双槍銃士   作:トマトしるこ

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 アニメ2話のシノンさんの胸とお尻と美脚だけでご飯3杯食べられる。


phase 7 長い付き合いになりそう/東京へ

 

『やあ、久しぶり。突然だけど、僕らのパーティがボス部屋を発見したんだ。少しだけ覗いてきたけど、ボスはβと同じみたいだったよ。流石にパターンまで同じとは思えないけどね。さて、早速だけど明日の午後四時から、広場で攻略会議を開こうと思うんだ。だから是非とも参加してほしい。というか、アインが攻略会議を開く気マンマンだったのかな? まあそれでお願いなんだけど、もしフレンドで攻略に参加できそうなプレイヤーがいたら声をかけてほしいんだ。攻略を目指すのなら少しでもボス戦の雰囲気を知っておいた方がいいし、初戦だからこそ気を引き締めておきたい。因みにこの情報は一層の街全ての掲示板に貼り付けるつもりだよ。それじゃあよろしく!』

 

「ってメールがコペルから届いた」

「攻略会議ね、じゃあ四時まで何をする?」

「まずはメンバーの確保からだろ。まずは……」

 

 フレンドリストを開いて探す。……といっても俺のリストにはキリト、クライン、コペルの三人だけだが。

 

「クラインだな。それで、出来ればあの細剣使いも声をかけておきたい」

「まぁ確かに。彼女の実力はβテスターに匹敵する。でもどうやって探すんだよ」

「それに時間を使おうぜって言ってるんだ。どうせ迷宮区で待ち伏せしてたら出てくるだろ。まずはクラインだ」

「内容は?」

「『ボスぶっ殺したかったら明日の四時までに俺の所に来い』」

「あいつなら来る。レベルと実力はその時に見ればいい」

 

 メールは送った。あとはあの女を探すだけだ。

 

 あの女について分かっているのは、細剣を使うということ、迷宮区攻略をソロで行えるレベルと実力を持っていること、理解出来ないが死んでもいいと思っていること。くらいかな。あと可愛いこと。

 

 手懸かりは無いに等しいな。行きそうな場所も迷宮区ぐらいしか思い付かない。あとは紹介した宿。とにかくわからない。だが戦力になるのは確かなので、何としてもボス攻略に参加してもらいたい。

 

 何とかして探すしかない、か。

 

 くそ、名前ぐらい聞いておけばよかった……

 

「二手に別れよう。俺が迷宮区まで行くから、お前は宿に張り込め」

「まてまて! 一人で外に行くつもりかよ!」

「こうでもしないと捕まえられないだろ」

「……そこまでする必要があるのか?」

「ある、と俺は思う。下手なβテスターの何倍も強い」

「……わかった。だが、外に出るのは俺がやる。お前よりも、俺のほうが向いてるだろ。スキル的にも」

「助かる」

 

少し迷った様だが、キリトは了承してくれた。こっそりとスキル上げでもしていようかと思っていたんだが、しょうがないな。町中で槍を振り回すわけにもいかないし、大人しくするか。

 

「日が暮れる前には帰ってこいよ」

「ああ」

 

 それだけを言ってキリトは門へ向かって歩き出した。さて、俺も移動するか。

 

 迷宮区とは違うもうひとつのアテは、以前会ったときに紹介した宿だ。未だに同じ宿を取り続けているか分からないが、ここは安いわりに設備もいいし場所も悪くない。βテストでも女性ウケは良かった。狩ってばかりの彼女には充分贅沢な一部屋だ、使い続けている可能性が無いわけでもない。

 

 とりあえず、キリトが戻ってくるまで張り込んでみよう。

 

 食料を買い込んで、向かいの宿の一部屋を借りて窓を開ける。正面には女が借りた部屋の窓。視線を下げれば宿の入り口がある。通行人に怪しまれない程度に、外を眺めることにした。

 

 ………。

 

「暇だな………張り込みの邪魔にならなくて、尚且つ暇が潰せるアイテムがほしい」

 

 ……そうだ、風景画を描くのはどうだ? これなら外をじっと眺めることの正統性を得られる。うん、悪くない。どうせ暇だしな。

 

