始めにこの作品を読んでくださっている読者様に謝辞を
更新ができていなくて申し訳ないですw
はっきり言いますと、サボってました!ええサボってましたとも!
だってリアルが忙しいんですもんw
読みたい小説、見たいアニメ、仕事にその他もろもろ。
それでもやる気があるときは睡眠削って執筆するんですが作者いい加減であきっぽいので長続きしませんw
ただサイト内は常にうろついていますので今回のように更新止まっているにも関わらず、作品を読んで感想を送ってくれる読者様を見ると久しぶりに更新しよう、なんて気になる作者です。
ということで、短いな、と思うと思いますが今回は作者の生存報告ということで何卒御容赦ください!
それから感想を送ってくれた読者様、本当にありがとうございます。
(なによ・・・何なのよ今のは・・・)
(なんだ・・・彼はなにをしたのだ・・・)
雅がバスへ乗り込む最中、未だに雅が先ほどまで立っていたあの場所から、冴子、麗の両名は目を離せないでいた。
二人は今同じ感情、恐怖という感情に苛まれている。
誰もが雅の生存を諦めたといっていいあの状況で、あっさりと突破してみせた雅の圧倒的なまでの力量差に。
毒島道場の師範の孫娘であり、自身も幼き頃より、いずれは祖父を継ぐものとしてこれまで剣術を磨いてきたはずの冴子。
署内では負け知らずの槍術の腕前を持つ警察官の娘であり、自身も槍術部のエースとしてそれなりの自信と実力を持っていた麗。
だがその自信は完膚なきまでに打ち砕かれた。
何より二人は雅がバスへと歩みを進めていたあの姿を見て両の足がすくんでしまっていた。
まるで血に餓えた獣、否。
死者のみならず、生者すら問答無用で冥福へと誘う、死神。
そんな幻覚さえ見えてしまうほどの威圧感が二人を襲った。
気が付けば視界に見事な円を描き、首から上が飛んだ奴らの残骸が近付く。
雅がバスへと乗り込み、校門を出ようと動き出したからである。
ふと、二人の視線は正面へと移る。
そこでは沙耶に持ってこさせた買い物かごから炭酸飲料の飲み物を取りだし、孝達と普通に談笑する雅の姿があった。
冴子、麗の両名は思う。
よくも気軽に話し掛けられるものだと。
一歩道を誤れば自分達すら平気で斬るかもしれない・・・そんな相手に。
如何せん中途半端に実力が在るが故に、嫌でも思い知らされた力量差に、思わず手足が震える。
そんな二人に気付いてか、雅は二人の下へ歩み寄る。
そしてそのまま間を横切る際に小さく、しかし二人にとってとてつもなく重い言葉が告げられる。
「そう警戒しなくてもいいぞ、二人とも。今の二人に俺が刃を向けることはない。俺にとっては冴子先輩も、麗もあいつらと一緒だ。守らなきゃいけないか弱い女の子でしかない」
そう言い残し、雅は二人の間を通りすぎる。
その言葉を聞いた二人は咄嗟に振り返る。
そこには座席に腰をおろし、欠伸をしながら窓の外を眺める雅の姿があった。
そんな姿を見て、二人は再度同じ感情を抱く。
「・・・ねぇ、毒島先輩。私今、すっっっごく悔しいんだけど」
「奇遇だな。私も今、君と同じ感情を抱いているよ」
お互いに視線を合わせ、二人の口元が緩む。
雅の言葉によって二人の今までの感情が霧散してしまった結果だ。
どのような意図であんな言葉を発したのか、それは雅にしか分からない。
だがあの言葉で少なからず二人が救われていたのはたしかだった。
しかし同時に、女としてのプライドも深く傷付いていた。
今二人の中にある思いはそのせいだろう。
「まったく、だれがか弱い女の子よ。私達を何もできない男達と一緒にしないでほしいわ」
「まったくその通りだよ、宮本君。女を本気にさせるとどうなるか、彼に思い知らせてやろうか」
麗は、ふん、とそっぽを向きながら笑みを零し、冴子は色っぽく、ペロリ、と唇を舐める。
二人の感情は完全に一致していた。
か弱い女の子扱いした雅を、自信を持っていた自分たちの力を格下扱いし、刃を向けるに値しないと言い切った雅を、必ず後悔させてやる。
そんな思いから、雅に向けて発した二人の声は自然と重なった。
「「絶対、振り向かせてやるわ(やろう)!」」
それを聞いた雅はしかし、窓を眺めながらニヤリと笑うだけだった。