召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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七十四話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

仕事帰り→図書館帰り→喫茶店帰り→スーパー帰り→帰宅後はすぐに夕食

 

夕食は何時も通り三人で作る

 

シロが六割、イクスが一割、俺が三割って感じの配分で

 

 

「秋春様、秋春様の夢って何ですか?」

 

「は?」

 

 

夕食の終わり、夜空を堪能して戻ってきたイクスが聞いてきた

 

毎回思うが夜空を見ているイクスは結構様になっている

 

 

「夢? 何でまた突然」

 

「図書館で読んだ本の一説で、夢の無い人生はゴミのようだと書いてありましたので」

 

「それは、また凄い」

 

 

一体どんな本なのかとても気になる・・・哲学的な感じか?

 

 

「凄い?」

 

 

夢。夢かー・・・小学校の作文では、一年から二年が警察で、三年から四年が消防士、五年から六年が宇宙飛行士だった記憶がある

 

・・・何処かで漫画家とかも混ざってたっけ

 

で、現在の夢は

 

 

「いっそ此処は男らしく英雄になりたいとか言ってみたり・・・」

 

「一騎当千?」

 

「前言撤回で」

 

 

なんだか今物凄くアレ以上言ったら駄目な気がした

 

一騎当千ってそんな事が出来る時代でも無いしな

 

 

「イクスは? 夢とかある?」

 

「そうですね・・・私はこれからも、ずっと秋春様と共に家族仲良く人生歩んでいければ良いと思っています」

 

「平和的だな」

 

「それが一番です・・・シロは有りますか?」

 

「わんっ! ん? 明日の夕食はデッカイお肉が良い!」

 

 

それは夢じゃない

 

 

「誰が明日の献立を聞いた」

 

「夢だよね?」

 

「夢だよ?」

 

「ならデッカイお肉!」

 

 

・・・仕方無い

 

それも一つの夢として処理しよう

 

あくまで夢なので叶える気などさらさら無い

 

 

「ふふっ、シロの夢は素敵ですね」

 

「イクス?」

 

「とても純粋できっと皆が笑顔です」

 

 

小さく控えめで上品そうに笑うイクスのこう言ったところは昔の名残だよなとか思ったり

 

 

「それもそうだな」

 

「それで、秋春様の夢は何ですか?」

 

 

・・・この状態で何を言えば良い

 

金。とか言ったら俗物な上にこの雰囲気を壊す

 

確実にぶち壊しにして、更にイクスから励まされる。だけなら良いが間違った方向で叶えかねられない

 

何か良い夢を考えないとッ!

 

 

「偉くなりたいとか?」

 

「ああ、なら秋春様より偉い方をみなご」

 

「では無く」

 

「ん?」

 

 

下手な事は言えない

 

絶対俗物なモノは駄目だ! もっと気持ちから入るモノで

 

 

「あ、彼女が欲しい」

 

「彼女? 誰ですか?」

 

「えっと、婚約者って言い換えれば良いのか?」

 

「ああ、確かに秋春様の年齢なら当然なのかも知れませんね」

 

 

よし、一難解決

 

 

「しかし、それは流石にお手伝い出来ませんね。残念です」

 

「ああ、そうだな」

 

「ガウガー」

 

 

ん? 待てよ? 流石にお手伝い出来ませんって、俺にはどれだけ彼女が出来ないと思っているんだ?

 

あのイクスでさえ手助け不可能と診断させるくらい重症なのか?

 

それは何かもう・・・考えないようにしよう




父の夢を叶えてあげたいと思うイクスですがイクスの知る知識では如何しても武力行使になってしまいます

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