前回の失敗により爺さんから貰った俺の転生特典が判明した
それは全部で六つ
説明は面倒なので簡略化させてもらう
一つ、万物は全て数字で語れり。
これは世界のありとあらゆるモノをステータス化して視覚情報として取り入れれるっぽい
二つ、天は人の下に人を造らず、されど人の上には人を造った。
カリスマ性の向上、良く分からんが生物を纏めるのが上手くなったらしい
三つ、我が後ろに道が有りけり。
他人に教える事がとても上手くなったらしい
四つ、全ての事象を観測する者。
ようは単純に物覚えが良くなったらしい
五つ、若き日の思い出、老い日の勇姿。
何でも年齢操作系の能力らしい、自他ともに可能と
六つ、白紙不明
唯一真っ白のカードで何がしたかったのかサッパリ。もしかしたらこれはハズレくじの可能性あり
総合的に判断して・・・戦闘に使えそうなのが無かった、と言うか爺さんのネーミングセンスにビックリだ
厨二病も真っ青な痛々しさ
まぁジックリ考えれば使えそうなんだろうけど咄嗟に使えるのは皆無だった
「うすひさぁん」
さて現実逃避もこれが限界か
幾ら美が付く女の子でも幼女に手を出しちゃ駄目
幾ら隣に寝ているキャロの寝顔がとても可愛くても人間我慢が大切
「クルゥ？」
「おう、フリードか」
先程からフリードが俺の服を噛んで何かから引き剥がそうとしている
「あふ、ぁん、ふぁ？うすいさん？」
「おはよ、キャロ」
「・・・ちかい」
恐ろしい事に何時の間にかにキャロに抱き着いていた
あれ？？ マジでいつから？？
「ハハハ、ごめんごめん」
「・・・。」
色の無い瞳でキャロはジトーっと俺を見つめる
やめ！ そんな目で美幼女から見られてると何も無くても罪悪感がッ！
「まぁいいです」
「はぁ」
許して貰えたところで朝食
何か食えそうな薬草と木の実。正直肉や魚も欲しいがホームレス生活なのだから文句は言えまい
「マズッ」
体は正直
「がまんしてください」
「キャロは平気なのか？ この味」
「えいようあるんです」
「いや味の話を・・・」
「えいようがあるんです！」
不味いと思ってるんだ
我慢強い子だな、俺も見習わないと
「早く人の住んでる所に出て仕事探さないとなー」
「ですね」
◇◇◇◇◇◇
「止まれ！ 此処は、保護観察区域で関係者外は立ち入り禁止領域だぞ！」
何処からか声がした
俺とキャロは周囲を見渡すけど、誰もいないので空耳として処理
「疲れてるんだろうか」
「そろそろきゅうけいします？」
「キュクル」
その場で休めそうな場所を探し飲み水を取り出す
「って！ 貴様等！ 話を聞け！」
「キャロ、ごめん。俺、ちょっと寝た方が良いかも」
「わたしもです」
「キュクッ！ キュクッ！」
ん？ どしたフリード？
上？
・・・上
人が空を飛んでいる、飛ぶって言うか浮くだなアレは
「キャロ、あれなに？ 知り合い？」
「かんりきょくのかたでは？」
「管理、局？」
何の管理だろう？
「ようやくか、でだ、貴様等そこで何をしている」
「休憩」
「きゅうけいです」
「キュクルゥー」
カチッとスイッチを切り替えるような機械的な音がして視覚情報が変わる
時空管理局自然保護隊 魔導師ランクC 飛行魔法使用中 敵意無し
必要な情報を必要なだけ確認する、でないと表示情報が多過ぎて面倒。全力で見ようと思えば人としての構成情報まで見えてくる
お？ 意外と使える能力の予感だな
「あれだな。動物愛護団体の人だ」
「どうぶつ、あい・・・だんたい？」
キャロには少し難しい単語だったようで途中を省いて発音した
「此処が立ち入り禁止区域と知っているのか」
「知らん」
「へぇ～はつみみです」
「キュー？」
「・・・そうか。此処は立ち入り禁止区域なんだ、なので外に出て欲しい」
「案内を頼む！」
なんだかなーと言った感じで局員の方は此方まで落りてきて道案内をしてくれた
え？ 此処って、就職出来そうな場所が無いの？
およそ1500～2000を目処に書いてます