ポケットモンスター・ライフ   作:ヤトラ

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ついにポケモン最新作が発売されますね!
そんな訳で頑張って書きました。珍しく速い投稿です(笑)
なお、シンオウ地方は本当に久々なので、殆どがwiki頼りです。あしからず(汗)


その24「きのみ屋さん、シンオウを歩く・前編」

 両親の車に乗ってミナモシティまで送ってもらい、シンオウ地方行きの船に乗って二日。

 予約していた個室で一泊二日の船舶旅行を楽し……いや初日は大変だった。まさかクケちゃんが追って来るとは思わなかったもん。軽く騒動起こったし。

 初日はクケちゃんをたまたま知り合った方と協力し、騒動が大きくなる前に甲板で捕まえる事に成功。捕まえる直前に嬉しそうに鳴いていた気がしないでもない。

 手持ちの偏り具合もあって、あの人が居なかったら厳しかったろうなぁ。ありがとう、ルカリオを連れた青の似合うナイスガイさん。

 

 殆ど揺れない船の個室でグッスリと眠り、水平線から漏れる日差しで目覚め、肌寒くなってきた甲板の上でブラブラすること数時間。

 お昼頃になって目的地―――シンオウ地方の港町・ミオシティの船着場に到着したのだった。

 

 

―――

 

 船から降りて賑わう船着場に辿り着くと、シンオウ地方の寒さを改めて思い知りました。

 

「うう、寒っ!」

 

 ホウエン地方じゃ小春日和な気温だったのに、同じ明るい空でもシンオウはこんなにも風が冷たいとは!

 シンオウガイドブックで「シンオウは寒冷地なので厚着を忘れずに!」と書かれていたけど本当だわ。コート持ってきてよかったぁ。

 

 けどポケモン達はそうではなく、草タイプであるはずのローちゃんとイーくんは久々の陸地、そして未知の地方だと解っているのか結構はしゃいでいる。

 ロトやん(カットフォルム)は僕の足元でビクビクしつつも見慣れぬ外に魅力を感じているのか、キョロキョロと辺りを見渡していた。臆病だけど可愛い奴。

 一番困るのは新たな手持ちとなった、ドクケイルことクケちゃんだよ……燐粉を撒かないとはいえバサバサと僕の周りを飛ばないでっての。

 

「大人しくしなさいクケちゃん。これから一緒に旅するんだから遠慮を覚えないと」

 

「(▽A▽ )(……)」

 

「( //▽A▽//)(ぷいす)」

 

 ……ミツル君の言う事はまさか本当なんだろうか。ちょっと不安です(毒の粉的に)。

 さ、さてとりあえず歩こう!ポケモン達をボールに戻し、緑のキャリーバックを引っ張って船着場を出る。

 

 ミオシティを歩こうとして上を見上げたら、そこにはシンオウ地方を横断するように聳えるという山脈―――テンガン山が一望できた。

 これがシンオウのテンガン山かぁ……冬だからかほぼ白く染まっており、神秘的な何かを感じさせる。ハクタイシティはこの山の近くにあるらしいし、行く楽しみが増えるってもんだ。

 

 それにしても、小春日和には違いないからか、ミオシティを歩く人達は僕みたいにコートを羽織らず少し厚着している程度だ。やはり北国出身の人は違うなぁ。

 とりあえず道端で立ち止まり、地図を広げて確認。まずはナナカマド博士の研究所に裏庭の苔石を届けないと。石が取り除かれるだけでも旅は楽になりますから。

 ……となると旅路は、まずは218番道路を通ってコトブキシティへ行き、202番道路を南へ下ってマサゴタウンのポケモン研究所。

 距離的にも遠くなさそうだし、夜には到着できるはずだ。旅の経験はあるし、足腰は畑仕事で鍛えていて問題なし!

 

 ……というわけで、まずはミオシティでお昼ご飯!新鮮な海の幸とかあるかなぁ。

 

 

 

―――

 

 お昼ご飯を食べた後にちょっと食休みして、いざ出発!

