英雄の魔法と最終の人類   作:koth3

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質問にあったことですが十一話での「もう終わりに死ま死ょう」という部分に死を使うのはおかしいのではという指摘がありましたが、これは戯言シリーズに登場する(厳密に言うとスピンオフ作品の人間シリーズですが)死吹と言われる集団がしの発音が死になるんです。これを使った理由は後々、伏線回収も終わってから刹那のアーティファクトとともに説明します。


第二十二話

第二十二話 叩階 戦い

 

 「よくやった新人。ウチラを開放しただけやなく、お嬢様を手に入れたんやお手柄や。

 さあ、急がんと長がお嬢様を取り戻しに来るさかい。早く宿儺をおこすための儀式を行わんと」

 

 先ほどから新人と呼ばれている少年、フェイトと言う名の彼は周りを警戒し続けている。

 

 「うん? どうしたん?」

 「いや。気のせいのようだ」

 

 そういい、彼らはこの場を離れ儀式場に向かおうとして、

 

 「まて!!」

 

 ネギたちが追い付いてきた。

 

 「またアンタらかい。まあええ」

 

 千草は木乃香とともにこちらへ数歩歩き、召喚をした。

 周りからあふれ出す異形のすがたにアスナは圧倒され怯える。

 

 「アンタらはその鬼どもと遊んでもらっておくんやな。

 ガキやし殺さんよう言っとくさかい」

 

 千草とフェイトはその言葉を残し去っていく。

 

 「ど、どうするのこいつら」

 「落ち着いてください。大丈夫です。ネギ先生たちは先に」

 「そういうわけ行かないじゃない」

 

 アスナの言葉の通り、刹那でもさすがにここまでの数を相手にすることはできない。

 一人ならば。

 

 「アデアット」

 

 その言葉とともに狐の面が現れる。

 それはかぶると刹那の顔に取り込まれていった。

 

 「これがあります。まー君の助力がありますからこの程度は楽ですよ」

 

 その言葉にネギとアスカはためらいながらも、

 

 「わかりました。ですが危険でしたらすぐ逃げてください」

 「ええ。三秒後にアスナさんとネギ先生は敵の囲いを抜けてください」

 

 「なんや、作戦会議は終わったんか?」

 

 鬼達やほかの怪異たちが戦闘の準備を迎えた瞬間にネギは空を、アスナが地を駆け抜けた。

 

 「特攻かい。あまい・・・っ!?」

 

 鬼達はその存在に気づきすぐさまネギとアスナから視界を外す。

 

 「ぎゃは。安心しろバケモン。殺戮は一日一時間って決めてるんでな」

 

 殺意とともに莫大な存在感を放ち続けている桜咲刹那(・・・・)に気を取られて。

 

 「なんや、お前? 本間に人間かい。それこそ天神様やあるまい」

 

 あまりの禍々しさに怪異たちが怯えているほどに、今の刹那は異常だ。

 

 「ぎゃは。ただの人喰い(マンイーター)さ。お前たちを食い殺すな」

 

 そういい、手にした夕凪を投げ捨て(・・・・・・・)刹那は突き進む。ただ両手を広げ、

 

 「暴飲暴食」

 

 両手を広げそれで挟み込んだだけ。

 ただそれだけで鬼が一体殺された。

 跡形もなく、そこに存在した後すら残さず、還ることすら許さずに(・・・・・・・・・・)

 

 「ば・・・かな。ありえんやろ? 気を使った神鳴流ならまだしも、なんでただの張り手で鬼を殺せるんや」

 

 怪異が恐怖している間に刹那はさらに殲滅していく。

 

 「う、うわあああああああああ」

 

 恐怖に駆られた怪異がその恐怖に駆られ襲いかかる。

 そんなことでは逃げられないというのに。

 

 「悪いけど私は正義のために殺すんだ(・・・・・・・・・・)。君たちのような絶対的な悪(・・・・・)を見逃すはずないだろう?」

 

 そういい、先ほど投げ捨てた夕凪をつかみ近づいてきた烏族を殺す。

 

