IS インフィニット・ストラトス 金と銀の瞳が見据えるモノ リメイクversion   作:フレイムバースト

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赤い技術者復活!今回かなり長いです!あと後書きにおまけがあります


再会、友よ、初恋の人よ。だがこれはナンセンスだ!

(暇だなぁ……)

 

ぼーっとしながらSHRの時間を過ごしていく。

 

山田先生の自己紹介とIS学園の説明、寮の説明、そしてクラスメイト自己紹介。

 

今は一夏くんの番だ

 

「織斑一夏です、よろしくお願いします」

 

さてクラスメイトの視線が一気に一夏くんに向かっている。

 

これで終わりじゃないよね、とみんな目で訴えている

 

無論私もなんだけどね。

 

一夏くんは一回何処かを見たあと、さらに私の方を見てきた

 

一夏くんの目から「助けてくれ」と訴えられてくる

 

私は顔の前で腕をクロスさせ首を横に振った。ごめんね一夏くん

 

「……い、以上です」

 

がたたっ

 

某新喜劇よろしくずっこけるクラスメイトが何人かいた

 

私の左隣の人、ずっこけるのはいいけどパンツ見えてるよ。

 

私がカンペでその事を伝えると某カブトムシライダーよろしく一瞬で椅子を戻して座っていた。

 

その後担任であって一夏くんのお姉さんでありIS世界王者の織斑千冬さんが出てきたり、小学校の同級生だった篠ノ之箒ちゃんの自己紹介があったり妙に高飛車な態度の今時の女子、イギリスの代表候補生のセシリア・オルコットさんの自己紹介もあった

 

そして私の番が回ってきた

 

「ええと……マビ・アーデルハイトさん?」

 

「まみ、です。山田先生」

 

「ああ、ごめんなさい!では磨美・アーデルハイトさん、自己紹介お願いします」

 

「はい、磨美・アーデルハイトです。名前からわかると思うけどハーフです。イタリアの代表候補生としてIS学園に入学しました。趣味は読書でよく医学系の小説と哲学本を読んでいます。それが頭に入っている時もありますが大抵は気にしてなかったりします。他に何か聞きたいことはありますか」

 

「磨美さん胸大きいけど何センチ?」

 

唐突にきたその質問、一夏くんの方を見ると耳を塞いでいた

 

「そういうのは放課後で!」

 

私がそう返すとクラスに笑いが起きた。

 

いいね、やっぱクラスはにぎやかじゃないと。

 

「アーデルハイト、時間が押している。そろそろ切り上げろ」

 

「はい、織斑先生。とりあえず、これから一年間よろしくお願いします。」

 

そこからなんやかんやあってSHRはひとまず幕を閉じた

 

────────────────────────────

 

「一夏くん」

 

休憩時間の最中、私は一夏くんの所に寄っていた

 

一夏くんは机に持たれていて精神的に満身創痍のようだった、見てて和む

 

「ああ……磨美か……久しぶり……」

 

「覚えていてくれてたんだね、ありがとう」

 

「すまない、アーデルハイト、隣いいか?」

 

「ほーちゃんも久しぶり」

 

「その気が抜けるようなあだ名はやめてくれないか………プ」

 

ほーちゃんは我慢しているようだった、見ていて面白い

 

「よかったよ、2人がいて。2人がいなかったら俺多分イロイロと耐えきれなかったと思う」

 

「そりゃそうだよ。にしてもなんでIS学園に来たの?」

 

「IS学園と藍越学園って似てるよな。つまり、そういうこだ」

 

「……それは間抜けというものではないか一夏」

 

「……一夏くん、ちょっと間抜けだよそれは」

 

「だろうな。そう言われると思った。そう言えば磨美は代表候補生なんだよな?」

 

「うん」

 

「俺にISの知識を叩き込んでくれ。俺、ISは自分に関係ないと思ってたからよくわからないんだよ」

 

「いいよ一夏く「待て、その役目、私に譲ってくれ」えー」

 

「私にだってISの知識はある!」

 

「じゃあISの世代を第一世代から順に説明してみて」

 

「ぐ……」

 

「第一世代は兵器としてのISの完成を目標に作られた機体の事ですわね」

 

座りながら話に割り込んできたのはセシリア・オルコットさんだった

 

