学園黙示録HOTD~狂喜乱舞~   作:胡蝶天下

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始めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶり。
今回本命の方が中々良い構成が浮かばずいきずまっているので息抜きがてら大好きな原作で書いてみました。
タグなどはこれからつけていきますが読者様から付けた方がいい内容などありましたら誤字など同様感想まで一報いただければ幸いです。

それでは短いですがどうぞ。


プロローグ

 全てが終わってしまった日の授業中、少年、斬島雅(きりしまみやび)は居眠りをしていた。

 しかし、ただ眠っているわけではない。

 いや、正確に言えば雅は眠っているわけではない。

 あくまで第三者の視点から見れば眠っているようにしか見えないというのが正しかった。

 それでも、教室内の者から注意を受けることはなかった。

 生徒はもちろんのこと、担任、あるいは授業担当の教師でさえ彼に注意する者はいない。

 なぜなら皆、雅が寝ていることに、もとい、存在自体に気付いていない、否、忘れ去っているからである。

 自らの気配を獣の如く完全に殺し、あるいは空気と同化しているとでも言おうか。

 雅の存在は、現時点ではだれも認識できていなかった。

 

 さて、現在雅が何をしているかというと、簡単に言えばイメージトレーニング、さらにわかりやすく言えば妄想である。

 しかし、そのへんの思春期真っ盛りの男子高生がするようなこっ恥ずかしい妄想ではない。

 無論、雅も健全な男子高生であるからして、そういう妄想をしないのか? と問われれば答えは否であるが、現在の雅の妄想はそんな生易しいものではなかった。

 雅の脳内では今、死闘が繰り広げられている。

 

 死闘、読んで字の如く、命を懸けた戦いである。

 自らが思い描く最悪の状況、あるいは敵。

 それらを脳内に創り上げ、自らそれを踏破する。

 そんな妄想が雅の頭の中にはあった。

 そして、この妄想は雅にとっては日課だった。

 なぜそんなことを毎日しているのか、その答えは簡単だ。

 一言で表すなら、そう・・・欲求不満である。

 雅はあるジャンルにおいて天才的だった。

 間違いなく日本一、いや世界一とも呼べるほどの・・・。

 しかし、現代において雅が極めるそれは、世界一など決めようのない、否、決めることのできないものだった。

 あるいはもっと昔、戦国の世に生まれてさえいればその名を後世に残していただろう。

 故に、雅は強者と死合(しあう)ことさえできず、自らの内にこれまでの16年間の欲求を溜めつづけているのだ。

 妄想の中でくらい、欲求を満たしても誰も文句を言わないし言わせないだろう。

 しかし、そんな常軌を逸した存在である雅でさえ、この後に起こる惨劇に、世界が終ってしまうことに、否、世界が始まってしまうことに気付くことはできなかった・・・。

 

 

 

 ふと、隣のクラスから声が響く。

 

「いいから、おとなしく言うことを聞け!」

 

 まるで怒鳴るような大音声。

 雅の教室でも思わず授業が中断された。

 そしてその後、廊下を駆けていく音が響く。

 どこか慌てているようなその足音はすぐに遠ざかり、授業を再び再開しようと、教師が声をあげたその時だった。

 今度は突如として校内放送が流れる。

 普通、事前に決められた行事、あるいは緊急、非常事態でしか授業中に校内放送が流れるなど滅多にない。

 そして今日、この時間に校内放送が流れるとういう話はなかった。

 故にこの放送は、緊急、あるいは非常事態を告げる類の可能性が高く、事実そうであった。

 

『全校生徒、職員に連絡します! 現在、校内で暴力事件が発生しています。生徒の皆さんは職員の指示に従い、直ちに非難してください! 繰り返します! ただいま゛―――!?』

 

 鈍い音と共に音声が止まる・・・。

 誰もがその場で息をのんだ・・・。

 

『―――ピ―――ガガっ―――や、やめ、ギャ、ギャアァァァァ!!! 痛い痛い痛い―――助けて! 死ぬ死ぬ! 止めて・・・ぐわあぁぁぁ!!! ・・・プツン』

 

 無情にも放送が途切れた・・・。

 だれが最初に声をあげたかは分からない。

 あるいは皆一斉だったのかもしれない。

 しかしそんなことはどうでもよかった。

 教室は、否、学校全体が同時に大パニックになった。

 

 各々独自の叫び声をあげ、一斉に教室を飛び出す。

 最早皆、自分のことしか頭の中にはなかった。

 邪魔な生徒は突き飛ばし、蹴り飛ばし、我先にと外へと逃れようとする。

 人間というのは大概がそんなものだ。

 それを責めるものなどいないし責めることなどできない。

 なぜなら得てしてそういう輩は真っ先に命を落とすことになるからだ。

 そして今回もそうだった。

 

 1人の生徒が怪しげな男に捕まれる。

 見ればその男は教師だった。

 それを認識した生徒はどこかで安堵する。

 しかしそれは間違いだ。

 みればその教師の男は様子が明らかにおかしい。

 衣服は血に染まり、肌の色も悪く、瞳孔も開いて、否、白目をむいている。

 しかし生徒はその異常に気付けなかった。

 恐怖から一転、安堵した心では。

 そして生徒は男に喰われた。

 

 その生徒だけではない。その現象は至る所で起きていた。

 さらに、喰われた筈の生徒が動かなくなってしばらく、まるで何事もなかったように起き上がり、ふらふらと歩みを進める。

 自らを喰った男同様、衣服を血で染め、首筋を喰われたせいかごっそりと肉が抉り取られている。

 致命傷だ、しかし生徒は歩いていた。

 明らかに死んでいるはずなのに動いている。

 まるで映画やゲームでよくあるホラーそのものだった。異常だ。異常以外の何ものでもなかった。

 

 故に言おう。今を以て世界は終わってしまったのだと。

 そして言おう。世界はすでに始まってしまったのだと。

 




さて、作者困ってます。
知っていると思いますが、この物語いきなりとてつもなくいい女が4人もそろってしまうんですよね。
はっきり言ってどの子も捨てがたいのですが、だからと言ってかんたんにハーレムにしてしまうのも面白みがないと思ってしまう。
故に、読者様に委ねてみようと思います。
ハーレムにすべきか、1人に絞るべきか、絞るならだれがいいのか。
まぁアンケートの様なものです。
答えてくれる方いらっしゃれば作者までどうぞ。

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