 道具一式を急いで買い揃えて部屋に戻る。驚くことにスケッチブックがあったので衝動買い、絵の具まで買い揃えるほど無駄なコルもないし、そこまで本格的にお絵描きするつもりもないので鉛筆と消しゴムを数本買った。デッサンと言われる画法で描く。

 

 お絵描きは得意だ。絵は文字以外で仲間に情報を伝える方法として優秀だから結構練習した。そのうち楽しくなってきたので趣味になりつつある。

 

 βテストからずっとSAOのことばかり考えていたから、絵を描くのは久しぶりだ。上手く描けるかな……? いい一枚ができたら額縁に入れて、そのうち落ち着ける部屋を見つけたら飾ろう。

 

 ささっとナイフで削った鉛筆を走らせる。シャッシャッと乾いた音を懐かしく思いながら空気に浸る。勿論、本来の目的である張り込みも忘れない。こまめに路地を見るがそれらしい人は通らなかった。というか女性プレイヤー自体見当たらない。気長にいこう。 

 

 時間も忘れて描き続けて、町が赤く染まってキリトが帰ってくる頃にようやく描き終えた。

 

 うむ、いい出来だ。

 

 だが何故だ……。

 

「何故俺は詩乃を描いている!?」

 

 風景も建物も道路も植物も存在せず、スケッチブックの一ページ目には私服姿の詩乃がにっこり微笑んでいた。

 

 ……自分で自覚している以上に、俺は寂しがっているのかもしれない。

 

 とか言ってみたが、妄想で詩乃を描いたことに変わりはなく、しかも出来が良い。どう喜べばいいのやら。これを飾れってか?

 

 ピピッ♪

 

「メール……キリトからか。もう帰ってくるころだな」

 

『どこにいるんだ?』みたいな内容だろうと思って開いたが、全く別のことが書かれていた。

 

『さっさと返事しろks』

 

 ks……カスっておい、どう言うことだよ。返事しろって連絡なんか来て……た。10分置きにメールが届いてきてた。しかも三時間前から。こう書かれている。

 

『迷宮区にいるのを見つけた。今からそっちに行く』

『もうすぐ着くから、どこにいるのか教えてくれ』

『中央広場にいるぞ』

『おい、早く来てくれ』

『何かあったのか? とりあえず返事ぐらいくれ』

『さっさと返事しろks』

『さっさと返事しろks』

『さっさと返事―――

 

 うおおおおおおおおお……やべぇ。

 

『すまん、今見た。前に案内した宿の向かいに一部屋とってるから来てくれ』

 

 とりあえず返信はしたけどこれはまずい。流石のキリトも怒ってるだろうし、女の方はもっとやばい。俺達がお願いする立場なのに待たせてしまった。適当な理由を考えて誤魔化さなければ。 

 

 外にでて待つ間に考えよう……。

 

「出迎えご苦労」

「うおっ!」

 

 キリトが部屋を開けた瞬間に現れた!?

 隣にはあの細剣の女がこの世のものとは思えない鬼の形相をしている!?

 

 フロアボスよりやばくね!?

 

「おおおおおおお前、どうやって……」

「食べ歩きにも飽きたから、張り込みやすい場所をしらみ潰しに捜してたんだよ。誰かが返事をしないからな」

「す、すまん……」

「ったく、何してたんだよ。」

「あーっとだな……」

「なに、それ?」

 

 やっべぇー!? スケッチブック広げたままだよ! 見つかったら恥ずかしい上にお絵描きがバレて殺される!

 

「それはだな、ソードスキルのアイデアを書き留めたやつでだな」

「見せて」

「槍の事しか書いてないぞ。見てもためになるとは――」

「どうせ上に行けばソードスキルを使う敵だって出てくるんでしょう? なら、実際に槍を使うプレイヤーの戦い方を知っててもためになるでしょう?」

「う、ま、まぁ」

「見せて」

「でもなぁ……」

「三度目は無いわよ」

「……わかった」

 

 細剣に手をかけたので流石に折れた。抜かれた所で全く怖くないし、無力化出来るが、今回は俺が全面的に悪い。拒否権は無いと諦めて、スケッチブックを差し出した。

 

「これは……女の子ね」

「可愛いな……妹か?」

「幼馴染みだよ。家族よりも大切な」

「家族よりも?」

「悪いかよ。そんなことあるわけないとか思ってんだろ?」

「いや、でも………すまん、俺には分からない」

「いいんだよ、それが普通だ。世間から見れば俺たちだってまだまだ子供で、こんなこと言うほうがおかしいんだ。でも言ったことは嘘じゃないぜ。誰にも理解できないだろうけどな」

