっとすらしました(苦笑)

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