IS インフィニット・ストラトス 金と銀の瞳が見据えるモノ リメイクversion 作:フレイムバースト
サフィが立ち去ったアリーナで磨美、篠ノ之箒、織斑一夏、そして凰鈴音は談笑をしていた
「しっかし、まぁ……磨美りんのそのISスーツさあ、過激すぎない?」
凰鈴音はISスーツを身に纏った磨美の姿を見てそう言った。
それもそうだろう、磨美のISスーツは、本来ならばバンドのようなもので胸を覆うタイプなのだが、磨美の発育の良い胸はそれに収まりきらず下乳が露出している。
それだけならまだしも、本来尻を覆うはずのISスーツもTバックのようになって、尻を隠しきれていない、というよりは隠すつもりなど更々ないように凰鈴音や箒には見えていた。
「そうだぞアーデルハイト……お前は少し、恥じらいを覚えろ」
「あんたのそのISスーツを見てるとさ、その……こっちまで恥ずかしくなるっていうか……ねぇ一夏ぁ?」
「なんでそこで俺に振るかな鈴は……。でも仕方ないんじゃねーの?確か前、磨美が特注したら50000ユーロ消し飛ぶって言ってたし……」
「うん、鈴ちゃんもほーちゃんも、特注しなきゃいけない身をわかってほしいよ……山田先生に話したらすごくわかってくれたのに」
磨美は唯一理解をしてくれた想い人である一夏に軽く抱きつき、胸をその背中に押し付けた。その行動が友の嫉妬の炎に油を注いでしまうことを承知の上である
「あー、ハイハイ、特注じゃなくてわるーございましたねー」
「あぁ、ごめん、語弊があったね。特注を強いられる身をわかってほしかっただけ」
ジト目で睨みつけてくる鈴から、おそらく胸関係の殺気を感じた磨美は苦笑いしながらお茶を濁しつつ、それでも尚一夏からは離れず、顔を一夏の耳元に近づけていく。その行動で2人の嫉妬の炎に油がトクトクと注がれていく
「まーまー、俺たちだってまだ学生だし、金には余裕がないしさ……少しは妥協しようぜ?な?」
「そーだよ、お金ないんだし……」
「へ?磨美りんあんた代表候補生なのに政府からお金もらってないの?」
「もらってるけど今月は給料の約半分を技術者集団に投資してるの」
「へー、ISの専門技術者集団がついてるとか羨ましいな」
「いや、どいつもこいつも、誰かに頼まれない限り自己満足のために技術を使う上に若干世間離れした人達だからなぁ……」
「ふーん、磨美りんもいろいろ大変なのね……あ、そーいえば、話逸らすけどさ、一夏」
「うん?」
「約束、覚えてる?」
鈴が一夏に向き合い、そのまま照れくさそうに話しかけ始めた。
磨美はその約束の内容を軽く知っていたため、一夏の横で少し不機嫌そうな顔になる。箒は鈴と一夏の約束を知らないため、怪訝な表情で、磨美に約束とはなんだ、あの二人はなぜあぁも親密なのだと小声で愚痴り始めた
鈴が一夏と交わした約束。それは磨美だけでなく一夏に想いを寄せる者全てにとって、地雷になりうるものだった。一夏がそれを覚えていなければ、その地雷は鈴をも傷つけると、磨美は理解していた
「約束?えぇっと……あぁ、確か、俺に酢豚を……」
「そうっ!それそれ!」
どうやら一夏は約束を覚えていたようだ、と磨美が安心した矢先、地雷に衝撃が入った
「毎日奢ってくれるってやつか?」
「……は?」「……あちゃー」
「確かに毎日酢豚を奢ってくれるのはありがたいが流石に毎日は飽きそうだ……」
地雷が爆発するまでの一瞬のタイムラグ、火に油を注ぐように付け足される一夏の言葉。そして凰鈴音の怒りは爆発した。
「あ、あんたねぇ……!私がそんなつもりで約束すると思うっ⁉︎」
「えっ、あ⁉︎間違っていたならスマン、謝るって!」
「間違ってないわよ!間違ってないけど意味が違うのよっこのバカ!最っっっ低!女の子の約束をちゃんと覚えてないやつなんか、犬に噛みちぎられて死ね!」
そこから凰鈴音は装備していたISを収納し、一夏を突き飛ばしてそのままアリーナの更衣室に消えていった。
「……一夏」
箒も一夏の言葉に呆れかえっていたようだ。彼女は一夏と凰鈴音の約束の内容から告白のようなものだと察していた様子であり、そして不機嫌な声でこう言った
「お前はいつか、馬に蹴られて地獄に堕ちるぞ」
そのまま箒は、萎えてしまったように引き返していった
「な、なぁ、なんで俺、2人を怒らせたかな……」
「一夏くん……一度、少女漫画を読んだほうがいいと思うよ……」
磨美は頭を抱えながら、そう言って一夏の肩を持った。
その後、磨美と一夏は2人きりでトレーニングをするも、お互い雑念が入り込んで集中できず正面衝突などのトラブルが頻発し、早々にトレーニングを中止してお互いの部屋に帰っていった。
多分セシリアはアリーナの更衣室でサフィに捕まってセクハラされてます。