「あら、セシリアさんご名答」

 

「当然ですわ」

 

「とりあえず第一世代は兵器としてのISの完成を目標に作られた機体だから…例えるならなんだろう…とりあえずケータイで例えるならバブル時代にあった肩にかけるタイプの重くてでかいやつ」

 

「……なるほど」

 

「第二世代は後付武装で戦闘の多様化をはかったものね。

ケータイで例えるとインターネットに繋げたり、アプリで音楽を聞けるようになったりしたガラケーあたりかな」

 

「つまり今の俺たちが使うケータイをISで例えると第二世代なんだな」

 

「そういうこと。第3世代は操縦者のイメージ・インターフェースを用いた特殊装備の搭載を目指した実験機が多いわ。特殊装備は何かって言うと……セシリアさんの場合は」

 

「私のはBT兵器ですわね」

 

かなり不機嫌そうにセシリアさんがそう答えた。

 

「イタリアの第3世代装備は私のISにはまだ未完成で搭載されていないんだけどね。とりあえず第3世代ISは例えるなら新聞とかで話題になる近未来的な車や家具に近いかなぁ」

 

「そこだけやたらおおざっぱだな」

 

「ほーちゃんそれは言わないで。ちなみにもし第四世代のISが出来た場合はどんな戦況にも対応できる文字通りの万能機になるって各国は予想して研究しているの」

 

「なるほど……大体わかったよ。ありがとう」

 

「んで、ほーちゃんはこれでも私から役目を譲って欲しいの?」

 

「ぐぎぎ……‼︎なら特訓だ‼︎体を動かせばなんとかなるだろう‼︎」

 

「つまり実技はほーちゃんの担当ね、分かったよ」

 

これでひと段落……のはずだった

 

「それにしても最近の殿方はISに関する基本的な情報も知らないのかしら?ブリュンヒルデの弟と聞いて期待していたのが馬鹿馬鹿しいですわ。見ていて呆れますわ」

 

セシリアさんが嫌味を飛ばしてきた。ちょっとむかつくけど我慢しないと

 

「まぁまぁセシリアさん、何事も基礎は大事だよ。基礎がなってないと家なら崩れちゃうし。足元をすくわれるかもしれないじゃない」

 

「……そうですわね」

 

大丈夫かな、この人。すぐ血が上りそうだから何かあったら穏便に済ませたいな

 

「とりあえず次の授業があるし準備しなきゃ」

 

────────────────────────────

 

「ああ、授業の前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

 

授業が始まった直後、ふと織斑先生が思い出したように言う。

 

そう言えばそんなものがパンフレットに書いてあったなぁ

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあクラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生むからな。一度決まると一年間変更はできないからそのつもりでいろ」

 

クラス長とか中学の時はやってたけど特にやること無かったんだよねぇ。あっても退屈な会議だし。

 

「はい!私は織斑くんを推薦します!」

 

あら一夏くんご愁傷さま。

 

「私はアーデルハイトさんを推薦します」

 

と思っていた時期が私にもありました。ああ残念無念。

 

その後一夏くんと私にクラスの三分の一が推薦し、内訳で私がなりかけていた時、流れが変わった

 

 

「待ってください!納得がいきませんわ!」

 

セシリアさんが立ち上がってそう言った

 

「そのような選出は認められません! イタリアの代表候補生であるアーデルハイトさんならまだ構いませんが、男が代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

女尊男卑の今らしい考えだなぁ。ちょいと癪に触るけど、我慢我慢。

 

「確かにアーデルハイトさんの方がIS適性も私よりも上の『A+++』。わたくしがクラス代表に推薦されないのは必然でしょう。しかしそれを、物珍しいからという理由で、極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって男や『純白の堕天使』とごっこ遊びをする気は毛頭ありまんわ!」

 

純白の堕天使……

 

これは私の通り名だ。私はその中二病臭のするこの通り名が嫌いだからあんまりそう呼んで欲しくはない

 

にしても一夏くんの事を猿って言った?あの女。

 

猿は豊臣秀吉だけで十分よ。

 

「いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ! 」

 

あーハイハイソーデスネー。全くもってソーデスネー

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でしてよ!? イタリアのISの情報も一つも入ってこない上に第3世代装備が未完成という強いのか弱いのかわからないポンコツとが作ったガラクタと一緒に――――」

