英雄の魔法と最終の人類   作:koth3

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こんな駄文をお気に入りしてくださった方々。この場を借りてお礼を言わせていただきます。
まずはじめにお読みしてくださる皆さんありがとうございました。
たった数時間でお気に入りユーザーがページに表記され、びっくりしたのと同時に感動してしまい第三話を急いで書き上げました。
この作品を読んでくださっている方々。こんな駄文ですがこれからもよろしくお願いいたします。





第三話

第三話 関東魔法協会

 

彼真心が麻帆良へ着いたその日の夜麻帆良学園、否、関東魔法協会は攻撃にさらされていた。

かつて、この日本を守護していた勢力、古の都京都に本拠地を構える関西呪術協会。その中でも過激派と呼ばれる人間たちと関東魔法協会を認めない土着勢力による攻撃だ。

その攻撃からこの地を守るために関東魔法協会は防衛線を繰り広げている。

 

「刹那、先走りすぎるな。援護を待て」

「そんな猶予はない龍宮。すでに私たちは囲まれており、ほかの戦力も足止めされてい応援など来やしない」

 

彼女たちにとっての不幸は彼女たちの防衛範囲が敵の主力部隊の進行ルートだったということだ。

彼女たちを排除するために鬼、烏族、蜘蛛、怨霊などが召喚されており、今もなお、集団での攻撃に彼女たちはさらされている。

 

「ちっ、銀の銃弾は費用が掛かるし、用意するのに時間がかかるから使いたくないのだが」

そう真名と呼ばれた砂漠にすむ民族のように日に強い肌を持つ少女は愚痴をこぼしながら手にした銃を撃っていく。

 

「はぁぁ、斬魔剣」

 

魔を断つ剣。人を守るため怨霊など形無き魔を打ち払うために編み出された神鳴流の奥義の一つ。

妖怪たちにも効果はあるがそれよりも怨霊などに絶大的な効果を発揮する。

 

「ようやく怨霊は倒しきったか」

「そのようだ刹那。だが、油断するなよ?」

 

怨霊、憎しみや憤怒の感情により死後、現世にとどまり続ける者の魂の総称だ。

彼らは、直接的な攻撃方法はないが、呪いにより疲れやすくしたり、ミスを誘発する。

故に、彼女たちは厄介な存在である怨霊を真っ先に倒したのだ。

 

「残るは妖怪たちだけか、龍宮のほうこそ油断するなよ」

 

うっとしい呪いから解放された少女たちは一息つき、少しずつ余裕を取り戻していく。

だがしかし、

 

「ほう、やるな。嬢ちゃんたち。飛び道具の嬢ちゃんのサポートに神鳴流の嬢ちゃんの奥義により殲滅。

 ワイらが近づくと百烈桜華斬により、切り捨てられ、後ろの嬢ちゃんに近づくことすらできん」

 

若いのにここまでやるとはあっぱれじゃと言い、その鬼は笑う。

 

「じゃが、いくら気や魔力で身体能力を底上げしていても限度がある。それを超えるためにさらに体力を消費したお前さんらに今ここにいる鬼たち五十に、烏族三十、土蜘蛛の眷属十。どうやって勝つつもりじゃ?悪いことは言わん。そこらでやめておけ。多勢に無勢の中ここまで持ちこたえられたおぬしらを批判するものなどいんじゃろうて」

 

鬼の言葉は真実だった。ここまでの戦闘で体力の消耗は激しい。特に気は体力から気へと変換されるため刹那の疲労は無視できない領域に達している。

 

「ワイらも未来ある若者の命ここで散らすには惜しいんじゃ。ここまでその年で戦えるものは早々おらん。どうじゃ、あきらめてその道を開けてくれんか」

 

鬼の言葉に同意するように妖怪たちは武器を下げる。とはいえ、奇襲に対応できるように警戒しているようだが。

 

「すまない龍宮」

「やれやれ、わかっているさ刹那。それにここで彼らを通すと報酬が減ってしまうのでね。」

 

その言葉に、刹那は思わず笑ってしまう。

 

