召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

77 / 414
七十六話~side キャロ~

雨水秋春の日常

 

雨水秋春の写真集を此処に制作する事に決定。以後、極小カメラと雨水の持つデバイスに仕込んだカメラで、映像または画像を撮る事にする

 

 

「・・・これはっ!」

 

 

唐突にわたし宛に届いた荷物

 

不審に思いながら開封してみると、そんな風に書かれたメモとヒューズさんの名前があった

 

普通に考えて六課のチェックを掻い潜ってこの荷物は来たんでしょうけど、有りですか?

 

確実に不審物で没収されます

 

 

「と、取り合えず一枚ですよね」

 

「キャロ、何見てるの?」

 

「ひゃっ! え、ええエリオ君?!」

 

「雨水秋春の日常・・・秋兄さんのアルバム? へぇ僕も見て良い?」

 

 

・・・如何なんでしょうか

 

妙な写真や映像は入ってませんよね? ヒューズさんなら悪ふざけとか交渉ごとで使いかねない

 

と言うか、特に何も無しにコレが届いたのがそもそも怪しすぎる

 

 

「わたしがチェックしてからでも良い?」

 

「ん? 良いよ! じゃあ僕は先に朝食に行ってくるから軽く目を通して食堂に」

 

「分かった」

 

 

エリオ君が優しくて良かったー

 

それよりまずは一ページ目

 

 

「こ、これはッ! ・・・案外普通ですね」

 

 

明らかに盗撮っぽい以外はですけど

 

起床してすぐなのか、パジャマ姿です

 

眠そうな雨水さんは前から変わりませんね

 

 

「二ページ目っと、何で着替えシーンまで・・・別に嬉しくないですよ」

 

 

だからマジマジなんて見てません

 

見てないのです

 

それからもジックリ・・・いえいえ、パラパラと軽く読み飛ばすように見ていく

 

どれもこれも良いかん・・・じ、じゃなくて興味ないモノばかりです

 

 

「あれ? 次は映像ですか」

 

 

普通にデスクに向かって何時も通り仕事しているようしか見えませんが

 

 

「ん~? 何でキャロが人形を抱えているかって?」

 

 

誰かと話しているみたいですね

 

カメラには雨水さんしか映ってないので分かりませんけど

 

 

「ほらキャロって大人染みてる所あるけど結構子供の一面も多いじゃん?」

 

 

まぁ子供なのは本当ですから、何をと言いませんけど雨水さんに言われたくないですね

 

 

「うん。だから何か寄り掛かるモノが無いと不安なんじゃないのか? 召喚士は感情が魔法に大きく影響するから」

 

 

それにしても相手の声が全く聞こえませんけど編集されているんでしょうか

 

 

「あー大丈夫大丈夫。召喚士は基本フルバックなんだし、別に人形抱えようが戦力になるよ・・・むしろそれを奪って暴走する方がよっぽど危険だね」

 

 

危険な魔法

 

元々わたしが村を追い出された理由もこの召喚の才能にある

 

雨水さんから見ても、まだわたしは・・・危険なんですかね

 

 

「え? 俺がキャロを如何思っているかだって?」

 

 

へ?

 

あ、あ、ど、如何しよう・・・聞いて良いんですよね?

 

 

「・・・ドキドキしてる」

 

「キャロは・・・可愛いね! うん。とっても可愛い。俺があと十年くらい若かったら即効告るね! ・・・あん? んだとッ老け顔!」

 

 

ドタバタと楽しげな音を最後に映像がブチッと不自然に終わった

 

 

「か、可愛い」

 

 

あれが・・・雨水さんの本音

 

つまり逆にあと十年、私が大人になれば望みは十分にあるって事ですね!

 

・・・よしっ! 最初の方以外は別の所に保存して削除しましょう!

 

 

「あれ? でもやっぱり何でこれが私に?」

 

 

この映像はむしろ雨水さんを脅すのに使えそうなのに・・・ま、不思議ですけど些細な事です!




まさかキャロも自分バージョンが雨水の手に渡っているとは考えもしていません

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。