 

 なんでこんなことこいつらに言ってるんだろ? 言ってもしょうがないし、言う相手が違うのに。 

 

「ねぇ、この子のこと、好きなの?」

「ああ」

「家族よりも?」

「ああ」

「そ」

 

 少しだけ考える素振りを見せて、意外なことを言った。

 

「いいわ、チャラにしてあげる」

「は?」

「返事もなしに三時間待たせたことよ」

「なんで?」

「妄想して描くぐらい好きな子を思い出してたんでしょ? 私は好きな人いないし、そこまで誰かを想うことはないけど、なんとなく気持ちは分かるから。生きて帰りたいって気持ち」

「分かる……か」

 

 本当に分かってるのか? 死んでもいいとか言ってるやつが……?

 

 ………いや、よそう。ここに囚われた誰もが思っているはずなんだ。生きて帰りたいって。だから攻略に足を踏み出した。そこだけは俺達と変わらない。死にたいってのは……まぁこいつなりの考えがあるんだろ。俺がとやかく言うことじゃない。

 

「それで、私にどうしてほしいの?」

 

 そうだ、本題は別にある。何とかしてボス攻略に参加してもらわなければ。

 

「キリトから聞いてないのか?」

「聞いてるわ。答えも出てる。でも、筋ってものがあるんじゃない?」

「だな」

 

 スケッチブックを受け取って、テーブルに丁寧に置いてから女に向き直る。姿勢を正して、手を指先まで伸ばして身体に添え、腰を折って頭を下げた。

 

「本当なら、一層にここまで時間が掛かることはない。事実、βテストでもそうだった」

「アイン……!」

「あなた達はβテスター……なのね?」

「そうだ」

 

 キリトが叫ぶのには理由がある。

 まだゲームが始まったばかりの頃、右も左も分からない初心者達が大勢死んでいった。逆に殆どのβテスターは競い会うように先へと進んで行った。初心者達を置き去りにして。

 

 βテスターは利己的で自己中なクソヤロウだ!

 

 そんな考えが浸透していった。間違いじゃない、むしろその通りだ。本当なら、本当に一致団結してクリアを目指そうとするのなら《はじまりの街》に踏みとどまってレクチャーするべきだった。

 俺達βテスターは高レベルで在りたいために、強さを誇示したいがために、見捨てた。そう見られるのは当たり前で、嫌われるのもまた当たり前だ。

 

 βテスターは嫌われている。

 

「現実はどうだ、一ヶ月経っても一層すらクリアできていない。βテスターが居ながらも、なんの進展もなかった。皆ビビってる。こんなクソ楽な一層でだ。ふざけてるよな。βテスターだけならこんなことはなかった、今頃ギルド結成クエストを必死になってやってる頃だよ。でもな、そうもいかないだろ。このゲームに挑んでるのは俺達βテスターだけじゃない、皆誰もが剣を取ったんだ。だから示す必要がある。このゲームプレイヤーにβテスターもクソもねぇってことをな。その為には手を取り合わないといけないだろ? それが今の段階でできるのはボス攻略だけだ。ギルドが出来ればまた変わるんだろうけどな……。いや、逆に手遅れになるかもしれない。だとしたらそんなことは言ってられないし、待てば溝は深まる。だからこのボス攻略で分からせるんだよ、仲良くしやがれこのゲーマー共が! って」

 

 最初はこんなことを考えてはなかった。気づけばいつの間にか喋っていた。何でだろうな……キリトの罪悪感に影響されただけかもしれないし、俺自身もそう思っていたのかもしれない。

 

 もし万事上手くいってボスが倒せたのなら、直ぐにとはいかないかもしれないが、溝を埋めるきっかけになるぐらいはなる。どこかでそう確信している。

 

 そう思わせるのも、こんなことを言ったのも、目の前の二人が居るから、かな。

 

「手を貸してくれ。ただボスを倒すだけでいい。それだけで全体の生存率がグッと上がる」

「βテスターと一般プレイヤーが手を取り合えるから?」

「そうなると思いたい」

「あなたが生きて帰る為に?」

「そうだ」

 