 

その時私の中で日本人としての血とイタリア代表候補生としてのプライドが燃え、滾った

 

さらに一夏くんの事を猿と侮蔑したことが火に油だけでなくガスを注いだ

 

「イギリスだって大したお国自慢なんかねぇだろうが。世界一不味い飯で何年世界王者だよ」

 

「あなたは私の両親と私に投資してくれた技術者を侮辱するというのですか。それに日本と同じ島国で王族がいてさらに古来の物を大切に残すイギリスも立場が全く同じなのではないかしら」

 

「なっ……!?あっ、あっ、あなた達ねぇ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

「先に俺の祖国を侮辱したのはどっち」「なんですかね⁉︎英国淑女さま⁉︎」

 

見事なシンクロ、しかし気にする余裕はない

 

「仮に、あなたの言うとおり日本が後退的で猿ばかりというものを1000歩譲って妥協しても、日本人である私の父をあなたはバカにした。それだけでなく私に協力してくれた技術者の事をバカにしてその結晶である私のISをガラクタ呼ばわりした‼︎」

 

それに怯んだのか私に向かってセシリアはこう言った

 

「そうですわね。未知数という事はさぞ完成度が高い素晴らしいISなのですわね。ガラクタと呼んだことは撤回しますわ」

 

あくまで日本人の男が猿というのは謝らないつもりのようだ

 

「わかったわ……あなたがバカだということが。私はセシリアさん、あなたに決闘を申し込みます。」

 

「なら私は織斑一夏に決闘を申し込みますわ!」

 

「いいぜ、四の五の言う言うよりわかりやすい。それに、同級生をバカにされてただで済む男じゃないからな」

 

「あら、殿方としてのプライドというものかしら」

 

「答える義理はないぜ」

 

「そう?何せちょうどいいですわ。イギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!」

 

「勝手にいってな。で、ハンデはどのくらいつける?」

 

「えっ」

 

「あら、早速お願いかしら?」

 

「逆だ逆。俺がどれだけハンデ付ければ良いかって事だ」

 

かなり挑戦的だな一夏くん。目が本気だ。

 

あの目は私のことを説明してくれていた時と全く同じ目だ。私のことを一夏くんはまだ口には出してないけど気にかけてくれているんだ

 

だけど周りの反応は不条理だった。

 

ドッと周りのクラスメートが爆笑した

 

「お、織斑君、それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったなんて大昔の話だよ?それなのにハンデって……」

 

「織斑くんは、確かにISを動かせるだろうけど、それは言いすぎだよ」

 

「じゃあ、ハンデはいい」

 

一夏くんも理解したのかハンデは取り下げた

 

「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしがハンデを付けなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男はジョークセンスがありますのね」

 

「セシリア、煽るな」

 

私は怒りを半分込めてセシリアに言い返した

 

「あ、あら申し訳ありませんわ」

 

「ねーねー織斑くん。今からでも遅くないよ?セシリアに言って、ハンデ付けてもらったら?」

 

その言葉が、私をプッツンさせた

 

「あなた達は黙ってなさいっ‼︎」

 

私はクスクス笑ってたりする女子に向けて叫んだ

 

「アーデルハイト、気持ちは解るが落ち着け」

 

ほーちゃんの声で私はハッとした。見れば固まってる子もいる。

 

「ごめんなさい、急に怒鳴って。でも、本人がさハンデいらないって言ってるんだから、ハンデ無しでやってみようよ」

 

「う、うん、そうだね……」

 

「さて、話は纏まったか?ならば勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑、オルコット、アーデルハイトはそれぞれ用意をしておくように。それでは授業を始める。あとアーデルハイト、お前は後で説教だ」

 

「えっ⁉︎なんでっ⁉︎」

 

「授業時間中に怒鳴ってクラスメートを怖がらせる馬鹿がどこにいるか」

 

「あ、デスヨネー………アハハ」

 

とりあえず授業終了後に地獄が待っていることが確定した私、磨美・アーデルハイトだった

 

──────────────────────────

 

「あの説教は応えたなぁ………」

 

放課後、自室である1025室で私はシャワーを浴びていた

 

