召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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六話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

仕事捜索→特に秀でた物の無いので中々受からず→仕方ないので局員になってみよう→魔力はあったが魔法は度下手→まぁそれでも戦闘だけが仕事では無いので非戦闘要員として採用→デスクワークは初体験(高校生ですから)→中々不慣れだが万物は全て数字で語れり(痛々しいので自分では観察眼と呼称)を使いロストロギア専門の情報整理担当就任→我が後ろに道が有りけり。(一々痛々しいので講師の才と呼称)が何処かで発揮されていたのか何と無くアドバイスを聞いた偉い人がスカウトしにきた→で、いまの生活に至る

 

 

「たっだいまー!」

 

 

現在俺は局の独身寮に住んでいる

 

まぁ節約だわな

 

 

「おかえりなさい!」

 

「キュック!」

 

 

エプロン姿で出迎えてくれるキャロを見ると何時もながら感激してしまいそうになる

 

最近少し背が伸びたらしいし幼女扱いは悪いかと思うので今度から美少女と称そうと思う

 

とにかくこんな美少女がエプロン姿で出迎えてくれるなんて隣の同じ独身寮に住む同僚から唾を掛けられそうだ

 

 

「料理中だったか? って言うか今日は早いな」

 

「ん、ちょっと」

 

 

キャロが一瞬だけ暗い顔をしたのを俺は見逃してはいなかったが今は放っておこう

 

美少女の料理が先だ

 

 

「あの、すこしだけ話をきいてくれますか?」

 

「料理が先だ」

 

「ええ?!」

 

 

あ、口に出す言葉じゃなかった

 

人間は誘惑に弱い生き物だと信じて疑わない!

 

 

「もう! 雨水さんってば!」

 

「あははー、ごめんごめん。キャロの作ったご飯の匂いが凄い誘惑で」

 

「はぁーなら食べながらでいいですから」

 

「うん」

 

 

俺が箸を進めるとキャロは俯いた状態でポツリポツリと話し出す

 

キャロよ・・・魚の目玉の部分をそうグリグリとしないでくれ・・・ちょっとグロい

 

 

「じつは、今日もフリードの竜召喚をしっぱいしちゃいまして」

 

「ふぇーひっはい、ほれはひゅごい(へー失敗、それは凄い)」

 

「ふざけてます?」

 

「ふぇんふぇん(全然)」

 

「食べるかしゃべるかどっちかに」

 

「・・・。」

 

「喋るほうにせんねんして下さい」

 

 

え? せっかく食べる方を選んだのに・・・

 

って言うかさっきは食べながらで良いって言ったよね?

 

 

「そうだ! 雨水さん! わたしに魔法制御をおしえてください!」

 

「ふぇ? ふぁんで?(え?何で?)」

 

「まだ・・・いい加減にしないと、フリードが火をふきますよ?」

 

「ん?! んぐっ・・・ゴホッ、ごめんごめん、キャロのご飯が美味しいから」

 

「なら許します。つぎはないですけど」

 

 

やっぱり褒められるのは嬉しいのかな?

 

それからキャロがこれまで悩んでいた事を打ち明けられる

 

キャロのあんな泣き顔を見たのはたぶん初めて。俺はそんな急激なシリアスに耐え切れず

 

 

「フリードぉぉ」

 

 

無言を貫いていたフリードに助けを求めた・・・アッサリ裏切られたけど

 

なんとフリードは俺とキャロと一度ずつ見て食事を再開した

 

 

「すみ、すみません! こんな、めいわくかけるつもりじゃなかったんですけど」

 

「気にすんなって」

 

「きいてくれてありがとうございます」

 

「おう・・・飯、冷めたか。まぁ美味いから良いけど」

 

「あ、あた、あたためましゅ!」

 

 

ん?今更な気もするし冷えてても美味しいんだけどなー

 

 

「噛んだキャロ萌えー」

 

「フリードやっちゃって」

 

「キュクー!!」

 

 

フリードの口からギャグを通り越した火力の炎が飛び出した

 

こんがり上手に焼けました?

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

最近キャロの俺に対する扱いが若干乱暴な件を一体何処に相談するべきか考えながら先生と呼ばれるのも慣れた今日この頃

 

 

「良いか? キャロ、そもそもお前のフリード制御ミスは技術面ではなく精神面が弱いせいだ」

 

「はあ」

 

「でその強化を図ろうと俺は考えているんだが当然策はある」

 

「たよりになります!」

 

「おう!」

 

 

俺は昨夜の内に纏めておいた資料と訓練メニューを渡す

 

この時の俺は講師の才を完全に舐めていた




原作よりキャロが少し強くなります

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