 せっかくなのでイーくんとロトやんをボールから出してやり、のんびりと歩く。クケちゃん?燐粉が怖いからヤダ。

 道中にフローゼルやカラクナシと出会い、イーくんが興味深そうに戯れる様子を楽しみながら歩き、道中に会った人と挨拶を交わしつつまずはコトブキシティへ。

 コトブキシティには三時ぐらいに辿り着き、足に余裕があったのと腕白イーくんが急かすのと理由があって、さっさとマサゴタウンに行くべく202番道路へ向かう。

 

 で、202番道路を歩いていたら、コロボーシの群れに紛れていたコロトックという珍しい虫ポケモンを発見。

 イーくんは物珍しさ故にピスピスと鼻を鳴らしながら、敵意が無いと解っているが警戒しているコロトックに近づこうとする。

 

「こらイーくん、あまりからかっちゃダメだよ」

 

 なんて忠告するが、イーくん聞く耳持たず、コロトックにちょっかいを出し始める。

チョイチョイと前脚で突かれるコロトックはたまらないだろう。アッチいけ!と鋭い爪を翳すも、腕白イーくんは遊んでくれると思って跳びかかる。

 本来なら苦手なはずの虫タイプですら果敢に遊びに掛かるとは流石イーくん。ちなみにロトやんはコロボーシに囲まれて遊ばれています。カゴメカゴメされちゃっているよ。

 

 

 

……ん?なんかいい音色が……というか眠く……。

 

 

 

―――

 

―第三者視点―

 

 その日は妙に拾い物をする日だと少年は思っていた。

 

 誰かがポケモンを捕まえようとして用意していたのが落ちたのか、アチコチでモンスターボールを拾う。

 何気なく見つけて拾ったとはいえ、空のモンスターボールをジュンサーに届けるわけにもいかず、せっかくだからと貰うのだが。

 ポケモントレーナーでもあるし、貰えるものは貰っておこう。そう思って3個目のモンスターボールをカバンにしまった時だった。

 

―ビビビビビ

 

 羽音が聞こえてきた。しかし聞きなれた音なので怯えもせず、音がした方へと視線を向ける。

 そこではビークインが羽音を出して威嚇し、コロトックと子分であるコロボーシ達を追い払っている所だった。

 

「メイプル、何をしているの?」

 

 少年はビークイン―どうやらメイプルという名の手持ちポケモンらしい―に声を掛けて近づく。

 すると草むらに隠れていた物……うつ伏せになって寝ている青年と、少し離れた所で眠っているリーフィア・カットロトムを発見する。

 

「あ……コロトックの『うたう』でも聞いて寝ちゃったのかな?」

 

 少年は納得する。ビークインは眠ってしまった彼らを守る為、群がっていたコロトック達を追い払ってくれたそうだ。

 とはいえ、聞いた直後なのか見事にグースカと眠っており、少年が声をかけても指で突いても起きる気配が無い。

 

 ここで少年は思い出す……何事も真剣に、と。

 

 真剣に考えてみた結果、こんな所で寝ては野性のポケモンに襲われかねないからと、手荒な手段を用いても起こそうと決意。

 

「出ておいで、スパイク」

 

 腰のベルトにつけられたモンスターボールを放り投げ、中から虫ポケモン・スピアーを放出させる。

 スパイクと呼ばれたスピアーは嬉しそうに少年の周りを飛んだ後、少年は頭を軽く撫でてから、眠る青年の前で合掌する。

 

 

 そしてスピアーに視線を送った後に青年を指差し、スピアーはその意図を読んで……。

 

 

 

 

「アーーーーーーッ!!!」

 

 

 

 

 それが少年―――コウキと呼ばれるポケモントレーナーの聞いた、青年の悲痛な叫びだった。

 

 

 

―続く―

 




コウキはポケモンDpの男の子主人公です。詳細はまた次回以降。
それにしてもハヤシはシンオウについて早々ついていないな(笑)

え?スピアーに何をされたかって?ご想像にお任せします(ぉ)

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