 皆で生きて帰る為に、そういうのはとても簡単だ。でも、俺は正直周りなんてどうでもいい。自分が帰る為に、全体の生存率を上げ、ボス攻略に参加できるプレイヤーを増やしたいだけなんだ。

 

 全部、詩乃のもとへ帰る為。

 

「アスナ」

「は?」

「私の名前よ。武器は細剣、得意なのは突きのラッシュ……かしら。よろしく」

「ん? お、おう」

「それで、あなたは?」

「あ、アインだ。槍をメインに使っている。戦闘関連はなんでもできる。……んで、OKでいいのか?」

「答えは決めていると言ったわ。それがクリアへの近道なら喜んで協力します」

「ああ……ありがとう」

 

 突然の自己紹介と、差し出された右手。どうやら話を受けてくれるらしい。

 

「しかし、なんでまた急に自己紹介なんて」

「長い付き合いになりそうじゃない?」

「………そうだな」

 

 主にキリトが。

 

「よし、キリト。俺はクラインのとこに行くから、お前は一層のボスで覚えているところをまとめてアスナに話しておいてくれ」

「返事が来たのか?」

「いや、こっちから行く。どうせまだその辺のザコにてこずってそうだからな、一晩ぐらいレベル上げに付き合ってやる必要があるだろ」

「んー、分かった。夜には戻れよ」

「おう」

 

 宿をでてウインドウを開く。フレンドのクライン君はーっと……近いな。日は暮れたし、見分けがつかなくなる前にさっさと見つけよう。走ろうか。

 

 今日は気分がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、休暇だったんですか?」

「そうでもしないと、家には帰れなかったからね。今は特に」

「……すみません」

「気にしなくていいよ、好きでやっていることさ。恩返しの意味も込めてね」

「恩返し?」

「僕は悠を引き取ったまではいいものを、何もしてあげれら無かった。仕事が忙しいなんて言い訳にしたところで、僕が家に帰っていないのは紛れもない事実だ。歳の割にしっかりしていたから何も僕には言わなかったけれど、寂しい思いをさせてしまった。引き取ってすぐの頃は特にそうだったろう」

 

 近所に菊岡さんとユウが引っ越してきた頃を思い出す。

 

 

 

 

 

『隣に引っ越してきました。菊岡、と言います。こちらは悠、友人の子です。よろしくお願いします。こちら蕎麦です』

『朝田と言います。こちらこそ。あら、ありがとうございます』

『早速で申し訳ないのですが、実はお願いがありまして……』

『はい?』

『私がよく仕事の関係で日本中を飛び回るものですから、家を開けてしまうのです』

『お子さんの面倒を見ればよろしいのですか?』

『はっはっは、いやあ面目ない。お願いできませんか?』

『ふふっ、喜んで』

『本当ですか! 助かります。いやぁ、何かお礼をしなければなりませんね』

『首を長くしてお待ちしておりますわ』

『しかし、よろしいのですか? 朝田さんにも娘さんがおられるのでは?』

『あの子に友達が出来るいい機会ではありませんか?』

『そのような事でしたらこちらからお願いしたいですね。悠は今まで特殊な環境に身を置いていたものですから、子供達と上手く話せない様でして……助かります』

『気が合えばいいのですけど……』

『そうですねぇ……』

 

 

 

 

 