「そうか。では、龍宮の生活のためにももうひと踏ん張りするとしよう」

「それが嬢ちゃんたちの答えか。よう言った。お前らへ敬意を払いワイらも全力で戦おう」

 

そして戦いの火は、鎮火しかけた火はまた燃え盛る。

 

 

 

 

 

「かかか、嬢ちゃんたちまさかここまで底力があるとはな。驚いたわ。だがここまでじゃ」

 

先ほどまで二人をかこっていた異形たちはもはや、その鬼のみしか残っていなかった。

 

「は、ははは、最後はお前だけだ」

「悪いが、還ってもらうぞ」

 

息も絶え絶えに二人は意地を張る。意地すら張れなくなったら、戦うことなど出来ないのだから。

 

「そうか、嬢ちゃんたち名前は?」

 

鬼は彼女たちを認め、名前を聞いた。

 

「龍宮 真名」

「京都神鳴流 桜咲 刹那」

 

それに二人も返す。

 

「そうか、我は黒鬼(こっき)。名を覚え逝け」

「お前こそ、私たちが倒し向うへ逝かせてやる」

 

もうその場に声は必要なかった。

鬼は走り出し、少女たちも動く。

 

一人は前に一人は後ろに

 

最後の一発。連射性能も退魔性もいらない。ただ一発の威力を最大限に。

そうして彼女が出した物は、対戦車ライフルPTRS1941.

中れ。そう念じなけなしの魔力で身体強化をし撃つ

 

ただ前へそう念じ少女は特攻する。

触れたものすべてを切り裂くため、なけなしの体力から気を絞り出していく。

放つ技はただ一つの流派の由来にもなった技

 

鬼の渾身の力で振りかぶられた棍棒は真名の狙撃により外される。

 

「なっ!?」

 

その一瞬の隙。それだけあれば十分だった。

 

「神鳴流奥義雷鳴剣」

 

 

かつて、雷は神の怒りであった。神鳴り。神の怒りによって魔を払うそれこそが神鳴流の奥義なのだ。

その一撃に鬼は切り裂かれ、焼けていく。

 

「終わった」

 

限界が来たのだろう膝を付き息も絶え絶えに彼女は言った。

 

「刹那!!」

 

真名の怒号

気が付いた時には鬼のこぶしが当たり吹き飛ばされていた。

 

「効いた効いた。ワイ以外じゃ耐えられなかったわ」

 

そういう鬼の体には切り裂かれた傷に体中を奔るやけどの跡があった。

 

「がっ、はあ」

 

内臓にダメージが来たのだろう。刹那は体を動かすことができなかった。

そして真名自身ももはや一発を撃つ余裕と猶予がなかった。

鬼が棍棒を振り上げる。

 

これで最期か。このちゃん、それにまーくんに会いたかった。

鬼の一撃で命を落とすと感じ、刹那は唯一の心残りを想う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなとこで目をつぶっていると風邪ひくぞ」

 

目の前の光景に刹那は驚きを隠せなかった。

 

「さて、鬼よ。お前さんも仕事なのだろうが、手を出した相手が悪かったな」

 

あの時と変わらない橙色の、太陽の色をした男がそこにいた。

 

「何もんじゃ、お前は」

 

鬼が今までよりも低い声で聴く。その存在を恐れるかのように。

 

「なぜ、鬼の一撃を生身の体で受けられる(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

こことは違う世界でかつて、人類最終のもとになった赤い彼女、人類最強は生身で走行している電車を受け止めた。ならば、後続機である彼がこの程度のことができないはずがない。

 

「なに、人類も最終に至ればこの程度のことはできるということさ」

 

鬼が全力で押し続ける棍棒をまるで子供の力のように扱い、押し返していく。

 

「それより手前、俺様の幼馴染に何してくれている」

 

そう言い放ち片手を後ろに回し腰を回転させながら

 

一喰い(イーティングワン)

 

ただの力任せの張り手。それだけで鬼の体に致命傷を与え、倒したのだ。

振り返りながら彼はあの時と変わらない笑みで

 

「久しぶり、刹那」

 

その言葉を最後に刹那は気を失った。

 

 

 

 




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