 「さあ、悪いが逃がさないよ。正義のために死んでくれ」

 

 その言葉を言い彼女は怪異との切り裂きあいを始める。

 

 

 

 「ネギ、急ぐわよ」

 「ええ。刹那さんが送り出してくれたんです。急がないと」

 

 走るネギとアスナだったが、突然視界の外から黒い影が見えた。

 とっさに二人は防壁と迎撃を選択した。 

 

 「よく気づいたな。ネギ」

 

 黒い髪と学ランの少年、つまりは小太郎が影から出てきて言う。

 

 「さあ、俺を倒さんと先には進めん。どないする、ネギ」

 

 その様子を見たアスナは小太郎に気付かれないようにネギに話しかける。

 

 「あんた、先行きなさい。私がここでこの子を抑えるから」

 「ですが、アスナさん。それは危険すぎます」

 「ネギ。今はそう言っている場合じゃないでしょう。刹那さんの意志を無駄にする気? それに私は負けないわよ」

 

 そう言い、アスナはネギより前に出て小太郎に言う。

 

 「アンタなんて私一人で十分よ。私を倒してからネギと戦いなさい」

 「あん? 女には興味ないんや。どきい、けがするで」

 

 そう言い争うっている間にネギはアスナの言葉を信じ杖で飛んでいく。

 

 「あっ、逃がすか」

 

 小太郎が一歩歩いた瞬間に大きな風魔手裏剣が飛んでくる。

 

 「見事でござる、ネギ坊主。ここで大切なことを見失わない冷静さを持ったでござるか」

 

 その声とともに現れた人物は楓だった。

 

 「な、なんで!? ここにいるの」

 「安心するでござる。救援でごさるよ~」

 「姉ちゃん、邪魔するなよ」

 

 小太郎はネギと戦うことを邪魔され激怒し、楓に言う。

 

 「ふむ、少年。眼力は良いがまだまだ経験が足りぬな」

 

 いつの間にか小太郎の後ろから苦無を使い、頸動脈に添えている楓がいた。

 

 「なっ!?」

 

 驚きとともに小太郎は解放される。

 

 「え、ウソ。今のって」

 

 アスナの疑問を無視し、楓は小太郎と対峙する。

 

 「今のネギ先生と拙者ではまだ拙者のほうが強いでござるよ」

 「上等!!」

 

 こうして楓と小太郎の戦いも始まった。

 

 

 「バケモンや・・・」

 

 怪異のこぼした声だがそれは事実だった。

 周りに存在するのはもはや消えゆく最後の怪異と刹那のみだった。

 

 「楽しそうやな~。先輩」

 

 それに乱入するのは二振りの刀を使う剣士。

 

 「もう我慢できへん~」

 

 それだけ言うと月読は刹那に襲いかかってきた。

 

 「傑作だぜ(・・・・)

 

 服の裾から小型のナイフを取出し、月読の攻撃に合わせ、受け流す。

 

 「さあ、殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へぇ。あたしに気付きかけるとはやるじゃないかあの白い少年。つまらんし殺しあう仲の奴からの依頼だったけど、面白そうなやつを見つけたな。とはいえ、自分のことを人形と考えているのは気に食わないけどな」

 

 彼らの気づけなかった第三者。赤い服を着こなしたまるで地獄のような赤い紅い朱い女性。

 それはまだ物語に関わらず、探し続ける。自身の後続機たる橙を。




今回の題名
叩 張り手で叩くだけで、敵を倒した刹那のことです
階 戯言シリーズにあった人間の位階のようなものです。

今回の最後に登場した人物は!?
戯言シリーズを読んだ方ならわかるでしょう。そう、赤い彼女です。作者が使いこなせるかわかりませんが(オイマテ)
読んだことがない方はしばらくお待ちください。

軽い刹那のアーティファクト説明
『十三の顔を持つ狐』
能力説明 
カモの説明にあった通りマスターの技術を十三個使えるが、とある理由により戯言シリーズに登場する殺し名七つと呪い名六つの技術とその技術を持つ者の人格などの軽い再現がおきる。

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