『あなた、誰?』

『………』

『もしかして、この間引っ越してきたお隣さん?』

『……ん』

『そう、私、詩乃っていうの。朝田詩乃』

『………』

『なに、コレ』

『名前、らしい』

『これが? なんて読むの?』

『知らない』

『知らないって……あなたの名前でしょう?』

『それはおじさんから渡された物だ、自己紹介で使えって』

『おじさん?』

『両親は死んだ。おじさんは他人だ』

『そう……私もお父さんを亡くしたわ』

『………』

『何をしているの?』

『仲間が死んだ時、仲間の家族が死んだ時、仲間の友人が死んだ時、俺達はこうして送っている』

『魂を、送るってこと?』

『そうだ』

『えっと……こう?』

『違う、手が逆だ。まず、左手で握りこぶしを作って額に当てる』

『こう?』

『そうだ、そのまま目をつぶって死者を想う』

『………』

『………』

『これでお終い?』

『お終いだ』

『天国に行けてるといいね』

『?』

『私のお父さんと、あなたのお父さんとお母さん』

『俺の?』

『死者を想うのに、誰のとか関係ある?』

『………ない』

『でしょ。だったらいいじゃない』

『そうだな。……詩乃』

『何?』

『ありがとう』

『……どういたしまして』

『………』

『………ねえ』

『なんだ』

『やっぱり名前教えてよ』

『だから読み方が分からない。詩乃は知らないのか?』

『え、私?』

『詩乃なら知ってそうだ』

『え、えーっと………鷹、村、だから……たかむら……ゆう?』

『たかむらゆう……それが俺の名前か?』

『た、多分』

『ざーんねん、それはハルカって読むんだよ』

『おじさん』

『この人が?』

『菊岡って言うんだ。よろしくね、朝田詩乃ちゃん』

『ねえ菊岡さん、じゃあ何て読むの?』

『いったとおりさ、たかむらはるか、って読むんだ』

『これで?』

『そう、これで』

『なんだ、詩乃は分からなかったのか』

『………これはゆうって読むの!』

『でもはるかだって……』

『ユウ! ユウったらユウなの!』

『……わかった』

 

 

 

 

 

『ねえ詩乃ちゃん』

『何、菊岡さん。アメ玉くれるなら貰うけど、ついて行かないから』

『そこらのストーカー扱いしないでくれるかな? そうじゃなくて、詩乃ちゃんは悠のことをどれだけ知ってる?』

『知ってるって言われても……さっきあったばかりだし』

『うーんとね、何を話したのかな? って聞くといいかな?』

『あ、そういうこと。でもどうして聞くの?』

『実はおじさんも悠と会ったばかりでね、そんなに話をしていないんだ。だから、聞かせてほしいなって』

『えっとね………ご両親が亡くなったって聞いたでしょ、お祈りの仕方を教えてもらったでしょ、自己紹介したでしょ………それくらい』

『………』

『おじさん?』

『ん? ああ、そっか。良かったね。出来ればずっと仲良くしてくれないかな?』

『うん』

『そっか、ありがとう』

『ねえおじさん』

『なんだい?』

『話したからお給料ちょうだい』

『随分と強かなんだね……』

 

 

 

 

 

 

「菊岡さんが家にいても、ユウはずっと私と一緒でした」

「そうそう、結構ショックだったね」

「私は優越感に浸ってましたけど」

「君はそういうところあるよね」

「いけませんか?」

「まさか。安心して悠をあげられるよ、幸せにね」

「勿論です。くれないなら奪いに行きますから、そのつもりで」

「怖いなぁ」

 

 窓の外には地元では見られないような高層ビルの森が広がっている。

 

 ここは……どこだろう?

 

 菊岡さんについて行けば、ユウに会えるって言われたから来たけど、東京までって相当時間が掛かるんじゃない? しかも車でなんて。

 

 ………だめね、折角連れて行ってもらえるんだから我儘言えないわ。

 

「さ、もうすぐで着くよ」

「何回目ですか、それ」

「どこに着くとは言ってないよね?」

「………そうですね」

 

 殴ってやりたいと思った私は悪くないはず、よね。

 




 前回か、前々回の感想でこんなものが結構ありました。

「詩乃ちゃんSAO入りだぁぁぁぁ!!」
「キターーーー!!」

 ………その発想は無かった。それが正直な答えであります。

 私の目の前には二つの選択肢が出来たわけであります。

 ①詩乃をSAOにログインさせず、現実世界で悠が帰還するまで待たせる。
  内容は原作沿いで大幅な変更は無し、高校進学や悠の居ない学校生活を描く。
 ②詩乃をSAOにログインさせる。キリト以上のアインのパートナーとなる。
  GGOに影響はなし。ただし、新川少年との接点は薄くなる。(GGOの内容  が薄くなるわけではありません)

 さて、どちらに致しましょうか?

 活動報告、メッセージ、へおねがいします。ご希望のルート番号と出来ればどんな展開が見たいのか一緒に書いてください♪

 お待ちしております。

 追記

 ホロウフラグメントは未プレイのため現状書けません。近々始める予定ですが、この小説のアインクラッド編が終わるまでにクリアできれば話を織り込んでいきたいと思っています。

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