召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

53 / 414
五十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

見送りの会をした翌日に自然保護隊を発った→ミッドでエリオと待ち合わせ→そのままキャロとフリードと別れる→俺は適当にお土産になりそうな物を買って次の仕事場の関係者の下に向かった

 

時空管理局ミッド諜報部

 

別に此処が仕事場なのでは無い、ただ仕事の紹介人が此処に居るから挨拶くらいはしておこうと思っただけだ

 

 

「どもー、ヒューズ准尉はいますか?」

 

「あ! 先生!」

 

 

相変わらず諜報部の人間は忙しいのか殆どが外に出ているらしい

 

宛がわれた空間で仕事をしているのも、二本のアホ毛とツインテールが特徴の知り合いの娘くらいしか無い

 

ぶっちゃけエリシア・ヒューズ

 

探し人ヒューズの娘だ・・・今年で十三くらいだったか?

 

 

「エリシアだけか?」

 

「はい、パパはちょっと偉い人とお話に行ってますので」

 

「そうか、なら仕方ないな。ほら、これお土産」

 

「やったー! ケーキぃ!」

 

 

居ないなら仕方ない

 

そのまま帰ろうと引き返すとエリシアに呼び止められる

 

 

「すぐ帰るんですか?」

 

「まぁ」

 

「パパもすぐに帰ってきますので一緒に待ってましょうよ」

 

 

別に先約もない

 

久しぶりにエリシアと話すのも有りかな

 

 

「分かった」

 

「ならこっちです!」

 

 

案内されるがまま、奥の談話室みたいな所に連れていかれコーヒーを出される

 

随分と慣れた手付きだな

 

 

「査察官の人達って当たり前みたいに夜通しの人が多くて・・・コーヒーでも良いですよね?」

 

「問題ないよ」

 

 

別に構わないけど、そう言うのは淹れる前に言う物じゃないだろうか?

 

 

「先生と会うのは久しぶりですね」

 

 

エリシアと俺の初邂逅はヒューズが怪我で前線復帰が出来なくなってからだったけど、ヒューズが自分の足を引き合いに俺にエリシアの家庭教師になれなんて言うもんだから

 

はぁー怪我を引き合いに出すのはずるいと思う

 

 

「そうだね、十日くらい?」

 

「二週間は経ってますよ」

 

「四日・・・誤差の範囲だな」

 

「全然ですよ・・・あはっ全く先生は相変わらずです」

 

 

それにしても何だか少し会わないだけで結構成長しているような気がする

 

前に会った時はもっと身長も小さかったような・・・

 

 

「そう言えば先生?」

 

「ん?」

 

「表に居た白い犬って先生の使い魔ですよね?」

 

「・・・あ」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「ガウウゥ」

 

「ごめんごめん! 忘れてたんじゃないんだって!」

 

 

今にも噛み付きそうなシロを宥める

 

 

「先生、いつのまに使い魔契約なんてしてたんですか?」

 

「ああ、コイツは使い魔として登録しているだけで、別に契約はしてない、普通に魔力持ちの動物なんだよ。魔狼って言ってね」

 

「へぇ~、自然保護に行って居た時に会ったんですね」

 

「そうそう」

 

 

初めて会うがシロは意外と早くエリシアと仲良くなっている

 

まぁ観光区で初めての人と触れ合う機会は多かったし慣れたもんか

 

 

「あはっ、もふもふしてるぅー」

 

「まだ査察官見習いなのか?」

 

「うん、パパが心配性だから~」

 

 

ヒューズの奴。エリシアが折角親のあとを継ぎたいって局入りしたのに過保護な奴だ

 

・・・ふぅフェイトさんと言い、俺の周りの親たちは心配性の過保護ばかりだな




エリシア・ヒューズ、本作設定では大体キャロの上でティアナの下くらいの少女です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。