説教されたことにはされたがほとんどが昔の話だったのだが見事に黒歴史まで掘り返してくれた織斑先生許すまじ。今度織斑先生の最大の黒歴史のことを暴露してやろうかしら

 

そんなもの知らないけど。

 

 

シャワーを止めると声が聞こえてきた。

 

「誰かいるの?」

 

誰かいるんだから声がしたんだろうに。

 

私はタオルで体を拭いた後、パジャマ代りのパンツだけ履いてそのタオルを体に巻いた

 

「あ、同室の人かな。ごめんね、こんな格好で。私は磨美・アーデルハ……」

 

「よ、よう磨美……ハハ」

 

「同室の人って一夏くんの事だったんだ」

 

「聞かされてなかったのか?」

 

「全然聞いてなかったよ。まあ多分そのうち部屋の整理が入るだろうから、それまでよろしくね」

 

「ああ、よろしくな」

 

PLLLLLLLLLLLL!PLLLLLLLLLLL!

 

割と空気を読んだタイミングで私のケータイが鳴った

 

「あ、ごめん私のだ。ちょっと待ってね。……もしもし?」

 

『私だ、アーデルハイトくん。』

 

特徴のある低い声で電話越しに話しかけてきたのはうちの技術者のレミリア・アズナブルだった

 

「ああ、レミリアさん、どうかしたの?」

 

『ようやく第3世代装備が完成したよ。そちらに向かう。月曜日のの午前5時に出迎えを頼めるか?』

 

「待ちかねていたわ、じゃあ月曜日の午前5時ね。了解。仮面はつけてこないでよ?サングラスでお願いね!日本観光も兼ねるなら尚更よ」

 

『わかっている。それで織斑一夏くんとはコンタクトは取れたのかな』

 

「もちろんよ。寮の同部屋だし、今ここにいるわ」

 

『なら少し話がしたい、かわってもらえるか』

 

「いいけど……。一夏くん、うちの技術者が一夏くんと話がしたいって言ってるんだけど……」

 

「ええっ⁉︎俺イタリア語なんてわからねーよ……」

 

「大丈夫、うちの技術者達はみんな日本語が達者だから。」

 

「なら……。もしもし代わりました織斑一夏です」

 

『話が出来て光栄だよ。織斑一夏くん。私はイタリアの技術開発局のレミリア・アズナブルだ。以後覚えてくれてもらえるとありがたい』

 

「いえ、こちらこそ。それで……用件はなんでしょうか」

 

『君に渡したいものがあってだね。さしずめ、私からの入学祝いという所だ』

 

「いえ、そんな!見ず知らずの方に入学祝いを頂くなんて‼︎」

 

『君はアーデルハイトくんの小学校以来の友人なのだろう?アーデルハイトくんの友は私の友だ。遠慮することはない』

 

「は、はぁ……」

 

『もし受け取ってくれるなら無茶を言うが月曜日の午前5時にアーデルハイトくんと共に来て欲しい』

 

「じゃあ……はい、ありがとうございます」

 

『そうか、ありがとう織斑くん。入学初日で疲れているだろう。ゆっくり休みたまえ』

 

「はい、ありがとうございます、じゃあ磨美に代わりますね……。磨美、返すよ。」

 

「うん。レミリアさん入学祝いって私にはくれないの?一夏くんだけに入学祝いってずるいよ。」

 

『もちろんある。70万円きみの講座に振り込んでおいた。それで服などを買うといいさ。』

 

「ありがとう、じゃあ月曜日のの午前5時に一夏くんと一緒にくればいいのね」

 

『そうだ。では切るぞ』

 

「はーい。……面白い人でしょ、レミリアさん」

 

「面白いというか唐突な人だな」

 

「そうそう、わかるわ。」

 

怒涛の入学初日はこうして幕をとじた




千冬の説教

「まったくアーデルハイトは昔から変わらないな、自分の好きなものが馬鹿にされたり貶されたりするとすぐ激昂して、二年前にお前が名乗っていた閃光のブラックホールという名前を私がセンスがないと言った時もキレていた。多少は我慢を覚えろ。馬鹿者、これに懲りたら我慢することを覚えることだ。説教は終りだ帰っていいぞ」

磨美の黒歴史=閃光のブラックホールという肩書き

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